サムスンから2020年11月に発売された最新のワイヤレス充電器「Wireless Charger Trio」のレビューをお届けしよう。
「Wireless Charger Trio」は、Galaxy Watchシリーズを含めて最大3台のQi対応デバイスを同時に充電できるパッド型のワイヤレス充電器。スマートフォン・イヤホン・スマートウォッチをまとめて充電できるコンセプトは、開発中止が噂されるAppleのワイヤレス充電マット「AirPower」に近い物を感じる。
筆者は幸いにも執筆時点で最新のGalaxyデバイス3種類、Galaxy Note20 Ultra・Galaxy Buds Live・Galaxy Watch3を所有しているので、数日間実際にそれらを「Wireless Charger Trio」で充電し、使い心地を検証してみた。
購入を検討している方の参考になれば幸いだ。
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デザイン
「Wireless Charger Trio」は、ホワイトとブラックの2色で展開されている。今回購入したカラーは、画像の通りホワイトだ。
ホワイトと言っても完全に真っ白なわけではなく、ややグレーがかったオフホワイトのような雰囲気。素材は樹脂製だが全体的にサラサラとした手触りに仕上げられており、質感はまずまずといったところだ。
「Wireless Charger Trio」本体のほかに、付属品としてType-C to Type-CのケーブルとPD 25Wに対応した急速充電アダプターが同梱されている。周辺機器を買い足す必要なく、すぐに使い始められるセットだ。
サイズ | 約240 × 86 × 15.5 mm |
---|---|
重量 | 約327g |
サイズは横幅が240mm、縦が86mm。Apple「AirPower」のイメージよりは、やや大型かもしれない。
本体に排熱用のスリットなどは搭載されておらず、背面に滑り止め用のゴムがあるだけのシンプルなデザイン。左側の充電エリアはわずかだが周囲より低く設計されており、コイルの位置を示すドットが薄く印刷されている。
右下には各エリアで充電できるデバイスを示すアイコンと、LEDインジケーターを搭載。アイコンは薄くて見えずらいが、左側のスペースにスマートフォンとイヤホン、右側にスマートウォッチ(Galaxy Watchシリーズ)が充電できることを表している。
LEDインジケーターは、充電中は赤色、充電完了後は緑色、充電に異常があるときは赤色で点滅する仕様。LEDインジケーターの位置と充電するデバイスの位置はシンクロしており、Galaxy Watchを充電すると一番右のLEDが点灯し、スマートフォンを左側に配置すると一番左のLEDが点灯する。
「Wireless Charger Trio」には6つのワイヤレス充電用コイルが内蔵されているため、スマートフォンやイヤホンを多少雑に置いても問題なく充電できた。上下のズレにはやや弱いものの、左右にズレたり斜めに置く分には充電に支障があるようには見えない。
また、右側のGalaxy Watch用スペースは、窪み部分にマグネットが内蔵されているようで、Galaxy Watch3やGalaxy Watch Active2を近づけると正しい位置に自然とセットできた。
充電速度と対応デバイス
「Wireless Charger Trio」は、Androidスマートフォンであれば最大9W、iPhone8以降のiPhoneシリーズは最大7.5Wで急速ワイヤレス充電ができる。
実際に、バッテリーが空になったGalaxy Note20 Ultraを「Wireless Charger Trio」で充電した際のバッテリー残量の推移は以下の通りだった。
経過時間 | バッテリー残量 |
---|---|
0分 | 0% |
30分 | 17% |
1時間 | 35% |
1時間30分 | 58% |
2時間 | 72% |
2時間30分 | 89% |
2時間50分 | 100% |
有線で充電した場合の倍近い時間がかかっているが、ワイヤレス充電ならこの程度だろう。発熱もGalaxy Note20 Ultra本体がほんのり温かくなる程度で、気になるほどではなかった。
続いて、Galaxy Watch3を0% ⇒ 100%まで充電するのにかかった時間がこちら。
