8月11日、サムスンはGalaxy Unpackedを開催し新型の折りたたみスマートフォンGalaxy Z Fold3を発表した。
そこで、本記事では、Galaxy Z Fold3とその前身にあたるGalaxy Z Fold2のスペックを比較し、どういったポイントが進化・改善されたのかをチェックしていく。Galaxy Z Fold2からの買い替えを検討している方や、Galaxy Z Fold3が気になっている方は、ぜひ参考にしていただければと思う。
ディスプレイを比較
まずはメインディスプレイの比較から。「Galaxy Z Fold3」と「Galaxy Z Fold2」は、メインディスプレイにいずれも有機EL(Dynamic AMOLED 2X)パネルを搭載している。
メインディスプレイを開いた際の画面サイズは、両機種共に7.6インチで共通。解像度にも変更はなくどちらも2208×1768ピクセルで、最大120Hzのリフレッシュレートに対応している点も同様だ。
パッと見て判断できる違いは、インカメラの搭載方法。「Galaxy Z Fold2」の画面上にはパンチホールが開けられていたが、「Galaxy Z Fold3」には、Galaxyシリーズで初めて画面内インカメラ「UDC(アンダーディスプレイカメラ)」が採用された。
これにより、パンチホールの違和感が大きく軽減され、広い画面を最大限に活かした表示が可能となった。
Galaxy Z Fold3 | Galaxy Z Fold2 | |
---|---|---|
メインディスプレイサイズ | 7.6インチ(2208×1768) 有機EL(Dynamic AMOLED 2X) |
7.6インチ(2208×1768) 有機EL(Dynamic AMOLED 2X) |
リフレッシュレート | 最大120Hz | 最大120Hz |
本体サイズ | 折りたたみ時: 158.2×67.1×16.0 展開時: 158.2×128.1×6.4mm |
折りたたみ時: 159.2 x 68.0 x 16.8 mm 展開時: 159.2 x 128.2 x 6.9 mm |
重量 | 271g | 282g |
折りたたんだ状態で使用する外側の画面、カバーディスプレイについてもチェックしてみよう。
「Galazy Z Fold3」のカバーディスプレイは、6.2インチ。「Galaxy Z Fold2」のカバーディスプレイも6.2インチなので、サイズに変化はない。しかし、解像度は2260×816 ⇒ 2268×832と、ほんのわずかではあるが向上している。
また、「Galaxy Z Fold2」のカバーディスプレイのリフレッシュレートは最大60Hz止まりだったが、「Galaxy Z Fold3」では最大120Hzに設定できるようになった。この点は、明確に進化したポイントだと言える。
カメラを比較
続いてはカメラについて。
「Galaxy Z Fold3」と「Galaxy Z Fold2」のカメラには、率直に述べるとほとんど差はないように見える。採用されているイメージセンサーなど、細かなパーツ単位では更新されている可能性があるものの、解像度や絞り値といった一般的に注目される部分に関してはほぼ共通している。
両機種ともメインの広角カメラに超広角と望遠を加えたトリプルカメラを搭載し、ペリスコープカメラやマクロカメラの搭載はなし。望遠カメラの倍率も光学2倍・デジタルズーム10倍で共通している。
Galaxy Z Fold3 | Galaxy Z Fold2 | |
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超広角 | 12MP / F2.2 | 12MP / F2.2 |
広角 | 12MP / F1.8 / OIS | 12MP / F1.8 / OIS |
望遠 | 12MP / F2.4 / OIS / 光学2倍 | 12MP / F2.4 / OIS / 光学2倍 |
プロセッサー・メモリ・ストレージを比較
プロセッサーは、「Galaxy Z Fold2」がSnapdragon 865+であるのに対して「Galaxy Z Fold3」はSnapdragon 888。
クアルコムは既にSnapdragon 888の上位モデルであるSnapdragon 888+を発表しているものの、「Galaxy Z Fold3」には採用されていない。
Galaxy Z Fold3 | Galaxy Z Fold2 | |
---|---|---|
プロセッサー | Snapdragon 888 | Snapdragon 865+ |
メモリ | 12GB | 12GB |
ストレージ | 256GB / 512GB | 256GB / 512GB |
microSDカード | 非対応 | 非対応 |
バッテリー | 4400mAh | 4500mAh |
メモリとストレージの容量については変更はなし。microSDカードも先代から引き続き「Galaxy Z Fold3」では使用できないので、ストレージが物足りなければクラウドを有効活用するといいだろう。
また、「Galaxy Z Fold3」のバッテリー容量は、「Galaxy Z Fold2」の4500mAhから僅かに減少して4400mAhとなった。バッテリー持ちにはさほど影響はないと思われるが、気になる方はバッテリー持ちに関する報告を待ってから購入した方がいいかもしれない。
なお、「Galaxy Z Fold3」は有線の場合最大25W、ワイヤレスの場合は最大10Wの急速充電に対応している。最大4.5Wのワイヤレスバッテリー共有(旧称:ワイヤレスパワーシェア)も利用可能だ。
Sペンと防水
「Galaxy Z Fold3」は、待望のSペンによる手書き操作と防水に対応した。どちらも「Galaxy Z Fold2」では非対応だったので、明確に進化したポイントだ。
Galaxy Z Fold3 | Galaxy Z Fold2 | |
---|---|---|
Sペン | 対応(S Pen Pro or S Pen Fold Edition限定) | 非対応 |
防水 | IPX8 | 非対応 |
「Galaxy Z Fold3」で使用できるSペンは、Galaxy S21 Ultraにも対応したS Pen Proのほか、S Pen Fold Editionと呼ばれるFoldシリーズ専用モデル。どちらも本体には同梱されず、別売りとなる。
「Galaxy Z Fold3」にはGalaxy NoteシリーズのようなSペン収納スロットが存在しないため、Sペンを一緒に持ち運ぶには専用のケースも必要だ。
また、当初生活防水程度と予想もされていた防水性能は、IPX8に準拠しており、Galaxy SシリーズやGalaxy Noteシリーズに匹敵する性能。水深1.5mに約30分間沈めていても耐えられるとのことだ。
カラーバリエーションを比較
「Galaxy Z Fold3」のカラーバリエーションは、ファントムブラック・ファントムグリーン・ファントムシルバーの3色。
一方、「Galaxy Z Fold2」の発表時点でのカラーバリエーションは、ミスティックブラックとミスティックブロンズの2色。カラーの種類はZ Fold2の方が少ないものの、一部のヒンジのカラーを選択できるオプションが用意されていたため、一概には比較できない。
価格を比較
Galaxy Z Fold3 | Galaxy Z Fold2 | |
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価格 | 1,799.99ドル(約19万9千円) | 1,999ユーロ(約253,000円) |
「Galaxy Z Fold3」と「Galaxy Z Fold2」の発表時点での価格は、上記の表の通り。サムスンは、2021年の折りたたみスマートフォンの価格を抑えることを宣言しており、実際宣言通りに低価格化が実現されたとも思う。
しかし、元の価格がスマートフォンとしては突き抜けすぎていたためか、個人的にはまだまだ高いと感じる。同時に発表されたGalaxy Z Flip3の価格はこなれてきたので、今後の更なる低価格化に期待したいところだ。
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