Galaxy Buds Live レビュー。アクティブノイズキャンセリングは控えめ。心地よい低音と解像感が魅力 | プラスガジェット
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Galaxy Buds Live レビュー。アクティブノイズキャンセリングは控えめ。心地よい低音と解像感が魅力

4.5

サムスンから現地時間8月6日に発売された新型の完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds Live」を入手したので、さっそくレビューをお届けします。

2020年2月に登場したGalaxy Buds+は、Galaxy Budsからの目立った変更点が少ないマイナーチェンジでした。一方Galaxy Buds+の発売からわずか半年で登場した新型のGalaxy Buds Liveは、フルモデルチェンジと言ってもいい変わり様。

カナル型だったイヤホンはインナーイヤー型(開放型)へ変更され、豆を思い起こさせるデザインを採用。音質やバッテリーに大きく手が加えられたことはもちろん、多くのユーザーが待ち望んでいた、アクティブノイズキャンセリング機能も搭載しました。

本記事では、Galaxy Buds Liveを実際に数日間使用したレビューをお届けします。外観や装着感、音質、アクティブノイズキャンセリングの性能とバッテリー持ちなどのほか、先代のGalaxy Buds+との比較もしていきます。

Galaxy Buds Liveは国内ではまだ正式に発売は発表されていませんが、これまでの傾向から取り扱われる可能性は非常に高いといえます。

※追記 日本でも8月28日から予約受付を開始し、9月4日の発売が決定しました。Amazonで予約・購入が可能です。

Galaxy Buds Liveの特徴
  • 豆型デザインと光沢のあるカラー
  • 高い解像感と低音重視の音質
  • 開放型かつアクティブノイズキャンセリング搭載
  • バッテリー持ちは先代から半減
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デザイン

まずは、Galaxy Buds Liveのケースとイヤホンそれぞれの外観をチェックします。

Galaxy Buds Liveは執筆時点ではミスティックブロンズ・ミスティックホワイト・ミスティックブラックの3色で展開されていますが、筆者が購入したカラーはミスティックブロンズです。

Galaxy Buds Liveのケース

ケースは角がない5cm四方のほぼ正方形で、指輪や時計が入っていてもおかしくない雰囲気。

材質はプラスチックですが、全体的にサラサラとしたつや消し加工が施されており、触り心地は良好。見た目の高級感はもちろん、指紋や汚れがほとんど目立たず、満足度はかなり高いです。

ケースには正面と左右に指をかけるための切り欠きが用意されているため、どの方向からでもスムーズに開けます。ケースを開けた様子は、指輪やネックレスなどジュエリー用のボックスを思い起こさせます。

余談ですが、発売後しばらくしてからサムスンが公開したGalaxy Buds Liveの開発インタビューによると、実際に光沢のあるイヤホンを宝石に見立ててケースがデザインされたとのことでした。

  バッテリーケース イヤホン単体
サイズ(幅x高さx奥行) 約50.2 x 50.0 x 27.8 mm 約27.3 x 16.5 x 14.9 mm
重量 約42.2 g 約5.6 g

完全ワイヤレスイヤホンのケースは長方形が多いこともあってか、ケースを手に取った際の第一印象は「意外と小さい!」。手のひらでしっかりと握りこめるサイズ感はかなりコンパクトです。

底面も蓋もフラットになっているためシャツやスーツの胸ポケットにも入れやすく、持ち運びにバッグを必要としない点は個人的に大きなメリット。

特別重量を感じることもなく、持ち運びに関してのストレスはほぼありません。

ケース内部は外側に比べてよりマットな質感。ヒンジは90°よりもあとわずかに開き、固すぎず勝手に閉じてしまうこともない丁度よい強度。蓋とケースの先端にはマグネットが内蔵されているためケースを傾けても勝手に蓋が開くことはなく、閉じる際も「パコンッ!」と小気味よい音を立ててくれます。

Type-Cポートとインジケーター

正面にはケースのバッテリー残量を示すインジケーター、背面には充電用のUSB Type-Cポートを搭載。

インジケータの色 意味
満充電または61%以上の残量あり
黄色 バッテリー残量30%から60%
赤色 充電中またはバッテリー残量30%未満
赤色に点滅 バッテリー残量低下または温度異常による充電中断

インジケーターの点灯パターンとその意味は上記表の通り。ケース内側にもイヤホンのバッテリー残量を示すインジケーターが搭載されていますが、点灯パターンとその内容は共通です。

