Galaxy Buds Pro レビュー。電池持ちやイズキャンセリング、音質などをチェック | プラスガジェット
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Galaxy Buds Pro レビュー。電池持ちやイズキャンセリング、音質などをチェック

4.0

現地時間1月16日に発売された新型の完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds Pro」を入手したので、さっそくレビューをお届けしよう。

「Galaxy Buds Pro」は、シリーズでは初めてカナル型かつアクティブノイズキャンセリングを搭載した完全ワイヤレスイヤホンとなる。先代のGalaxy Buds Liveとその前身であるGalaxy Buds+、両方からそれぞれの特徴を受け継いでいる点も特徴だ。

本記事では、Galaxy Buds Proを実際に数日間使用したレビューをお届けする。外観や装着感、音質、アクティブノイズキャンセリングの性能と電池持ちなど、Galaxy Buds Proを実際に手に取って得られた感想を包み隠さずレビューしていく。

360°オーディオなど、One UI 3.1が必須な機能は、試せる環境が整い次第追記する予定だ(3月20日追記済み)。Galaxy Buds Proのレビューをまとめた動画も掲載しているので、質感等を詳しくチェックしたい方はそちらも参考にしてみてほしい。

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デザイン

まずは、Galaxy Buds Proのケースとイヤホンそれぞれの外観をチェックしていこう。

Galaxy Buds Proは、執筆時点ではファントムブラック・ファントムバイオレット・ファントムシルバーの3色で展開されている。筆者が購入したカラーは、ファントムブラックだ。

Galaxy Buds Proのケース

バッテリーケースは角が丸い正方形。正面だけではなく周囲をグルっと囲むように指を掛ける切り欠きが設けられているので、小型ながら開閉は非常にスムーズだ。

表面はサラサラとしたマットな仕上がりになっており、商品画像を見る限りその仕様は全色で共通。ブラックというカラーの性質上、ホコリや指紋がやや目立ちやすいものの、ファントムバイオレットまたはファントムシルバーを選択すればその心配は無用と思われる。

  ケース イヤホン単体
サイズ 50 x 50.2 x 27.8 mm 19.5 x 20.5 x 20.8 mm
重量 44.9g 6.3g

ちなみに、ケースのサイズと外側のデザインは、Galaxy Buds Liveと完全に共通。宝石箱をモチーフにしたというだけあって高級感があり、非常に所有欲が満たされる作りになっている。個人的に、このケースデザインはGalaxy Buds Liveのときからお気に入りだ。

ケースを開けた様子

ケースを開けてみた様子がこちら。Galaxy Buds Proがそれぞれ並ぶように配置されており、その間にはバッテリー残量を示すインジケーターを搭載。内部の質感も外側と同じくマットに仕上げられている。

ケースの先端部分にはマグネットが内蔵されているので、逆さまにしても蓋が勝手に開いてぶら下がるような心配はない。イヤホン本体も同じくマグネットで固定されており、少々強めに振ってみてもイヤホンが飛び出すことはなかった。

正面と背面

背面には充電用のUSB Type-Cポート、正面にはインジケーターを搭載。充電は従来通りQi規格に互換性があるので、市販のワイヤレス充電器や、Galaxyスマートフォンに搭載されているワイヤレスパワーシェアなどで充電できる。

サムスンからもスマートフォンやGalaxy Watchシリーズと一緒に充電できる純正のワイヤレス充電器が販売されているので、合わせて購入するのもいいだろう。

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ケース正面に搭載されているインジケーターは、ケースそのもののバッテリー残量を示すもの。それに対して、ケース内のインジケーターはイヤホンのバッテリー残量を知らせるものなので、混同しないように注意が必要だ。

インジケータの色 意味
満充電または61%以上の残量あり
黄色 バッテリー残量30%から60%
赤色 充電中またはバッテリー残量30%未満
赤色に点滅 バッテリー残量低下または温度異常による充電中断
イヤホンの形状

ケースのデザインはGalaxy Buds Liveを踏襲していたのに対して、イヤホン本体のデザインはGalaxy Buds+に近い。耳の奥にイヤーピースを押し込むカナル型を採用しており、元々装着されている分を合わせると合計3サイズのイヤーピースが同梱されている。

