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【レビュー】ZenBook 3を1ヶ月使ってみて。薄い・軽い・パワフルの三拍子が揃った最強のモバイルノートPC

発売日にゲットしたASUSのZenBook 3を使用し始めて1ヶ月以上が経過しました。初期不良を引いてしまい交換してもらったりといろいろありましたが、ほぼ毎日ZenBook 3を使っている間に良いところ、悪いところが大体見えてきたのでレビューにまとめておきます。ZenBook 3の購入を考えている人のお役に立てれば幸いです。

結論から書きますとZenBook 3、かなり気に入っています。

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とにかく薄い、そして軽い

私がZenBook3を購入した大きな理由はやはり圧倒的な持ち運びやすさです。11.9mmという厚さは数値だけではピンとこないかもしれませんが、実際にカバンに放り込んでみるとそのスリムさが感じられるでしょう。画面を閉じるとキーボード側にぴったりと合わさり完全に段差がなくなることからもいかにこのスリムさを追及してきたのかがよくわかります。zenbook3はとにかく薄い一般的な大学ノートと比較してみても約2冊分程度の厚みしかなく、カバンにスッと収まるのが非常に気持ちがいいです。1Kgを切っている重量も魅力的で、持ち歩くことが憂鬱にならないPCだと感じました。

これだけ薄いと剛性に不安がありますが、使ってみた感じはかなり頑丈な印象です。筐体にはマグネシウム合金が採用されているようで、初めて手に取ったときは鉄板かと思うような質感です。軽くひねってみてもビクともせずタイピング時にたわむようなこともありませんでした。ただし固い分落下などの衝撃にはおそらく耐性が無さそうに見えるので、Let’s NoteやThinkPadのような丈夫さではないと言えます。

賛否両論。個性的なデザイン

シルバーとピンクのカラバリがありますが一応ZenBook 3のメインストリームはロイヤルブルーと名付けられたこの深いブルー。ノートPCにおいてはまず見かけなかった独特のカラーでさらに縁取りがゴールドということで、天板のスピン加工も含めなかなかに独自路線を突き進んでいる感じがあります。開いたときに目に飛び込んでくる一面に敷き詰められたキーボードや、ヒンジからの排熱機構によるスリットが見えない工夫など随所にデザインに対するこだわりが見て取れます。まさに個性的といった見た目になっているのですが、ビジネス的な用途まで考えている場合はもしかしたら派手に見えてしまう可能性ももちろん否めませんし、ゴールドの縁がちょっと・・・という人が結構周囲にいたので人を選ぶデザインではあるかもしれません。

モバイルマシンには十分すぎる処理性能

私が購入したのはCore i5、メモリ8GB、SSD 256GBのモデル。CPUは最新の第7世代Kaby Lakeです。この手の薄型マシンにはCore Mでファンレス化というパターンが多いですが、約3mmの極薄冷却ファンを搭載したことでよりハイパフォーマンスなCore i5/ i7を搭載できています。

自分はEvernoteでの作業が多く、Sublime Text3でノートやレポートの下書きを作りポストしたり、直接アプリやブラウザからEvernote内のノートを編集していますが、今まではもたつくことが度々あったこの作業がストレスなくできています。
zenbook3でraw現像

写真や画像の編集も快適で、数百枚同時などでなければRAW現像も現実的な時間でできています。ChromeやVivaldiなどでタブを複数開きながらの編集や現像も、ファンが回転はしますが比較的サクサク可能でした。また、ゲームや動画編集でGPUを長時間フルに動かしていると、クロックを低下させている場面がありました。これだけの薄型となると放熱が間に合わないのはある意味仕方のないことですので、動画編集や3Dゲームなどをメインに動かさないのであれば全く問題はないと思います。画像や動画の編集中などは頻繁にファンが回り、底面の右側辺りが熱を持ち始めます。キーボード側はほんのり暖かくなる程度ですが、膝の上での作業の場合は熱が気になることもあると思います。

動画編集やRAW現像の際にネックになるのがストレージが256GBであるという点。i7/512GBモデルでも写真や動画をガンガン取り込むには心許ない容量ですのでクラウドなどを賢く使っていきたいところ。私はASUS製品を買った際についてきたGoogleドライブ2年間100GBのクーポンがあったためRAW形式の写真ファイルはそこに突っ込んでいます。プライム会員限定にはなりますがAmazonプライムフォトであればRAWファイルも無制限に保存しておけるので活用できそうです。

基本的に、ZenBook 3を使用中にパワー不足を感じることはほぼありませんでした。コーディングはもちろんのこと、Adobe系のソフトもi5モデルで十分動かすことができるのでクリエイターのサブ機としてもおススメできます。これだけの薄型筐体でモバイルマシンとして位置づけされているZenBook 3ですが、動画編集やゲームなどがメインではないブロガーなどにとってはメインマシンとしても十分使っていけそうなパワフルさを備えていると言っていいでしょう。