ケースは従来通りQi規格のワイヤレス充電にも対応。Galaxy S10以降のGalaxyスマートフォンに搭載されている「ワイヤレスパワーシェア」をはじめ、スマートフォンの背面から他デバイスに給電するリバースワイヤレス充電でも充電可能です。

イヤホンを取り出している様子

イヤホンをケースから取り出してみましょう。Galaxy Buds Liveは開発コードネームに「Beans」が与えられていたとリークされていましたが、その形状はまさに豆そのもの

豆が寝かされた状態でケースに収まっているため、一般的な完全ワイヤレスイヤホンよりもケースの穴が浅く、イヤホンの表面がツルツルとしていることもあり若干滑りやすく感じます。

形が形のため、落とすとあらぬ方向に転がっていくので(1度落としました)、そこだけは気をつけたいポイントです。

また、穴が浅いためイヤホンをケースに収納する際に「本当にこれで正しく収まっているのか?」とやや気を遣います。実際には正しく収まっていないとケースが閉じないため問題はないのですが、もう少しパチッとした”ハマった手応え”が欲しかったと感じます。

光沢のある鏡面仕上げ

つや消しデザインのケースとは打って変わって、イヤホンはピカピカとした鏡面仕上げ。

見栄えがよいのは間違いないのですが、鏡面仕上げの性質上指紋や汚れがやや気になります。遠目で見る分には気が付かないので、第三者に不快な印象を与えることはありませんが、自身が見る場合、特に長時間装着し汗をかいてしまうとハッキリと汚れていることがわかります。個人的にはケースと同じつや消しでもよかったと感じるところです。

カラーによる影響も少なからずあるはずなので、ミスティックホワイトを選択すれば多少軽減されるかと思われます。

内側を見ると、上部には充電用の電子接点を囲むように取り付けられたウィングチップ、下側にマイクとスピーカーというやや特殊な形状であることがわかります。ウィングチップは一回り大きいサイズも付属しているのでサイズ調整も可能です。

正しい付け方と装着感

冒頭でも述べましたが、Galaxy Buds Liveはカナル型だった従来モデルとは異なり、開放型となっています。さらにあまり類を見ない豆型形状が採用されていることもあり、装着感は非常に気になる方も多いのではないでしょうか。

スピーカーの位置

そもそも筆者はGalaxy Buds Liveを手に取った当初、どのように装着するのが正しいのか全く見当も付かず途方にくれました。

何度か装着を試みればこれだ!という感覚には出会えるはずですが、今でもイヤホンをじっくり見るとわかりにくい形状をしているように感じるので、Galaxy Buds Liveの正しい付け方について簡単に解説をしておきます。

Galaxy Buds Liveの音がなる部分(スピーカー)は、上記画像の丸で囲った部分です。このスピーカー部分を先に耳に入れ、その後豆型の上半分が収まるように上または下に捻るとスッポリハマる箇所があるはずです。

豆が2つの丸を組み合わせて形成されているとした場合、上の丸はほぼ全てウィングチップとしての役割を担うと考えると個人的にはこの豆型デザインに納得できました。

装着感
Galaxy Buds Liveを装着した様子

装着感に話を戻しましょう。Galaxy Buds Liveは、個性的な形状からイメージできないほどかなりしっかりと耳にフィットします

軽いランニングや階段の上り下りはもちろん、わざと頭を激しく振ってみても外れることはなく、落としてやろうと思って頭を振っても落ちないほど。

また、Galaxy Buds Liveを装着した状態で横になっても外れたり耳が痛くなることがなかった点も優秀。耳の中にほぼ完全に収まる形状のため、ショルダーバッグやボディバッグのような肩掛け式のバッグを背負う際に引っかけて落としてしまうこともなく、奇抜な見た目ながらよく考えられているデザインだと感じます。

正直なところ、筆者はもっとポロポロと落ちてしまうことを想定していたのですが、よい方向に予想が裏切られる結果となりました。

開放型のためイヤーピースによる圧迫感もなく、長時間の装着も快適そのもの。季節柄時間とともに汗をかいてしまうことは避けられないものの、密閉されて蒸れてくるようなこともほとんどありません。

