日本で圧倒的なシェアを誇るSNS、LINEがMVNO事業「LINEモバイル」を開始し話題になっています。先行販売された時から私も契約しており、約3ヶ月を経てそのクオリティに大変満足しているので紹介します。
LINEをはじめ、主要SNSが使い放題
LINEモバイルの一番の特徴は「カウントフリー」と呼ばれる、一部のSNSに関わる通信料が無料になるというもの。通信量がカウントされないという性質上、その月の容量の上限に達してしまっていても対象サービスであればいつも通り高速通信できてしまいます。対象サービスはプランによって異なり、LINEモバイルには大きく分けて「LINEフリー」「コミュニケーションフリー」の2種類のプランがあります。
月額500円から利用できる「LINEフリー」プランではその名の通りLINEに関わる通信料(トーク、タイムライン、スタンプのダウンロードなど。もちろん無料通話も対象。)が全てカウントフリーになります。トーク内での画像・動画・その他ファイルの送受信もカウントフリーとなっているためこれだけでも相当使い道があることがわかると思います。ただし、LINEアプリ内でトーク画面等に配信されるライブストリーミング動画(LINE LIVE機能)とLINEアプリ内ブラウザでのウェブ閲覧はさすがに対象外となっているため注意が必要。以下が「LINEフリー」プランの料金体系。1GBプランのみとなっているため比較的ライトユーザー向けと言えます。
データ通信のみ | 500円/月 |
---|---|
データ通信+SMS | 620円/月 |
データ通信+音声通話 | 1,200円/月 |
さらに、LINEのみでなくTwitter、Facebook、Instagramもカウントフリーの対象になるのが「コミュニケーションフリー」プラン。これらのSNSは現在多くの人が利用していますが、特にその中でも利用者が多いと思われる学生などには嬉しいプランだと思います。ただし、カウントフリーの対象となるのは、公式アプリまたはブラウザからのアクセスに限られるという点は注意が必要なところ。
Instagramにおいてはカウントフリー対象外となるコンテンツは特に無いようですが、Twitterはアプリ経由での外部リンクへの接続とライブストリーミング動画(Periscope)、Facebookはアプリ経由での外部リンクへの接続、ライブストリーミング動画(Facebook Live)、さらにFacebookメッセンジャーもカウントフリー対象外となります。
「コミュニケーションフリー」プランの料金体系は以下。
データ通信+SMS | データ通信+音声通話 | |
---|---|---|
3GB | 1,100円/月 | 1,690円/月 |
5GB | 1,640円/月 | 2,200円/月 |
7GB | 2,300円/月 | 2,880円/月 |
10GB | 2,640円/月 | 3,220円/月 |
また、LINEモバイルによると、
カウントフリー機能の利用により、他のお客様のご迷惑となるような、大容量のデータの継続的な送受信などを行った場合に、一時的に通信を制限する場合があります。
とのこと。先行販売の期間中、どこまでカウントフリーになるのかチェックしようと多くのファイルの送受信を行いましたが通信制限はかかりませんでした。とは言ってもむやみやたらに重いファイルを扱うのは避けたほうが良さそうです。
安定した通信速度
まだまだサービスが始まったばかりというのもありますが、LINEモバイルは通信の品質が他の格安SIMと比較して抜群に良いと感じます。
まずは一番混雑するお昼の時間帯(12:30頃)に速度を測ってみました。上り1.76Mbps、下り4.65Mbpsです。混雑する時間帯にこれだけの速度が出れば十分ではないでしょうか。
続いて朝10:00頃に測定した速度。上り11.95Mbps、下り40.21Mbps。自宅アパートのWi-Fiより早くて何とも言えない気持ちになりました。
最後に夜22:00頃に測定。上り6.00Mbps、下り37.57Mbpsです。
測定場所が青森県の弘前市という田舎なのでここだけが特別に早いという可能性も無くはないですが、ネットでの評価を見ると比較的近い速度が出ているようです。何よりも凄いのはこの速度が”今のところは”安定して出ているという点。今後ユーザーが増えてきた時にどうなるかはわかりませんが、かなり期待できそうです。