一番の弱点はキーボード

zenbook 3のキーボードZenBook 3を癖のあるマシンにしている最大の要因はキーボードだと思います。発表時からその浅いキーストロークにがっかりした人も多かったようですが、使ってみるとキーピッチの方に違和感がありました。フルサイズと呼ばれる一般的なデスクトップ用のキーボードのキーピッチは18.5mm~19mm程度ですが、ZenBook 3は19.8mmもあります。ファーストインプレッションではエンターキーが狭いと表現しましたが、実際はこの広すぎるキーピッチのために横方向が長くエンターキーまでが遠いのだとわかりました。さらにスペースキーがキー2つ分しかない短さのため自然と手が中央に寄ってしまうこともあるのだと思います。USBポートなどを廃止したことからキーボードを幅いっぱいに設けることができるとの考えの下でこのような形になったのだと思いますが、ディスプレイが16:9のため筐体そのものが横長になっており、見た目のインパクトはあるもののどこか違和感の拭えない出来になっています。

1ヶ月も使っていると慣れてきて、今では普通にタイピングができていますが最初はかなり違和感があると思います。見た目はスタイリッシュでバックライトなどもかっこいいのですが、かなり癖が強いので一度実機を触ってみることを強くオススメします。

タッチパッドと指紋センサー

キーボードとは打って変わって快適だったのがタッチパッド。モバイルノートにしては十分な大きさが確保され、ガラス製の表面の滑りも気持ち良いくらいです。個人的にはMacBookのトラックパッドにも張り合えるのではないかと思うくらいなのですが、だからこそ指紋センサーの位置が非常に惜しい。指紋センサーの部分は当然ながらタッチパッドとしては機能しません。せっかく快適なんだから全面使わせてくれというのが正直なところ。

指紋センサーはWindows Helloに対応し精度・速度共に良好。一部反応が悪いとのレビューも見かけましたが、自分の場合は現在使用している個体と交換前の初期不良の個体のどちらの場合もそのようなことは一切なしでした。Surface Pro 4で味わった顔認証ほどの衝撃ではないですが、一瞬でサインインできるのはやはり便利でこれに慣れてしまうとWindows HelloのないPCには戻れなくなります。次期モデルでは顔認証にも対応してくれたら嬉しいですね。

ディスプレイ。非光沢の選択肢が欲しい

ZenBook 3のディスプレイは1,920×1,080ドットの12.5インチ。この価格ならもう少し高解像度がよかったとの意見もありましたが、バッテリー持ちや12.5インチでは字が小さくて結局スケーリングして使うことになると考えるとこれで十分だと思っています。

気になったのは解像度よりもディスプレイの縦横比。16:9の縦横比では縦が非常に狭く感じてしまいます。以前Surface Pro 4をお借りして使っていた時に3:2の縦の表示領域の広さがすっかり気にいってしまったので余計にそう感じてしまうのですが、ここはちょっと不満なポイント。

ディスプレイの品質自体はかなり高く、画面全体がGorilla Glass 4に覆われていて強度を確保しつつベゼル部分も含め段差が無くなっているのはスマートで、視野角は170°と広くどの角度から見ても綺麗に発色しています。

Zenbook 3 splendidASUSのスマートフォンやタブレットでもおなじみのSplendidによって好みの色温度に変更することも可能で、撮影した写真や動画を見るのにもぴったりです。ブルーライト軽減の設定も備わっているので、長時間の作業時に重宝しています。

美しい反面光沢液晶のため映り込みは結構激しく、私は購入早々にアンチグレアのフィルムを張り付けてしまいました。選択肢として非光沢のモデルがあるのが理想ではあるのですが一応フィルムで対処できるのでまあいいかなと。フィルム貼り付け後でも十分に綺麗なので、反射が気になる人はお試しあれ。

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迫力のクアッドスピーカー

ZenBook3 スピーカーHarman Kardonと共同開発したというスピーカーは、薄型のノートPCとは思えないくらいの迫力があり、いったいどこからそんなに音が出るんだとに感じるほど。どこかの音が特に強調されているというよりは満遍なくバランスのとれた良質な音で、ファーストインプレッションで伝えたようにボリュームを上げても音割れすることなく気持ちよく音が伸びていきます。モバイルノートにそんなスピーカーは宝の持ち腐れになるのでは?とも思っていましたがすっかり動画視聴の際にお世話になっています。画面の綺麗さとも相まって動画再生マシンとしてもなかなか優秀です。

拡張性について

ZenBook 3は12インチMacBookと同じくイヤホンジャックと充電を兼ねたUSB Type-Cポートのみとインターフェースは割り切られています。しかし個人的には今のところ全然不便さは感じていません。データのやり取りはメールやクラウドで事足りますし、快適なタッチパッドのおかげでマウスをつなぐ必要もありません。一応付属品にUSB3.0、HDMI、USB Type-Cが同時に使えるミニドックが同梱されていますのでどうしてもという時にも困ることはないでしょう。

