3月26日、ファーウェイは3種類の新型スマートフォンHUAWEI P40 / P40 Pro / P40 Pro+を発表しました。
Mateシリーズと並んでファーウェイスマートフォンのフラッグシップに位置付けられているPシリーズ。ライカブランドの高性能カメラや目を引く美しいデザインといった特徴は、今作にもしっかりと受け継がれています。
従来の特徴を受け継ぎつつも今作P40では、シリーズ初となる3モデルでの展開が発表されました。そこで本記事では、HUAWEI P40 / P40 Pro / P40 Pro+の3機種は一体どこがどのように異なるのかを分かりやすく解説していきます。
カメラの数と種類が違う。トリプル・クアッド・ペンタカメラ
まずは最も大きな違いとなるカメラについて。P40とP40 Pro / P40 Pro+はディスプレイやバッテリーなどハードウェアが大きく異なりますが、P40 ProとP40 Pro+は微妙なサイズ以外はほとんどカメラにしか差がありません。
P40はトリプルカメラ、P40 Proがクアッドカメラ、P40 Pro+がペンタカメラとなっています。
3機種ともメインとなる広角カメラは5,000万画素、1 / 1.28インチの大型イメージセンサーを採用し、レンズの絞り値はf/1.9とこれも共通。ただし、P40 Pro+とP40 ProはOIS(光学式手振れ補正)を搭載しているのに対して、P40はOISが非搭載である点に違いがあります。
超広角カメラは3機種全てに搭載され、仕様はP40 Pro+とP40 Proで共通。P40のみ微妙に異なる性能となっています。
望遠カメラも3機種全てに搭載されていますが、仕様は全てバラバラ。P40 Pro+のみ光学10倍と光学3倍を切り替えることが可能で、P40 Proは光学5倍、P40は光学3倍のカメラを搭載。P40に搭載されている望遠カメラとP40 Pro+の2つ目の望遠カメラが恐らく共通と思われます。
なおデジタルズームの最大倍率はP40 Pro+が100倍、P40 Proが50倍、P40が30倍となっています。
P40シリーズのカメラ構成比較表 | |||
---|---|---|---|
P40 Pro+ | P40 Pro | P40 | |
メインカメラ | 50MP f/1.9 OIS |
50MP f/1.9 | |
超広角カメラ | 40MP f/1.8 | 16MP f/2.2 | |
望遠カメラ① | 8MP f/4.4 OIS 光学10倍 | 12MP f/3.4 OIS 光学5倍 | 8MP f/2.4 OIS 光学3倍 |
望遠カメラ② | 8MP f/2.4 OIS 光学3倍 | 非搭載 | |
深度測定カメラ | 搭載 | 非搭載 |
なお、Mate 30 Proに搭載されていた映画のような動画撮影を可能にする「シネカメラ」機能は40MP f/1.8の超広角カメラを活用する関係上P40 Pro+とP40 Proでのみ利用可能となっています。
P40シリーズのインカメラ比較表 | |||
---|---|---|---|
P40 Pro+ | P40 Pro | P40 | |
解像度 | 32MP | ||
絞り値 | f/2.2 | f/2.0 | |
深度測定カメラ | 搭載 | 非搭載 |
インカメラの解像度は32MPで共通ですが、その他の要素はP40 Pro+ / P40 ProとP40で微妙に異なります。なおインカメラを用いた顔認証機能は3機種全て対応しています。
メモリは共通、ストレージ容量に差がアリ
P40 / P40 Pro / P40 Pro+はいずれも8GBのメモリを搭載し、プロセッサにはKirin 990 5Gを採用しています。そのためパフォーマンスについては大きな差がありませんが、ストレージ容量では差別化が図られています。
P40 Pro+ | P40 Pro | P40 | |
---|---|---|---|
ストレージ容量 | 512GB | 256GB | 128GB |
P40が最も少なく、そのストレージ容量は128GB。決して物足りない容量ではありませんが、カメラ機能が魅力のP40では大量の写真や動画を保存することが想定されるので、多少心許ない数字あることも否定できません。
大量にアプリを入れるのかどうか、写真や動画を頻繁に撮影するか、前の端末のデータをローカルに引き継ぎたいかどうかなど、ご自身の使い方に合わせて必要なストレージ容量を判断する必要がありそうです。
バッテリーと充電速度
P40 Pro+とP40 Proのバッテリー容量が4,200mAhであるのに対して、P40のバッテリーは3,800mAhとなっています。
また、充電速度にも大きく違いがあり、まずP40はワイヤレス充電には対応していません。P40 Pro+とP40 Proはそれぞれ40Wと27Wのワイヤレス急速充電に対応しています。有線の急速充電には3機種とも対応しており、P40 Pro+とP40 Proはそれぞれ40W、P40は22.5Wとなっています。
P40 Pro+ | P40 Pro | P40 | |
---|---|---|---|
バッテリー容量 | 4,200mAh | 3,800mAh | |
急速充電(有線) | 40W | 22.5W | |
急速充電(ワイヤレス) | 40W | 27W | – |
ワイヤレスリバースチャージ | 対応 |
非対応 |
P40はワイヤレス充電に対応であるため、必然的にワイヤレスリバースチャージにも非対応に。P40 Pro+とP40 Proはどちらもワイヤレスリバースチャージに対応しています。
なお、P40には装着することでワイヤレス充電に対応させることができるケース「Wireless Charging Case(ワイヤレスチャージングケース)」が専用に用意されています。同ケースを装着することで、最大22.5Wのワイヤレス急速充電に対応可能です。
ディスプレイと本体サイズ
