Dell XPS 13 2-in-1レビュー。画面とキーボードが着脱できないからこその良さがある | プラスガジェット
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Dell XPS 13 2-in-1レビュー。画面とキーボードが着脱できないからこその良さがある

デルアンバサダープログラムのXPS体験モニターに当選し、コンバーチブル型の2in1ノートPC「XPS 13 2-in-1」をお借りしていました。XPS 13 2-in-1は、DellのハイエンドノートPC「XPS 13」のディスプレイをグルっと回転させタブレット的な活用が可能になった、いわゆるコンバーチブル型(ディスプレイ一体型)の2in1ノートPC。ベースであるXPS 13が世界で初めて搭載した、シリーズ最大の特徴でもあるフレームレスのディスプレイは、2in1仕様となった本モデルでも健在。2in1となったことでタブレット、テント、ノートパソコン、スタンドの4つのスタイルを自在に操ることが可能になったため、インパクト抜群なフレームレスディスプレイをより活かした楽しみ方が様々考えられます。

約1ヶ月の間、XPS 13 2-in-1をメインのモバイルマシンとして活用させていただけましたので、手にしてみて気が付いた点を簡潔かつ率直にレビューしていきたいと思います。

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外観、インターフェースをチェック

XPS 13 2-in-1の外観をチェックしていきます。

天板中央にDELLのロゴ。マットな質感のアルミボディはやはり所有欲を満たしてくれますね。モバイルマシンは据え置き型と違い手であちこちと触れる機会が多く、2in1となった今作ではなおさらその頻度は増しますが、サラサラとした表面処理のおかげで指紋を始めとした汚れに強いのも嬉しい特徴です。裏側も非常にスッキリしており抜かりはない印象。開閉式のXPSロゴでサービスタグを隠すギミックも健在です。左側面はUSB 3.1 Type-C、イヤホンジャック、バッテリーステータスボタン、バッテリー残量を表示するインジケータ、スピーカーが配置。モバイルバッテリーのようなバッテリーの残量表示があると、本体を起動させずに充電のタイミングがわかるので意外と便利な機能です。続いて右側面。セキュリティケーブルスロット、USB 3.1 Type-C、MicroSDカードスロット、電源ボタン、スピーカーが並びます。

以前お借りしたXPS 13と比較してみると、2-in-1の方はUSB Type-Aポートが排除されている、SDカードスロットがMicroSDカードスロットに変更されている、等の違いがあります。Type-AポートについてはXPS 13のレビューでも述べたようにまだまだ需要のある規格だとは考えていますが、私個人としてはほぼ必要としていないのでむしろType-Cポートへの統一は大歓迎。カードスロットがサイズダウンしてしまいましたが、今時SDカードを直接差すことができるノートPCは減ってきているのでMicroSDであろうとスロットがあるだけ御の字といったところでしょう。一応MicroSDカードスロットになったおかげで、カードの頭が飛び出さずに全体を挿入できるようになったという点は地味ながらメリットです。ディスプレイを開いたところ。幅3.5mmという極細のベゼルは相変わらず惚れ惚れする程の格好良さ。XPS 13では左下にあったウェブカメラは中央下部に配置され、以前よりも画角の癖は控え目になりました。一方でヒンジの主張が激しいのがやや気になりました。この部分はアルミで覆われたスチール素材とのことでしたが、カーボン主体でブラック一色の内装の中ではやや浮いているように見えます。外装と同一の色・質感のため画面を閉じてしまえば気にならなくはなります。ディスプレイを360°回転させる機構のために必要だったのだと思われますが、XPS 13のヒンジが目立たない設計を知っている以上妥協しないで欲しかったポイントです。

XPS 13 2-in-1とACアダプター、ケーブルのセット。20V / 1.5Aで30Wの出力のACアダプターはコンパクトでケーブルが出っ張らない仕組みになっているなど細かい配りが感じられますが、アース付きのケーブルはややゴツめで収納性はイマイチ。しっかりとしたケーブルなので安心感こそありますが、これを持って外出先で充電をしたいとはあまり思えないですね。

キーボード

XPS 13 2-in-1のキーボードをチェックしていきます。

アイソレーションタイプのフルサイズキーボードで、右側のキーのいくつかがやや小さめのつくりになっていますが、それ以外に大きな癖はなく無難な配列になっています。XPS 13のキーボード配列と比較すると、右下の上下矢印キーに統合されていたPgUp / PgDnキーが独立し矢印キーの隙間を埋めるように配置され、これによってあいた形になる上下矢印キーには新たに輝度調節の機能が与えられる、といった変更点があります。また、XPS 13ではdeleteキーの隣に位置していた電源ボタンは 2-in-1では本体右側面に移動しています。これは言うまでもなくタブレットモードにしたときの利便性を考慮しての変更ですね。

