2024年7月、サムスンのスマートウォッチGalaxy Watchシリーズに新モデル、Galaxy Watch7とGalaxy Watch Ultraが登場した。
そこで生まれるのは、果たして各Galaxy Watchの性能差は一体どのくらいあるのだろうか?どのモデルを買えばいいのだろうか?という疑問。
そこで本記事では、今まで登場してきたGalaxy Watchシリーズのうち7機種の実機を使用し、スペックや仕様、実機を使って分かった電池持ちや性能などを比較した。Galaxy Watchシリーズの購入を検討している方は、ぜひ参考にしていただきたい。
- Galaxy Watch7
- Galaxy Watch6 Classic
- Galaxy Watch5 Pro
- Galaxy Watch4 Classic
- Galaxy Watch3
- Galaxy Watch Active2
- Galaxy Watch(初代)
結論:おすすめのGalaxy Watchは?
「ややこしい話はいいからおすすめのGalaxy Watchだけ教えて!」という方向けに、先に結論を述べておこう。
2024年8月時点で総合的に最もおすすめのモデルは、Galaxy Watch6 Classic。ただし、回転ベゼルとバッテリー共有によるワイヤレス充電が必要ない方には、最新のGalaxy Watch7がおすすめだ。
さらに詳細な比較を求める場合は、ぜひ本記事を読み進めてみてほしい。
最新モデル比較:Galaxy Watch7とWatch6の違いは?
比較項目 | Galaxy Watch7 | Galaxy Watch6 / 6 Classic |
---|---|---|
デザイン | ||
ディスプレイ | 40mm:1.3インチ 44mm:1.5インチ | 6(40mm):1.3インチ 6(44mm):1.5インチ Classic(44mm):1.3インチ Classic(47mm):1.5インチ |
CPU | Exynos W1000(ペンタコア/1.6GHz, 1.5GHz) | Exynos W930(デュアルコア/1.4GHz) |
メモリ/ストレージ | 2/32GB | 2/16GB |
バッテリー容量 | 40mm:300mAh 44mm:425mAh | 6(40mm):300mAh 6(44mm):425mAh Classic(44mm):300mAh Classic(47mm):425mAh |
バッテリー実測値 | 44mm:約42時間 ⇒検証詳細はコチラ | Classic(47mm):約43時間 ⇒検証詳細はコチラ |
Felica | Suica・iD・QUICPay | Suica・iD・QUICPay |
新機能 | ・AGEs指数やエナジースコアなどのヘルスケア系 ・背面センサーの精度向上 ・ジェスチャー機能(ダブルピンチ) | – |
消滅した機能 | ・Galaxyスマホからのワイヤレスバッテリー共有 | – |
最新のGalaxy Watch7とGalaxy Watch6シリーズのスペックや機能の違いをまとめた表がこちら。
ケースサイズや画面サイズ、バッテリー容量とバッテリー持続時間に変化はなく、Felicaも引き続き搭載されているのでSuicaで改札も通れる。
一方、Galaxy Watch7(Galaxy Watch Ultraも含む)には3nmプロセスの新プロセッサーが搭載されており、ハッキリと感じ取れるレベルで動作の滑らかさが改善されている。
タイルの切り替えやパターン認証時の微妙なぎこちなさが解消されており、さらに完成度が高くなったと感じた。
機能面では、新たにAGEs指数の測定に対応した。また、各種センサーの精度も改善されているのでヘルスケア系のデータがより正確に取得できるようになったと謳われているが、実際に違いを感じるほどではない。
逆に消えてしまった機能としては、Galaxyスマホからのワイヤレスバッテリー共有が挙げられる。
本機能は、Galaxy Watch7だけではなくGalaxy Watch Ultraも非対応となった。
筆者は旅行や出張の際にGalaxy Watchを充電するときはこのワイヤレスバッテリー共有機能を活用していたので、正直言ってかなり残念。逆に、ほとんど使用していなかった方にとってはまず気にならない変化だとも思う。
デザインを比較
まずはGalaxy Watchシリーズの外観やデザインを比較していこう。
スマートウォッチながら円形の腕時計らしいデザインを採用している同シリーズだが、個々のモデルを見ていくと意外と細かな違いがあることに気が付く。
サイズや重量を比較
比較項目 | 7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ケースサイズ | 40/44mm | 43 / 47mm | 45mm | 42 / 46mm | 45 / 41mm | 40 / 44mm | 46 / 42mm |
重量 | 28.8/33.8g | 53 / 59g | 46.5g | 46.5 / 52g | 48.2 / 53.8g | 37 / 42g | 49 / 63g |
Galaxy Watchシリーズは、多くのモデルでケースサイズが異なるモデルが展開されている。細身の方や女性はケースサイズの小さいモデルを選ぶなど、自身の手や腕の大きさ・太さに合わせてピッタリなサイズを選ぶといいだろう。
