「折りたたみスマホはすぐ壊れそう」といったイメージを持っている方は多いはず。
実際、普通のフラットなスマホと比較すると多少デリケートに扱わなければならないのは間違いなく、数年で画面やヒンジあたりに問題が発生したとの報告も少なくない。
積極的に折りたたみスマホを展開しているサムスンは、そんな折りたたみスマホのネガティブイメージを払拭しようと奮闘中。
2月19日には、折りたたみディスプレイとしては初めて「MIL-STD 810G」の認証を取得したとアナウンスしている。
Samsung Displayの折りたたみパネルが「MIL-STD 810G」の基準をクリア
Samsung Displayが現地時間2月19日に公開したプレスリリースによると、同社製の折りたたみパネルが米国国防部の軍事標準規格である「MIL-STD 810G」のテストをクリアしたとのこと。
「MIL-STD 810G」については以下を参照。
MIL-STD-810は、米国防衛装備品のための温度、湿度、高度、振動、衝撃、耐水などの過酷な環境条件に即した実験室による試験規格です。 すべての項目に対しての試験を実施する必要は無く、使用される製品に要求される環境仕様によって、試験項目/試験内容を選択できます。 製品の性能表記は、MIL-STD-810の試験をパスした項目のMethod番号、Procedure番号、簡単な試験数値をデータシートの環境性能欄へ記載するのが一般的です。
MIL-STD-810 概要
上記の通り、MIL規格の試験項目は選択できる。
今回Samsung Displayが折りたたみパネルのために実施した試験項目は、
- Temperature Shock(温度衝撃)
- Icing(氷)
- Acceleration(加速)
- Transit Drop(落下)
の4種類。
具体的には
- -10℃の環境で水を噴射して6mm厚の氷で折りたたみパネルを覆い4時間維持する
- 周囲の温度を-32℃から63℃まで2時間間隔で変化させるのを3回合計12時間繰り返す
- 1.22mの高さから向きを変えながら合計16回落下させる
- 高速回転させて10.5Gの負荷をかける
というもの。
今回試験した7インチ台の折りたたみパネルは全ての試験を無事クリアし、折りたたみディスプレイとしては初めて「MIL-STD 810G」の認証を取得した。
折りたたみスマホの耐久性向上に期待
今回「MIL-STD 810G」の認証を取得した折りたたみパネルは7インチ台なので、既存モデルではGalaxy Z Foldシリーズに該当する。
しかし、Samsung Displayは厳しい試験をクリアしたパネルが既存の折りたたみスマホに採用されているかどうかには触れていないため、おそらく開発段階のものと考えられる。
プレスリリース内では、このパネルを採用した試作モデル「Flex In&Out」の画像も公開されているので、今後のGalaxy Z Foldシリーズへの採用が期待される。
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