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Galaxy Z Flip5 レビュー。縦型折りたたみスマホの理想形

サムスンが2023年7月に発表したばかりの新型折りたたみスマホ、Galaxy Z Flip5のレビューをお届けする。

先に結論を述べると、Galaxy Z Flip5はハッキリとわかりやすく進化したポイントが多く、1つ前のモデルであるGalaxy Z Flip4のユーザーも積極的に買い替えを検討していい仕上がりだと感じた。

本記事では、Galaxy Z Flip5のパフォーマンスやカメラ性能、電池持ちなどのほか、大型化されたカバー画面の使い勝手など、口コミ・評判だけではわかりにくい実際の使用感を率直にレビューする。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてほしい。

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結論:Galaxy Z Flip5のメリット・デメリット

Galaxy Z Flip5のメリット・デメリットを簡潔にまとめると以下の通りだ。

デザインと質感:薄く小さくファッショナブル

Galaxy Z Flip5を正面から見た様子
Galaxy Z Flip5の底面
Galaxy Z Flip5の天面
Galaxy Z Flip5の右側面
Galaxy Z Flip5の左側面

まずはデザインや質感からチェックしていこう。Galaxy Z Flip5はドコモではミント / グラファイト / ラベンダーの3色、auではクリーム / グラファイト / ミントの3色で展開されている。

今回レビューするカラーは、両キャリアに用意されているミントだ。

なお、海外ではミント / グラファイト / クリーム / ラベンダーの4色のほか、Samsung.comの限定カラーとして、グレー / ブルー / グリーン / イエローも提供されている。

ミントカラーは非常に淡く、流行りのニュアンスカラーのような仕上がり。

背面には頑丈なガラスが使われており、周囲の景色をハッキリと映し出せるほど光沢もある。個人的にはマットな質感だった先代のGalaxy Z Flip4の方が好みではあるものの、決してチープな印象は受けず相応の高級感を体験できる。

サイズ折りたたみ時: 71.9 x 85.1 x 15.1mm
展開時: 71.9 x 165.1 x 6.9mm
重量187g

折りたたんだときのサイズは手の平に収まる程度でとにかく小さく、持ち運びやすさ・取り回しやすさは数あるスマホのなかでもトップクラスだ。

カバンや洋服のポケットから出し入れしやすいのはもちろん、最近流行っているストラップを付けて首や肩に掛けるスタイルとも相性は抜群。

正方形に近い形状はケースを付け替えるだけで見た目を大きく変化させやすく、スマホながらファッションアイテムの一部としても楽しめそうだ。

左:Galaxy Z Flip4 右:Galaxy Z Flip5
左:Galaxy Z Flip4 右:Galaxy Z Flip5

Galaxy Z Flip4から大きく進化したポイントとして、フレックスヒンジと呼ばれるヒンジの構造が挙げられる。

上の画像は左側がGalaxy Z Flip4、右側がGalaxy Z Flip5だが、見ての通りGalaxy Z Flip5では画面がすき間なくピッタリと閉じるようになった。

これにより、折りたたみ時の厚さも約2mm程度の薄型化に成功している。

ヒンジに気になるほどの重さや固さはほとんど感じないので、指を入れれば片手でも開閉は可能。

ただし、内側前面がディスプレイに覆われている構造上、指を画面の隙間に入れて開くと指先や爪が画面にグッと押し当てられてしまいやすいのでできれば避けた方が無難だ。

画面もヒンジも頑丈に作られてはいるものの、両手を使って開閉すれば故障のリスクも抑えられるだろう。

関連PITAKAのGalaxy Z Flip5用MagEZ Case 3 レビュー。薄型ながらMagSafeアクセサリーにも対応

ディスプレイ:折り目が改善

ディスプレイ:折り目が改善

Galaxy Z Flip5のメインディスプレイは、サイズが6.7インチで解像度はFHD+(2640 x 1080ピクセル)なので、スペックシート上の数値はGalaxy Z Flip4やFlip3から変化はない。

アスペクト比は22:9で、1~120Hzの高リフレッシュレートにも対応する。

有機ELパネルを採用しているため発色は良好で、ドラマや映画、ゲームなどのコンテンツは美しく迫力のある画面で楽しめるはず。輝度も高く、この真夏に屋外で画面を開いても見にくさは全く感じなかった。

