2017年記念すべき1台目のスマートフォンとして購入したHUAWEI Mate9を今年初めから既に半年以上、約200日間ほぼ毎日持ち歩いていました。もともとはAmazonでたまたま安くなっているのを見かけて勢いだけで購入してしまった、典型的な価格が買う理由というあまり良くない買い物だったのですが、いつの間にか私のメイン端末になっていて手放せない存在に。そんなMate 9の魅力を遅ればせながらレビューしていきます。
パフォーマンスとソフトウェア
Kirin960に4GB RAM搭載ということでパフォーマンスに不満は全くナシ。SnapDragonに比べてGPUが劣ると言われるKirinですがポケモンGOなども快適にプレイできましたしヘビーなゲーマーでない限り気になるシーンはまずないでしょう。どちらかというとスペックを持て余してしまっているくらいです。
HUAWEI独自のEMUIは中途半端なIOSライクな見た目に中華っぽさを感じてしまいあまり好みではありませんでしたが、設定項目は意外と細かく多岐にわたるのでAndroidらしいカスタマイズ性は損なわれておらず操作性自体も悪くありません。特にバックグラウンドでのアプリの動作を制御して通知を制限できること、IOSのようにアプリをホームに並べるか従来のAndroidのようなドロワータイプかが選択できること、別途アプリを導入しなくても表示中の画面の好きな位置までの縦長なスクリーンショットが撮れるスクロールショットが使えるのは嬉しいポイントでした。
一方、通知領域からWi-Fiのオンオフができるもののネットワークの選択はいちいち設定 > Wi-Fiの手順を踏まなければいけなかったり、バックグラウンドでのアプリの制御には通知管理と省電力の2箇所からの設定があるなど設定項目が一部整理されていない印象も受けました。
魅惑の大画面
5.9インチの大画面はできるだけ片手でスマートフォンを使いたいという私にとっては当初デメリットでしかないはずだったのですが、今となっては完全に魅了されてしまいすっかりMate 9の魅力の1つになっています。個人的にHUAWEI製端末のディスプレイの発色が好みなのかMediaPad t2 7.0 ProやP10 liteを手にしたときもその美しさに目を奪われていて、Mate 9においてはその画面が片手に収まるギリギリの大きさになり手の平いっぱいに広がっているわけですから動画視聴はもちろん漫画などであれば電子書籍もかなり快適に読むことができるのでコンテンツ消費には打って付け。LEICAカメラで撮影した写真を表示させるのにもピッタリです。
また、一応設定には片手での操作をサポートする機能も幾つか搭載されていますが、やはり物理的にそもそものサイズが大きいのでiPhone SEやNuans Neo [Reloadead]と比較すると片手での扱いにくさは間違いなく感じる部分ではあります。そのため頑張って片手で使うというよりも、その大画面の持つポテンシャルを最大限引き出してやるための工夫を施した方が有意義だと感じており、DPIの変更やAndroid7.0の2画面機能の拡張などを実践しています。
設定方法は以下から。
LEICAブランドの圧倒的カメラ性能
Mate 9と言えばP9からさらに進化した第二世代のLEICAブランドのカメラが注目ポイント。モノクロとカラーの2つのセンサーとダブルレンズによる豊富な情報量からソフトウェア処理で疑似的に背景ボケを生み出すワイドアパーチャはHUAWEIのスマートフォンの大きな特徴です。
折り重なった3匹の猫をワイドアパーチャで撮影。背景のまろやかなボケは被写体の猫を引き立たせつつもその雰囲気を損なわない良い具合です。また、Mate 9は2000万画素のモノクロセンサーを1200万画素に切り出すことで画質の劣化を抑えた2倍までのズームができるハイブリッドズームを搭載しています。この猫の写真も2倍ズームで撮影していますが、ぱっと見ではわからないレベル。動物や食べ物の撮影などあともう一歩近づきたいというときに威力を発揮する機能です。
夜中に車内から船を撮影。辺りは真っ暗だったのですがプロモードでシャッタースピードを調節すると夜中でもノイズの少ない写真が撮影できます。
種差海岸での1枚。左下にウォーターマークが入るだけでそれっぽい雰囲気になるのも気に入っています。