男性でも、ClassicやProの大型モデルはやや大きいと感じるかもしれない。
Gショックのようなゴツい腕時計を使っていた経験があれば、何の抵抗もなく受け入れられるはずだ。
なお、今まで上記の7モデルを使用してきて重量が気になったことはない。
しかし、Galaxy Watch4(回転ベゼル無)の40mmモデルの25.9gは2024年時点でもシリーズ最軽量なので、その点を考慮して検討する価値はあるかもしれない。
ベゼルの有無で選ぶ
比較項目 | 7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
回転ベゼル | × | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | × |
Galaxy Watchシリーズ6モデルのうち、初代Galaxy WatchとGalaxy Watch3、Galaxy Watch4 ClassicとGalaxy Watch6 Classicには回転ベゼルが搭載されている。
クラシカルな腕時計らしいデザインが好みであれば、Galaxy Watch6 Classicが、スポーティな見た目やスッキリとしたデザインが好みであればGalaxy Watch6やGalaxy Watch7が気に入るはずだ。
初代Galaxy WatchやGalaxy Watch3のベゼルは微妙にデザインが異なる。
Galaxy Watch3のベゼルはタキメーター風のメモリが内側にしか描かれておらず、太さもややスリムになっている。
Galaxy Watch5 Proは、シリーズのなかでも異色のベゼル構造を採用している。
フラットなディスプレイに対して、周囲を囲む壁のようにベゼルが盛り上がっている点が特徴。このおかげで、ディスプレイをぶつける心配はかなり軽減される。
ケース素材自体もチタン製で軽量かつ頑丈、そのうえ質感も非常に高い。
また、Galaxy Watch6 Classicはシリーズのなかで最もシンプルかつスリムなベゼルを搭載している。
金属の光沢もあり質感高く、デザイン面ではGalaxy Watch6 Classicが一番まとまりがあるので、個人的ににも気に入っている。
ストラップのサイズと素材、構造で比較
7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
バンド幅 | 20mm | 20mm | 20mm | 20mm | 20 / 22mm | 20mm | 20 / 22mm |
素材 | 波型スポーツバンド | ハイブリッドエコレザー | シリコン | シリコン | レザー | レザー | シリコン |
機種によって付属してくるストラップの種類やカラーも異なるので、選ぶポイントになるだろう。特に、Galaxy Watch5 Proの購入を検討している方は注意して読み進めてほしい
国内で販売されているGalaxy Watchシリーズの場合、初代Galaxy WatchとGalaxy Watch Activeはシリコンストラップ、Galaxy Watch Active2とGalaxy Watch3はレザーストラップ、Galaxy Watch3 Titanがチタン製ストラップとなっている。
Galaxy Watch4とGalaxy Watch4 Classic、Galaxy Watch5とWatch5 Proもシリコンストラップだ。
2023年に発売されたGalaxy Watch6 Classicには、ハイブリッドエコレザーバンドと呼ばれる、表面にレザー風のシボ加工が施されており裏面がシリコンぽい質感のバンドが採用されている。
Galaxy Watch7の付属バンドは素材が明記されていないものの、触った質感は一般的なシリコンバンドで表面が波型に加工されている。
また、全てのGalaxy Watchは、ユーザー自身の手によるストラップの交換に対応している。
モデルによって対応するサイズは異なるものの、市販の腕時計用のストラップがそのまま利用できるので、ストラップの好みで選ぶというよりは、ストラップのサイズ(幅)で選ぶといいかもしれない。
シリーズ全モデルのなかで、Galaxy Watch5 Proのみ注意しなければいけない点がある。
それは、Galaxy Watch5 Pro付属のバンドは180°開かないということ。バンドを開いて置くタイプの充電器やスマホからのリバースチャージなどは、画像のようにほぼ利用できないと考えていい。
もちろん、Galaxyスマホのワイヤレスバッテリー共有や、日本のサムスンが特典として配布したWireless Charger Duoなども利用不可ということになる。
幸い、Galaxy Watch5 Proもほかのモデル同様バンドの交換には対応しており、交換してしまえば置くタイプの充電器も利用できる。
付属の充電器のみを使う予定であれば気にする必要はないが、既にワイヤレス充電器を持っている・スマホからのリバース給電を使いたい場合は、バンドの交換が前提となるので注意が必要だ。
機能を比較
続いては、Galaxy Watchシリーズの機能面を比較してみよう。
通知の確認や返信、睡眠や各種アクティビティのトラッキング、メディアコントロールといったスマートウォッチとしての基本的な機能は全Galaxy Watchで共通しているという認識で問題ない。
決して多いとは言えない機能の差だが、個人的には使い心地に与える影響は大きいと感じる。以下で細かくチェックしていこう。
通話ができるモデルは?
