2022年11月1日、株式会社ユーシン・ショウワより新型のスマートロックSADIOT LOCK2が発売される。
同製品は名前の通りSADIOT LOCKシリーズの2世代目であり、新機能の搭載や解施錠時間の短縮などの進化を実現した。
当サイトでは、発売に先駆けてSADIOT LOCK2の実機をお借りして試すことができたので、取り付け方法から使い心地まで細かくチェックしレビューしていく。筆者はSADIOT LOCK2がスマートロックの初体験となるので、導入を検討している方の参考になれば幸いだ。
SADIOT LOCK2に特定条件下で操作ができなくなる不具合が発生しています。詳細は以下から。
▶SADIOT LOCK2、一定条件下で操作を受け付けなくなる不具合が発覚。2月初旬にアプデで対応予定
結論:SADIOT LOCK2のよい点・悪い点
SADIOT LOCK 2のメリット・デメリットを簡単にまとめると以下の通り。
新機能を比較
冒頭でも述べた通り、SADIOT LOCK2はシリーズ2世代目の新モデルだ。
となれば、気になるのは「初代SADIOT LOCKとは何が違うのか?」ではないだろうか。初代とSADIOT LOCK2の主な違いを表にまとめると以下のようになる。
比較項目 | SADIOT LOCK2 | 初代SADIOT LOCK |
---|---|---|
オートロック | ・開閉検知 ・タイマー式 | タイマー式のみ |
NFC | 対応 | アップデートで対応 |
音声アシスタント(Amazon Alexa) | 対応 | アップデートで対応 |
施解錠反応速度 | 約5秒(初代より25%向上) | – |
機能面での変更はオートロック・NFC・Amazon Alexaの3種類がメインだが、そのうちNFCとAlexaは既存モデルもアップデートにより対応するので、実質追加された機能は開閉検知によるオートロックのみ。
解錠や施錠が従来よりスムーズになるのはもちろん魅力的ではあるものの、既存のモデルのユーザーが慌ててSADIOT LOCK2に買い替える必要はないだろう。
取り付け方法と付属品
以下では、SADIOT LOCK2を実際に自宅のドアに取り付ける手順を紹介する。
戸建はもちろん、賃貸のアパートやマンションでも取り付け・取り外しができる点がSADIOT LOCK2の魅力。
ただし、特殊な形状のサムターンやドアを採用している場合は取り付けられない場合があるので、事前に公式サイトの取り付け方法や上記の動画をチェックしておくことをおすすめする。
付属品チェック
まずは付属品の確認から。
SADIOT LOCK2のパッケージには、SADIOT LOCK2本体のほか以下が同梱されているはずなので購入後にチェックしておこう。
- スペーサー(大・中・小)
- サムターンホルダー(大・中・小)
- NFCタグ
- オートロック用マグネット
- スペーサー取り付けネジ(黒×4 / 銀×4)
- リチウム電池CR123A×2
- ロック用両面テープ×2
- マグネット用両面テープ
取り付け手順
付属品が揃っていることを確認したら、取り付けに作業に移る。
まずは、付属のサムターンホルダーを実際にサムターンに合わせてみて、最もフィットするサイズを選出。筆者の自宅アパートの場合は、最も狭い小サイズがピッタリだった。
サイズを決めたら、SADIOT LOCK2本体にハメ込む。サムターンホルダーは取り外しできるので安心して作業しよう。
サムターンホルダーを取り付けたSADIOT LOCK2を実際の取り付け位置にあてがい、向きを確認する。
本機は縦向きだけではなく横向きの設置にも対応しているので、サムターンの位置やドアの形状に合わせて設置の方向を検討しよう。
ちなみに、SADIOT LOCK2は電池交換の際にカバーを取り外し、電池ボックスを引き出す必要がある。
そのため、本体のサイズが収まってもカバーが外せないという事態もあり得るので注意。実際、今回取り付けようとしたドアでは上部のU字ロックがカバーとギリギリ干渉してしまいそうだったので、横向きに取り付けると決めた。
また、サムターンの高さが高く本体側の高さが足りない場合は、付属のスペーサーをネジで固定して高さを調節できる。