Galaxy Buds+には、取り外してサイズ調節ができるウィングチップが搭載されていたが、Galaxy Buds Proにウィングチップはない。そのかわり、イヤホンそのものがウィングチップ込みの形状にデザインされている。

イヤホンの外側には2つ、内側には1つマイクを搭載。そのうち2つのマイクはメッシュに覆われており、詳しくは後述するが風の影響を最小限に抑え、ノイズの少ない通話に寄与している。

マットな質感だったケースに対して、イヤホンにはテカテカとした光沢デザインを採用。ケースを開けると光沢が美しくラグジュアリーな雰囲気は存分に伝わる反面、やはり指紋や汚れはそれなりに目立ってしまう

Galaxy Buds Proが長時間耳に装着するガジェットである以上、個人的には汚れにくい・汚れても目立ちにくいマットな質感を望む。筆者は発売直後の在庫の関係でファントムブラックを選んだが、これから購入するのであれば、汚れが目立ちにくいファントムバイオレットまたはファントムシルバーを強くおすすめする

なお、イヤホンのケースからの取り出しやすさや収納しやすさに関しては特に不満はない。しっかりと指が引っかかるので、落としてしまう心配もほとんどないはずだ。

装着感

イヤーピースの形状

前述の通りGalaxy Buds Proはカナル型を採用している。付属のイヤーピースはS・M・Lサイズの3種類で、デフォルトで装着されているのはMサイズだった。イヤーピースの形状は、見ての通り微妙に楕円型となっている。

見たことのない豆型デザインを採用していたGalaxy Buds Liveとは違い、Galaxy Buds Proの形状は完全ワイヤレスイヤホンとしてはそこまで奇抜というわけではない。そのため、特に迷うことなく耳に装着できるはずだ。

実際にGalaxy Buds Proを装着してみた様子がこちら。耳から飛び出す部分が少なく、外から見てスッキリと収まっている点は非常に好印象だ。

Galaxy Buds Proを装着した様子
Galaxy Buds Proを装着した様子

Galaxy Buds+・Galaxy Buds Liveと使ってきて、これまで耳が痛くなったりストレスを感じたことはなかった。Galaxy Buds Proもカナル型特有の圧迫感は多少感じるものの、従来通り快適な装着感を実現している。Galaxy Buds Proを装着した状態で寝転んでみても、問題なく使用可能。ランニングをしても頭を振っても落ちてくる気配はなく、安定感は抜群だ。

装着感とは微妙に異なる話にはなるが、個人的にはタッチパッドの感度が気になった。詳しくは後述するが、Galaxy Buds Proはハウジングをタップしたり長押ししたりすることで操作ができる。そのタッチパッドの感度が、従来モデルと比較して最も強いと感じた

Galaxy Buds Proを耳に装着するとき・位置を軽く調節するとき・取り外すとき、うっかりしていると、この全ての動作でタッチパッドが反応し、曲が止まったり再生されたりしてしまう。

数日使っていると多少は慣れてきて「反応しない位置と角度」でGalaxy Buds Proを触れるようになってはきたが、ふとした時の偶発的なタップは避けられない。Galaxy Wearableアプリを使うとタッチは無効にしたりカスタマイズしたりできるが、シングルタップのみを無効にする設定がほしいと感じた。

接続の安定性

接続時のポップアップ
初回ペアリング時のポップアップ

SmartThingsアプリをインストールしたGalaxyスマートフォンを持っている場合、開封直後のGalaxy Buds Proのケースを開けるだけで、上記画像のようなポップアップが表示されて素早く接続できる。

iOSやAndroidはもちろん、WindowsのPCも含めて、過去に一度ペアリングしたことのある端末であれば、最後に接続していたデバイスを自動で識別し、ペアリングされる仕様。「イヤホンをシームレスに接続」の設定を有効にしておけば、他のデバイスと接続中であっても別のデバイスにそのまま接続先を変更できる。

接続の品質は非常に高く、到着してからの約10日間ちょっとはほぼ毎日Galaxy Buds Proを使用していたが、不意に接続が途切れてしまうことは1度もなかった。自宅はもちろん、外出先でも装着し1度だけ人が込みあう駅にも足を運んだが、結果は同様。