最初の装着方法に戸惑うことはあるかもしれませんが、フィット感に関してはかなり高いレベルだと言えます。

iPhoneにも対応!専用アプリからカスタマイズ

Galaxy Buds Liveは、Galaxyシリーズを含めたAndroidスマートフォンおよびiOSデバイスからは、専用アプリを用いることで機能やイコライザーを設定可能です。

Android向けのアプリは「Galaxy Wearable」、iOS向けのアプリは「Galaxy Buds」という名称。どちらも既にGalaxy Buds Liveに対応しています。

専用アプリのGalaxy Wearable
アプリから設定可能な項目
  • イコライザー
  • アクティブノイズキャンセリングのオン・オフ
  • タッチ操作のカスタマイズ
  • 通知を読み上げるアプリの選択
  • 「イヤホンをシームレスに接続」のオン・オフ
  • ゲームモードのオン・オフ
  • 耳閉感や圧迫感の軽減

イコライザー

イコライザーは項目ごとに数値を調節するのではなく、「標準」を含めた6つのプリセットから選択するスタイル。

イコライザー

音質については後程詳細に述べますが、個人的には標準が最も好みでした。なお、イコライザーは「Galaxy Wearable」および「Galaxy Buds」アプリからのみ変更可能です。

タッチ操作のカスタマイズ

イヤホンにはタッチセンサーが搭載されており、タップ・ダブルタップ・トリプルタップ・長押しの4つの操作に対応。長押しのみ、実行する機能の割り当てが可能です。

タッチ操作で制御可能な機能
操作 機能
タップ 曲の再生 / 一時停止
ダブルタップ 次の曲を再生
電話の応答 / 終了
トリプルタップ 前の曲を再生
長押し 着信拒否
以下の4つから選択できる機能
割り当て可能な機能
  • アクティブノイズキャンセリングのオン・オフ
  • 音声コマンド
  • 音量アップ・ダウン
  • Spotifyの再生(Androidのみ)

長押しに割り当て可能な機能は上記の4つ。ただし、音量ダウンは左耳、音量アップは右耳と決められており、片方を音量アップorダウンに設定するともう片方は対となる機能に強制的に設定されます

そのため、可能な組み合わせは音量アップと音量ダウンか、アクティブノイズキャンセリングと音声コマンド or Spotiy、音声コマンドとSpotifyに限られます。

筆者はSpotifyユーザーなので左耳をSpotifyの再生、右耳をアクティブノイズキャンセリングのオン・オフに割り当てていますが、もしSpotifyも音声コマンドも利用しない場合は、両耳にアクティブノイズキャンセリングのオン・オフを割り当てることも可能です。

タッチ感度は非常に良好。しかし、完全ワイヤレスイヤホンのタッチ操作にはありがちですが、装着時に触れた指をタッチだと誤認識されることが度々ありました。個人的に、操作は物理ボタンか長押しにしてくれた方がストレスは少ないと感じます。

ちなみに、日本ではBixby Voiceは利用不可なので、音声コマンドはOS標準の音声アシスタントを利用するのが通常の利用方法になるかと思います。一応ドコモのGalaxyスマートフォンで音声コマンドを試してみたところ、端末側でGoogleアシスタントとしゃべってコンシェルのどちらを起動するか選択できました。

「イヤホンをシームレスに接続」とは?

アプリ内の[詳細設定]内にある「イヤホンをシームレスに接続」という機能。あまり聞きなれないかと思いますが、その名の通り別の端末へのスムーズな接続を可能にする機能です。

有効にしていた場合、現在ペアリングしている端末との接続を切ることなく、別の端末のBluetooth設定から「Galaxy Buds Live」を選択するだけでペアリング先を変更できるようになります

Windows 10 PCとも即座に接続
具体例

現在Galaxy Note20 UltraとGalaxy Buds Liveをペアリングしているとします。

目の前にラップトップPCがあったとして、「イヤホンをシームレスに接続」を有効にしておけば、Galaxy Note20 UltraとGalaxy Buds Liveを接続したまま、PC側のBluetooth設定から「Galaxy Buds Live」を選択すると接続先がGalaxy Note20 Ultraからラップトップへと変更されます。

便利な機能ではありますが、Galaxy Buds+登場当初から設定なしで実装されていた機能なので、わざわざオン・オフの設定が追加されたことにはやや違和感があります。

なお、本機能は過去にペアリングしたことがあるデバイスでのみ利用可能なので注意が必要。ただし、GalaxyデバイスであればGalaxyアカウントにログインすることで過去のペアリングの有無に関わらず切り替えが可能です。