それに何より、折りたたみという構造上中央にどうしても入ってしまう「折り目」が従来モデルよりも大幅に目立たなくなっている点は見逃せないポイントだ。

左:Galaxy Z Flip4 右:Galaxy Z Flip5
左:Galaxy Z Flip4 右:Galaxy Z Flip5

Galaxy Z Flip5とGalaxy Z Flip4の画面を並べてみると、違いはこの通り。Galaxy Z Flip4は既に保護フィルムを貼り替えてしまっているので厳密な比較にはならないが、ハッキリと感じるレベルで折り目は改善されている。

さすがに光を当てるように傾けたり指で触ったりすれば折り目の存在は感じ取れてしまうが、普通に画面を見る程度であれば「そんなに気にならない」と言ってもいいクオリティには達している。

また、初期状態で貼り付けられている保護フィルムの質にも違いを感じた。Galaxy Z Flip4の初期フィルムは過去のレビューで散々文句を述べまくっており、正直品質はよくない。

一方、Galaxy Z Flip5の初期フィルムにはFlip4で感じたような安っぽいペタペタ感はなく、やたらとホコリが付きまくることによるストレスも感じなかった。

フレックスウィンドウ:大型化で求めていたスタイルに

フレックスウィンドウ:大型化で求めていたスタイルに

Galaxy Z Flip5最大の進化であり最も注目されているポイントは、フレックスウィンドウ(カバー画面)の大型化だろう。

従来1.9インチしかなかったフレックスウィンドウは、本機では3.4インチにまで拡大。右下のカメラを除けば半面のほぼ全体をディスプレイに覆われている。

画面の大型化に伴い、メディアコントロールや通知のチェック、天気にアラームなど各種ウィジェットの操作性や視認性も大幅に向上した。

ピンチインによるウィジェットの一覧表示にも対応したので何度もスワイプする手間が省けたほか、カメラを避けて画面を配置したことによる左下のスペースを活かし、戻るボタンの表示やジェスチャー操作などメインディスプレイさながらの操作性も実現している。

メインの半分程度の画面サイズながら操作時のストレスはなく、かなり作りこまれていると感じた。

Galaxy Z Flip5のフレックスウィンドウでキーボードを使う

また、キーボードの操作がサポートされたことも特筆すべきポイントだ。

メッセージの通知をフレックスウィンドウでチェックし、そのまま文章を入力して返信できる。LINEやYouTube、Googleマップなど一部のアプリにはフレックスウィンドウ用のウィジェットも用意されたので、画面を開かなくても動画を検索して視聴したり目的地までのルートをチェックしたりも可能だ。

また、やや上級者向けではあるが本来はサポートされていないアプリをGalaxy Z Flip5のフレックスウィンドウで起動する方法もある。

例によって一部正常に動作しないアプリもあるものの、ほぼ全てのアプリを画面を開かずに使えるようになった。

画面を開かずにアレもコレもできてしまう……」。これこそまさに筆者が求めていたFlipシリーズの姿であり、5世代を経てやっと理想が実現した。

Galaxy Z Flip5で任意のアプリを利用する方法は別の記事で詳しく解説しているので、興味がある方は以下の記事をチェックしてみてほしい。

最新SoC搭載でゲームも快適

最新SoC搭載でゲームも快適

Galaxy Z Flip5 は、プロセッサーにSnapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxyを採用している。

Galaxy S23 Ultraに採用されているモノと同じGalaxy向けに最適化されたチップであり、Androidに採用されるプロセッサーのなかでは現状トップクラスと言える性能を誇る。

ちなみに、先代と比べてCPU性能が約17%、GPU性能が約25%、NPU性能が約20%向上していると謳われている。

メモリは8GBとハイエンドモデルと比べるとやや物足りないが、実際に使ってみた感触としてはパフォーマンス面で不満に感じるシーンはほとんどない。

プロセッサーSnapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxy
メモリ8GB
ストレージ256 or 512GB(microSDカード非対応)

コールオブデューティーやPUBGモバイルなどのFPSのほか、ポケモンGoや高度なグラフィックで名高い原神など定番のゲームを一通りプレイしたみたところ、スムーズな動作で難なく楽しめた。