Galaxy Buds Proの接続は、非常に安定していると言っていいだろう。

音質

Galaxy Buds Proで音楽を再生している様子

続いて、音質を細かくチェックしていこう。Galaxy Buds Proが対応しているコーデックは、従来通りSBCとAACのほかサムスン独自のScalable。BluetoothのバージョンはBluetooth 5.0だ。

11mmのウーファーと6.5mmのツイーターを搭載しているためか、深い低音から鮮明な高音まで豊かに再生できる。響くような低音は恐らく先代のGalaxy Buds Live譲りと思われるが、主張しすぎないようにうまく調節されている。Galaxy Buds+のフラットでバランスのよい音と、Galaxy Buds Liveの派手で華やかな音のちょうど中間に当たるような印象だった。

奥行きのある空間で音を捉えているような臨場感も感じられ、ライブ音源なども迫力たっぷりで楽しめる。ただし、高音の伸びや解像感などはGalaxy Buds Liveと比較すると一歩及ばず、音の粒子が耳から頭へと駆け巡るような、キラキラとした感覚はやや弱く感じた。

音質の特徴と評価
  • 高音:クリアなイメージ。ビシビシと刺さる刺激的な音ではなく、どちらかというとまろやかで聴きやすい音。ロックな音が好みの場合はやや物足りないかも。
  • 中音:しっかりと芯はあるものの極端な強調は感じられず、上手く馴染んでいる印象。
  • 低音:気持ち強めではあるものの、まとまりのある豊かな音。高音と同様に激しい音が好みの方には迫力が足りないかも。
  • 音場:奥行きのある広がるような音を体験できる。ギターは前、ベースは後ろ、といった距離感をイメージできる。
  • 解像感:良好。楽器の数や音の種類が豊富な楽曲でも、それぞれの音をしっかりと追える。音の粒立ちに関してはBuds Liveほどではない。

イコライザー設定

イコライザー設定

Galaxy Buds Proは、Galaxy Wearableアプリからイコライザーをカスタマイズすることで音質を好みに調節できる。イコライザーといっても細かな値を自分で調節するのではなく、既存の6つのプリセットから選択するだけではあるが、とことん音質にこだわりたいのであれば、設定してみるといいだろう。

低音ブースター 低音、特にドラムの音が一層深くなる。標準と比較するとこもった音になりがち
ソフト 標準との違いはほとんど感じられず
ダイナミック 個々の音の輪郭が明確になる。聞いていて楽しい
クリア ボーカル含めて中高音域が前に出てくるイメージ
高音ブースター 高音を強調するよりも低音を弱めるイメージ

用意されているイコライザーは、デフォルトの標準と、低音ブースター・ソフト・ダイナミック・クリア・高音ブースターの6種類。個人的にはダイナミックが好みだったので、設定している。

通話時の音質

スマートフォンとGalaxy Buds Pro

Galaxy Buds Proを使用して、通常の音声通話やLINEの無料通話、Google Meetを用いたビデオ通話も試してみた。Galaxy Buds Proには、3つのマイクのほかにボイスピックアップユニットも内蔵されており、的確に音を拾って通話できる。

実際、Galaxy Buds Proを使用した音声通話は非常にクリアで快適だった。屋外での通話や室内でエアコンを付けた状態での通話も試してみたが、耳障りなノイズはほとんど相手に届かず、またこちらが聞き取る音声も目の前にいるかのように近く感じる。

Galaxy Buds Proの内側と外側に搭載されているマイクは、どちらもメッシュで覆われている。また、装着している状態だと耳の外に飛び出す箇所もほとんどないので、風の影響を受けにくい構造になっているのだろう。

前述の通り、Galaxy Buds Proの接続はPCやスマートフォンの間をシームレスに切り替えられる。音楽や動画を楽しむのはもちろん、リモート会議やオンライン飲み会などにも活躍してくれるはずだ。

アクティブノイズキャンセリング

Galaxy Buds Proは、カナル型のGalaxy Budsシリーズとしては初めてアクティブノイズキャンセリング機能を搭載している。サムスンによると、周囲のノイズを最大で99%除去できるという。

実際に試してみると、確かにGalaxy Buds Proのノイズキャンセリングは非常に強力だった。エアコンの動作音やデスクトップPCのファンから発せられる風切り音、外を走る車の走行音などは、誇張無しにほとんど聞こえなくなると言っていい。