ゲームモードで遅延の改善

 Galaxy Buds LiveでYouTubeやディズニープラスなどの動画を視聴しましたが、遅延はほとんど感じず、快適そのものでした。

一方でゲームアプリでは気になる程度の遅延が発生します。「ゲームモード」を有効にすることで多少は改善されますが、正直なところ快適と言えるほどには届かない印象

ゲームの種類にもよりますが、バトロワ系や音ゲーなど音が重要となるゲームでは「ゲームモード」を利用したとしてもGalaxy Buds Liveの使用はおすすめできません。ワイヤレスイヤホンなので、仕方ない部分です。

外音取り込み?耳閉感や圧迫感の軽減

アクティブノイズキャンセリングを使用していないときに感じる耳閉感や圧迫感を抑える機能も搭載されています

機能を有効にすると「サーッ」というホワイトノイズが聞こえるので、弱めの外音取り込みを行うことでイヤホンによる違和感を軽減しているものと思われます。

筆者も同機能を一応試しては見ましたが、そもそも圧迫感を感じていなかったので効果のほどは感じられませんでした。

なお本機能と「ゲームモード」の2つは、アプリの[ラボ]内にある開発中の機能となります。

接続の安定性について

iOS / Android問わず、一度ペアリングしたことのある端末とは、ケースの蓋を開けるだけで自動で接続可能。複数のデバイスと接続したことがある場合でも、最後に接続していたデバイスを自動で識別し、ペアリングされます。

SmartThingsアプリを導入している場合は、ケースを開いた時点でポップアップが表示され、ケースと左右イヤホンそれぞれのバッテリー情報をすぐに確認可能です。

Galaxy Buds LiveとノートPC

接続は非常に安定しており、駅や電車内など人混みの多い場所で途切れることもほとんどありません。自宅でGalaxy Buds Liveを装着している場合も、ペアリングしたスマートフォンを置いたままドアを閉め、隣の部屋に行くくらいであれば問題なく音楽を聴き続けられました。

ただし、Galaxy Buds Liveとペアリングした状態のスマートフォンをボディバッグにしまい、バッグを背中側に掛けている状態で左右に振り向くと一瞬途切れるという事象が頻繁に発生しました

イヤホンとスマートフォンの距離は隣の部屋に行くよりも圧倒的に近いので、バッグの材質や中身、周囲の環境などさまざまな要因が重なって発生していたものと思われますが、ワイヤレスである以上特定の環境においては途切れてしまうこともあるようです。

音質。低音が強化

続いてGalaxy Buds Liveの音質についてレビューしていきましょう。ちなみに、対応コーデックはSBC・AAC・サムスン独自のScalableの3種類です。

まず真っ先に感じたのは低音の強さ。低音が極端に大きくされていたり、がむしゃらに強調されているわけではなく、いきいきとした響く低音、といった印象を受けました。

筆者はオーディオや楽器に明るいわけではありませんが、ギターよりもドラムのような打楽器系やベースの音がより粒感が感じられ、頭に響いてくる感覚が楽しめます。東京事変などベースラインが特徴的なバンドの曲やテンポのよいハウスミュージック、ジャズなども向いていると感じます

中音域や高音域は特にくせもなく自然に感じますが、ボーカルは微妙に遠いイメージ

いつもスピーカーやほかのイヤホンで聴いている曲をGalaxy Buds Liveで改めて聴くと、「こんな音も鳴っていたんだ」という気付きがあるくらいには、全体的に音の輪郭や粒立ちがはっきりとしていて、高い解像感を感じます

また、しっかりと空間が感じられるため、音楽以外にも映画やアニメなど動画コンテンツも十分に楽しめました。スターウォーズのアニメシリーズ「クローンウォーズ」を視聴しましたが、通過する戦闘機の振動や爆発音、ライトセーバーが空を切る独特な音も臨場感があり、スマートフォンのスピーカーとは違った印象を受けます。

