Galaxy Watch6 Classic レビュー。バッテリーはマイナス、総合的にはプラス | プラスガジェット
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Galaxy Watch6 Classic レビュー。バッテリーはマイナス、総合的にはプラス

サムスンの新型スマートウォッチ、Galaxy Watch6 Classicのレビューをお届けする。

Galaxy Watch6 Classicには、2022年8月に登場したタフネス仕様のGalaxy Watch5 Proとは異なり、回転ベゼルを搭載した従来のクラシカルなデザインが採用されている。

本記事では、Galaxy Watch6 Classicの米国版を実際に使用し、ワークアウトやヘルスケア機能の精度、バッテリー持ちなどを詳しく評価してレビューする。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてほしい。

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結論:Galaxy Watch6 Classicのメリット・デメリット

Galaxy Watch6 Classicのメリット・デメリットを簡潔にまとめると以下の通りだ。

デザイン:細身で軽快な回転ベゼルがGood

Galaxy Watch6 Classicの正面デザイン
Galaxy Watch6 Classicの裏面
Galaxy Watch6 Classicの側面
Galaxy Watch6 Classicの側面

今回レビューするのは、Galaxy Watch6 Classicの47mmモデル。カラーはシルバーだ。

Galaxy Watch6シリーズは、Galaxy Watch6が40mmと44mm、Galaxy Watch6 Classicが43mmと47mmというラインナップ。また、ドコモやauではLTEモデルも取り扱われる。

ケースの素材にはステンレススチールが使われており、ピカピカとした高級感のある質感に仕上げられている。

ClassicモデルにはGalaxy Watch4 Classic以来となる回転ベゼルも搭載されており、よりクラシカルな腕時計らしいデザインだ。

左:Galaxy Watch6 Classic 右:Galaxy Watch4 Classic
左:Galaxy Watch6 Classic 右:Galaxy Watch4 Classic

パッと見はGalaxy Watch4 Classicにそっくりに見えるが、並べてみるとGalaxy Watch6 Classicの回転ベゼルの方が明らかに細くスッキリとしている。

また、見た目だけではなくベゼルを回転させたときのフィードバックにもわずかだが違いがあった。

Galaxy Watch6 Classicの方が軽快でスムーズなので、スルスルと回る印象だ。どちらも回転させたときにカチカチという感触が指先に伝わるので、無意味に回したくなる心地よさは残っている。

右側面の上側にホームボタン、下側に戻るキーを搭載するのはいつも通り。

ケースサイズは47mmで厚さは9mm。底面のセンサー部分まで含めた厚さは実測で約14mm程度だった。

ケースサイズ厚さの実測重量
Galaxy Watch6 Classic高さ46.5 x 幅46.5 x 厚さ10.9 mm約14mm59g

ディスプレイには頑丈なサファイアクリスタルガラスが使われており、ちょっとやそっとでは傷が付きそうにないので、毎日安心して身に付けられそうだ。

実際に腕に装着してみた様子がこちら。

Galaxy Watchシリーズをほぼ全て使ってきたた感覚がマヒしている部分もあるが、ケースサイズ47mmという数字ほど大きくは感じない。

ほとんどの男性であれば数日使っているだけで自然と慣れるくらいの装着感ではないかと思う。

バンドの仕組みが改善

バンドの仕組みが改善
バンドの表面
バンドの裏面

Galaxy Watch6 Classicに付属するバンドは、裏面がスベスベとしたシリコンっぽい素材、表面が革風のシボ感のある素材になっている。

裏面に汚れが付きにくく質感も高いので、かなり満足度は高い。

当サイトではGalaxy Watch5 Proのバンドを「致命的な欠陥」として紹介していたが、今作Galaxy Watch6 Classicのバンドは穴にピンを通してサイズを調節する見慣れたタイプに戻っており、とても扱いやすくなっている。

