サムスンの新型スマートウォッチ「Galaxy Watch Active2」を購入しました。
Galaxy Watch Active2は、2019年3月に発売されたGalaxy Watch Activeの後継にあたるサムスン製の独自OS「Tizen OS」を搭載したスマートウォッチ。
先代のGalaxy Watch Activeは、Gearシリーズから初代Galaxy Watchまでサムスン製スマートウォッチのアイデンティティとして受け継がれてきた回転ベゼルが去勢されてしまったために購入を見送ってしまいましたが、本機Galaxy Watch Active2にはその回転べゼルをソフトウェア的に再現した機能「タッチベゼル」が新たに搭載。これにより回転ベゼルの操作感に魅せられている筆者は、一切の迷い・葛藤なく購入に踏み切ってしまいました。
日本では11月22日に発売されたGalaxy Watch Active2ですが、筆者は国内発売に先駆けて海外モデルを購入し、既に1ヶ月近く身に着けて生活していますので、使用して感じた率直な感想、特に国内モデルとは微妙に異なる外観や注目のタッチベゼル、気になるバッテリー持ちなどを中心にレビューをお届けします。
また、以下に動画も掲載していますので、質感やサイズ感の参考にしていただければ幸いです。
開封。箱が小さい!
「箱、小さくない?」がGalaxy Watch Active2が届いてまず最初に抱いた感想。
パッケージは片手でガシッとわしづかみできる程度のサイズ感で、腕時計を収めるための必要最小限のサイズといったところ。上面と側面の文字がキラキラと反射しているデザインはかっこいいですがパッケージそのものは特別な仕様ということは無く、初代Galaxy Watchのパッケージのような高級腕時計を思わせる質感ではありません。
箱は被さっている蓋を上からパカっと外すタイプで、中の様子は非常にシンプル。バンドが巻いてある中央の円筒内部に充電器、そして蓋の内側に各種書類が格納されていました。
Galaxy Watch Active2本体と付属品を全て出してみた様子。充電器はGearシリーズやGalaxy Watchに付属してきたスタンド型ではなくなってしまったのは残念。詳しくは後述しますが、この充電器の使い勝手はハッキリ言って悪いです。
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外観チェック
このたび購入したのはGalaxy Watch Active2のうち
- ケースサイズ:44mm
- ケース素材:アルミニウム
- カラー:Cloud Silver(クラウドシルバー)
といったモデル。
他のバリエーションとしてはケースサイズは40mm、ケース素材はステンレス、カラーはアルミニウムケースの場合はAqua Black(アクアブラック)、Pink Gold(ピンクゴールド)、ステンレスケースの場合はブラック、シルバー、ゴールドが用意されています。
なお、日本で発売されるモデルは、ケースにステンレスを用いた上位モデルのみ。カラーはブラック・ゴールド・シルバーの3色が用意され、それぞれケースサイズが40mmと44mmから選択可能です。
筆者が購入したモデルはクラウドシルバーという名称ではありますが、標準で付属しているバンドが薄いブルーのためか第一印象には”ブルー”抱く人が多いのではないでしょうか。また、ディスプレイ周囲のベゼル部分はカラーを問わず黒で統一されているようです。
アルミニウムケースの側面はスベスベとした質感で、ガラスが主流になる前のスマートフォンで慣れ親しんだ肌触り。右側面には戻るボタンとホームボタン、左側面にはスピーカーが搭載。リーク時に話題になった形状の異なる2つのボタンはぱっと見ただけで何のボタンか判別しやすくなりました。
直接腕に触れる部分はフラットな形状。時々ここが丸みを帯びているスマートウォッチも見られますが、フラットな方が違和感が少なく自然な装着感が得られるはず。