イコライザー

標準を合わせて6種類から選択できるイコライザーも一通り試してみましたが、結局標準が最も好みでした。標準以外の5種類を聴いてみた感想は以下の通りです。

低音ブースター その他の音を犠牲に低音のみを強調。やや安っぽく、長時間聴くと疲れてきそうな音。
ソフト 個々の音の輪郭が曖昧になる印象を受けたものの、標準との違いは大きくない。
ダイナミック 低音ブースターと高音ブースターを合わせたような、極端な低音とシャカシャカ感。迫力はあるが品がない。
クリア ボーカルがやや遠のくも標準との違いはあまり感じられず。
高音ブースター 高音を強調するよりも低音を弱めるイメージ。高音はシャカシャカした軽い音になる

通話時の音質について

Galaxy Buds Liveには、内側に1つ、外側に2つのマイクが搭載されています。

さらにアゴの動きを感知するボイスピックアップユニットも搭載されており、的確に声を捉えることでクリアな音声で通話を可能にします。

屋内での通話は先代のGalaxy Buds+のときから非常に快適でしたが、Galaxy Buds Liveでもそれは同様でした。

ザワザワとした屋外での通話も試してみました。Galaxy Buds Liveを装着している側が受け取る音声はやはりGalaxy Buds+と大差はなく、良好。途切れや目立ったノイズも特に感じられません。

FreeBuds 3で感じた、まるですぐそばで話しているかのようなリアル感はなかったものの、非常に聞き取りやすい綺麗な音声と言っていいでしょう。

Galaxy Buds Liveを通じて相手に伝わる音声には先代とわずかに違いが感じられました。ザワザワとした騒がしい環境や風が吹いている場所では、どうしても雑音が入ってしまいますが、Galaxy Buds Liveを通した声はそういった雑音により一歩前に出ている印象で、しっかりと聞き取れます

言葉で表現するのが難しいですが、写真でいうところの被写体(通話の音声)以外の背景(雑音)をガッツリぼかしたイメージに近く、ザワザワは感じるけれども気にならない感覚です。

通話の品質は相手側の環境や端末にもよるので、これがGalaxy Buds Liveに搭載された複数のマイクやボイスピックアップユニットによる効果なのかは確かめようがありませんが、環境をあまり気にせず通話ができそうなのは個人的には嬉しい発見でした。

音漏れについて

Galaxy Buds Liveの音漏れについて何件か問い合わせがあったので、簡単に触れておきます。

オープン型という仕様上、音漏れはそこそこあります。3~4割程度の音量で音楽を聴いている場合はそこまで気にならないものの、6割を超えたあたりから段々漏れている音がハッキリとしてくる印象でした。

一応、アクティブノイズキャンセリングが搭載されているためそこまで音量を上げなくても問題なく音楽を楽しめるものの、バスや電車のような騒音がありなおかつすぐそばに人がいる環境では、思わず音量を上げてしまうと周囲に迷惑をかけてしまう可能性があるので注意が必要かもしれません。

Bluetoothマイクとしても利用可能

どれほどの需要があるかは不明ですが、Galaxy Buds Liveはワイヤレスマイクとしても利用可能です。

先述の通りヘッドセットとして通話にも利用できますが、Galaxy Buds LiveをペアリングしたGalaxyスマートフォンでボイスレコーダーを起動すると、そのままGalaxy Buds Liveがマイクとして認識されます。

Galaxy Buds Liveをマイクとして利用可能。

筆者はマイクを所有していないため、YouTubeに投稿する動画を作成する際、ナレーション的に入れる音声は有線イヤホンのマイク使って収録していました。その代わりとしてGalaxy Buds Liveで録音も試してみましたが、耳に装着した状態で拾う音はかなり小さく、少なくともそのままでは動画には使いにくかったというのが率直な感想でした

右耳のGalaxy Buds Liveを取り外し、口元に持ってきた状態で録音するとちょうどよい音量になりました。音自体はかなりクリアでポップノイズ等も乗りにくいため、録音マイクとして利用する場合は、耳から外して使うスタイルがメインになりそうです。

アクティブノイズキャンセリングの効き目は控えめ

Galaxy Buds Liveは、イヤーピースのない開放型ながらシリーズで初めてアクティブノイズキャンセリング機能を搭載しています

サムスンによると、Galaxy Buds Liveのアクティブノイズキャンセリングは、低周波帯域のノイズを最大97%までカットできる性能のようです。

実際に試してみたところ、Galaxy Buds Liveのアクティブノイズキャンセリングはそこまで強力ではないというのが正直な感想

カフェで感じた外を走る車の走行音や、自宅のエアコンの動作音などの低い「ゴオォー」という音は消してくれますが、人混みのザワザワは薄い壁を1枚隔てた感覚に近く多少遠のく程度、人の話し声や物音はほとんどそのまま聞こえます。