もちろん、180°完全に開くので、パッドタイプのワイヤレス充電器やGalaxyのワイヤレスバッテリー共有も問題なく利用できた。

クイックリリースボタン
クイックリリースボタン

もう1つ、バンドの接続にクイックリリースボタンが採用された点もGalaxy Watch6 Classicで改善されたポイントだ。

従来のGalaxy Watchのバンドは、ピンを指先でスライドさせて本体側の穴にあわせる作業が必要だった。

しかし、Galaxy Watch6 Classicではボタンを押すだけで内部のピンが動くので、細かい作業する手間がなくなりバンド交換がグッと楽になった。

ビジネスやスポーツなど、シーンにあわせてバンドを交換する方にとってはとても嬉しい変化なのではないかと思う。

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ワークアウトとヘルスケアを検証

ワークアウトとヘルスケアを検証

Galaxy Watch6が対応しているワークアウトは90種類以上。

カスタムワークアウトも利用できるほか、設定を有効にしておけばウォーキングやランニングなど一部のワークアウトは自動的に検知されるので、わざわざスタートの動作をしなくても自動的にデータの計測を開始できる。

なお、Galaxy Watch5 Proで利用できたルートワークアウトやトラックバック機能は、Galaxy Watch6 Classicでは非対応なので注意が必要だ。

また、睡眠の記録と評価、血中酸素やストレス測定など定番のヘルスケア系機能も引き続き利用できる。

上の画像は実際にGalaxy Watch6 Classicで計測して睡眠データで、睡眠時間はかなり正確に把握されている。

また、いびきの録音や温度センサーを活用した睡眠中の皮膚温度の計測にも対応しているので、身に着けているだけでさまざまなデータを蓄積して健康管理に役立てられそうだ。

体組成計の結果と比較

Galaxy Watch6 Classicには、Watch5・Watch4から引き続き体組成計機能が搭載されている。

あらかじめ身長を設定しておくと、体重を入力してウォッチ側面のボタンに数十秒間指を触れるだけで骨格筋・体脂肪量・水分・体脂肪率・BMI・基礎代謝などを計測してくれる。

となると、Galaxy Watch6 Classicで計測できる体組成は実際のところどの程度信頼できるのか?という疑問も浮かぶ。

そこで、体組成計(HUAWEI Scale 3Pro)でもデータを計測し、見比べてみることにした。

項目Galaxy Watch6 ClassicHUAWEI Scale 3Pro
体重63.5kg63.5kg
骨格筋24.0kg22.2kg
体脂肪量18.1kg20.89kg
水分32.3kg31.20kg
体脂肪率28.5%32.9%
BMI23.623.6
基礎代謝率1350cal1290kcal

こちらがGalaxy Watch6 ClassicとHUAWEI Scale 3Proで計測した体組成データ。

筆者が絶望的に不健康である点は一旦置いておくとして、Galaxy Watch6 Classicで計測されたデータは思っていたよりも体組成計に近いのではないだろうか。

正直、もっとわかりやすく致命的なズレが生じて「やっぱり専門機器には敵わないですね」という結論を用意していたのだが、この程度であれば簡易的な計測としては十分実用的だと感じる。

データを見てダイエットする決心がついた(去年10kg落としたんだけどなぁ)ので、今後も測定を続けていき気になる点があれば随時追記していくつもりだ。

ECG(心電図)と血圧は日本で利用不可

ECG(心電図)と血圧は日本で利用不可

Galaxy Watch6 Classicにも、心電図と血圧測定機能は引き続き搭載されている。とは言っても国によって利用できるかどうかは異なり、日本では基本的に利用できない。

心電図と血圧測定に必要なSamsung Health Monitorアプリも、apkファイルをインストールしただけでは日本を含む対象国外からは初期設定が行えない仕様だ。

ただし、対象国外からでもECGと血圧測定を利用する抜け道はある。Galaxy Watch6でECG(心電図)と血圧測定を有効にする方法は従来モデルとほぼ同じなので、詳細は以下の記事をチェックしてみてほしい。

Galaxy Watch6 Classicで何ができる?

Galaxy Watch6 Classicで何ができる?