画像編集系のアプリも快適そのものだったので、Galaxy Z Flip5を利用していて動作面で不満を感じるシーンはほとんどなく、仮に不満があっても他の機種に買えることで解消することはかなり難しいはずだ。

ただし、メモリ容量や冷却性能はGalaxy S23 UltraやGalaxy Z Fold5の方が上回っていると考えられるので、スペックやゲームの連続プレイのようなハイパフォーマンスの長時間維持を追求したい方にはそういった機種を検討してみた方がいいかもしれない。

また、一応Galaxy Z Flip5で主要なベンチマークテストを一通り試してみたので結果を共有する。

Antutuのほか、Geekbench 5と3D Markでもベンチマークを計測してみた。3D Markでは長時間GPUに負荷をかけた際の性能を計測できるWild Life Stress Testも試してみたので、Galaxy Z Flip5で負荷の大きいゲームをプレイしたいと考えている方は参考にしてみてほしい。

Antutu

総合スコアCPUGPUMEMUX
1240311364505344660292364238782

Geekbench 5

シングルコアマルチコア
20145235

3D Mark(Wild Life Extreme)

スコア平均FPS
356521.35

3D Mark(Wild Life Extreme Stress Test)

最高スコア最低スコアバッテリー消費温度上昇
3623126693%⇒86%33℃⇒42℃

カメラ:自由なスタイルで撮影可能、望遠の改善に期待

Galaxy Z Flipの背面カメラは広角+超広角のデュアル構成で、画素数・F値といったわかりやすいスペック上の数値はGalaxy Z Flip4の頃から変わっていない。

また、広角カメラにはOIS(光学式手振れ補正)も搭載されている。

 画素数絞り値
広角カメラ(メインカメラ)1200万画素F1.8
超広角カメラ1200万画素F2.2

大型化したフレックスウィンドウのおかげでセルフィーに背面カメラを使いやすくなったのも魅力。

画面を開かずにフレックスウィンドウ上からカメラを起動し、写真 ⇔ 動画 ⇔ ポートレートをスワイプで切り替えられるので、セルフィー好きやVloggerにとってはとても使いやすい仕様だ。

ここからはGalaxy Z Flip5のカメラで実際に撮影した作例を交えながら簡単にレビューしていく。

つくばエクスプレスのみどりの駅、つくば中央公園の噴水を撮影した写真がこちら。

Galaxy Z Flip5はIPX8の防水にも対応しているので、池ポチャさえ注意していれば水辺でもかなり気軽に取り回せる。

写真は歴代のGalaxyと傾向は似ており、全体的に彩度がやや高くハッキリ・クッキリとした画作りという印象を受けた。

Galaxy Z Flip5で撮影した料理の写真

とあるメーカーの取材に行った際に提供されたケータリングをGalaxy Z Flip5で撮影してみた。

鮮やかな色味は料理の写真と相性がよく、手軽にSNS映えする写真を撮影できるので、インスタやX(旧ツイッター)などを頻繁に使っている方にはピッタリだ。

超広角カメラ

広角カメラで撮影
広角カメラで撮影
Galaxy Z Flip5の超広角カメラで撮影
超広角カメラで撮影
超広角カメラで撮影
超広角カメラで撮影

超広角カメラは、迫力たっぷりのまま広い景色を切り取れる。

画角が一気に広がるので周辺の歪みや流れが多少気になるものの、人物や建造物などをあまり端に寄せ過ぎないように構図に気を遣えば問題はなく、被写体によっては歪みもユニークな味として楽しめるはずだ。

夜景

Galaxy Z Flip5で撮影した夜景

Galaxy Z Flip5のカメラであれば、夜景の撮影もお手の物。

21時前後の完全な夜でも雲が映るほど明るく、かつ白飛びや黒潰れなどを最小限に抑えて撮影できた。

状況によって自動的にナイトモードが適用されるので、事前に設定したりモードを切り替えたりする手間もかけずサッと高クオリティな夜景を撮影できるのはミラーレスにはないスマホの強みだ。

望遠は厳しい

Galaxy Z Flip5の10倍ズームで撮影
Galaxy Z Flip5の10倍ズームで撮影

Galaxy Z Flip5のカメラは広角の超広角のデュアルカメラであり、望遠カメラは非搭載。そのため、ズームは全てデジタルズームで最大倍率は10倍までとなっている。

