中華スマートフォンメーカーElephoneの三辺ベゼルレススマートフォンElephone S8を購入したのでレビューしていきます。昨年のElephone S7では特徴的なギラギラとしたグリーンがカラバリに加わっており、完全に色だけに惹かれて注文するも結局在庫がなくキャンセルに。S8でも特徴的なカラバリを期待していたところに少し遅れてレッドモデルが追加されたため、普段はあまり中華端末には手を出さないのですが赤色が好きなことと昨年のリベンジ的な意味を込めて購入してみました。
Elephone S8開封フォトレビュー
今回は中国のガジェット系ECサイトGearBestで購入してみました。海外通販らしい簡素なパッケージです。
中にはさらにビニールで包まれた箱と日本仕様のコンセントへの変換プラグが入っていました。変換プラグは特に何か包装されていたわけではなく直に入っていたのにはちょっと驚き。おまけで入れてくれているのでしょうが、傷や汚れが目立っていたため使うことはなさそうです。
ビニールを剥ぎ取って箱がお目見え。近年のスマートフォンはパッケージにも力を入れており、Elephone S8が少なからず影響を受けていると思われるXiaomiのMi Mix2やGalaxy S8も高級感漂う化粧箱を採用していますがさすがにElephone S8は価格なりで、コストダウンを考えた必要最低限の質感。それでも端末がユーザーに届くまでの入れ物としては十分です。
ちなみに今回GearBestで購入したElephone S8はシンガポールを経由して日本に届きました。長旅だったためもっと箱がつぶれた状態で届くことも覚悟していましたが、目立った傷はこの写真ぐらいでしたので一安心。海外通販は本当に届くまでドキドキです。
箱を開けるとすぐに本体。
内容物一覧。充電用のケーブル&ACアダプタ、マニュアル、ケース、SIMピン、そしてType-Cからイヤホンジャックへの変換ケーブルです。
充電用のケーブルは独特の鮮やかなブルーのカラー。本体色に合わせた色であるといくつかのレビューで見かけましたが、ケーブルは私の購入したレッド含め全てのカラバリでこのブルーで統一されていると思われます。
本体を取り出してみたところ。ディスプレイには保護フィルムが装着済みです。Mi Mixライクな3辺狭額縁デザインは画面オフの状態でもかなりインパクトがありますね。
背面。ギラギラと輝く深いレッドが所有欲を存分に満たしてくれます。カメラが大きく出っ張ているのは残念。
上部にはアンテナライン。
充電ポートはType-C。特別に薄い端末ではないのですが、イヤホンジャックが排除されてしまっているのは賛否両論といったところでしょうか。個人的にはまだまだ必要かなと思っています。ちなみにスピーカーは右側のみから音が聞こえました。
左サイドにはSIMスロット、右サイドには上から音量ボタンと電源ボタン。電源ボタンの方には格子状のパターンが入っており指先で軽く触れるだけで音量ボタンとの判別ができるように工夫がされています。
SIMトレイも赤く塗装されていました。トレイの形状からわかるようにMicroSDカードを挿入することはできないのでストレージの拡張はクラウドに頼るほかなさそうです。
HUAWEIのhonorシリーズほどのギラギラ感ではありませんが、角度によって表情を変える背面のデザインは毒々しくも美しくレッドというカラーをより引き立てています。また指紋が目立つのは言うまでもありませんが、見た目に反して手に持った時の質感がちょっとイマイチで、背面は恐らくガラスだと思うのですが、材質や処理の影響なのか安っぽく感じてしまいました。
真っ赤な夕日を真っ赤なElphone S8に当ててみます。複雑に変化する反射光や景色を赤く染め上げて跳ね返す様は実にクールで見ていて飽きが来ません。
スペック
ここでElephone S8の主なスペックをチェックしておきます。
- OS : Android 7.1
- SoC : Helio X25
- ディスプレイ : 6型 2560×1440
- メモリ : 4GB
- ストレージ : 64GB(MicroSD非対応)
- カメラ : 21M(インカメラ8MP)
- バッテリー : 4000mAh
Helio X25は記憶では2016年中頃の中華スマホに多く搭載されており、SnapDragonシリーズの800番台には差を付けられていたものの600番台には勝るGPU性能を有しています。
MicroSDに非対応なためストレージを増やす手段が限られてしまうのが弱点ですが、日本でElphone S8をメインに据えるよう人は恐らく少ないと思われるので日本人としてはあまり気になる部分ではありません。
ちなみに対応バンドは少なく、
- GSM: 850/900/1800/1900MHz
- WCDMA: B1/B8
- FDD-LTE: B1/B3/B7/B20
- TDD-LTE: B38/B40
となっておりいずれにせよ日本での本格的な運用は難しそうです。
初回起動直後のAntutuベンチマーク結果は82641。あくまでも参考までに。