取り付けマニュアルによると、サムターンホルダーとサムターンが3mm以上重なっている状態が理想とのこと。筆者の自宅アパートの場合は、ホルダーとサムターンが半分以上重なっていたのでスペーサーは不要だった。
念のため、実際にSADIOT LOCK2を通してサムターンを回転させ、スムーズに動くかどうかチェックしておくとなお安心だ。
スペーサーで高さを調節できたら、いよいよドアへの取り付け。
付属の両面テープをSADIOT LOCK2に貼り、剥離紙を剥がして粘着面を露出させたら先ほど決めた位置に貼り付ける。
サムターンホルダーに取り付けられている抑え金具を取り外し、約2分程度粘着面をドアにグッと押し付けると、空気が抜けてよりしっかりと貼り付けられるようだ。
以上で取り付けは完了。
カバーを外し、付属の電池を2つ取り付けると電源が入るので、アプリから初期設定を行う。
アプリの設定
アプリの初期設定についても簡単に触れておこう。
まずは、アプリの案内に従ってユーザー登録を済ませておく。今回はテスト用の端末をお借りしているので、既にユーザー登録済みの状態だった。
メニューからロックの設定へ進むと、「ロックの使い方を選んでください」の画面が表示されるので、今回のように1台で使用する場合は「ロックを1台で使う」をタップ。
接続するボタンを押すとスマートフォンがBluetoothでSADIOT LOCK2を認識し、シリアルナンバーが読み込まれる。
好みの名前を付けて登録しよう。
あとはアプリの案内に従って解錠位置・施錠位置の登録をすれば設定完了。
なお、ここで設定したSADIOT LOCK2の名前や解錠・施錠位置はあとからでも再設定できる。
ドア開閉検知用マグネットの取り付け
ここまで紹介した手順は、初代SADIOT LOCKとほぼ共通している。
SADIOT LOCK2からの新要素として、ドア開閉検知用マグネットがあるのでついでに取り付けておこう。
マグネットをよく観察すると、薄っすらと矢印が記載されている。
この矢印がSADIOT LOCK2のサムターンの中心を向くように、約3cm以内の距離に付属の両面テープで貼り付ける。
貼り付けた様子がこちら。
厳密には矢印の向きが微妙に合っていないのだが、画像のような取り付け方でも問題なく開閉検知機能は利用できた。
ハンズフリーの解施錠を体験
ここからは、実際にSADIOT LOCK2のオートロックや解錠機能を利用・体験してみた感想を共有していく。
便利なのはもちろん、物理的な鍵を使わずに解施錠するのはどこか未来的で楽しさすら感じる。ただし、使っていると少し気になる点もあったので詳しく解説していく。
アプリの動作が緩慢
まずはじめに、SADIOT LOCK2を使用していて気になった点について紹介しておく。
気になったのはズバリSADIOT LOCKアプリの動作。具体的には、アプリを起動してからSADIOT LOCK2本体と接続されて操作できるようになるまで、およそ10秒前後待たされてしまうことだ。
ハンズフリー操作を利用していればアプリに触れる機会はグッと少なくなるものの、何か設定を変更したいと思ったとき、毎回接続まで10秒待たされるのはややストレスだった。
一応、今回は発売前のレビューということで、利用したアプリも正式リリース前のベータ版。また、iOSでしか検証できていないので、正式リリース後のアプリやAndroid版での使用感はまた異なるかもしれない。
スマホで解施錠
SADIOT LOCK2の最も基本的な使い方が、アプリを利用したロックとロックの解除だろう。
ドアの前でスマートフォンを取り出し、専用アプリを起動してアイコンをタップすると鍵をかけたり解錠したりできる。
反応は非常にスムーズで、アイコンをタップしてから約1秒程度でSADIOT LOCK2が動作する。
ドアを1枚挟んだ状態でも問題なく動作するので、完全にスマートフォンを鍵として扱える。公式サイトによると、iOS / Android問わずアプリを起動しなくてもウィジェットによる解施錠も行えるようだ。
ただし、ドアの前でスマホを取り出しアイコンをタップして……というのは、結局のところ鍵を取り出す動作と手間がそんなに変わらないのも事実。
筆者もSADIOT LOCK2を借りている間、この使い方はほとんどしていなかった。せっかく本機を導入するのであれば、やはりハンズフリー操作を試すべきだろう。
