先日3週間ぶりくらいにZenPad S 8.0を充電しようとしたところ、いつまでたっても充電が開始されないというトラブルに遭遇しました。
結論を先に述べてしまうと、原因はいわゆる「バッテリーの完全放電」。
iPhoneやiPad、スマホ、Apple Pencilなど、リチウムイオン電池をバッテリーに採用しているガジェットであればどれも完全放電してしまう可能性があります。
そこで本記事では、スマホやタブレットのバッテリーが完全放電した場合の原因と対処法、また、そもそも完全放電とは何なのか?という点について解説します。
完全放電から復活・充電するための対処法
では、スマホやタブレットが完全放電してしまったらどう対処・解決すればよいのか?
一般的な対処法のほか、個人的に何度も試して上手くいっている解決策を紹介します。
一般的な手順
完全放電を解消するための一般的な手順はシンプルで、「電源に接続してひたすら待つ」というもの。
本記事を最初に執筆したのは2017年とやや古いのでASUS製のZenPad S 8.0というタブレット、および同じくASUSのタブレットであるNexus7に関するページを参考にしていますが、2023年現在でも以下の対処法がスタンダードなものです。
もちろん、iPhoneやiPadでも対処方法はほとんど変わりません。
その対処法というのが
- 付属のACアダプターを利用して、30分以上充電→電源ボタン長押しで動作チェック
- 1でダメな場合、ACアダプターを抜き、約5秒後に電源ボタンを長押し
- これでもダメな場合、電源ボタンを押しながらACアダプターを差しなおす
さらにこの手順一通りでも充電が再開されない場合、
- 30分以上の充電後、1時間以上放置。その後電源を押す。
- 1でダメな場合、音量アップボタンを押しながら、ACアダプターを挿す。
→音量アップボタンを離し約5秒後に電源ボタンを押して動作チェック - 2でダメな場合、音量アップボタンを押しながら、ACアダプターを挿す。電源ボタンを押す前に約1時間放置してください。
→電源ボタンを15秒以上押し続けて、動作をチェック
という手順も公開されていました。
筆者の場合、上記全てを実践したうえでさらにACアダプターに接続したまま1日半ぐらい放置してみましたが、ZenPad S 8.0は全く反応しなかったので、次の別の方法を試してみました。
PCのUSBポートから充電
詳しくは「完全放電後に充電できないのはなぜ?」の項目で解説していますが、電源に接続しても完全放電から復活できない理由は、急激な電流に対する保護機能の可能性があります。
過電流が掛かることを防ぐための保護機能であるのならば、出力電流が圧倒的に小さいノートPCのUSBポートから充電してみたらどうだろうかと試してみたところ、これが成功。
空っぽの電池マークしか表示されなかったZenPad S 8.0のディスプレイに、充電中のカミナリマークが表示されました。
以下では、バッテリーの完全放電について、原因を含めて簡単に解説しています。
バッテリーの完全放電とは
- Qバッテリーの完全放電とは?
- A
バッテリー内に蓄積された電力が完全にない状態のこと
バッテリーの完全放電とは、その名の通りバッテリー内に蓄積された電力が完全にない状態のことを指します。
完全放電ではなく、過放電という言葉が使われることもあるようです。厳密には違うのかもしれませんが、「バッテリー内の電力がゼロで充電できない状態」を完全放電あるいは過放電と認識してほぼ問題ないかと思います。
一般的には、バッテリーを充電しないまま放置すると完全放電状態になってしまう場合がほとんど。特に、iPadやタブレットなどは人によって使う機会が少なく、いざ使おうと思ったら充電ができない…というパターンが多いように思えます。
完全放電後に充電できないのはなぜ?
完全放電してしまったバッテリーは正真正銘空っぽです。
端末によっては、完全放電の状態から充電しようとすると、
- 急激な過電流による内部パーツへの影響を考慮して
- 一定以上の充電レベルに達するまで電池を消費しないように
といった理由で保護機能が働く場合があります。
保護してくれるのは大変ありがたいのですが、保護機能が働くと充電ができないためバッテリーがずっと空のままになってしまいます。
「長期間放置していたスマホ or タブレットを久々に使おうとケーブルを刺したのに全く充電されない!」という現象は、ほぼ上記の通り完全放電による弊害と言えます。
完全放電はよくないのか?
一般的に、スマホやiPhone、iPadに使われているリチウムイオン電池を空の状態で放置することはバッテリーに負担をかけて劣化を早めてしまうためよくないこととされています。
同様に、常にコンセントに繋いで充電が100%の状態を維持するのも、電池内が高電圧の状態のままとなり化学反応が進みやすいのでNGというのが通説。
つまり、バッテリーが100%になったケーブルを抜き、15%や20%などスマホから警告が出た時点で充電するというサイクルが無難かつ安全な利用方法と言えます。
まとめ
完全放電状態のiPhoneやiPad、スマホを改善・復活させる方法をまとめると以下の通り。
- 電源に接続してひたすら待つ
- 1.でダメな場合は極端に低出力な電源に接続して待つ(例:ノートPCのUSBポート)
今回はノートPCを利用しましたが、出力が小さければデスクトップPCやスマホ・タブレットのリバース充電、モバイルバッテリーなどでも上手くいく可能性があります。
本記事を最初に公開した2017年と比べると、現在の2023年ではノートPCに搭載されているUSBポートの出力も高くなっている可能性があるので、とにかくできる限り低出力の電源を探しましょう。
そんな都合の良いものはない!という場合は、Amazonで調べてみるといいでしょう。
完全放電してしまったiPhoneやiPad、スマホのバッテリーに対してノートPCのUSBポートから充電するのは手軽で危険性も全くない手段ですので、同様の症状で困っている場合はお試しください。
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