外でノイズキャンセリングを有効にすると、人混みのザワザワ感も強力に軽減される。人の声は完全には消えないものの遠くから聞こえているような錯覚があり、まるで自分の周囲が見えない壁で隔てられているような感覚だ。

実際に比較もしてみたが、ノイズキャンセリングが強力だと言われているソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」と、ほぼ同等のノイズキャンセル効果だと感じた。

ノイズキャンセリングレベルの調節

Galaxy Buds Proのアクティブノイズキャンセリングは、Galaxy Wearableアプリから強度を2段階で調節できる点も特徴だろう。

アクティブノイズキャンセリングレベルを小に設定すると、当然ながら周囲の音が少し入ってきやすくなる。しかし、Galaxy Buds Proは後述する周囲の音(外音取り込み)機能に対応しているので、個人的にはアクティブノイズキャンセリングレベルを「高」以外に設定するシーンはほとんどないと感じた。

外音取り込み(周囲の音)

強力なノイズキャンセリングとセットで注目したい機能が、「周囲の音」として実装されている外音取り込み機能だ。

カナル型のGalaxy Buds Proは、装着するだけである程度音を遮ってしまう。電車のアナウンスや空港の搭乗案内を聞きたいとき、ちょっとコンビニに寄って会計をするときなど、いちいちイヤホンを外すのは手間がかかる。

そこで活躍するのが外音取り込み機能。Galaxy Buds Proの外音取り込みは非常に自然で、違和感の少ない音に仕上がっている。イヤホンを付けていないみたい、とまでは言えないものの、無理やり増幅したようなノイズ感や耳に刺さるような音はなく、イヤホンによる圧迫感を大幅に軽減してくれる。

人との会話も全く違和感なく行えるので、積極的に使っていきたい機能だと感じた。

なお、周囲の音の取り込みレベルは、Galaxy Wearableから4段階で調節できる。そのときの音量次第でもあるが、基本的には真ん中のどちらかで十分だった。

周囲の音(外音取り込み)の設定
音声検出機能。会話が終了すると自動で音の取り込みが停止する

また、音声検出も面白い機能だ。音声検出を有効にすると、Galaxy Buds Proを装着している人自身が発した声を検出し、自動的に周囲の音が適用される。つまり、ノイズキャンセリングを有効にして音楽を聴いている状態でも、声を発すると自然と周囲の音が取り込まれ、自然な会話が行えるというわけだ。

コンビニのレジやヤマト運輸の受付、カフェなどで試してみたが、筆者の「すいませーん」という呼びかけに反応してしっかりと音が取り込まれ、会話が終わるとノイズキャンセリングが再び有効になったので、精度も良好。試してみてからは、筆者も日常的に有効にする機能となった。

ただし、会話の開始・終了は、あくまでもGalaxy Buds Proを装着している側の声を検出して判断しているため、相手がお喋りな人でこちらが聞く側に徹していると、「会話終了」と判断されノイズキャンセリングが有効になってしまう。

また、聴いている音楽を口ずさんだり、独り言を呟いたりしても外音取り込みが有効になるので、人によっては鬱陶しいと感じる機能かもしれない。

360オーディオ

AppleのAirPods ProやAirPods Maxで利用できる空間オーディオに似た機能、「360オーディオ」もGalaxy Buds Proに新たに搭載された機能のひとつだ。

同機能は、Galaxy Buds ProをOne UI 3.1以上を搭載したGalaxyスマートフォンとペアリングし、「Galaxy Wearable」アプリの詳細設定から有効・無効にできる。

360°オーディオを有効にした状態
360°オーディオを有効にした状態

筆者の元にもOne UI 3.1を搭載したGalaxy S21が到着したので、360オーディオを試してみた。一応、Dolby Atmos対応の機能ではあるが、YouTubeやニコニコ動画でも音の変化はしっかりと感じられたので、基本的にはどんなコンテンツでも適用できる機能であると考えて問題なさそうだ。

360オーディオを有効にして真っ先に気が付く変化は、音の反響が大きくなること。イヤホンやヘッドホンのイコライザー設定に「ライブ」や「コンサートホール」といった項目をよく見かけるが、感覚的にはそれに近い。どんなコンテンツのサウンドも映画館風の味付けになるので、確かに臨場感は高まる