本項目内で初代Galaxy WatchをBluetooth通話非対応として紹介していましたが、比較対象に挙げている機種は全て対応しておりました。
お詫びして訂正いたします。
比較項目 | 7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
回転ベゼル | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Galaxy Watchシリーズは、初代から最新のGalaxy Watch7 / Watch Ultraまで全てのモデルにマイクとスピーカーが搭載されている。そのため、ペアリングしたスマートフォンにかかってきた電話をスマートフォンではなくGalaxy Watchで応答し、通話可能だ。
一見不要そうな機能に見えるかもしれないが、スマートフォンが隣の部屋で充電中だったり電話の内容が短い要件であることがわかりきっている場合、または運転中のハンズフリー通話など、Galaxy Watchでの通話は意外と活躍してくれている。
腕時計で通話をしている姿はどこか未来っぽさが感じられて非常にワクワクするので、ぜひ一度試してみてもらいたい。
回転ベゼル
比較項目 | 7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
回転ベゼル | × | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | × |
デザインの比較でも触れたが、Galaxy Watch3以降は回転ベゼル搭載モデルと非搭載モデルが交互に投入されている。交互なのは意図しているかどうか不明だが……。
回転ベゼルが搭載されていると何がよいのかというと、アイコンの選択や画面のスワイプといった操作が格段に楽になる。
Galaxy Watchシリーズでは、スマートフォンと同じように画面をスワイプすることでウィジェットを切り替えたりスクロールしたりできるが、回転ベゼルをクルクルと回すだけで同じ動作ができるのだ。
アプリアイコンを指でタップするのも、画面が小さいスマートウォッチではストレスを感じる操作だが、回転ベゼルがあるとベゼルを回してアプリを選択し、画面中央をタップするだけで同じ操作が行える。
上記アプリアイコンの操作方法については、Wear OSを搭載したGalaxy Watch4 Classic以降ではできなくなってしまいました。
詳細は本記事の「OSの違い」の項目にて解説しています。
そのほか、タイマー系アプリの数値選択やメディアコントローラーの曲送り(Wear OSでは音量調節)など、回転ベゼルによってさまざまなアプリで直感的な操作が実現している。
ベゼルには適度なクリック感もあり、無意識にクリクリと触りたくなる心地良さ。非搭載モデルには回転ベゼルをソフトウェア的に実現した「タッチベゼル」が実装されているが、さすがに物理的な回転ベゼルの操作感には及ばないと感じる。
もちろん、デザインの好みや使用頻度によっては不要だと感じる方もいるだろう。回転ベゼルの存在は、Galaxy Watchを選ぶうえでは切っても切れない存在なので、じっくりと検討してみてほしい。
ECG(心電図)・血圧測定の有無で比較
比較項目 | 7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
血圧・心電図(ECG) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
Galaxy Watch Active2からGalaxy Watch6 Classicまでの機種は、ECG(心電図)・血圧の測定機能を搭載している。
そのため、もし心電図や血圧測定を利用したいのであれば、必然的にGalaxy Watch Active2以降のモデルからの選択となる。
ただし、法規制の関係上、残念ながら日本にいる限りGalaxy Watchでは正規の手段でECG(心電図)も血圧測定も利用不可。一般的な使い方であれば、比較するうえでの要素としてECG(心電図)と血圧測定は弱いかもしれない。
ただし、やや強引な手法にはなるものの、本来利用できないはずのECG(心電図)と血圧測定を使用できてしまう方法も存在する。詳しい方法は以下の記事で解説しているので、もし興味があれば合わせてチェックしてみてほしい。
参考Galaxy Watch7/6/5/4のECG(心電図)と血圧測定を有効にする方法
参考Galaxy Watch3 / Active2でECG(心電図)や血圧測定を利用する方法【日本でもOK】
ジェスチャーの有無で比較
比較項目 | 7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
血圧・心電図(ECG) | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
Galaxy Watch3以降のGalaxy Watchは、ジェスチャー操作に対応している。
- ダブルピンチ(指先のダブルタップ):着信の応答・通知の解除・アプリの起動・音楽コントロール・写真の撮影など
- 振って解除(手首を2回転):着信拒否やアラーム停止