ちなみに、別売りのSADIOT LOCK HubというSADIOT LOCK2をネットに接続するアクセサリを利用すると、Bluetoothの接続範囲外からでも施錠・解錠の操作を行えるようになる。
「日中に出掛けていると予定よりも早く家族が帰ってきてしまった」といったシーンで、外出先からスムーズに鍵をあけて対処可能だ。
ハンズフリー操作
SADIOT LOCK2のメイン機能といってもいいのが、ハンズフリーで解錠できる機能。これが非常に便利だった。
具体的には、事前にSADIOT LOCK2の位置情報(=自宅の位置情報)を登録しておき、スマホのGPSが一定距離に入ったあと、BluetoothでスマホとSADIOT LOCK2が接続されれば自動的に解錠されるという機能だ。
実際に使ってみると解錠のタイミングが絶妙で、ドアの前に到着すると「ウィーン」というSADIOT LOCK2がサムターンを回している音がかすかに聞こえるほどだった。
特に、両手が塞がっているときのハンズフリー解錠は威力絶大。
スマートフォンを持ち歩いてさえいれば鍵を開ける・閉めるという動作そのものが消えるので、週に1回の両手いっぱいの買い物もストレスなく行えそうだ。
NFCタグで解錠
SADIOT LOCK2からの新機能(既存モデルもアプデで対応)に、付属のNFCタグを利用した解錠もある。
iOSのショートカットで事前にNFCタグの読み取り ⇒ 解錠というオートメーションを作成しておけば、NFCタグにiPhoneをかざすだけで解錠可能だ。
実際に試してみたところ、iPhoneをかざしてから解錠までにかかる時間は数秒程度。待たされている感覚もなく、スムーズにドアを開けられる。
ハンズフリー操作を有効にしていると正直あまり使いどころがないのだが、ハンズフリーに不安がある場合や立地や建物の構造的にハンズフリー機能が不安定という場合に役に立つ機能だ。
SADIOT LOCK Keyならスマホなしでも
スマホを使わずにロックを操作する手段として、SADIOT LOCK Keyというアクセサリも用意されている。
スマホアプリで事前に使いたいSADIOT LOCK Keyを登録しておくと、解錠・施錠の操作をSADIOT LOCK Keyのボタンから操作可能だ。
ボタンを押してから解錠 or 施錠されるまでの時間は短くスムーズで、スマホアプリから解錠したときとほぼ同じ1秒程度。
スマホを持っていない子供や高齢者に登録済みの本機を渡しておけば、物理的な鍵を使わないで開け閉めができる。紛失したときはアプリから本機の登録を消すだけなので、安全面も通常の鍵と大きな差はない。
ストラップを通せる穴も用意されているため、キーホルダーとして鍵に付けたり首から下げたりなどの工夫も可能だ。
オートロック
最後に、オートロック機能について。
SADIOT LOCK2の場合、従来モデルからあるタイマーによる自動施錠のほか、ドアの開閉検知によるオートロックにも対応している。
一応、マグネットを活用した開閉検知を利用したオートロックの方がより短い時間でオートロックを設定できるほか、確実性も上のはず。しかし、タイマー式と両方を使ってみた限りではどちらもオートロックの失敗はなかったので、個人的にはどちらでも同じように使えるという印象だった。
また、先ほども登場したSADIOT LOCK Hubを併用すると、GPS式のオートロック(締め忘れ通知)も利用できる。
自宅から約150m離れた時点で自動施錠されるので、ゴミ出しや宅配便の受け取りなど、短時間だけ自宅から離れる際にオートロックにより締め出されるのが不安な場合におすすめ。
筆者がもしSADIOT LOCK2を今後も使い続けるとしたら、恐らくGPS式のオートロックを積極的に活用するはずだ。
まとめ
以上、SADIOT LOCK2のレビューをお届けした。
今回は環境の関係で試せなかったが、Apple Watchによる解錠・施錠操作にも引き続き対応しているほか、Amazon Alexaがあれば音声で解錠や施錠が行える。
価格も比較的お手頃なので気軽に自宅をオートロック化でき、スマートホームの第一歩としてもおすすめだ。
SADIOT LOCK2は、Amazon・楽天・PayPayモールにて11月1日に発売される予定。現在はAmazonにて予約を受け付けている。
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