Galaxy Watch6 Classicに限らず、「スマートウォッチって必要?」という疑問を持っている方は少なくない。

要・不要で言うと間違いなく不要なアイテムではあるのだが、個人的にはあると便利なので毎年買い続けている。

では、Galaxy Watch6 Classicでは何ができるのか?何が便利なのか?という点について、定番機能から使いどころがあまりなさそうな機能まで簡単に紹介しよう。

通知のチェックや返信、通話まで

通知のチェックや返信、通話まで

Galaxy Watch6 Classicは、従来のGalaxy Watch同様にペアリングしたスマートフォンに来た通知をほぼリアルタイムで表示できる。

SNSやLINEのほか、通知センターに通知を表示する設定にしているアプリであれば、全てのアプリの通知をGalaxy Watch6 Classic上で確認可能だ。

また、マイクとスピーカーが内蔵されているので、スマホに来た着信にウォッチで応答しウォッチで通話もできる。

メールやSMS、LINEなどのメッセージ系アプリの通知の場合は、Galaxy Watch6 Classicから返信も可能。

  • 定型文(編集・追加可能)
  • 絵文字
  • 手書き入力
  • ケータイ入力
  • 音声入力

などの方法で文章を入力し返信できるので、自由度はかなり高い。

画面が小さいので文字の入力は快適とは言えず定型文以外を使うシーンはあまり多くないが、しっかりと実用的なレベルまで作りこまれている点には思わず感心してしまう。

また、LINEやカカオトークなどの定番アプリにはWear OS版も用意されているので、Galaxy Watch6 Classic上からスマホアプリ同様トークルームに入ることも可能だ。

以下の記事ではGalaxy WatchでLINEのスタンプや画像、音声通話などは利用できるのか?といった点を検証している。

Wear OS版のLINEアプリをインストールした場合にできること、できないことなども網羅しているので、合わせてチェックしてみてほしい。

カメラのコントロール

カメラのコントロール

Galaxy Watch6 Classicにはカメラアプリがプリインストールされており、起動すると連動してスマホの純正カメラが立ち上がってウォッチの画面上にプレビューが表示される。

Galaxy Watch6でできる操作は、プレビューの確認・タップによるフォーカス・動画 / 写真の切り替え・ピンチイン/アウトによるズーム。Galaxy S23 Ultraとペアリングしている場合、最大100倍までズームできることも確認済みだ。

集合写真やセルフィーなど、カメラのプレビューを遠隔でチェックしながらシャッターを切れる機能は意外と使いどころが多く便利だと感じる。

タッチ操作のレスポンスも悪くないので、写真をバシバシとってSNSにアップするのが好きな方にとっては結構重宝する機能なのではないかと思う。

温度を計測

温度を計測

Galaxy Watch6 Classicの地味ながら面白そうな機能として、温度測定がある。

実はGalaxy Watch5 Proの時点で温度センサーは搭載されていたが、発売当初は機能が有効化されておらずあまり注目されていなかった。

Thermo Checkというアプリを活用するとGalaxy Watch6やGalaxy Watch5で周囲の温度や水の温度、食事の温度などを測定可能。

厳密な体温計とは異なるので便利に活用できるシーンはかなり限られてはいるのだが、「スマートウォッチでできること」の幅が広がったことは素直に嬉しい。

実際にいろいろなモノの温度を計測してみたので、詳細は以下の記事をチェックしてみてほしい。

関連【解説】Galaxy Watch6/Watch5で温度を測る方法

待望のSuica・QUICPay・iD対応!

待望のSuica・QUICPay・iD対応!

Galaxy Watchを長年使い続けてきたが、第6世代目にしてやっと待望のFelica搭載が実現した(国内版のみ)。

正直言うとFelicaが搭載されるなど微塵も期待していなかったので筆者は例年通り米国版を購入してしまっており、激しく後悔中。恐らくタイミングを見て日本版に買い替えてしまいそうだ。

執筆時点で利用できる決済サービスは、Suica・QUICPay・iDの3種類。同様にFelicaを搭載するPixel Watchも、アップデートにより新たにQUICPayとiDが使えるようになったので、機能としては横並びとなった。

決済が問題なくできるか?何か面白い使い方はないか?など色々と試してみたいことがあるのはもちろん、Galaxy Watch6 ClassicでSuicaとQUICPayが使えればスマホにおサイフケータイは必要なく選択肢が広がるというのも個人的には大きなメリットなので、買い替え次第検証したうえで追記する予定だ。

※追記(2023/11)