付属しているバンドは、穴にピンを通して留めるタイプ。手首が細い人でも余ったバンドを内側に通すことでプラプラしないように工夫がされています。
44mmは数字ほど大きく感じない
一般的に日本人にとっての標準的な腕時計のケースサイズは40mmから44mmと言われているため、Galaxy Watch Active2の44mmは標準の枠の中では最大のサイズ。
そのため人によっては大きさが気になるかと思いますが、どちらかというと小柄である筆者の腕に装着しても違和感があるほど大きくは感じませんでした。元々Galaxy WatchやHUAWEI Watch GT、シチズンのアテッサなどどちらかというと存在感のある腕時計を付け慣れていたためか、ベゼル周囲がスッキリとしている本機はむしろコンパクトに感じる程です。
Galaxy Watch Active2とその他スマートウォッチのサイズ比較表 | ||
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モデル名 | サイズ | 重量(ストラップ除く) |
Galaxy Watch Active2(44mm) | 44.0 x 44.0 x 10.9mm | 42g |
Galaxy Watch | 41.9 x 45.7 x 12.7mm | 49g |
Huawei Watch GT(46mm) | 46.5 x 54.2 x 10.6mm | 46g |
参考までに筆者が所有しているその他のスマートウォッチとのサイズ比較がこちら。左からGalaxy Watch Active2、Galaxy Watch、HUAWEI Watch GT、HUAWEI FITです。小型軽量なHUAWEI FITに次ぐ本機のスリムさは大きな魅力と言えます。
これまで愛用してきたGalaxy Watchは回転式のベゼルにガジェットらしい楽しさが感じられるため非常に魅力的ではありますが、普段どちらを身に着けるか選ぶとしたら間違いなく身軽なGalaxy Watch Active2を選びます。
豊富なウォッチフェイスとアプリ
Galaxy Watch Active2を含めたGalaxy Watchシリーズには、専用のアプリストアが用意されています。そのため、好みのアプリをインストールして、自由にカスタマイズ可能です。
もちろん、ウォッチフェイス(時計の盤面)も、サムスン公式のデザイン以外にも大量にラインナップされています。おすすめのアプリやウォッチフェイスは以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
▶Galaxy Watchシリーズで使えるおすすめアプリ6選
▶Galaxy Watchシリーズおすすめのウォッチフェイス7選
注目のタッチベゼルは期待以上の感触
筆者が本機を購入した動機の8割を占めるのが、従来の回転ベゼルによる操作をソフトウェア的に再現したタッチベゼルと呼ばれる機能を試してみたかったため。
タッチベゼルは本機最大の注目機能のはずなのですが、デフォルトではなぜか無効になっていますので設定から[設定]⇒[詳細設定]⇒[タッチベゼル]と進み有効にします。
あとは指先でベゼルに触れなぞるように動かすだけ。GearシリーズやGalaxy Watchの物理的な回転ベゼルで味わった指先と画面が連動しているかのような気持ちの良いレスポンスはタッチベゼルでも健在でした。タッチベゼルの操作による画面の遷移に合わせて内部からバイブレーションのフィードバックがある点も芸が細かく、回転ベゼルでやみつきになった小気味よいクリック感までできる限り再現してくれようとした努力が伝わります。
物理的な回転ベゼルとタッチベゼル、どちらが好みかと言われるとより直感的に操作が可能であった前者になってしまうのですが、タッチベゼルもギミックとしての面白さと実用的な操作性の両方を高いレベルで実現した機能であることに間違いありません。縦に長い画面のスクロールやアプリ選択などは一々スワイプするのが億劫で、頻繁にタッチベゼルの恩恵を受けることができるはず。