公式情報の通り、低音のノイズのみをピンポイントで消しているように感じます。気持ちよく音楽を聴く環境を整えるのには十分ですが、人の多い場所で耳栓的な使い方をしたい場合は注意が必要です。

また、電車や新幹線、飛行機などでGalaxy Buds Liveを使う場合は、あまりノイズキャンセリングに期待はしない方がいいでしょう。しっかりと音量を上げなければ音楽が騒音に消されてしまうぐらいには、騒音が入ってきます。

人の話し声をカットしたいなど、シーンによっては先代のGalaxy Buds+のようなカナル型イヤホンの方が遮音性を発揮する場合もあります。

筆者はソニーのWF-1000XM3を所有し、友人のAirPods Proを借りたこともありますが、Galaxy Buds Liveのアクティブノイズキャンセリングの性能はこれら2機種には及びません。イヤーピースがない構造上、物理的に耳の周囲に隙間があるので、比較すること自体がフェアではないかもしれませんが。

Galaxy Bdus LiveとFreeBuds 3

同じく開放型でアクティブノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンとして、HUAWEI FreeBuds 3があります。

関連HUAWEI FreeBuds 3レビュー。開放型イヤホン初となるノイズキャンセリング機能の実力を試す!

Galaxy Buds LiveとFreeBuds 3を比較した場合、打ち消す騒音の程度にはあまり差は感じられません

ただし、FreeBuds 3でアクティブノイズキャンセリングを有効にしたときに感じる風切り音やホワイトノイズなどはGalaxy Buds Liveでは感じられないため、総合的な完成度ではGalaxy Buds Liveの方が高クオリティだと言えそうです。

筆者が試したことがある完全ワイヤレスイヤホンを、アクティブノイズキャンセリング機能が強いと感じた順に並べると、以下の通りです。

AirPods Pro > WF-1000XM3 ≧ FreeBuds 3i > Galaxy Buds Live > FreeBuds 3

また、開放型のため必要ないとの判断か、外音取り込み機能は前述したラボ機能以外には搭載されていません。

実際、Galaxy Buds Liveを装着し音楽を流していても、音量さえ下げておけば周囲との会話や駅のアナウンスを聞き取るのに困ることはありませんでした。

Galaxy Buds Liveのバッテリー持ち

Galaxy Buds Liveは、アクティブノイズキャンセリングおよびBixby voiceウェイクアップを有効にした状態で約5.5時間、両方をオフにした状態で約8時間の音楽再生が可能とされています。

Bixby voiceウェイクアップに関しては日本人で利用できるユーザーは限られていると思うので常にオフとし、アクティブノイズキャンセリングがオン・オフそれぞれの状態でバッテリー持ちを検証しました。

Galaxy Buds Liveのバッテリー持ち検証結果
経過時間 ノイズキャンセリング – オン ノイズキャンセリング – オフ
0分 100% 100%
30分 88% 91%
1時間 80% 84%
1時間30分 71% 75%
2時間 62% 69%
2時間30分 52% 60%
3時間 44% 52%
3時間30分 34% 43%
4時間 26% 36%
4時間30分 14% 28%
5時間 6% 19%
5時間30分 0% 10%
6時間 2%
6時間10分 0%

検証結果は上記の表の通り。

アクティブノイズキャンセリングがオンの場合は約5.5時間、オフの場合は約6時間という結果に。

アクティブノイズキャンセリングがオンの時はほぼ公式通りの結果となりましたが、オフの場合は約2時間ほど早くバッテリーが切れてしまいました。アクティブノイズキャンセリングオフの場合のみ念のため合計3回検証しましたが、いずれも結果は6時間前後だったため、当サイトではこれが最終結果として考えています。

これまでいくつもの完全ワイヤレスイヤホンを使ってきたことで、バッテリー持ちについては、3時間は必須・4時間あれば安心・5時間持てば嬉しいぐらいの感覚になっています。アクティブノイズキャンセリング有効時に安定して5時間以上使い続けられるGalaxy Buds Liveのバッテリーは、個人的には十分持ってくれていると感じています

