鍵や財布などの貴重品に限って、いつもの場所に置いた記憶はあるのに見当たらず「ここにあるはずなんだけど・・・」と冷や汗をかいた経験がある方は少なくないでしょう。
忘れ物防止タグ「Tile Mate」は、物を紛失し探すときに活躍してくれるIotデバイス。もちろん紛失しないように普段からきちんと管理しておくことが最も大切ですが、今の時代、物を失くしてもスマートフォンさえあればある程度追跡できるのです。
本記事では、そもそも「Tile Mate」とは何ができるデバイスなのか?についてとその使い方について解説し、電池交換や共有機能などの特徴に触れつつ実際に使ってみた所感を詳細にレビューしていきます。
※本記事の執筆にあたり、ひかりTVショッピングより「Tile Mate 電池交換版」をお借りしました。
「Tile Mate」とは?
「Tile Mate」は、スマートフォンとBluetoothで接続し財布や鍵などの貴重品につけておくことで置き忘れや紛失を防止し、紛失してしまったときには発見の助けになる情報を残してくれるIoTデバイス。
専用アプリをインストールしたスマートフォンとペアリングしておけば、アプリを操作し「Tile Mate」から音を鳴らすことが可能。逆に「Tile Mate」に搭載されているボタンを押すことでスマートフォンから音を鳴らすこともできます。
接続がBluetoothである以上、音鳴らせるのはBluetoothの電波が届く範囲までとなります。しかし音を鳴らす以外にも、最後にスマートフォンとペアリングできていた場所と時間をアプリが記録しマップに表示してくれるほか、TileアプリユーザーがTileを付けて紛失したアイテムの近くを通ると、クラウドを通じてアプリにその場所の通知が届く機能が搭載されています。
なお、Tileシリーズは現在「Tile Mate 電池交換版」「Tile Mate(2020)電池交換版」「Tile Pro(2020)電池交換版」「Tile Sticker(2020)」「Tile Slim(2020)」の5種類が展開されています。
Tile Mate 電池交換版 | Tile Mate(2020)電池交換版 | Tile Pro(2020)電池交換版 | Tile Slim(2020) | Tile Sticker(2020) | |
---|---|---|---|---|---|
カラー | ホワイト | ホワイト | ホワイト&ブラック | ブラック | ブラック |
電池タイプ | 交換可能(CR1632) | 交換可能(CR1632) | 交換可能(CR2032) | 交換不可 | 交換不可 |
電池寿命 | 約1年間 | 約1年間 | 約1年間 | 約3年間 | 約3年間 |
最大接続距離 | 約45m | 約60m | 約120m | 約60m | 約45m |
商品サイズ(mm) | 35.0×35.0×6.2 | 35.0×35.0×6.2 | 41.6×41.6×6.5 | 85.5×53.9×2.7 | 27.0×7.3 |
防水性 | 防滴(IP55) | 防滴(IP55) | 防滴(IP55) | 防水(IPX7) | 防水(IPX7) |
音量 | より大きい | より大きい | 最も大きい | より大きい | 大きい |
重さ | 7.5g | 6.0g | 12.0g | 14.0g | 5.0g |
いずれのモデルも「音を鳴らしてアイテムを発見できる」「最後にスマートフォンと接続されていた位置を記録する」という機能は共通で、異なるのは主にその形状。本記事で紹介するモデルは最もスタンダードな「Tile Mate 電池交換版」です。
ペアリングと設定の手順、使い方を解説
まずは「Tile Mate 電池交換版」をスマートフォンとペアリングし、使える状態になるまでの手順を簡単に解説します。
まずは専用アプリ「Tile」をインストールします。
▶iOSの方はこちら
▶Androidの方はこちら
アプリを起動後右下の[新規登録]をタップして、一番上の[Tile]を選択します。ペアリングしたいTileが「Tile Sticker(2020)」かそれ以外かを選択し次に進むと、メールアドレスとパスワードを入力して新規アカウントを作成できます。
アカウント作成後、Bluetoothをオン、位置情報へのアクセスを許可して次に進みます。お持ちのTileデバイスのボタンを一度押しスマートフォンのそばに近づけると、数秒でペアリングが完了します。
次の画面で本製品を取り付けるアイテムを選択すると初期設定が完了し、アプリのホーム画面へと遷移します。ホーム画面には、取り付けたアイテムとペアリングしているスマートフォンが表示されています。
以上で初期設定が完了。今後はアプリを開き選択したアイテムの下に表示されている[探す]ボタンを押すとペアリングしている「Tile Mate 電池交換版」から音が鳴ります。また、位置情報の記録も開始されています。
機種変更しても「共有」機能で引き継ぎ可能
ペアリングしたスマートフォンを機種変更する場合、または複数のスマートフォンを持ち歩いていてメイン端末を切り替えたい場合などは「Tileの共有」機能を利用し、接続先のスマートフォンを切り替え可能です。
新たにTileと接続したいスマートフォンにアプリをインストールし、ログインまで済ませておきます。現在接続中のスマートフォンのアプリから共有したいTileを選択し、[共有]ボタンからメールアドレスまたは専用のリンクを用いて別の端末にTileを共有します。
あとは元の端末のBluetoothをオフ、新しい端末のBluetoothをオンにすることで、以後は新しい端末とTileの間で相互に音を鳴らせます。
元の端末のBluetoothをオフにしなくても新しい端末で位置の確認と発見時の通知受け取りは可能ですが、Tileとスマートフォンの接続は常に1対1なので接続先を完全に変更したい場合はそれぞれの端末でBluetoothのオン・オフ作業が必要になります。