キートップはフラットでキーストロークはXPS 13と同じ1.3mm。2-in-1になったことでボディは薄型化されていながらノートPCとしては深めのキーストロークを妥協せず維持してきたのは優秀です。

シリコンコーティングが施されたカーボン素材のパームレストは従来同様で、外装のアルミとは異なり冬でも冷たさを感じず、わずかなクッション性もあるため見た目にも実用性にも優れています。タッチパッド右上にはWindows Helloに対応した指紋センサーも備えています。

画面とキーボードが着脱できないからこその良さ

XPS 13 2-in-1をしばらく使い感じたのは、ディスプレイとキーボードが一体型であることの利便性。以前Surface Pro 4をお借りした時、非常に気に入ったものの購入までに至らなかったのは価格の他にキックスタンドの扱いにくさが大きな理由としてありました。見た目より大きなフットプリントを必要とすることに加え、無段階に調節できるキックスタンドは便利な反面、使う度にしっくりくる位置まで調節するのが結構な手間でした。

その点XPS 13 2-in-1は基本的には一般的なクラムシェル型のノートPCそのものですので、そういったストレスは無し(XPS 13同様画面の開きにくさはありますが)。膝の上や新幹線のテーブルの上でも安定して自立し、外出先でタブレットモードを活用するときにキーボードを外して一々片付けるといった手間もなく、タブレットよりもノートPCとしての利用シーンが多い場合は「画面とキーボードが着脱できない」ことが思いのほか大きなメリットになっていることに気が付きます。

タブレットモードで利用する時には大きさと重さがやや気になりますが、Surface Proシリーズを始めとしたデタッチャブル型の2in1でもそこは同じ。AndroidやiOSのタブレットのような楽な取り回しの良さはありませんが、タブレットモードやスタンドモードにするときというのは作業よりも電子書籍やYouTubeの閲覧などコンテンツ消費が主な用途になるのであまり気になるところではありませんでした。特にXPS 13 2-in-1の場合はベゼルレスの巨大タブレットとなるためスタンドモードでの動画視聴が非常に快適。たぶん、お借りしていた1カ月間で一番多かった用途がYouTubeとAmazonプライムビデオの視聴だった気がします。

また、動画を見るだけでなく編集する際にもXPS 13 2-in-1は活躍。タブレットモードで編集することはありませんでしたが、私がメインで使っている動画編集ソフトのVegas Proはタイムラインが大きいため、ブツ切りにした素材を組み合わせていく作業はタッチパッドよりも画面のタッチ操作の方が遥かに快適でした。上記の OPPO R17 Neoのレビュー動画はほぼXPS 13 2-in-1のみで編集から書き出しまでを行いましたが、パフォーマンスも申し分なく、満足のいく使用感でした。

また、忘れてはならないのが、専用のスタイラスペンに対応している点。私は残念ながらお絵かき等をしないのでヘビーに使い込むことはできませんでしたが、Lightroomで写真をレタッチするに活用。軽いレタッチは難なくこなし、マスクを使用するとややもたつきを感じましたが趣味で時々触る程度では全くの許容範囲内。通常マスクはマウス操作で作っていますが細部まで作り込むのはやや難しく、ノートPCのタッチパッドでは絶対にやる気など起きないのですが、スタイラスペンはマウスよりもはるかに直感的で、簡単により精度の高い操作が可能でした。

まとめ

中々時間が取れず思うように使い込むことができなかったのがやや悔やまれますが、それでも総合的な満足度は非常に高いものとなりました。使っていて気になった点というと、

  • スタンバイからの起動がやや遅い
  • 切り欠きがなく画面が開きにくい

の2つくらい。起動については設定を見直すことでいくらか改善できたはずなのですが、その辺りをもっと詰める時間を確保できずに返却期限となってしまいました。

2in1である、という点にフォーカスを当てると、正直なところタブレットモードやスタンドモード、テントモードを頻繁に使うか?と問われると答えはNoとなります。しかし、先ほども軽く触れたように長時間の動画視聴の際にはスタンドモードが程よく活躍してくれましたし、フォトレタッチの際はタブレットモードで利用していました。頻繁には使わなくとも、その時と場合に応じて適材適所な使い方ができるというのは大きな強みであり、この柔軟さこそがコンバーチブル型の魅力です。”タブレット”という形状に大きく傾いているデタッチャブル型の2in1とはそういった点で似て非なるデバイスと言えるでしょう。

画面をひっくり返すことができる、という機能は必要なければ使わなければいいだけで、あって困る機能でもないので割と気楽に購入できるのではないでしょうか。

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ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

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