肝心の360°音に囲まれる、映画の1シーンの真ん中に立っているかのような感覚というのは思ったほど強くは感じなかった。スマートフォンを目の前に置いて右を向くと、右のイヤホンの音が弱まり左のイヤホンの音が強調される。その変化は非常にスムーズで違和感はないのだが、没入感という点ではイマイチインパクトに欠けたというのが正直な感想だ

タブレットなどもう少し大きな画面だと、得られる体験は違ったのかもしれない。

Galaxy Wearableアプリでできること

既に何度か登場しているが、Galaxy Buds Proは「Galaxy Wearable」という専用アプリを用いることで、さまざまな機能を適用できる。

アプリで設定できる主な項目は以下の通りだ。

Galaxy Wearableでできること
  • アクティブノイズキャンセリングのオン・オフ
  • 「周囲の音」のオン・オフ
  • 音声検出のオン・オフ
  • タッチ操作のブロック
  • タッチ操作(長押し)のカスタマイズ
  • イコライザー設定
  • イヤホンをシームレスに接続・聴覚補助
  • ゲームモード

以下では、ここまでまだ触れていないタッチ操作のカスタマイズやゲームモードについて簡単に紹介しよう。

タッチ操作のカスタマイズと無効化

タッチ操作のカスタマイズ

Galaxy Buds Proは、ハウジング部分がタッチパッドになっているのでタップによる操作ができる。曲の再生や一時停止、曲送りなどは、スマートフォンを取り出さなくても操作可能だ。

タップ 曲を再生 / 一時停止
ダブルタップ 次の曲を再生
電話の応答 / 終了
トリプルタップ 前の曲を再生
長押し ユーザーによるカスタマイズ機能
着信拒否

Galaxy Wearableを使うと、長押しにのみ機能を割り当てられる。割り当て可能な機能は、ノイズコントロール・音声コマンドの起動・音量調節・Spotifyの起動の4つだ。

長押し(左) ノイズコントロール(アクティブノイズキャンセリング ⇔ 周囲の音のトグル)
音声コマンド
音量ダウン
Spotify
長押し(右) ノイズコントロール(アクティブノイズキャンセリング ⇔ 周囲の音のトグル)
音声コマンド
音量アップ
Spotify

ただし、音量調節に関しては右耳と左耳のGalaxy Buds Proそれぞれで固有となっているので、音量を調節したいのであれば両耳の長押し機能が圧迫されてしまう。せっかく右と左で別々の機能を設定できるのであれば、もう少し柔軟にカスタマイズできれば嬉しい。一見すると機能が豊富に思えるが、絶妙に痒い所に手が届かない設計だと感じる

また、序盤の方で「タッチパッドの感度がよすぎて誤操作してしまう」と述べたが、一応「タッチをブロック」という機能も搭載されており、有効にすれば、全てのタッチ操作が無効になる。

個人的にはシングルタップのみ無効にできればそれでいいので、欲張りかもしれないがここももう少し臨機応変な設定が欲しかったところだ。

ゲームモード

ゲームモード

開発途中の機能を実験的に試せる「ラボ」内からは、ゲームモードを有効にできる。

ゲームモードとは、その名の通りゲームに最適化された機能であり、完全ワイヤレスイヤホン特有の遅延を最小限に抑えて違和感なくゲームをプレイできるようにするもの。

過去のモデルでもゲームモードは試しており、有効にしても無効にしても正直なところあまり違いは感じられなかったのだが、Galaxy Buds Proで久々に試したゲームモードは明らかに遅延が減っていることを体感できた

もちろん、コンマ1秒を争うようなバトロワ系ゲームや音ゲーは向いていないが、そうでなければほぼ違和感なくゲームをプレイできそうだと感じる。「ラボ」内の機能は開発段階とのことではあるが、そろそろ標準機能にしてもよいクオリティかもしれない。

Galaxy Buds Proの電池持ち

ワイヤレス充電中のGalaxy Buds Pro

続いては電池持ちの検証をしていこう。Galaxy Buds Proは、イヤホン単体に61mAh、ケースに472mAhのバッテリーを搭載し、公式情報では最大8時間、ノイズキャンセリングを有効にすると最大5時間連続で使用できるとされている。

