Xiaomi Redmi 9C レビュー。99ドルでトリプルカメラ搭載、安心の電池持ちが魅力の1台 | プラスガジェット
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Xiaomi Redmi 9C レビュー。99ドルでトリプルカメラ搭載、安心の電池持ちが魅力の1台

3.5

2020年末頃から、政府が主導する形で携帯電話料金の値下げが実施された。ドコモ・au・ソフトバンクの3大キャリアによる新プランも発表され、2021年は高品質かつ大容量のデータ通信を、従来よりもさらに低価格で楽しめるようになるだろう。

通信料を安くできるのであれば、次はスマートフォン本体を安くしたいと考える方もいるかもしれない。キャリアから販売されているスマートフォンの多くは高性能で価格も高く、低価格でコスパがよいと言われているSIMフリーのスマートフォンも、大半が3~4万円前後だ。

しかし、日本の外に目を向ければ、さらに安いスマートフォンがまだまだ存在する。本記事で紹介するXiaomiのRedmi 9Cは、2020年に発売された新しいモデルながら執筆時点では99ドル(約1万円)で販売されている。

今回、中国系ECサイトのBanggoodよりXiaomi Redmi 9Cをレビュー用に頂いた。Redmi 9Cを実際に使い、パフォーマンスはもちろん、カメラやバッテリーなどが一体どこまでどの程度使えるのかを詳細にチェックし、レビューしていこう。

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Xiaomi Redmi 9Cのスペック

Xiaomi Redmi 9Cのスペックは以下の通り。日本で発売されていない中国メーカーのスマートフォンではあるが、搭載されているMIUI 12はデフォルトで日本語に対応している。

GMSももちろん利用可能。使用をはじめた当初は2020年10月分のセキュリティパッチが適用されていたほか、1月23日頃には2020年12月のセキュリティパッチへと更新されたことも確認している。

OS Android 10(MIUI 12)
ディスプレイ 6.53インチ(1600×720ピクセル)
プロセッサ MediaTek Helio G35
メモリ / ストレージ 2GB / 32GB
背面カメラ メイン:13MP、f/2.2
マクロ:2MP、f/2.4
深度:2MP、f/2.4
インカメラ 5MP f/2.2
バッテリー 5000mAh
充電 有線:最大10W
ワイヤレス(Qi):非対応
生体認証 指紋認証
Wi-Fi 802.11 b/g/n, 2.4G, WiFi Direct/WiFi Display
対応バンド 2G: GSM B2/B3/B5/B8
 3G: WCDMA B1/B2/B4/B5/B8
 4G: FDD-LTE B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B20
        TDD-LTE B38/B40/B41(2535-2655MHz)
SIM nanoSIM / DSDS対応 / トリプルスロット
サイズ / 重量 164.9×77.07×9.0mm / 196g

デザインと質感

まずはRedmi 9Cの外観やインターフェースを細かくチェックしていこう。カラーバリエーションはブラック・ブルー・オレンジの3色が展開されており、今回送っていただいたのはブルーだ。

背面のデザインと質感
Redmi 9Cのブルー

ブルーは非常に発色がよく、濃くて鮮やか。筐体の素材は樹脂製で、表面にはサラサラ・シャカシャカとした独特の加工が施され、握ってみた感触は良好だ。斜め方向に走るストライプのパターンも入っており、デザイン性も高いと感じる。

もちろん、ガラスや金属のボディと比較してしまうと、価格なりの質感であることはハッキリと感じられてしまう。しかし、パッと見たときに安っぽさが前面に出てこないようにいろいろと工夫されている点は評価できるポイントだ。

ディスプレイ側のデザイン
ディスプレイサイズ 6.53インチ
本体サイズ 164.9×77.07×9.0mm
重量 196g

ディスプレイサイズは6.53インチで、上部にしずく型のノッチとインカメラを搭載している。ノッチを採用していることからもベゼルレス風のデザインに近づけていることが伺えるが、見ての通り上下左右いずれもベゼルがそれほど狭いわけではない。

なかでも下部のベゼルは特に目立っているように感じる。このベゼルを上部に移動すればノッチなしでも違和感なくインカメラを搭載できそうだと考えてしまうが、パネルの品質や価格などさまざまな要因からこういった形になっているのだろう。

手に持ったときの感覚は大きすぎも小さすぎもせず、昨今のスマートフォンとしては無難なサイズ。重量は200gを切っており、大型かつヘビーなハイエンドスマートフォンに慣れていると「ちょっと軽いかも?」という印象を受けた

インターフェースをチェックしてみると、上部にはイヤホンジャック、底面にはmicroUSBポートとスピーカー、マイクが搭載されている。

近頃のスマートフォンは、高価格帯のモデルほどイヤホンジャックを搭載しないというよくわからない傾向にあるが、Redmi 9Cは安いからなのかイヤホンジャックを装備。安心して手持ちの有線イヤホンを接続できる

