サムスンは、フラッグシップスマートフォンであるGalaxy SシリーズのうちGalaxy S7より、環境に配慮したパッケージを採用してきた。
そして最新モデルであるGalaxy S21において、パッケージ開発中に発生する炭素量がGalaxy S7と比較して50%に抑えられたことを報告している。
Galaxy S7からS21のパッケージエコ化の流れ

Galaxy S8では、Galaxy S7からパッケージの構造自体はほとんど変更されていない。しかし、アクセサリートレイがプラスチック製から紙製へと変更されたほか、パッケージに内蔵されていたマグネットも廃止された。
さらに、Galaxy S9ではデバイストレイも古紙を原料とするパルプモールド製のトレイに置き換えられている。
Galaxy S10ではパッケージの構造が大幅に見直され、付属のアクセサリーは全て1つのトレイに収められる形に。トレイの素材はこちらもパルプモールド製だ。
さらに、USBコネクタや充電器といったアクセサリが指紋の目立ちにくいマットな質感に変更され、保護フィルムが付属しなくなっていたという。

最新のGalaxy S21シリーズでは、さらに大胆な変更が加えられた。イヤホンや充電器といったアクセサリが付属しなくなったためパッケージは大幅に簡素化され、サイズも非常にコンパクトに。
パッケージの素材も、そのほとんどがダンボール製になっている。
こういった数々の改善を経たことで、Galaxy S21のパッケージはGalaxy S7のパッケージと比較して使用されたプラスチックが4%、紙は58%という数字を達成。パッケージ開発時に発生する炭素量は約50%削減できたとのことだ。
せっかくの素晴らしい取り組みも、プロモーション次第で台無しに
エコなパッケージを開発するという取り組みは、環境に配慮された非常に素晴らしいものだ。
Appleは、環境への配慮という建前でスマートフォンへの充電器の同梱をいち早く取りやめたメーカーのひとつ。それに対して、サムスンがSNSで「充電器が同梱されないこと」を真っ先に煽ったことは記憶にも新しい。
参考【いつもの】サムスン、Appleを煽る。iPhone 12シリーズの充電器別売り・120Hz非対応・5G対応の遅れなどを揶揄
上記記事のように煽るだけ煽った後、結局サムスンもGalaxy S21にて充電器の同梱を取りやめ、そればかりか環境への貢献を語っている。Appleにしろサムスンにしろ、環境保全は本音でもありつつコストダウンの建前でもあり、多くのユーザーがそれを承知のうえで受け入れているはずなので、正直なところあまりよい気分ではない。
筆者はGalaxyもサムスンも大好きだが、時々サムスンのプロモーションの方法に首をかしげることも少なくない。「クスっと笑える皮肉のつもりが実は自分が笑われている」ということのないようにしてほしいものだ。
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