実際に紛失してみる
「Tile Mate 電池交換版」を付けたアイテムを紛失した場合、アプリからはどのように表示されるのかを確認してみました。
本製品を車内に残した状態で車から離れることにより、紛失した状況を再現してみます。
十分に本製品と距離を取った状態でアプリを確認すると「このTileは接続圏内にありません」と表示され、接続が切れていることを知らせてくれます。アプリ上から簡易的な地図で接続が切れる直前の位置を確認できるほか、矢印ボタンをタップするとGoogleマップが起動し、その位置までの経路を案内してくれます。
さらに「見つかったら通知」ボタンをタップすると「このTileを紛失物とマークしました」と表示されます。これによりTileコミュニティーによる捜索が有効化され、マークされた紛失物のそばを他のTileアプリユーザーが通るとその位置が通知されます。
ちなみにアプリを起動すると自分の周辺にいるTileユーザーの数が大まかに表示されます。筆者が上記の検証をした八戸市ですら周囲に140人程度Tileユーザーが居たようですので、都会であればTileコミュニティーによる捜索はかなり効果が期待できそうです。
紛失したアイテムに近づきBluetoothの接続が復帰すると、アプリ内のアイコンの周囲に緑色のサークルが表示されます。サークルが太く表示されればそれだけ近くにあることを表しており、この状態であればスマートフォンからTileの音を鳴らすことも可能です。
Tile公式によると「Tile Mate 電池交換版」の最大接続距離は約45m。筆者が何度か試してみた環境は車や家のドアを挟む場合が多かったためか、体感で大体30mくらいが限界だったように思えます。
最後に接続されていた位置の記録やアイテムとの距離を示すサークルの表示などはかなり正確で、本記事では疑似的に紛失した状況を再現したものの実際に紛失してしまった場合でもTileがあればかなり発見の助けになりそうだと感じます。
今回お借りしたのは「Tile Mate 電池交換版」ですが、本製品から発せられる音もかなり大きく、鍵や財布などを家の中で見失ってしまった場合にも役に立ってくれそうです。
「Tileから離れたら通知を受け取る」ことは可能か?
上記で解説している機能は、Tileを付けたアイテムを発見することに焦点を当てています。しかしTileが忘れ物”防止”タグであるならば、アイテムを紛失する前にそれを阻止する機能もほしいところです。
有料のサブスクリプションサービス「Tile Premium(タイルプレミアム)」であれば、「Tileから離れたら通知を受け取る」機能が利用可能です。
同機能は「スマートアラート」という名称でTile Premiumに組み込まれています。Tileとスマートフォンが接続された状態で5分から10分滞在すると、TileがGPS・Wi-Fi・Bluetoothなどを利用して位置情報を取得し、仮想の地理的境界線(ジオフェンス)を構築。スマートフォンがジオフェンスから離れると通知が送られてくる仕組みです。
通知のオン・オフは特定の場所で設定し管理可能。例えば財布にTileを入れている状態でスマートフォンだけを持ってコンビニに出かけた場合、自宅に置きっぱなしのTileは紛失状態になり通知が送られてしまいますが、「自宅に置いたまま外出した場合は通知を送らない」のような個別の設定が可能です。
スマートアラートを活用することで、Tileは忘れ物の防止・発見の両方で活躍できるデバイスとなります。
機能 | Tile Premium | 基本機能 |
---|---|---|
スマートアラート | ◯ | |
共有無制限 | ◯ | |
ロケーション履歴 | ◯ | |
延長保証 | ◯ | |
Tileを鳴らす | ◯ | ◯ |
スマホを鳴らす | ◯ | ◯ |
最後に検知した場所を記録 | ◯ | ◯ |
コミュニティーで探す | ◯ | ◯ |
共有 (+1人) | ◯ | ◯ |
Tile Premiumで利用可能になる機能は上記表の通り。価格は月額360円または年額3,600円となっています。
電池交換方法
最新の「Tile Mate」や「Tile Pro」には、わざわざ商品名に電池交換版と付いています。過去の「Tile Mate」や「Tile Pro」は内蔵型の電池が採用されており使い捨てするしかありませんでしたが、モデルチェンジに伴い電池交換が可能となっています。
電池交換の方法は、「Tile Mate 電池交換版」の場合裏面にある蓋を押しながら矢印の方向にスライドして開き、中のボタン電池を取り換えるだけ。ボタン電池の種類は「CR1632」です。
スライド式の蓋は固いので慎重に作業することをおすすめします。
まとめ
以上、「Tile Mate 電池交換版」のレビューをお届けしました。
Tileは「音を鳴らす」と「離れたら通知を送る」の2つの機能を兼ね備えていることによって、紛失の防止と紛失後の発見の両方を実用的なレベルでサポートしてくれるデバイスでした。
電池交換が可能になったことにより、長期間利用するにあたってのコストが削減されていることもポイント。1個だけではなく2個・3個と複数のTileを利用したいユーザーにとっては本体交換から電池交換への変化による恩恵は大きく、出費が抑えられる分Tile Premiumへの申し込みも検討しやすくなるのかなと思います。
本記事でレビューしたのは「Tile Mate 電池交換版」ですが、ひかりTVショッピングでは「Tile Pro(2020)電池交換版」「Tile Sticker(2020)」「Tile Slim(2020)」など、他のモデルも販売されています。
自身の利用シーンに合わせて最適なTileを選択してみてください。
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