ワイヤレスパワーシェアで充電中のGalaxy Buds Live
ワイヤレスパワーシェアで充電中のGalaxy Buds Live

ちなみに、急速充電にも対応するため、バッテリーが空になったイヤホンは5分間ケースに戻すことで60分間の再生が可能。

上記検証でバッテリー残量が0%になったGalaxy Buds Liveを5分間ケースに戻したところ29%まで充電されていたので、約1時間の再生は妥当なところでしょう。

Galaxy Buds LiveとGalaxy Buds+を比較

Galaxy Buds Liveは、Galaxy Buds+の発売からわずか半年で登場しました。

たった半年の期間で一体どこが進化したのか?逆に使い勝手が悪くなった箇所はあるのか?という点について簡単に述べたいと思います。

まず、明確にGalaxy Buds+から衰えたと言えるのはバッテリー持ちです。Galaxy Buds+は10時間を軽々と超えるバッテリー持ちが魅力だったので、Galaxy Buds Liveの倍以上の時間充電なしで使用できました

Galaxy Buds LiveとGalaxy Buds+の比較

そのほかの要素については、ほぼGalaxy Buds Liveにおいて進化していると感じています。所有欲を満たすデザインやアクティブノイズキャンセリング機能、IPX2相当の耐水性能などは、Galaxy Buds+にはなかったもの。音楽や通話の音質にもはっきりと変化が感じられます。

外音取り込み機能はGalaxy Buds Liveでは削除されていますが、イヤホンの構造により機能そのものが不要になっています。

Galaxy Buds+がいつまで販売されるかは不明ですが、この先も十分使っていける現役のイヤホンであることは確か。では、これからGalaxy Budsシリーズを購入したい場合はどちらを選ぶとよいのでしょうか。

バッテリー持ちを何よりも優先する場合、または開放型のイヤホンが好みではない場合はGalaxy Buds+を選ぶべきでしょう。それ以外の場合は、たとえアクティブノイズキャンセリングに興味がなくても、ほぼ全ての機能がアップグレードされたGalaxy Buds Liveを購入することをおすすめします。

Galaxy Buds+については、以下の記事で詳しくレビューしているので、興味がある方はチェックしてみてください。

参考Galaxy Buds+(プラス)レビュー。iPhoneでも使える!丸1日の充電持ちとSpotifyが便利な完全ワイヤレス

参考【2020年】Galaxy Budsシリーズ3種類を徹底比較。Buds・Buds+・Buds Liveの音質や電池持ち、ノイズキャンセリングなど

Buds Live vs Buds+
  • デザイン:Buds Liveの方が個性があり高級感も感じられる
  • 装着感:どちらも安定し、ストレスも感じない。夏場や長時間の装着はBuds Liveの方が快適
  • 遮音性:耳栓としてはBuds+の方が優秀。ANCを有効にすればBuds Liveでも一部の音をカットできる
  • 音質:どちらも綺麗。Buds+の方が癖がないがその分やや平坦。Buds Liveは個性があるが、好みは分かれそう
  • バッテリー:Buds+がダブルスコアで圧勝

まとめ。Galaxy Buds Liveの魅力とは

以上、Galaxy Buds Liveのレビューをお届けしました。

完全ワイヤレスイヤホンは、どこかで見たことがあるようなデザインの製品が溢れています。Galaxy Buds Liveは唯一無二のデザインを採用したことで、その他大勢に埋もれない、確かな個性を獲得しています。

すでに完成度が高かった従来のスタイルを壊したことはリスキーな挑戦でしたが、機能・性能は先代からしっかりとブラッシュアップ。インナーイヤー(開放・オープン)型への変更、ハッキリとした音作り、アクティブノイズキャンセリングの搭載など、Galaxy Buds Liveによって、Galaxy Budsシリーズは新たな方向性を見出したと言えます

Galaxy Buds+登場時、筆者はGalaxy Budsユーザーは慌てて買い替える必要はないと述べています。しかし、Galaxy Buds Liveでは、得られる体験がこれまでとは大きく異なります。

9月4日に、日本でも正式に発売開始となります。現Galaxy Buds / Buds+ユーザーには、ぜひ買い替えを検討してみてほしいと思います。

コメント

  1. 匿名 より:

    音漏れはするのでしょうか?できれば、追加でこのページに追加で書入れて欲しいです

ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

当サイトでは主にGalaxyを中心に様々なガジェットのリークやニュース、レビューなどをお届けしています。今は完全ワイヤレスイヤホンにご執心。