- トントン(握った拳を2回上下させる):クイック起動
Galax Watch3では、手首を回転させることで着信やアラームの音を消せる操作と、着信時に手の形を「パー ⇒ グー ⇒ パー」の順に変えるとそのまま応答できる操作の2種類が利用できる。
ジェスチャー操作は、Galaxy Watch3ではGalaxy Wearableアプリの「ラボ」内に格納されている実験的な機能だったが、Galaxy Watch4以降では「高度な機能」内に移動。Watch7では標準の機能となっている。
正直なところ回転ベゼルで操作できるClassicシリーズでは優先度があまり高くはないが、試してみたい方はGalaxy Watch4以降のシリーズのいずれかを選ぶといいだろう。
チップセット・メモリ・ストレージを比較
比較項目 | 7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
チップセット | Exynos W1000 | Exynos W930 | Exynos W920 | Exynos W920 | Exynos 9110 | Exynos 9110 | Exynos 9110 |
メモリ | 2GB | 2GB | 1.5GB | 1.5GB | 1GB | 0.75MB | 768MB |
ストレージ | 32GB | 16GB | 16GB | 16GB | 8GB | 4GB | 4GB |
メモリやストレージといったスペックは、2021年登場のGalaxy Watch4およびGalaxy Watch4 Classicにて強化され、さらにGalaxy Watch6シリーズでメモリが、Galaxy Watch7でストレージがテコ入れされた。
Galaxy Watch4およびGalaxy Watch4 Classicからのスペック強化は、Google Play対応による豊富なアプリへの対応を念頭に置いたものと思われる。実際、Google Mapのようなアプリも快適に動作することを確認している。
また、Galaxy Watch7およびGalaxy Watch Ultraで初採用となったチップセットExynos W1000の威力は絶大。Galaxy Watch7の動作の滑らかさは、Watch6シリーズ以前のモデルとは明らかに異なっている。
アプリの起動やタイル切り替えの左右スワイプ、パターン認証など細かいアニメーションの前後に発生するほんのわずかな引っ掛かりが見事に解消されている。
Galaxy Watch6シリーズがカクカクしているとかと言われると全くそんなことはないが、差はハッキリと感じられるレベル。動作の滑らかさを重視したい方にはWatch7またはWatch Ultraがおすすめだ。
ルートワーク・トラックバックの有無
シリーズのなかで唯一、Galaxy Watch UltraとGalaxy Watch5 Proのみルートワーク・トラックバック機能を搭載している。
ルートワークは、「.GPS」形式のファイルでルートのマップを取り込み、Galaxy Watch UltraやGalaxy Watch5 Proにマップを表示させて案内してもらう機能のこと。
トラックバックは、サイクリングやハイキングなどの一部のワークアウトにて、GPSでルートを記録し、記録したそのルートを辿って帰れるように案内する機能だ。
利用できるワークアウトは限られているが、見ての通りマップの表示はスマートフォンと遜色ないレベルで見やすいので、アウトドア系の趣味がある方であれば重宝する機能だと思う。
本機能を使いたいのであれば、Galaxy Watch UltraかGalaxy Watch5 Proを購入しよう。
OSを比較
Galaxy Watch4以降のモデルには、Galaxy Watch3まで搭載されていたTizen OSではなくTizenが統合されたGoogleのWear OSが搭載されている。
Wear OS搭載と聞くと、ガワだけ変えた無個性なスマートウォッチになってしまったのかと不安を感じるかもしれないが、Galaxy Watch4からGalaxy Watch7、Galaxy Watch Ultraにはスマートフォンのように「One UI」が実装されており、限りなく従来のTizenの操作感が再現されているため、安心してほしい。
例えば、回転ベゼルによるスクロールやウィジェット(タイル)の切り替えなどは今まで通り非常に心地よく操作できる。
音楽再生中や通話中のベゼル操作が、従来の曲送りから音量調節に変わるといった細かな変化はあったが、概ね違和感なく操作できると言っていいだろう。
ただし、ホームキーと戻るキーが入れ替えられていたり、アプリの一覧画面がアイコンが円周上に並んだスタイルから上記のようなグリッド表示に変更されてしまったりなど、イマイチ使い勝手がよくない変更があったのも事実だ。
Tizen OS ⇒ Wear OSの変更点は、長くなってしまったので以下の記事にまとめてある。旧モデルからGalaxy Watch4 /Watch4 ClassicまたはGalaxy Watch5 / Watch5 Proへの乗り換えを検討している方にも、ぜひチェックしてもらいたい。
Suica解禁!
