Libero Flipは、ワイモバイルから2024年2月19日に発表された国内最安を謳う折りたたみスマホ。
一般的なサイズの画面を縦向きに折りたたんでコンパクトに持ち運べるというコンセプトであり、サムスンのGalaxy Z Flipシリーズやモトローラのrazr 40シリーズに近いスタイルだ。
そこで本記事では、Libero FlipとGalaxy Z Flip5および1世代前のFlip4、モトローラ razr 40のスペックを比較していく。
より具体的な使用感は実機を触れてみないとわからないものの、現時点の情報からわかる「どこでコストカットしているのか?」「注意点は?」「そもそも本当に安いのか?」といった点について紹介するので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてほしい。
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Libero Flipはそもそも安いのか?
まず、根本的な「Libero Flipって本当に安いの?」という点について。
結論から述べると、本当に安い。大丈夫なのか心配なレベルで安い。
2024年2月現在、日本で正式に販売されている縦型の折りたたみスマホの主なラインナップと価格を表にまとめると以下のようになる。
機種名 | 発売時期 | 日本価格(発売時点) | 海外価格(発売時点) |
---|---|---|---|
Galaxy Z Flip4 | 2022年9月 | 139,800円~159,500円 | 999ドル |
Galaxy Z Flip5 | 2023年9月 | 160,820円~154,300円 | 999ドル |
モトローラ razr 40 ultra | 2023年8月 | 155,800円 | 999ドル |
モトローラ razr 40 | 2023年11月 | 125,800円 | 700ドル |
全機種が10万円を超える価格設定であり、最も安価なrazr 40を除くと価格はほぼ横並び。
razr 40のみやや安く設定されており、発売当初IIJmioで開催されていた期間限定キャンペーンを利用すると一括79,800円できたことで「折りたたみスマホが8万円で買える!」と非常に注目を集めていた。
そして今回、ワイモバイルから登場したLibero Flipの価格は63,000円。新規・MNPの場合は驚異の39,800円。あれだけ世間を驚かせたrazr 40の半額だ。
一応各折りたたみスマホの海外価格も併記したが、現在の為替レートを考慮するとより一層Libero Flipが異次元の安さであることがわかるはず。
後程詳しく触れるが、Libero Flipはrazr 40と同じプロセッサーを搭載しており、メモリとストレージ容量がワンランク下げられているものの、それでも文句なしに超安い折りたたみスマホと言えるだろう。
スペックを比較
続いて、Libero FlipとGalaxy Z Flip5・Flip4、razr 40 ultra・razr 40のスペックを比較していく。
項目 | Libero Flip | Galaxy Z Flip5 | Galaxy Z Flip4 | razr 40 ultra | razr 40 |
---|---|---|---|---|---|
ディスプレイ | メイン:約6.9インチ(2790×1188) サブ:約1.43インチ(466×46) | メイン:6.7インチ(2640 x 1080) サブ:3.4インチ(720 x 748) | メイン:6.7インチ(2640 x 1080) サブ:1.9インチ(260 x 512) | メイン:6.9インチ(2640×1080) サブ:3.6インチ (1066×1056) | メイン:6.9インチ(2640×1080) サブ:1.5インチ (194 x 368) |
カメラ | 広角:50MP 深度:2MP | 広角:12MP 超広角:12MP | 広角:12MP 超広角:12MP | 広角:12MP 超広角:13MP | 広角:64MP 超広角:13MP |
インカメラ | 16MP | 10MP | 10MP | 32MP | 32MP |
チップセット | Qualcomm Snapdragon 7 Gen 1 | Snapdragon 8 Gen 2for Galaxy | Snapdragon 8+ Gen 1 | Snapdragon 8+ Gen 1 | Snapdragon 7 Gen 1 |
メモリ/ストレージ | 6 / 128GB | 8/256GB・512GB | 8/256GB・512GB | 8/256GB | 8/256GB |
バッテリー | 4310mAh | 3700mAh | 3700mAh | 3800mAh | 4200mAh |
充電 | 有線:33W | 有線:25W ワイヤレス充電対応 | 有線:25W ワイヤレス充電対応 | 有線:30W ワイヤレス充電対応 | 有線:30W ワイヤレス充電対応 |