今更ながら、本機能が搭載されていなかった初代Galaxy Watch Activeを見送った過去の自分の判断は間違っていなかったと思うと同時に、Galaxy Watch Activeというデバイスは現在の第2世代モデルの状態で初代を迎えるべきだったのではないかと感じます。
バッテリー持ちは約3日間
スマートウォッチを語るのであれば、バッテリーはどれくらい持つのか?という話題は避けることができません。
Galaxy Watch Active2のバッテリー容量は340mAh。10月14日のお昼12時に100%の状態で本機を装着し寝る時も付けたままにして生活してみたところ、10月16日の深夜12時の時点でバッテリー残量が12%になっていました。
通知の量や生活リズムにもよりますが、少なく見積もっても2日間は安心して使うことができるはず。スマートウォッチとしては十分に長い方だと思います。
Galaxy Watch Active2のバッテリー持ち検証結果 | |
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時間 | バッテリー残量 |
10月14日 午後12時 | 100% |
10月15日 午後12時(1日経過) | 68% |
10月16日 午後12時(2日経過) | 34% |
10月16日 午前12時(2日と半日経過) | 12% |
充電方法がやや面倒。サードパーティのQi対応充電器が使いたい
バッテリーの持続時間は悪くないですが、その充電方法がちょっと厄介。
左側のスタンドはGalaxy Watchに付属してきたもので、右側が本機Galaxy Watch Active2に付属してきた充電器。どちらもマグネットで本体を固定しワイヤレスで充電できることに変わりはないのですが、使い勝手は圧倒的にGalaxy Watchのスタンド型の方が上。
Galaxy Watch Active2付属の平たい充電スタンドがケーブルと一体になっている点は、言うまでも無く持ち運びに不便。それにマグネットによる固定も若干甘く、ちょっとした振動でスタンドから本機がずれてしまうこともしばしば。
正直なところ、適当に立てかければそれでよかったスタンド型の充電器よりも充電に対して微妙にストレスを感じるというのが本音。もしやと思いGalaxy Watchの充電スタンドによる充電を試みましたが、本機を立てかけた直後は充電が検知されるものの次の瞬間には止まってしまい「純正充電器をお使いください」との表示が現れます。一般的なQi対応のワイヤレス充電器でも反応はしなかったので、付属してきたケーブル一体型の充電器を使う他なさそうです。
もしくはGalaxy S10またはGalaxy Note10+、Galaxy S20シリーズに搭載されている、スマートフォンからその他のデバイスへ給電できる機能「ワイヤレスパワーシェア」に頼りましょう。外出先ではケーブル一体型の充電器よりも同機能の方が使い勝手が良かったです。
また、サードパーティ製にはなりますが、Galaxy Watchの充電スタンドそっくりなワイヤレス充電器がGalaxy Watch Active2用として販売されていました。使ってみたところ特に問題はなさそうだったので、現在はそちらをメインに利用しています。詳細は以下の記事から。
関連Galaxy Watch Active2用のサードパーティ製スタンド型充電器をチェック
サムスン純正のワイヤレス充電パッド「Wireless Charger Trio」が非常に便利だったので、上記サードパーティ充電器よりも断然におすすめできます。
筆者のメインは既にGalaxy Watch Active2からGalaxy Watch3に移っていますが、「Wireless Charger Trio」はどちらにも対応しているので、興味のある方はぜひ以下のレビューも参考にしてみてください。
▶Wireless Charger Trio レビュー。スマホ・イヤホン・Galaxy Watchシリーズを3台まとめてワイヤレス充電!