結局米国版を手放して日本版を購入しなおした。

デフォルトで「NFCと非接触型決済」の設定がオフになっている点に面食らったが、それ以外は問題なく、便利にSuicaを活用できている。

決済が便利なのはもちろん、個人的には自宅のスマートロック(OPELO)をGalaxy Watch6を押し付けるだけで開けられるようになったのが便利だった。

電池持ちを検証

電池持ちを検証

個人的なGalaxy Watch6 Classic最大のガッカリポイントは、電池持ちだ。

シリーズ最大の590mAhのバッテリーを内蔵していたGalaxy Watch5 Proに比べ、Galaxy Watch6 Classic(47mm)のバッテリー容量は425mAhと大幅にダウンしている。

実際にGalaxy Watch6 Classicをフル充電したあと、一切充電せずバッテリーがゼロになるまでの時間を記録した結果が以下の表だ。

設定
  • 接続デバイス:Galaxy S23 Ultra
  • 画面の明るさ:自動調整ON
  • Always On Display:有効
  • 手首を上げて画面ON:有効
  • 画面タイムアウト:15秒
  • サウンドモード:バイブ
  • バイブ:短く強い
  • ストレス・心拍の測定:手動
  • 血中酸素濃度:睡眠時のみ有効
  • いびき検出:有効
  • 通知:メール・SNS・LINEなど
  • 通話:なし
  • ワークアウト:30分ほどのウォーキングを自動検出(他ではGPSオフ)
日付と時間バッテリー残量
8月30日午前4時100%
8月31日午前4時36%
8月31日午前11時0%

容量の低下に伴い、バッテリー持続時間もGalaxy Watch4 Classic同等レベルまで落ちてしまった。

Wear OS搭載のスマートウォッチとしては決して短くなく、1日は余裕で持つので十分と言えば十分ではあるのだが、Galaxy Watch5 Proで実質3日の電池持ちを経験してしまうと物足りなさを感じる。

充電速度も特に速くない

充電速度も特に速くない

バッテリー容量が少ないということは充電速度が速いのか?というと、実はそうでもない点もガッカリ度を上げてしまっている要因だ。

公式のスペックシートによると、Galaxy Watch6 Classicは30分で最大45%まで充電できるとされており、実際に付属の充電器で充電して検証してみたところ、確かに30分で40%以上充電された。

経過時間バッテリー残量
0分0%
30分42%
1時間76%
1時間30分99%
Galaxy Watch6 Classicの充電時間(付属充電器使用)

しかし、バッテリー容量が大きいGalaxy Watch5 Proの充電速度も30分で45%程度であり(実機で検証済み)、Galaxy Watch6 Classicが特別速くなったわけではない。

まとめると、Galaxy Watch5 ProからGalaxy Watch6 Classicになると

  • バッテリー容量が減り
  • バッテリー持続時間が短くなり
  • 充電にかかる時間は変わらない

という何とも不甲斐ない結果になってしまった。

劣化というと言葉は悪いかもしれないが、少なくともバッテリー持続時間を重視するのであればGalaxy Watch5 Proを選んだ方が満足度が高いはずだ。

まとめ:シリーズの方向性が気になる

以上、Galaxy Watch6 Classicのレビューをお届けした。

回転ベゼル信者過激派の筆者にとって、全体的な仕様がGalaxy Watch4 Classicまで戻ったうえでブラッシュアップされたのは素直に嬉しいポイントだった。

しかし、Galaxy Watch5 Proのメリットだった電池持ちや特徴のタフネスボディなどは完全になかったことになっており、現状だと「Proとは何だったのだろうか……?」という気持ちにもなってしまう。

元々、Galaxy Watchは回転ベゼルが付いたり外れたりActiveシリーズが追加されたりなど、シリーズとしての方向性が定まっていなかった。

今回、5 Proではなく4 Classicの仕様を引き継いだことでさらに訳が分からなくなり、「隔年でタフネスと回転ベゼルが出るのか?」「Proは失敗だったのか?」などさまざまな憶測が飛び交いそうだ。

いちユーザーがブランド全体の心配をしても仕方ないのだが、回転ベゼルだけはどうしても残してほしいので、個人的には今後もGalaxy Watch6 Classicをベースとしてシリーズを発展させていってほしいと期待している。

Galaxy Watch6シリーズは、9月15日から発売される予定。Felicaが搭載された以上、海外版ではなくきちんと国内版を購入することをおすすめする。

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ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

当サイトでは主にGalaxyを中心に様々なガジェットのリークやニュース、レビューなどをお届けしています。今は完全ワイヤレスイヤホンにご執心。