生体認証 | 指紋認証 顔認証 | 指紋認証 顔認証 | 指紋認証 顔認証 | 指紋認証 顔認証 | 指紋認証 顔認証 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6E |
Bluetooth | Bluetooth v 5.2 | Bluetooth v 5.3 | Bluetooth v 5.2 | Bluetooth v 5.3 | Bluetooth v 5.3 |
モバイル通信 | LTE/5G | LTE/5G | LTE/5G | LTE/5G | LTE/5G |
SIMタイプ | nanoSIM + eSIM | nanoSIM + eSIM | nanoSIM + eSIM | nanoSIM + eSIM | nanoSIM + eSIM |
おサイフケータイ | 対応 | 対応 | 対応 | 非対応 | 対応 |
防水防塵 | IPX2 / IP4X | IPX8 | IPX8 | IP52 | IP52 |
サイズ | 展開時:76×170×7.3mm 折りたたみ時:76×88×15.5mm | 展開時: 71.9×165.1×6.9mm 折りたたみ時: 71.9×85.1×15.1mm | 展開時:71.9×165.2×6.9mm 折りたたみ時:71.9×84.9×17.1mm | 展開時:73.95×170.83×6.99mm 折りたたみ時:73.95×88.42×15.1mm | 展開時:73.95×170.82×7.35mm 折りたたみ時:73.95×88.24×15.8mm |
重量 | 約214g | 187g | 187g | 約188g | 約188.6g |
razr 40の半額となればLibero Flipはさぞポンコツスペックなのでは?と考える方が多いかもしれないが、前述の通りチップセットはSnapdragon 7 Gen 1でrazr 40と同一。
ただし、メモリはLibero Flipのみ6GBと控えめなので、総合的な処理性能としては上記5機種のなかでやや劣るのは間違いない。
そのほか、Libero Flipは折りたたみ時のサイズがやや大きく重量が飛び抜けて重いことは多少気になるものの、性能面で極端なコストカットを感じる部分は少ない。
Libero Flipの注意点
Libero Flipについて、使い勝手の部分で気になりそうなポイントや注意した方がよいポイントはいくつかあるので、以下でザっと解説する。
- サブディスプレイの操作性と機能
- 対応バンド
サブディスプレイの操作性と機能
まず真っ先に気になったのは、サブディスプレイのサイズと形状だ。
Libero Flipのサブディスプレイは約1.43インチと非常に小さく、さらに円形。Galaxy Z Flip4の1.9インチでさえ小さく使い道に困った記憶があるので、Libero Flipのサブディスプレイも物足りなくなる未来が見える。
参考までに、スマートウォッチのGalaxy Watch6 Classic(47mm)の画面サイズは1.5インチ。
また、razr 40シリーズやGalaxy Z Flipのサブディスプレイは自由度が高く、一部動作が不安定な場合こそあるものの好きなアプリを起動して利用できる。
一方、Libero Flipのサブディスプレイは特定のウィジェットのみ使える仕様のようなので、自由度は低め。
逆に言えば、機能が限定されているからサイズは小さくてOKという考え方もできる。通知確認や着信応答、カメラのプレビュー表示といった定番の用途には問題なく対応可能だ。
対応バンド
Libero Flipの国内対応バンドは以下の通り。
FDD-LTE | B1/B3/B8 |
---|---|
TDD-LTE | B41/B42 |
5G | n3/n28/n77/n78 |
見ての通り、ソフトバンク以外のプラチナバンドには見事に非対応。単純なスペックからは見えにくかったコストカットの跡が伺える。
ワイモバイル・ソフトバンク・LINEMO以外でLibero Flipを使おうと考えている場合は注意した方がいいだろう。
とは言っても、ワイモバイルは現在回線契約を伴わない端末のみの販売を行っていないので、普通にワイモバイルで購入しワイモバイルで使い続ける分には何ら心配はいらない。
Libero Flipは挑戦しやすい折りたたみスマホ
ワイモバイルのLibero Flipは、折りたたみスマホとしては間違いなくお買い得であり、ミドルレンジのスマホとしても妥当な性能と価格設定であるように思える。
当サイトでは度々「折りたたみスマホは自分で使う分には楽しいけど、高すぎて安易におすすめですとか言えない」と愚痴ってきたが、Libero Flipは現実的な価格設定どころかむしろ安すぎるので、折りたたみスマホに興味があった方はぜひチャレンジしてみてほしい。
本体価格 | 新規またはのりかえ(MNP) |
---|---|
6万3,000円 | 3万9,800円(本体価格から2万3,200円割引) |
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