上の画像は実際にGalaxy Z Flip5の10倍ズームで撮影した作例。お世辞にも綺麗とは言えない仕上がりだ。

Galaxy S23 Ultraの10倍ズームで撮影
Galaxy S23 Ultraの10倍ズームで撮影

同じ場所から同じ被写体をGalaxy S23 Ultraの10倍ズームで撮影した写真がこちら。中央にカルガモらしき鳥がいることはもちろん、右側の岩の上でカメが甲羅干しをしている様子もハッキリわかるので、クオリティの差は歴然だ。

Galaxy Z Flip5には望遠カメラが搭載されていないので比較すること自体が間違っているのだが、この差を見てしまうと「望遠カメラも欲しいなぁ」という気持ちになってしまった。

一応、デジタルズームでも2倍程度であれば十分綺麗でSNSに投稿しても違和感のない仕上がりだ。

Galaxy Z Flip5の2倍ズームで撮影
Galaxy Z Flip5の2倍ズームで撮影

置いたり持ったり撮影スタイルは自由自在

Galaxy Z Flip5の「折りたためる」という特徴は、カメラとの相性が非常によい。

上の写真のようにテーブルのような安定した平面さえあれば三脚を使わずに固定できるので、動画撮影や夜景撮影時の手ブレ防止などに役立つ。

また、直角に曲げた状態でカメラを起動すればハンディカムのようなスタイルでも撮影可能だ。

電池持ち:丸1日問題なく持続

電池持ち:丸1日問題なく持続

Galaxy Z Flip4の時点でかなり改善されていたバッテリー持ちは、Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxyの採用のおかげもあってかGalaxy Z Flip5でも健在だった。

朝4時30分に充電器から外し13時間30分後の夕方18時頃にバッテリー残量をチェックしてみたところ残量は48%。

Galaxy S23 UltraとGalaxy Watch6 Classicを常に接続し、新幹線に乗っている約3時間はGalaxy Buds2 Proとも接続してAmazon Prime Musicで音楽を再生、合間にYouTubeやTwitter、chmateなどを使用し、その後は数分の通話やオンラインゲーム(lichess)などもプレイしていた。

短時間の通話やSNS、LINEやメールなどメッセージのチェック程度の使い方であればバッテリーの持ちはかなりよく、モバイルバッテリーや充電器などを準備しなくても安心して持ち歩ける。

バッテリー持ちを伸ばすには?

バッテリー持ちを伸ばすには?

Galaxy Z Flip5を使用していてどうしてもバッテリー持ちが気になる場合は、パフォーマンスプロファイルの変更がおすすめだ。

設定手順

設定 ⇒ バッテリーとデバイスケア ⇒ バッテリー ⇒ その他のバッテリー設定 ⇒ パフォーマンスプロファイル

パフォーマンスプロファイルには標準ライトの2種類が用意されており、ライトに設定するとバッテリーの消耗やプロセッサーの発熱を抑制してくれる。

ちなみに、パフォーマンスプロファイルの設定はゲームには適用されない。「ゲームをプレイする度に設定を変えるのは面倒」という心配がないので使いやすいはずだ。

まとめ:Galaxy Z Flip5最大の魅力はココ

以上、Galaxy Z Flip5のレビューをお届けした。

本機に限らず、Galaxy Z Flipシリーズ最大の魅力はハイエンドスマホを通常の半分というコンパクトなサイズで持ち運べることだと筆者は考えている。

普段からカバンをあまり持ち歩かない筆者にとって、ポケットから出し入れしやすいGalaxy Z Flipのサイズ感は絶妙だ。

Galaxy Z Flip5では、フレックスウィンドウの大型化によりそのコンパクトな状態での使い勝手が大幅に向上した。さらに、ヒンジの改良に加え従来機の欠点であった折りたたみ時の隙間や折りジワなども解消され、Galaxy Z Flipシリーズ登場時に夢見ていた理想のパカパカスマホがついに実現した。

国内では、ドコモとauがGalaxy Z Flip5を取り扱っている。興味がある方はぜひチェックしてみてほしい。

関連Galaxy Z Flip5を購入したら設定したい24のおすすめ設定

コメント

ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

当サイトでは主にGalaxyを中心に様々なガジェットのリークやニュース、レビューなどをお届けしています。今は完全ワイヤレスイヤホンにご執心。