経過時間 | バッテリー残量 |
---|---|
0分 | 0% |
20分 | 16% |
40分 | 31% |
1時間 | 45% |
1時間20分 | 62% |
1時間40分 | 82% |
2時間 | 98% |
純正の充電器による充電速度と比較しても差はほとんど見られない。Galaxy Watch3の充電器は非常に使いにくいと感じていたので、ケーブル1本でスマートフォンもイヤホンもまとめて充電できる「Wireless Charger Trio」の存在は非常にありがたい。
注意点として、「Wireless Charger Trio」が対応しているGalaxy WatchシリーズはGalaxy Watch Active・Galaxy Watch Active2・Galaxy Watch3の3つであり、初代Galaxy Watchは含まれていない。
実際に所有している初代Galaxy Watchをセットしてみたところ、LEDインジケーターが赤く点滅してしまい、充電が開始されなかった。
Galaxy以外のデバイスも充電可能
「Wireless Charger Trio」はQiに互換性があるため、Qi対応のデバイスであればGalaxyブランドではなくても充電できる。iPhoneシリーズについては公式サイトにも対応が明記されているので、安心して使用できるはずだ。
試しにQi規格のワイヤレス充電に対応しているHUAWEI Freebuds 3を充電してみたところ、Freebuds 3側・「Wireless Charger Trio」側どちらのLEDインジケーターも正しく点灯し、充電ができた。
LEDを暗く調節
複数のデバイスを同時に充電できるワイヤレス充電パッドは、サードパーティ製も含めて多数販売されているが、「Wireless Charger Trio」にはほかではあまり見かけないLEDインジケーターの明るさを調節できる機能が搭載されている。
正確には、急速充電・通常の充電を端末側の設定で切り替えると、充電速度に応じてLEDインジケーターの明るさが変わる機能だ。
執筆時点で同機能に対応しているのは、Galaxy S10以降のGalaxyスマートフォンのみ。設定 ⇒ デバイスケア ⇒ バッテリー ⇒ 充電と進み、急速ワイヤレス充電をオフにすると、LEDが一段階暗くなる。
また、 急速ワイヤレス充電のスケジュール設定も可能。例えば22時から7時までは急速ワイヤレス充電をオフ、と決めると、その時間に設定したスマートフォンを「Wireless Charger Trio」に乗せても通常速度の充電となり、LEDも暗いままだ。
寝室などに「Wireless Charger Trio」を設置する場合、LEDの明るさやワイヤレス充電特有の音が気になるかもしれない。そんな時は上記を参考に急速ワイヤレス充電をオフにしてみると解決するかもしれない。
まとめ。Galaxy Watch3ユーザーにおすすめのワイヤレス充電器
以上、「Wireless Charger Trio」のレビューをお届けした。
毎日Galaxy Note20 Ultra・Galaxy Buds Live・Galaxy Watch3を身に着けていると、Galaxy Note20 UltraとGalaxy Buds Liveが一般的なQiワイヤレス充電器とUSB Type-Cで充電できるのに対して、Galaxy Watch3だけ専用の充電器を必要とする点に若干のストレスを感じていた。
しかし、「Wireless Charger Trio」を導入すると、ケーブル1本でメインのガジェット3つをまとめて充電できるようになり、手間が減ると同時にデスク上の充電スペースもかなりスッキリとしたので、購入してよかったと感じている。
Galaxyスマートフォンユーザーはもちろん、特にGalaxy Watch3・Galaxy Watch Active2とQi対応スマートフォンを持っているユーザーにおすすめしたい充電器だ。
「Wireless Charger Trio」は、Amazonや楽天などに出店している大手家電量販店のECサイトでも購入可能。10月末頃からAmazonにて掲載され始め、8,000円~10,000円台をフラフラとしていたが、ここ最近は10,781円で安定しているようだ。
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