MAMORIO株式会社さんから、スマートフォンとBluetooth連携することで落とし物を防止する小型IoTデバイスMAMORIOのサンプルをレビュー用に提供して頂きました。MAMORIOのことはクラウドファンディングで出資を募っていた時から何となく気になってはいましたが、最初はiOSのみの対応であったことから食指が動かず。しかし2016年にはAndroid用アプリをリリースしていたようで、さらにいつの間にやら発売開始から1年が経過していました。短期間で多くのアイディアが生まれては消えていくクラウドファンディングにおける成功例としても注目のMAMORIO。鍵やメモリースティックなどの小物を頻繁に紛失しそうになる私の強い味方になってくれるのかどうか、しばらく使ってみました。
開封&初期設定。MAMORIOをアプリに登録
ほぼ名刺サイズの箱を開封していきます。
内容物。MAMORIO本体、説明書、ステッカーが入っています。MAMORIOが想像以上に小さいことに驚きです。
一般的な名刺とのサイズ比較。いかに小さいかわかっていただけるでしょうか。入手したらすぐ何かに取り付けないとMAMORIO自体を紛失してしまいそうです。
キーリングに取り付けてみたところ。MAMORIOを付けいていることが気になることは全くなくむしろほとんど存在感がありません。
冒頭でも触れたように現在アプリはiOS / Androidの両方に用意されていてもちろん無料。早速インストールします。
アプリを起動したらまずはログインか新規アカウント作成。アカウントはメールアドレスと任意のパスワードを入力することですぐに作成可能。このアカウントでログインすることによって以後機種変更した場合や複数端末を所持している場合でも登録済みのMAMORIOを全ての端末で共有することができます。
アカウントを作成したらMAMORIOを登録します。「新しいMAMORIOを登録」をタップすると画面上にMAMORIOを置くように促されますが、実際にはそばに置いておくだけでOKです。登録に成功すると次はカテゴリー選択の画面へ。鍵や財布などの貴重品はあらかじめ用意されていますが、それ以外の物に着けたい場合は「その他から」自分でカテゴリを作ってしまうことも可能。その後MAMORIOを付けた物を撮影し、名前(今回の場合は「財布」など)とプッシュ通知を許可するかどうかを選択してMAMORIOの登録は完了です。登録したMAMORIOは名前と写真と共に一覧表示されます。
初期設定の一連の流れは特に難しいことはありませんが、画面上にMAMORIOを置くように指示が出ている段階でそばにMAMORIOが二つ以上あるとペアリングがうまくいかず、上の画像のように自分以外のMAMORIOと判断されてしまうので注意が必要。複数のMAMORIOを同時購入した場合にハマる可能性があります。
ちなみに今回私が提供してもらったMAMORIO達は旧型パッケージ版とのことで、現在流通している新型パッケージ版にはMAMORIOに初回起動用に絶縁シートを引き抜く加工が追加されているとのことでした。この絶縁シートを引き抜く前であれば複数のMAMORIOがそばにあってもうまくペアリングできるはずなので安心して同時購入できそうです。
「なくすを、なくす。」の実力をチェック
鍵と財布に一つずつMAMORIOタグを付けた状態ではアプリでこのように表示されます。
「数秒前」との表示からわかるように、かなり短いスパンでタグの所在を監視してくれています。さらにチェックしたい物をタップすることでタグの所在をGoogleマップ上で確認可能。
試しに財布を失くしてみました。するとすぐに「財布は手元にありますか」の通知がスマートフォンに届きます。
この通知のタイミングもある程度自由にカスタマイズできます。私の場合は財布を入れた鞄を置いたまま短時間に部屋を出入りすることが多いためゆっくりに設定。こうすることでトイレに立つたびに通知が来てしまうなんてことがなくなります。自分の生活スタイルに合った設定ができるのは嬉しいポイントですね。
他の落とし物タグにはないMAMORIOの特徴が、クラウドトラッキング機能と呼ばれるMAMORIOアプリユーザー同士で協力して落し物を探す機能。自分がタグを落としてしまった場合にアプリから「みんなで探す」をONにすると、他のMAMORIOアプリをインストールしているユーザーがそのタグのそばを通ると検知してくれます。検知した位置情報は自分以外の第三者には伝わらないので横取りされる心配もありません。