2022年9月末から日本におけるGoogle Payの利用が解禁された。当サイトでは、Galaxy Watch4 ClassicおよびGalaxy Watch5 Proでタッチ決済が行えることを確認済みだ。
また、Galaxy Watch6 /Watch6 Classic、Watch7、Watch Ultraの国内版にはFelicaも搭載されている。
これにより、ついにGalaxy WatchでもSuica・QUICPay・iDを利用できるようになったので、Apple Watchやその他のSuica対応スマートウォッチにようやく追いついたと言える。
また、電子決済以外にもFelicaチップそのものを活用してスマートロックの解錠も可能。Galaxy Watchで家の鍵を開ける方法については、以下の記事で詳しく解説している。
参考【解説】Galaxy Watch6で家の鍵・スマートロックを開ける方法
参考エニタイムのキーはWear OSのスマートウォッチ(Galaxy Watch)でも使えるのか?
温度センサー
Galaxy Watchシリーズのうち、Galaxy Watch5以降のモデルには温度センサーが搭載されている。
Galaxy Watch5発表時には有効化されておらずあまり注目されていなかったが、Galaxy Watch6とGalaxy Watch6 Classicの発表にあわせて温度測定アプリがリリースされたことでさまざまな使い方ができるようになった。
基本的には睡眠時の皮膚温度を計測するのに活用されるが、Thermo Checkというアプリをインストールすると食べ物や飲み物などさまざまな「モノ」にGalaxy Watchをかざして表面温度を計測できる。
温度センサーを活用してみたい方は、Galaxy Watch5・6・7およぼUltraシリーズのいずれかを購入しよう。
実際にGalaxy Watch6 Classicで温度計測を試してみた様子は以下の記事で紹介しているので、興味があればチェックしてみてほしい。
サポート期間に注意
OSについてもう1つ抑えていきたいポイントが、サポートの差。
サムスンはGalaxy Watch4 / Watch4 Classicが発表される前の時点、Tizen OSとWear OSの統合が発表されたタイミングで、既存のTizenベースのGalaxy Watchシリーズについては「製品発売後少なくとも3年間のソフトウェアサポートを提供する」とリリースを出している。
つまり、2020年に発売されたGalaxy Watch3は、2023年まではソフトウェアアップデートによる不具合などの対応をしてもらえるということになる。これを短いと考えるか十分だと考えるかは人それぞれだろう。
Galaxy Watch3が発売されたとき、その前年に発売されたGalaxy Watch Active2には翌月に最新の機能がアップデートで実装された。しかし、OSが根本的に変わってしまった現在では、そういった新機能の実装がいつまで・どの程度きめ細かく過去モデルに行われるかは不明だ。
電池持ちを比較
続いては電池持ちを比較してみよう。
まず、筆者が実際に使ったモデルに搭載されているバッテリー容量と実際にバッテリーが持続した時間は以下の表の通りだ。
また、シリーズ最大のバッテリー容量を持つGalaxy Watch5 Proは、充電なしで約60時間は使用できた。
2024年に登場したGalaxy Watch Ultraも5 Pro同様に590mAhのバッテリーを内蔵しているので、ほぼ同等のバッテリー持ちを実現しているのではないかと予想できる。
一応、どのモデルを選んだとしても朝満充電の状態で使い始めて夕方には充電が必要になるということにはならないので、その点は安心していいだろう。
ただし、5 ProやWatch Ultra以外の場合、丸1日充電をしないで過ごすと翌日の朝の時点でバッテリー残量が心許なくなってしまうので、実質1日1回の充電は必要になるかもしれない。
バッテリー重視で選びたいのであれば、Galaxy Watch5 ProまたはGalaxy Watch Ultraの2択だ。
充電器を比較
充電器についてもチェックしていこう。画像は左から順にGalaxy Watch3・Galaxy Watch Active2・初代Galaxy Watchに付属してきた充電器だ。いずれもQi互換ではあるものの出力が小さすぎるため、実質独自規格とほぼ同じ状態になってしまっている。
画像には写っていないが、Galaxy Watch4 Classicに付属の充電器もGalaxy Watch3と同じタイプだった。