拡張性を思い切って切り捨てキーボードを幅一杯まで広げるのと引き換えにこのスリムなボディを手に入れている、薄さ最優先のモデルなのでこれに納得した人が手にするべきともいえます。Wi-Fi連携やBluetoothが広まった今、USB端子って意外と無くても何とかなるものです。

ミニドックを使ってみて

付属品のミニドックもせっかくなので使ってみました。USBメモリを1つ接続してみたところ認識に問題はありませんでしたが、すぐにドック本体が少し温かくなりました。しかし充電しつつHDMI端子に外部モニターを繋ぎさらにUSBメモリも接続してみても、USBメモリだけの時よりは温度は上がったように感じましたが危険に感じるほどでは無かったので長時間全て繋ぎっぱなしなどでない限り十分に使っていけそうです。

一方でミニドックを使用しても増えるポートはUSB3.0、HDMIのみであり、別途リーダーが無ければSDカードを読み取れないのは惜しいところ。写真好きのユーザーにとってはそれだけで選択肢から外れてしまうこともあるでしょう。

付属のスリーブケースのお得感

最近はイヤホンやモバイルバッテリーを買うと当然のようにケースやポーチが付属してきますが、なんとZenBook 3にも専用のスリーブケースが付属してきます。ASUSのノートPCでは定番なことらしいのですが、その品質が意外と良くて驚きました。dsc0109.jpg内側はクッション素材になっていてZenBook 3をしっかり保護でき、表面も柔らかい手触りで気持ちがよいです。蓋にあたる部分にはマグネットが入っていてピッタリ閉じてくれるのもポイント。PC用じゃない普通のカバンに入れて持ち歩きたい場合に重宝します。

バッテリー性能。モバイルバッテリーからの充電も

Zenbook 3とモバイルバッテリー公称バッテリ駆動時間は約8.7時間となっており、1日使うには十分だと思います。BBenchでWeb巡回とキーストローク出力をオンにして数回計測してみたところ結果は約8.3~8.5時間とほぼ公称値通りでしたし、実際に使ってみても特に足りないとは感じていません。12インチMacBookの時もそうでしたがこれだけの薄型筐体によくこんなにバッテリーを積めたなと思うくらいで、持ち運びマシンとしては非常に魅力的な部分です。

USB PD(Power Delivery)規格に対応したモバイルバッテリーとType-C to Type-Cのケーブルがあればそれらで充電できてしまうのも魅力的なポイント。ACアダプタを持ち歩いて電源を探す必要がなくなるのは大きいですよね。ASUSからもZenPower MaxというPD対応のモバイルバッテリーが出ていますし、数は少ないですが他にも対応のモバイルバッテリーがあるのでそれでも問題なし。実際にRAVPowerのPD対応モバイルバッテリーでの充電を確認しています。

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1つわがままを言うとバッテリー管理のソフトなどが欲しかったところではあります。カフェや図書館など電源の確保できる場所では充電しながらZenBook 3を使う機会は頻繁にあるので一定の基準で過充電をセーブしてくれる機能などはあるとよかったと思いますね。

まとめ

ZenBook 3は最高の携帯性と妥協しないスペック・パワフルさを兼ね備えたハイクオリティなマシンである、というのが率直な感想。惜しむらくは全体的に横長なボディそのもので、ディスプレイの縦の狭さはやはり使っていてもうちょっと欲しいなと思うことが頻繁にあります。キーボードの違和感についてですが、そこはある意味薄型ノートPCの宿命と言え、尚且つ新しいPCにするときに必ずもう一度慣れなきゃいけないところでもあります。時間が解決してくれる部分でもあるので実機を触ってみてどこまで許せるかでしょう。

拡張性については上でも述べたようにこれで良いと思っていますが、唯一SIMカードスロットだけはあったら嬉しいなと感じました。薄さやバッテリーなど問題は多くあると思いますが、これだけ手軽に連れ出せるPCでテザリングの必要までなくなればより柔軟な使い方ができそうです。しかしビジネスシーンなどを想定した場合、もし頻繁にUSB端子が必要になるのなら無理してドックを使うよりは素直に拡張性に優れたマシンを選ぶべきでしょう。この拡張性の少なさをシンプルだと捉えるか不便だと捉えるかがZenBook 3に向いているかどうかの一つの目安になるはずです。ここを許せる人はぜひ一度検討してみて欲しいです。

私は予約して発売日に購入したので定価の15万円でしたが、現在Amazonを見てみるとi5モデルが129,800円になっていました。i7モデルも172,080円となっていて、発売1ヶ月で既に少しづつ値下がりしているようです。 モバイルノートが欲しい方はぜひチェックしてみることをおススメします。

とにかく突き抜けたその薄さにcore i5/i7を搭載し、1kgを切る軽さのZenBook 3はまさにウルトラブックの完成系。モバイル性とパフォーマンスのバランスの良さが高レベルで実現しているこのマシンはあなたの生活を間違いなく変えてくれるはずです。

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ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

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