本体サイズが最も大きいのはP40 Pro+、最も小さいのはP40。ただしP40 Pro+とP40 Proのサイズ差はほとんど誤差の範囲と言っていいほどで、P40 Pro+の方が厚さが0.05mm厚いだけとなっています。
ディスプレイはP40 Pro+とP40 Proが6.58インチ、P40が6.1インチ。どのモデルも本体サイズに対してディスプレイのサイズが大きいことが特徴で、発表イベントでもiPhone 11シリーズとP40シリーズの本体サイズとディスプレイサイズを細かく比較し、アピールしていました。
P40シリーズが小型かつ大画面を実現できた理由は、圧倒的なベゼルの細さにあります。P40 Pro+とP40 Proでは、ディスプレイ下部のベゼルが3.35mm、上部のベゼルはわずか2.65mm。P40も下部のベゼルが4.47mm、上部のベゼルが3.48mmですので、ほとんど存在感がありません。
P40 Pro+ | P40 Pro | P40 | |
---|---|---|---|
ディスプレイ | 6.58インチOLED(1,200×2,640ピクセル) | 6.1インチOLED(1,080×2,340 ピクセル) | |
サイズ / 重量 | 72.6×158.2×9.0mm / 226g | 72.6×158.2×8.95mm / 209g | 71.06×148.9×8.5mm / 175g |
微妙なサイズの違いこそあるもののどのモデルも本体サイズに対するディスプレイが大きく、実際に手にした時には手の平にディスプレイだけが乗っているような没入感が得られそうです。
また、P40とP40 Proの間には30g以上の重量差があることも見逃せません。ベゼルレスによる没入感を体験しつつできるだけ小型かつ軽量なスマートフォンが欲しければ、P40は間違いなく候補に挙がります。
防水防塵
3モデルとも防水防塵性能は有していますが、その程度には結構な差があることには注意が必要。P40 Pro+とP40 Proの防水防塵はIP68ですが、P40はIP53となっています。
ファーウェイの公式サイトには、P40 Pro+とP40 Proは最大水深1.5メートル、最大30分間、静水の有害な侵入から保護されると記載されています。一方でP40の場合は特定の状況での飛沫、水、および埃に対する耐性があるとのこと。
水に沈められることに対する耐性と水滴に対する耐性では、同じ防水とは言っても全く性質の異なるものと捉える人の方が多いのではないでしょうか。IP68やIP53といった数値はあくまでも規格であり、同じIP68のスマートフォンであっても機種やメーカーによってその耐久性は様々。
P40 Pro+ | P40 Pro | P40 | |
---|---|---|---|
防水防塵 | IP68 | IP53 |
”防水”というワードに惑わされず、自身の用途にはどのレベルの耐久性が必要なのかを把握することが大切です。
カラーバリエーション
カラーバリエーションも、P40シリーズの違いの1つです。
P40 ProとP40は、シルバーフロスト・ブラッシュゴールド・ディープシーブルー・アイスホワイト・ブラックの5色のカラーバリエーションで展開されます。
一方でP40 Pro+はホワイトセラミックとブラックセラミックの2色展開。
Pro版のセラミックはスレや傷に強い堅牢な素材が採用されており、その他のカラーも表面に指紋が目立ちにくいマットな仕上げになっています。
まとめ
以上がHUAWEI P40 / P40 Pro / P40 Pro+の主な違いです。3モデルの最も大きな違いはカメラ性能であり、選ぶ基準としてはやはりカメラに対してどれだけの興味や熱量があるかが中心になってくるでしょう。「正直カメラはそこまで・・・」「普通にきれいに撮れればいいかな」といった場合であれば、無理に最上位モデルを選ぶ必要はなさそうです。
P40 / P40 Proは4月7日、P40 Pro+は2020年6月に発売予定。価格はP40が799ユーロ(約96,500円)、P40 Proが999ユーロ(約120,000円)、P40 Pro+が1,399ユーロ(約170,000円)となります。
なお、執筆時点ではP40シリーズが日本で販売されるかどうかは明らかにされていません。ファーウェイ・ジャパンは先日Mate 30 Proを日本で発売したので、可能性はゼロではないでしょう。しかしGoogleサービスには非対応のため、発売されるとすればキャリアではなくSIMフリーとなる線が濃厚です。
HUAWEI P40シリーズスペック比較表
P40 Pro+ | P40 Pro | P40 | |
---|---|---|---|
OS | Android 10、EMUI 10.1 | ||
ディスプレイ | 6.58インチOLED(1,200×2,640ピクセル) |
6.1インチOLED(1,080×2,340ピクセル) | |
プロセッサ | Kirin 990 5G |
||
メモリ・ストレージ | 8GB・512GB | 8GB・256GB | 8GB・128GB |
背面カメラ |
メイン:50MP、f/1.9、OIS |
メイン:50MP、f/1.9、OIS |
メイン:50MP、f/1.9 超広角:16MP、f/2.2 望遠:8MP、f/2.4、OIS |
インカメラ | 32MP f/2.2 + 深度測定カメラ | 32MP f/2.2 + 深度測定カメラ |
32MP f/2.0 + 赤外線カメラ |
バッテリー | 4,200 mAh | 4,200mAh | 3,800 mAh |
サイズ / 重量 | 72.6×158.2×9.0mm / 226g | 72.6×158.2×8.95mm / 209g |
71.06×148.9×8.5mm / 175g |
カラーバリエーション | ホワイトセラミック・ブラックセラミック | シルバーフロスト・ブラッシュゴールド・ディープシーブルー・アイスホワイト・ブラック | シルバーフロスト・ブラッシュゴールド・ディープシーブルー・アイスホワイト・ブラック |
source Huawei P40
コメント