充電ポートにType-CではなくmicroUSBを採用しているのは、個人的には残念に感じたポイントだ。価格の問題なのか、上位モデルとの差別化のためなのかは不明だが、「格安モデルでもType-C搭載」というのは間違いなく魅力のひとつになるので今後に期待したい。

なお、底面のスピーカーはステレオではなくモノラルだった。

SIMトレイ

対応しているSIMカードのサイズはnanoSIM。SIMカードスロットは、nanoSIMカード2枚と1枚のmicroSDカードを挿入できるトリプルスロットとなっている。

Redmi 9Cのストレージ容量は32GBと心許ない数値なので、microSDカードを常に挿しっぱなしにできる仕様は非常にありがたい。また、2枚のnanoSIMカードを挿した場合は同時に待ち受けができる(デュアルスタンバイ)ので、複数の回線を使い分けることもできる。

ディスプレイ

ディスプレイ

Redmi 9Cのディスプレイについて、もう少し詳しくチェックしていこう。解像度は1600×720なのでお世辞にも高精細とは言えないが、筆者個人としてはあまり気にならなかった。

もちろん、普段メインとして使っているQHD解像度のGalaxy Note20 Ultraを横に並べて比較してしまうと差は一目瞭然だが、わざわざそういった意地悪なことをしなければおそらくほとんどの方は何とも思わないはず。YouTubeの解像度も720pが選択できるので、「映像が荒くて楽しめない」なんてことになる心配は無用だ。

リフレッシュレートも標準的な60Hz。もしあなたがハイエンドスマーフォンの90Hzや120Hzのリフレッシュレートに慣れてしまっている場合、おそらく解像度よりも気になるのはこちらだと思われる。

Redmi 9Cの場合、そもそものスペックが低いので高速でアプリを切り替えようとしたり、複数のタブを開いた状態でブラウジングしていると動作がもたついてしまいがち。さらに普段から高速なリフレッシュレートに見慣れていると、一つひとつの動きが一段ともっさりしていると感じてしまうかもしれない。

指紋認証は高速

Redmi 9Cの指紋認証センサー

Redmi 9Cが対応している生体認証は、顔認証と指紋認証の2種類。ただし、水滴型のノッチからもわかるように顔認証は顔を平面的に捉えるタイプなので、セキュリティ的には若干心許ない。

また、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、しばらくはマスクが欠かせない生活が続くことを考えると、メインの生体認証には指紋認証がおすすめだ。

Redmi 9Cの指紋認証を実際に使ってみたところ、精度が高く速度も高速と言って問題ないレベルだと感じた。画面に内蔵されているタイプではなく背面にセンサーが搭載されているため、デザイン面では劣ってしまうものの、わかりやすさ・使いやすさという面においては優れており、特に非の打ちどころがないというのが正直な感想だ。

使う前はあまり期待していなかったが、指紋認証に関しては1万円という価格を感じさせず、ハイエンド同等のXiaomiクオリティだった。

Antutu & GeekBenchのベンチマークスコア

左:Geekbench 右:Antutu

Redmi 9Cでベンチマークも計測してみた。使用したベンチマークアプリは定番のGeekbenchとAntutuの2種類。なお、Antutuは現在Google Playストアには掲載されていないため、公式サイトからインストールして使用した。

ベンチマークスコアは、Geekbenchの場合はシングルコアが148、マルチコアが521、Antutuの場合は99686となった。搭載しているプロセッサはMediaTekのHelio G35であり、Snapdragonの400番台が競合にあたるので数値としては妥当なところだろう。

Geekbench Single Core:148
Multi Core:521
Antutu 99686

実際にRedmi 9Cを使ってみた感覚はというと、「思ったよりちゃんと動くんだな」が率直な感想だ。

筆者がそもそもあまりスマートフォンでゲームをプレイしないことも関係しているが、TwitterやFaceBookなどのSNS、ウェブブラウジング、Amazonや楽天アプリを使用した買い物、AmazonプライムビデオやYouTubeでの動画視聴などを一通り試してみても、動きが鈍くて使い物にならないシーンは一切なかった。

もちろん、ハイエンドスマートフォンと比較すればアプリの切り替えやタップの反応など要所要所にぎこちなさが見られるが、イライラしてくるほどではなく許容範囲内。詳しくは後述するがバッテリー持ちも非常に優れているので、動画や音楽のストリーミングなど、用途を限定した使い方にはかなりハマってくれそうだ

メモリは2GBと貧弱なので、複数のアプリを頻繁に切り替えながら使ったり、タブをいくつも開いてブラウジングをしたりといった使い方には全く向いていない。もちろん、Redmi 9Cで重たいゲームを快適に楽しもうなどとは考えない方がいいだろう。