MAMORIOアプリにはログインせずに「捜査協力モードで使用する」という選択肢が用意されています。これはその名の通りタグは登録せず自分が歩き回ることで他の人のタグを見つけるだけというモード。タグを買わずにアプリだけインストールしてこのモードで使用する人はなかなかいないとは思いますがおもしろい機能ではありますね。試しにZenFone Zoomをこの「捜査協力モード」で使用し財布と関連付けたタグを見つけさせてみました。別の端末のログインしている方のアプリでは「誰かが見つけました」という報告と共にしっかりと位置情報も確認可能。
今度は逆にスマートフォンは全て家に置いておきみんなで探すをONにしたタグだけを持ってしばらく外出。スマートフォンと離れたことで紛失した状態にしたタグを街で誰かが見つけてくれるのを期待していたのですが、40分ほど駅周辺をうろついた後帰宅しスマートフォンをチェックしてみても検出はされていませんでした。調査場所が青森県弘前市だったので、仙台などのもう少し都会でやればもっと違う結果だったかもしれません。
ちなみにMAMORIOユーザーがこれまでに通過した範囲は日本の面積の120%まで達しているとのこと。今のところは地域によって差こそありますが、もっともっとユーザーが増えていけば格段に使える機能になりますね。
また、β番ではありますが、PCからもスマホアプリと同様の情報が確認できるようになっています。
気がかりなのはバッテリー
MAMORIOはバッテリー内蔵型で自分でバッテリーの交換はできません。寿命は約1年とされています(今回のサンプルはもう少し短いとのことでした)。そこで気になるのは使用中のバッテリー残量ですが、ここがちょっと気がかりなポイントでした。
MAMORIOアプリ左上のハンバーガーメニューにバッテリー診断があります。バッテリー診断を実行するとチェックしたいMAMORIOタグを画面上に乗せるよう指示があり、しばらくすると診断結果が。しかしその結果は「正常に動作しています」というちょっと曖昧なものでした。MAMORIO公式によるとバッテリー切れの場合はその旨が表示されるようですが、できれば残量が少なくなって来た場合の表示、欲を言えばバッテリーに関する通知も欲しいなというのが正直なところ。バッテリーが切れると通信ができなくなるのでおそらくアプリ側はそれを紛失と判断し紛失したとの通知は来るのだと思いますが、基本的にはつけっぱなしにしてその存在をほとんど意識しなくなるようなデバイスだと思うので、その前に何とか気付く手段が欲しいところです。
スマートウォッチとの相性が抜群
しばらくMAMORIOと共に生活してみて感じたのはスマートウォッチとの相性の良さ。私が普段使っているHUAWEI FITは厳密にはスマートウォッチではないかもしれませんが、とにかく通知を確認できるウェアラブルデバイスとMAMORIOの相性は抜群です。この時期、厚手のコートのポケットにいれたスマートフォンの振動に気付かないということは日常茶飯事。しかし「通知を逃さない」がウリの1つでもあるスマートウォッチであればタグを紛失した場合の通知も確実に受け取ることができ、MAMORIOの力を最大限に引き出してくれます。
MAMORIOは柔軟な設定が可能な通知やクラウドトラッキング機能など魅力が多くありますが、とにかく安心感をもたらしてくれるというのが最大の魅力に感じました。1度財布や鍵などの貴重品を失くした経験があって気を付けようと意気込んでもしばらくすればそんなことは忘れてしまうもの。しかしMAMORIOをぶらさげておけば気を抜いていてもとりあえず何とかなりそうといった具合です。MAMORIO自体、その存在を意識するというよりもいい意味で付けていることを忘れてしまえるので、それを考えるとやはり知らぬ間のバッテリー切れだけが弱点でしょうか。それでも1年弱はほぼ間違いなく使えると思うのであまり神経質にならなくてもいいですかね。
MAMORIOは公式ストアでも買えますがつい先日オープンしたAmazonのスタートアップ向けサービス、Amazon Launchpadでも取り扱われています。新パッケージ版となってからはカラバリが赤・青・黒・灰色の4色に増え、さらにタグ1個を買うともう1つが無料でもらえるチケットも同梱されているため実質半額で購入可能。黒以外の3色は頻繁に在庫がなくなっていましたが現在は復活している様子。個人的にも気に入りましたし、ユーザーが増えればそれだけクラウドトラッキング機能が活用できるのでぜひ多くの人に試してみて欲しい製品です。
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