起動。3Dも意外とイケル
初回起動時の言語選択で日本語が用意されています。Elephoneのスマートフォンでは最初から日本語が使える機種が多いみたいですね。
プリインストールアプリ一覧がこちら。不要なアプリがズラッと並ぶこともなく非常にスッキリしていて好感が持てますね。
Mi Mix急激に数が増えた三辺ベゼルレスデザインはやはり画面を広々と使えて気持ちが良いです。少しブラウジングしただけでもベゼルの太いスマートフォンを使うと違和感があるくらいにはインパクトがあります。
6インチというファブレットサイズの大画面を活かすにはやはり動画視聴。今の流行は18:9の縦長ディスプレイですが、Elephoneは従来通りの16:9のまま。しかしそのおかげでYouTubeの動画をトリミングすることなく画面いっぱいに表示させることが可能で、ベゼルレスかつ高解像度な大画面を持てあますことなく活躍させることができます。その他電子書籍や画面分割なども快適で、総じてコンテンツ消費にはかなり向いているデバイスだと感じます。
また画面分割に関してはAndroid標準の上下または左右に分割する機能の他、Galaxyシリーズ同様アプリごとに個別でウィンドウ化する機能にも対応しており、広いスペース上に好きなだけアプリを配置することが可能になっています。私はGalaxy Note8でこのアプリのウィンドウ化機能をかなりヘビーに使っていたのでかなり嬉しいです。Galaxy同様ウィンドウを最小化して即席のランチャーアプリのように使うことができないのは惜しい点でしたが、物理的にNote8より横幅が広いので視覚的に配置がしやすく結構実用的だと感じています。
搭載しているSoCがMediaTekのためグラフィックはそこまで期待していなかったのですが、私のイメージからは随分と進化しておりゲームもそこそこ動く印象です。周囲でプレイしている人が多かったのでPUBG系ゲームの荒野行動で簡単に動作チェックしてみましたが、ヌルヌルで超快適とまではいかないものの本格的なゲーマーでもない限り十分許容範囲内だと思われる動きで、凄く”普通”にプレイできました。
カメラ
Elephone S8のカメラは21MPと高解像度で、型落ちにはなりますがソニー製のセンサーを使っているらしいです。
こんな感じで撮影モードは豊富。あれこれ選びながら撮るのは楽しいです。
少し撮影してみて感じたのは露出がかなり敏感で、基本的にはちょっと暗めに撮れてしまい手動で明るく撮ろうとするとすぐに白飛びしてしまうといった扱いにくさ。HDRモードもありますが効いているのか微妙な感じでこの辺りは価格相応ではありますがやはり中華スマホの域から抜け切れていないなと少し偏見的な目で見てしまう部分です。しかしそれでも日の出ている明るいところでは十分きれいに撮影できますし、日常をちょっと切り取ってSNSに投稿する分には十分といったところでしょうか。
ちなみにインカメラはベゼルレスのため上部にスペースがない影響で本体右下についており、インカメラに切り替えると”端末をひっくり返して”という案内が表示されます。セルフィーを重視する人にはあまり向かないかもしれませんね。
指紋センサー兼ホームボタンは癖が強い
ディスプレイした中央に配置されている指紋センサー。精度も感度も良好で認識は早いですし位置的なアドバンテージが大きく影響していますがGalaxy Note8より使いやすいといってもいいくらいよくできています。この指紋センサーはタッチ式のセンサーとしてホームボタンとしての機能があるのですが、1回タップで戻るボタン、2回タップでホームボタン、長押しでタスクボタンという役割が振り分けられており、これが少々やっかいでした。おそらく一般的には1回タップでホームボタンの機能となるのがしっくりくるはずで、今見ているページのまま一旦ホームに戻ろうとセンサーに触れると意図せずに前の画面に戻ってしまうということがしばしばありました。対策として上の写真のように通常のナビゲーションバーを表示させることができるのですが、このナビゲーションバー上の戻るボタンも2回タップでホーム、長押しで履歴表示ができてしまうというバグを抱えており、操作をする上で最も頻繫に使う部分のソフトウェアとしては少しばかり雑な印象を抱いてしまいます。
まとめ
完全に見た目だけで購入したElephone S8ですが、Helio X25が思ったよりいい動きをしてくれているのか動作は快適で、バンドの問題こそありますが3万円前後という価格帯では選択肢として十分に考えてもいいレベルです。レッドの他ブラック、ブルーのカラバリがあり、ブラックかブルーのどちらかであれば約26000円とレッドより多少安い価格で購入できてしまうのはかなり魅力的だと思います。どのカラーでも背面のデザインは同様に楽しめますし、今ではなかなか数の少ない希少なレッドもそれだけで買う理由になるくらいのかっこよさを持っていました。
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