サムスンのスマートウォッチ「Galaxy Watch3」と「Galaxy Watch Active2」には、ECG(心電図)や血圧測定の機能が搭載されている。
これらの機能は日本を含む多くの国で様々な法規制の関係上解禁されていないため、使用できないのが現状。現在正式に利用できる国は韓国や米国などだけであり、非常に限られている。
しかし、多くの国ではECG(心電図)機能や血圧測定機能が解禁されていないというだけで、機能そのものはスマートウォッチに搭載されている。やや強引な手法にはなるが、日本でもGalaxy Watch3とGalaxy Watch Active2の両機種でECG(心電図)機能が利用できることを確認したので、本記事ではその方法を解説しよう。
最新モデルGalaxy Watch4およびGalaxy Watch4 ClassicでECGと血圧を有効にする方法も解説しました。
準備と必要な物
必要なものはGalaxy Watch3またはGalaxy Watch Active2のいずれかと、Galaxyスマートフォンのみで、PCは特に必要ない。一応、Galaxyスマートフォン以外でも成功の報告はあるようだ。
血圧測定機能を正しく試してみたい場合は、別途通常の血圧計が必要となる。また、血圧測定機能については執筆時点ではブラジル版・韓国版のGalaxy Watch3 / Galaxy Watch Active2でしか利用できないので注意。
どの国のモデルでもハードウェア自体は共通のため、その他の国で販売されているGalaxy Watch3 / Galaxy Watch Active2でもリージョンを書き換えることで利用はできると思われる。実際に海外ではそういった方法も紹介されているので、興味がある場合は調べてみるといいだろう。
注意点
本記事で紹介する方法は、本来意図されていない手段を用いて有効化されていない機能を動作させるので、当然ながら推奨はできない。完全に自己責任で行うことになる点にはついては注意していただきたい。
また、本記事で使用したGalaxy Watch3とGalaxy Watch Active2はどちらも米国版のため、国内版(執筆時点でGalaxy Watch3の発売は未定)では挙動が異なるかもしれない。
Samsung Health Monitorアプリをインストール
まずは、GalaxyスマートフォンにECG(心電図)記録・血圧測定の専用アプリである「Samsung Health Monitor」をインストールしなければならない。
本来であればサムスン独自のアプリストア「Galaxy Store」からインストールするのだが、日本からSamsung Health Monitorをインストールしようと試みても上記画像のようなエラーが出現し、上手くいかない。
しかし、apkファイルさえ入手してしまえば問題なくインストールできる。Samsung Health Monitorのapkファイルを提供している場所は複数あったが、今回はXDA-Developersが公開しているファイルを使用した。
apkファイルのインストール方法はここでは解説しないので、各自調べてみてほしい。そんなに難しくないので。
設定手順
インストールしたSamsung Health Monitorを起動した様子がこちら。
起動画面で[Continue]をタップすると、Samsung Health MonitorとS Healthアプリとの間でデータを共有するための権限を求められるので、許可しておこう。心電図と血圧は個別に選択できるようになっているが、基本的にはどちらも許可しておいて問題はない。
Galaxy Watch3 / Active2側でECG(心電図)機能を有効にする
続いて、Galaxy Watch3またはGalaxy Watch Active2側に、ECG(心電図)や血圧測定の機能を出現させる必要がある。
韓国版のGalaxy Watch3 / Galaxy Watch Active2のように、正式に機能に対応しているモデルの場合はデフォルトの状態でSamsung Health Monitorが入っており、ECG(心電図)や血圧測定用のウィジェットも用意されている。しかしその他のモデルの場合は、以下の手順でECG(心電図)や血圧測定の機能を有効化しなければならない。
あれ、Galaxy Watch3のウィジェットにいつの間にかECGがあるぞ
— ひがし (@pghigashi) September 30, 2020
筆者は色々といじっているうちにいつの間にかECG(心電図)機能が出現していたが、YouTubeチャンネルSamsung Tech Stuffによると
- Galaxy Watch3(またはActive2)を開発者モードにする
- Wi-Fiの設定を「常にON」
にすることでウィジェット一覧にECG(心電図)機能が追加されるようだ。ちなみに、開発者モードは[設定] ⇒ [時計について] ⇒ [ソフトウェア]と進み、ソフトウェアバージョンを連続タップすると開放される。
ECG(心電図)機能が利用可能に。血圧測定は一部地域のみ
筆者の場合は、以上の手順でECG(心電図)機能が利用可能になった。
Galaxy Watch3のECG(心電図)機能をタップするとスマートフォン側のSamsung Health Monitorが起動し、どちらの腕で測定するかなどの簡単な初期設定を済ませた後、実際に測定が可能になった。
ECG(心電図)機能の利用中は、Galaxy Watch3 / Active2右上の戻るボタンに軽く指を触れた状態で、30秒間キープする。測定した心電図はSamsung Health Monitorアプリから確認可能だ。
なお、米国版のGalaxy Watch3およびGalaxy Watch Active2には血圧測定機能がリリースされていないため、Samsung Health Monitorアプリの「Blood pressure」タブには「Galaxy Watch Active2以降の互換性がある時計」でなければ利用できない旨が表示された。
血圧測定機能が解禁されているブラジル・韓国版のGalaxy Watch3 / Galaxy Watch Active2を持っていれば、上記の手順で血圧測定まで試せるはずだ。
Galaxy Watch3 / Active2の血圧測定とECG(心電図)は正確か?
Galaxy Watch3・Galaxy Watch Active2で利用できるECG(心電図)や血圧測定は、あくまでも簡易的な測定である点を理解しておきたい。
実際に心電図を何度も測ってみるとしっかりと結果に違いが表れる、海外の血圧測定を試しているレポートを見てもある程度の精度は出ているように感じている。しかし、血圧に関しては定期的にキャリブレーションするとはいえ、血圧の変化の関係を分析し結果を算出しているため、おそらく医療目的で利用できるレベルではない。
話のネタとして、とまでは言わないものの、日々の手軽な健康管理の一環として取り入れる程度に留めておくべきだろう。体の不調を感じたもののGalaxy Watch3・Galaxy Watch Active2で血圧や心電図を計測したら異常はなかったから放置した、なんてことは絶対にないようにしたい。
むしろ、Galaxy Watch3・Galaxy Watch Active2の血圧測定やECG機能を日常的に活用することで、体の不調にいち早く気が付く手段として使えるとベストだ。
Galaxy Watch3 / Active2でECG(心電図)機能や血圧測定を利用する方法まとめ
以上、日本でもGalaxy Watch3 / Active2でECG(心電図)機能を利用する方法を紹介した。
海外の情報を眺めていると、Tizen OSやSamsung Health Monitorアプリのバージョンも関わっている可能性もあるようなので、あまり積極的にアップデートを行っているとこういった手段は塞がれてしまうのかもしれない。
冒頭でもふれたように、推奨された方法ではないので、実践する方はあくまでも自己責任で。
コメント
拝見させていただきました。それで書いてある通りに行いましたが、時計側でECG機能が出現しませんでした。他に方法はありますか?
私が使っているGalaxy Watch Active2は多分ベトナム版です。
設定⇒時計について からデバッグをオンにしても出ないですかね?
ちょっと実機触らないとこれ以上はなんとも難しいのですが・・・
出ませんでした…
ちなみにECG機能はアプリ一覧に表示されますか?
アプリ一覧に表示されるのは「Samsung Health Monitor」ですね
ECGはウィジェットとして追加されるはずです
なるほど。分かりました。
また自分でも方法を模索したいと思います。
返信していただきありがとうございました。