カメラ性能を作例でチェック

トリプルカメラを搭載

続いてRedmi 9Cのカメラ性能をチェックしていく。同端末は、メインの広角カメラに2MPのマクロカメラと同じく2MPの深度カメラが組み合わされたトリプルカメラが搭載されている。

いくつか実際に撮影した作例を紹介していこう。

メインカメラ(広角) 1300万画素 F2.2
マクロカメラ 200万画素 F2.4
深度カメラ 200万画素 F2.4
メインカメラで料理を撮影
メインカメラの作例

まずはメインカメラでチャーシュー丼を撮影した1枚。ピントを合わせたチャーシューやネギの繊維っぽさはしっかりと残っている。しっかりと寄って撮影したこともあってか背景もほどよくぼけており、温かみのある色味からもSNSに飯テロ写真として投稿するには十分なクオリティだ。

Redmi 9Cのカメラで料理を撮影

続いては、引き気味でラーメンセットの全体像を撮影した作例。右下のチャーシューは窓からの日光が直接当たっていたためか、真っ白に飛んでしまった。

ほかにも似たような写真はいくつか撮影されており、HDRの設定を有効にしても明暗差にはあまり強くない印象を受ける。しかし、ラーメンの湯気が立っている様子までしっかりと収められた点は評価できるポイントだ。

室内の作例

ガラス張りの室内で適当にシャッターを切って撮れた写真がこちら。上記の作例では天気が良くなかったことも関係しているが、室内の照明ではややノイズっぽさが気になるシーンが多いと感じた

薄暗い飲食店などでは、ノイズが多かったりシャッタースピードが長くなり手振れしてしまったりと思うような写真が撮りにくくなると予想できる。反面、屋外や光量が十分に確保できる環境であれば、1万円のスマートフォンとは思えないしっかりとした表現も可能だ

マクロカメラで撮影した500円玉
マクロカメラで撮影

最後に、マクロカメラを利用して撮影した写真がこちら。最短撮影距離は4cmとなっており、小さな被写体でもかなり大きく撮影できる。

ズームとは違いRedmi 9Cを直接被写体に近づけなければいけないため、角度に注意しないと大きく影が発生してしまうが、数回使っていればカメラの位置や光の入り方などに慣れてくるはずだ。

シャッター音を消す方法

Redmi 9Cのカメラアプリのよかった点として、シャッター音が控えめだったことが挙げられる。実物のカメラを模した大きなシャッター音を採用しているメーカーが多い中、Redmi 9Cのシャッター音は「カチッ」という小さな音のみで、飲食店でも非常に使いやすかった

地域設定でシャッター音を消す

それでもシャッター音が気になる場合は消してしまうのも手だ。

シャッター音を消すアプリはGoogle Palyを探せばいくつも存在するが、Redmi 9Cの場合(MIUIの場合?)設定 ⇒ 追加設定 ⇒ 地域から日本または韓国以外の国を選択すると、カメラアプリの設定項目にシャッター音のオン・オフが追加されるので、試してみてほしい。

バッテリー

Redmi 9Cは、5000mAhという比較的大きなバッテリーを搭載している。そこで気になるのはどの程度バッテリーが持続するか?ということだと思うので、実際に検証してみた。

検証内容は、Redmi 9CでYouTubeの動画を延々と再生し続けるというもの。動画品質は最高設定の720p、画面の明るさはオートにした状態だ。

経過時間 バッテリー残量
2時間 91%
4時間 81%
6時間 70%
8時間 58%
10時間 44%
12時間 34%
14時間 23%
16時間 12%
18時間 5%

結果は約18時間程度の電池持ちだった。バッテリー容量が多いことはもちろん、解像度が高くない点も、電池持ちという観点から見ればある意味メリットとして働いた可能性が高い。

ゲームのようなバッテリーを消費しがちなアプリはRedmi 9Cの使い方に向いていないことを考慮すると、充電なしで2日間程度は余裕で使えそうだと感じる。

まとめ。Xiaomi Redmi 9Cの魅力とは

以上、Xiaomi Redmi 9Cのレビューをお届けした。スペックシートを見るだけだと貧弱なスマートフォンにも思えるが、パフォーマンスもカメラもしっかりと「使える」レべルには達しているので、1万円という低価格で買えるのであれば個人的にはアリだと感じる。

なお、この手の格安スマートフォンは、よく「安いから初心者におすすめ!」との謳い文句で紹介されることが多いが、当サイトでは間違っても初心者にXiaomi Redmi 9Cを勧めたりはしないことを念押ししておきたい。

しかし、この安さの理由をある程度理解でき、活用方法を見出せる方にとっては賢い買い物となるはず。XiaomiのスマホやMIUIを試してみたいというニーズにも、Redmi 9Cであれば格安で応えられるだろう。

コメント

ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

当サイトでは主にGalaxyを中心に様々なガジェットのリークやニュース、レビューなどをお届けしています。今は完全ワイヤレスイヤホンにご執心。