契約にクレジットカードが不要
LINEモバイルの契約に必要なのは「クレジットカード」、「クレジットカードと連携したLINE Payアカウント」、そして「LINE Payカード」のいずれかとなっています。このLINE PayカードはJCBカードのように利用できますがプリペイドカードなので煩わしい審査も必要なく、また普段利用しているLINEアプリ内から簡単に申請できます。
LINE Payカードのチャージは銀行口座やコンビニから行えるので、LINEモバイルの支払いを実質銀行口座やコンビニで行えることになります。格安SIMは気になっていても、支払いにクレジットカードが必要という点がネックになっていた人にはぴったりではないかと思います。
データ利用量の確認やサポートが使い慣れたLINEの画面で
LINEでLINEモバイル公式アカウントを友達追加し、トーク画面のメニューから契約者連携、利用者連携を行うことで、上の画像のように、トーク画面で利用データ量などを確認することができます。またユーザーサポートも同様にトーク画面から可能とのことで、LINEモバイルに関することは普段から使い慣れた画面で行うことができます。初心者には難しいという格安SIMのイメージが少しは変わるのではないでしょうか。
もちろんLINEモバイル公式からマイページにログインすることでもデータ量や料金の確認ができます。
PC、モバイル共にスッキリとしたUIで非常に見やすいです。マイページにログインするときというのは大体が料金か通信量の確認だと思うので、欲しい情報が真っ先に飛び込んでくるのはよく考えられていると思います。
また、友達追加したLINEモバイル公式アカウントのメニューからデータプレゼントを選択し、その後の画面で友達を選択することでその友達にデータ通信料をプレゼントすることができます。DMMやmineoにもデータのシェアが可能なプランがありますが、LINEのアプリからLINEの友達にプレゼントできるというのはより身近で気軽にできるように思えます。また、余ったデータ通信料はプレゼントしなければ翌月に自動で繰り越されるようになっています。
LINEにおける年齢認証、ID検索が可能な唯一の格安SIM
格安SIMの欠点としてLINEの年齢認証ができないため、ID検索が不可能になるということがあります。しかしそこはLINEモバイル、データ通信のみのプランでも契約時に本人確認書類が必要になるため格安SIMでありながら年齢認証が可能で、さらに新規LINEアカウントの作成にSMS認証が不要です。本人確認書類というと難しく感じるかもしれませんが、免許証をスマホで撮影して送れば済むので特に身構える必要もでしょう。
格安SIMでありながらLINEの機能をフルに使えるという特徴は今のところLINEモバイルのみ。コミュニケーションツールとして必須になりつつあるLINEが不自由なく利用できるというのは間違いなく大きなアドバンテージと言え、これだけでもLINEモバイルを選ぶ理由になりそうです。
LINEモバイルは、LINEという日本で最も普及していると言ってもいいSNSをうまく利用し、UIを含めて初心者にもわかりやすく、かつハイクオリティな通信を提供している格安SIMだと私は感じています。何か難しい、マニアックというイメージがあった格安SIMのハードルをグッと下げてくれたのは間違いないです。
あえてデメリットを挙げるとすれば、1契約で複数枚のSIMカードで容量をシェアできないこと(その代わりにデータプレゼントなのでしょうか)、高速/低速通信の切り替えが手動ではできないことです。しかし普通の人はSIMは1枚でいいでしょうし、SNSはいつでも高速通信可能なので高速/低速通信の切り替えがあったとしても出番はあまり多くはなさそうです。
まとめると、基本的に必要な情報は全てLINEアプリから得ることができ、契約にクレジットカードが不要、SNSが使い放題でLINEも不自由なく使える、1番重要な通信品質も高レベル、という現状最もおススメできる格安SIMです。
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