実際にGalaxy Buds ProをGalaxy Note20 Ultraに接続し、Amazon Prime Musicをひたすら垂れ流し続ける形で電池持ちを検証した。電池の消耗具合は、Galaxy Wearableアプリから確認している。

Galaxy Buds Proのバッテリー持ち検証結果
経過時間 ノイズキャンセリング – オン ノイズキャンセリング – オフ
0分 100% 100%
1時間 79% 83%
2時間 59% 71%
3時間 37% 59%
4時間 3% 47%
5時間 34%
6時間 21%
7時間 3%

結果は、ノイズキャンセリングが無効の場合は約7時間、ノイズキャンセリングが有効の場合は約4時間だった。どちらも公式情報よりちょうど1時間早く電池が底をついた形だ。

ノイズキャンセリング有効時に4時間の電池持ちという結果は、十分実用的ではあるものの魅力にはなり得ない数値。もちろん、状況による部分も大きいとは思うが、公称値を大幅に下回ってしまった点は非常に残念だ。

ワイヤレス充電に対応

なお、Galaxy Buds Proは5分の充電で1時間使用できる急速充電にも対応している。実際に、上記検証が終わった後のバッテリーが0%になったイヤホンを5分間ケースに入れてみたところ、15%まで回復していた。

ノイズキャンセリングがオフの場合、15%あれば約1時間再生できることは上記の検証結果から明らかなので、急速充電に関しては安心して使用できそうだ。

ワイヤレスパワーシェアでGalaxy Buds Proを充電している様子

ケースそのもののは、Qi規格のワイヤレス充電に対応している。市販のQi充電器やWireless Charger Trioはもちろん、Galaxyスマートフォンに搭載されているワイヤレスバッテリー共有(旧称:ワイヤレスパワーシェア)でも充電できるので、Galaxyユーザーであればいつでもバッテリー切れに備えられる。

防水性能

Galaxy Buds Proは、IPX7の防水性能を備えている。従来のGalaxy Budsシリーズも防水には対応していたものの、等級はIPX2。”Pro”を冠しているだけあって、大幅に強化されている。

ちなみに、IPX2では水滴からの保護が実験により実証されているのに対して、IPX7では水に浸す試験にもクリアしていることになる。レビューだからといって試す気にはなれないが、Galaxy Buds Proは真水や雪の中に落とすくらいであれば、耐えてくれる可能性が高い

防水なので雪に落としても安心

なお、耐えてくれるのは「水没」に関してのみである点には注意が必要だ。例えばキッチンでGalaxy Buds Proを落としてしまい不具合が発生したとしても、水没ではなく単純に落下の衝撃で故障してしまった可能性は十分に考えられる。

IPX7の防水性能を有しているのは、Galaxy Buds Proのイヤホンのみであり、ケースには防水性能がないということも忘れずに頭に入れておきたい。

まとめ。Galaxy Buds Proの魅力とは

以上、Galaxy Buds Proのレビューをお届けした。Galaxy Buds Proの長所や短所、どんなイヤホンなのかといったところが少しでも伝わっただろうか。

2020年に登場したGalaxy Buds Liveが従来のスタイルを無視した挑戦的なイヤホンであったのに対して、Galaxy Buds ProはGalaxy Buds+から順当に、それでいて大幅な進化を遂げたイヤホンとなっている。

特に、強力なアクティブノイズキャンセリングと自然な外音取り込み、これら2つの機能を無意識に繋ぐシームレスな音声検出とノイズコントロールは、Galaxy Buds Proにしかない圧倒的なアドバンテージであり、魅力だ

Galaxy Buds Proは、Galaxy Buds Liveの登場からわずか半年後に発売された。2021年の後半にも新たなGalaxy Budsシリーズが登場するのか、登場するとしたらGalaxy Buds ProとGalaxy Buds Liveどちらの系譜となるのか、まだ誰にもわからない。

現段階で1つ言えることは、少なくとも筆者はGalaxy Buds Proを最速購入し、その仕上がりに非常に満足している。もし少しでもGalaxy Buds Proに興味があるのならば、ぜひ購入を前向きに検討してみてほしい。

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ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

当サイトでは主にGalaxyを中心に様々なガジェットのリークやニュース、レビューなどをお届けしています。今は完全ワイヤレスイヤホンにご執心。