無意識に生活が可視化される
スポーツや睡眠、ストレス測定など各種アクティビティトラッカーとしての機能はGalaxy Watchのそれとさほど変わらず。恐らく初代Galaxy Watch Activeとの差もほとんどないでしょう。
歩けばウォーキングを、走りだせばランニングを、眠りに付けば睡眠を、といったように特にアクティビティを開始する操作をしなくて本機が勝手に判断して計測を開始してくれます。そのため歩数や歩いた距離、一日の運動量、睡眠記録などは本機を装着しているだけで勝手に蓄積されていきキッチリとデータとして可視化されているため、ある日ふと振り返ってみると自分の生活がどれほど乱れているのかを認識させされます。
搭載されているセンサーそのものは大幅に進化しており心電図(ECG)機能にも対応していますが、残念ながら現時点では米国ですら認可が下りていないために利用できません。日本でもApple Watchに搭載されている同機能が未だに利用不可であることから、本機でも状況は変わらないと見ていいでしょう。
さらに、当初は米国基準の2020年第一四半期(1月から3月)までにサービスが提供されるとアナウンスされていた心電図(ECG)機能ですが、残念ながらサムスンはこれを撤回しています。これにより、提供開始時期は完全に未定となりました。
参考Galaxy Watch Active2のECG機能、予定通りには実装されない模様。提供開始時期が未定に
正規の手段ではないものの、日本でもGalaxy Watch3およびGalaxy Watch Active2でECG機能を利用できました。詳細は以下の記事から。
通知機能は充実。手書き・ケータイ入力でLINE(ライン)の返信も可能
スマートフォンを取り出すことなく通知を手元で即座に確認できることが、スマートウォッチの大きな利点の1つ。Galaxy Watch Active2も通知デバイスとしては非常に優秀な出来と言えます。
まず、スマートフォン側にインストールされているアプリであれば全てGalaxy Watch Active2で通知を受け取ることが可能。どのアプリからの通知を受け取り、逆にどのアプリからの通知は受け取らないのか、といった設定はGalaxy Wearableアプリから行います。
通知を受け取った際の挙動も細かく設定可能。Galaxy Watch Active2は画面が大きく表示も綺麗で、LINEを始めとしたメッセージ系のアプリではアイコン画像やスタンプも表示してくれますので、通知の視認性も非常に良好です。
例として日常生活で最も使用頻度が高いと思われるLINEで試している画像を掲載しますが、メッセージにはGalaxy Watch Active2から直接返信が可能です。
- あらかじめ設定した定型文(カスタマイズ可能)
- 絵文字
- 音声入力
- 手書き入力
- ケータイ入力
返信方法も多彩に用意されており、音声入力はもちろん、手書きやケータイ入力にも対応。画面サイズの関係上ケータイ入力は快適とまでは言えないものの意外と誤タップも少なく、レスポンスも十分に実用的です。
また、最も驚いたのが手書き入力の精度で、かなり雑に走り書きしてもしっかりと文字を認識してくれます。ひらがなだけでなく漢字にも完全に対応していますので、メールやLINEは長文でなければ全くストレスなくGalaxy Watch Active2上から返信できます。
まとめ
- スリムな見た目
- ディスプレイの美しさ
- タッチベゼル
- バッテリーの持ち
- 手書き入力の精度
- 充電方法
- 先行き不透明な心電図(ECG)機能
以上、Galaxy Watch Active2のレビューをお届けしました。
サムスンのスマートウォッチはGear S3の次世代からGalaxy Watchという名称になりました。Galaxy Watch・Galaxy Watch Active・そして本機Galaxy Watch Active2とブランドが刷新されてから本機では3代目となりますが、大きな機能の追加は回転ベゼルの再現であるタッチベゼルくらいであとはUIが少しずつ変更されているのみ。
スマートウォッチはイマイチ盛り上がりに欠ける市場のためか撤退していくメーカーも多い中、着実に進化を重ねてきたGalaxy Watchもそろそろ成熟してきた頃合いなのかなと思いました。
関連Galaxy Watchシリーズ4機種を徹底比較。今最もおすすめのモデルは?
価格と販売場所
Galaxy Watch Active2は11月22日に、各種家電量販店やECサイト、Galaxy Harajukuなどで販売されることが発表されています。
本記事で紹介したのはケースにアルミニウムを採用したモデルでしたが、日本市場にはより上位に位置付けられるステンレスケース + レザーバンドのモデルのみが投入されることがアナウンスされており、40mmモデル、44mmモデルがそれぞれブラック・ゴールド・シルバーの3色のカラーバリエーションで展開されます。
ただし、40mmのゴールドモデルのバンドはピンク、44mmのゴールドモデルのバンドはブラウンという違いがありますので、注意が必要です。
2020年4月6日時点でのAmazonの価格は40mmモデルが34,300円、44mmモデルが37,164円。発売当初はどちらも4万円超えの価格でしたので、かなり値下がりしています。Amazon以外にも、楽天やひかりTVショッピングといったポイント還元率の高いECサイトでも扱われていますので、ぜひ以下からチェックしてみてください。
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