Galaxy Watch5 ProやGalaxy Watch6 Classicの充電器は左側。従来よりもわずかに小型化され、ケーブル先のコネクタもUSB Type-Cに変更された。
なお、初代Galaxy Watchのみスタンド型だが実は充電規格も異なっており、初代Galaxy Watchの充電器ではGalaxy Watch Active以降のモデルは充電できない。
一方、Galaxy Watch Active以降の充電規格は統一されており、初代以外の機種全てで充電器を使い回し可能だ。
サムスンは2020年11月に純正のワイヤレス充電パッド「Wireless Charger Trio」を発売した。画像のようにGalaxy Watchシリーズにも対応しているが、初代Galaxy Watchのみ非対応となっている。
実際に初代Galaxy WatchをWireless Charger Trioにセットして試してみたものの、充電はできなかった。
Galaxy Watch5 Proについては、バンドの項目でも触れたように純正バンドを装着した状態ではWireless Charger Trioのようなバンドを開いて置くタイプの充電器は利用できないので注意。
Wireless Charger Trioについては、以下のレビュー記事で詳しく解説しているので参考までに。
関連Wireless Charger Trio レビュー。スマホ・イヤホン・Galaxy Watchシリーズを3台まとめてワイヤレス充電!
ワイヤレスバッテリー共有非対応モデル
Galaxy Watchシリーズは、一部のGalaxyスマホに搭載されているワイヤレス給電機能「ワイヤレスバッテリー共有」に対応していた。
これにより、スマホの背面にWatchを乗せるだけで充電できたので外出時に持ち歩く充電器を減らすことができた。
しかし、Galaxy Watch7とGalaxy Watch Ultraは、センサーの精度向上に伴い背面ガラスの形状が変更されており、同機能に非対応となってしまった。
詳細Galaxy Watch Ultraと Watch7 のワイヤレス充電とワイヤレスバッテリー共有機能について-サムスン公式サイト
もし、ワイヤレスバッテリー共有を重宝していたのであれば購入には注意が必要だ。ちなみに、筆者は同機能をかなり活用していたのでGalaxy Watch7をスタメンから外している。
カラーバリエーションを比較
各モデルのカラーラインナップは以下の通り。
7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
カラー | ・グリーン ・クリーム ・シルバー | ・ブラック ・シルバー ・グラファイト ・シルバー ・ゴールド | ・ブラックチタニウム ・グレーチタニウム ・グラファイト ・シルバー ・ピンクゴールド ・サファイア | ・ブラック ・シルバー ・ピンクゴールド ・ローズゴールド ・グリーン | ・ブラック ・ブラック(チタン) ・ブロンズ ・シルバー | ・ブラック ・ゴールド ・シルバー | ・ブラック ・ゴールド ・シルバー |
全Galaxy Watchに共通しているカラーはシルバー。腕時計として身に着けて違和感のない、自然なデザインなので選びやすいカラーだ。モデルやケースサイズによっては、別途ゴールドやブロンズが用意されている。
スマートウォッチはデジタルガジェットである一方で、腕時計というファッションアイテムの側面も持ち合わせているので、機能性だけではなく好みのカラーやデザインで選んでみるのも悪くない。
価格を比較
最後に、本記事で取り上げているGalaxy Watchシリーズの執筆時点(2024年10月)におけるAmazonでの価格をまとめて比較していこう。
※ストアページに掲載されている大まかな価格です。
Ultra | 7 | 6 Classic | 5 Pro | 4 Classic | 3 | Active2 | 初代 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Amazon価格 | 126,936円 | 59,180円 | 51,030円 | 掲載なし | 37,800円 | 46,480円 | 掲載なし | 掲載なし |
最も価格が高いのは当然最新の上位モデルであるGalaxy Watch Ultra。
最も安いのは、販売が継続されているなかでは最も古いGalaxy Watch4となっている。
ただし、Galaxy Watch3はTizen OS搭載モデルである点に注意。「OSを比較」で述べた通り、Tizen OSは今後のサポート継続が望めないので今から購入するのはおすすめできない。
サポート面で最も安心できるのは、言うまでもなく最新のGalaxy Watch7・Ultraおよび1世代前にあたるGalaxy Watch6の2機種。
旧モデルへの機能追加が怪しくなってきた今、最もコストパフォーマンスに優れているモデルはGalaxy Watch4 Classicかもしれない。
Galaxy Watchのレビューまとめ
これまで当サイトで公開してきたGalaxy Watchのレビュー記事を一覧にするので、興味のあるモデルをチェックしてみてほしい。
Galaxy Watch
名称 | 海外発表時期 | 日本発売日 |
---|---|---|
Galaxy Watch | 2018年8月 | 2018年10月25日 |
参考Galaxy Watchを購入!外観、ペアリング方法、ファーストインプレッションを紹介
Galaxy Watch Active2
名称 | 海外発表時期 | 日本発売日 |
---|---|---|
Galaxy Watch Active2 | 2019年8月 | 2019年11月22日 |
Galaxy Watch3
名称 | 海外発表時期 | 日本発売日 |
---|---|---|
Galaxy Watch3 | 2020年8月 | 2020年10月23日 |
Galaxy Watch4 / Galaxy Watch4 Classic
名称 | 海外発表時期 | 日本発売日 |
---|---|---|
Galaxy Watch4 / Galaxy Watch4 Classic | 2021年8月 | 2021年9月22日 |
Galaxy Watch5 / Galaxy Watch5 Pro
名称 | 海外発表時期 | 日本発売日 |
---|---|---|
Galaxy Watch5 / Galaxy Watch5 Pro | 2022年8月 | 2022年9月22日 |
Galaxy Watch6 / Watch6 Classic
名称 | 海外発表時期 | 日本発売日 |
---|---|---|
Galaxy Watch6 / Galaxy Watch6 Classic | 2023年7月 | 2023年9月15日 |
Galaxy Watch7
名称 | 海外発表時期 | 日本発売日 |
---|---|---|
Galaxy Watch7 | 2024年7月 | 2024年7月31日 |
Galaxy Watchに関するよくある質問
- QGalaxy WatchはiPhoneで使えるの?
- A
Galaxy Watch3までは使えます。iOS向けアプリの仕様上、Galaxy Watch4以降は対応していません。
- QSuicaなどのキャッシュレス決済は使えるの?
- A
Galaxy Watch4シリーズおよびGalaxy Watch5シリーズで使えるのはGoogle Payのタッチ決済のみ。Galaxy Watch6シリーズの国内版はFelicaが搭載されており、Suica・QUICPay・iDを利用できる。詳細はこちらから
コメント
初代Galaxywatch46mmを愛用していますが、スピーカー搭載で音楽を聞くことも出来ますし、マイクもあり通話も問題なく行うことができます。記事中では通話が出来ないとなってますが、通話ができないモデルもあるのでしょうか。
ご指摘ありがとうございます。
記事の内容を修正いたしました。
言い訳の余地もなく完全に勘違いと確認不足によるものでした、大変申し訳ございません。
galaxy watch4について質問があります。ランニング中の音楽プレイヤーのみとして使っています。
ランニング中、選曲、早送り操作がしたいのですが操作途中で画面表示がチョコチョコ消えて操作性が非常に悪くて困ってます。 時速15kmの早めのランニングだと振動で勝手に画面が消えます。
ゆっくりのランニング中は平気です。
設定は手首を上げて画面をonを切って
画面にタッチで画面onに設定しています。画面タイムアウト30秒です。
画面表示中、操作時に画面が勝手にoffにならない設定はないでしょうか。
傾けても画面がoffにならない設定。
always on displayでもダメです。
galaxy watch3ではあまり気にならなリませんでした。
何か解決出来る設定があれば教えて頂きたいです。
よろしくお願い致します。
教えて下さい。
GALAXYウォッチ6クラシックは、国内版にBluetoothしかないのですが、海外版にはLTEはあるのですか?
それですと、docomoのワンナンバーなどのウォッチ単独通話が可能なのですか?本当は国内版にもLTEモデルも有れば即買いでしたが‥残念でなりません。