ナイスフードでラーメンを撮影。飯テロにも申し分ない性能です。
電子式・光学式の両手ぶれ補正を搭載でAFも早く多彩な撮影モードとコンデジ並みの設定で素人も玄人も満足できるカメラ性能。SIMフリースマートフォンも今はカメラに力を入れたモデルが多いですが、その中でもトップクラスであるのは間違いないでしょう。
ボタン操作と指紋センサー
Mate 9の、というよりかはおそらくHUAWEIの指紋センサーは本当に精度・速度が素晴らしいもの。指の角度や向きはかなり大雑把でもしっかりと認識してくれますし指先でも問題なし。ポケットから出しながら指を添えれば画面を見るころにはもうロック解除されている速度も見事なものです。また、指紋センサーを長押しで電話に出たりスワイプすることでギャラリーでの写真を切り替えるなどタッチパッド的な操作も可能で、ロック解除してしまえばもう用済みということはなくちゃんと使い道が用意されているのも考えられているポイントです。Mate 9の指紋センサーは背面にあるのが評価の分かれ目になってしまいますがそれでもその完成度は群を抜いているといっていいでしょう。
サイドボタンの操作性
非常に小さなことなのですが、サイドの電源ボタン、音量ボタンの小気味よいクリック感がとても押していて気持ちの良い具合だと感じています。カチッという軽快な音と適度に返ってくる反発力はまさに絶妙な加減です。
安心のバッテリーライフ
4000mAhの大容量バッテリー搭載のMate 9は動画視聴メインのヘビーな使い方をしても十分1日使っていけます。日中は学校や仕事でそこまで使う機会は多くなく、さらに複数台持ちしているために1台に対する使用頻度の割合がさらに減る私のような使い方だと3日弱は使える超ロングライフなバッテリー性能はパワフルなパフォーマンスとのハイレベルなバランスを実現しています。付属の充電器を使用した急速充電の実力も確かなもので、Mate 9においてバッテリーの心配をする必要はまずありませんでした。
惜しいポイント
とても気に入っているからこそ気になる惜しいポイントもいくつか紹介しておきます。
ボディの質感
落ち着いたゴールドのボディの見た目は気に入っているのですが、触った質感は想像と全く異なるものでした。見た目にはサンドブラスト風の加工がされた金属なのですが、その上から何かコーティングのようなものが施されており、金属感は皆無でツルツルとしていますし光の反射もテカテカであまりカッコ良い雰囲気ではないと感じてしまいました。シルバーは金属の質感が感じられるらしいので所有欲という点においてはシルバーの方が良いかもしれません。
動画撮影時の手ぶれ補正
写真撮影に置いては圧倒的性能を誇るMate 9ですが、動画においては気になる点がありました。4K撮影時のみならず1080p / 60fps以上の画質での動画撮影時には電子手ぶれ補正が効かない仕様となっています。一応光学手ぶれ補正は効いているようなのですが、電子手ぶれ補正を併用した場合との差は歴然。こちらの記事に比較した動画があるので参考までに。
せっかくの4K撮影機能ですが、使いこなすには三脚が必須になるかなと思います。
横画面切り替え時の音声
Mate 9でYouTubeなどの動画を再生中、縦画面から横画面または横画面から縦画面へ切り替えると、画面が回転するのと同じタイミングで音声が一度途切れるという現象が発生します。画面の向きに合わせてスピーカーが切り替わっていることによるものだと思われますが、ブツブツと途切れるのはあまり気持ちの良いものではありません。
重量
大画面ながらギリギリまで削られたベゼルのおかげでサイズ感としてはそこまで大きく感じないMate 9ですが、大容量バッテリーの影響もあってか重量は190gとそこそこ。動画など片手で横持ちしながら長時間見ているとさすがに腕が疲れてきます。見た目を気にしないのであればケース+ストラップやバンカーリングなど、持ちやすくする工夫をしても良いかもしれません。
まとめ
年明け直後にほとんど衝動買いという形で手にしてしまったHUAWEI Mate 9ですが、まさか自分でもこんなに気に入るとは思っていなかったくらいに大満足の出来栄え。高品質で大画面、ハイパフォーマンスなスマートフォン / ファブレットとLEICAブランドという名前に決して恥じないクオリティのカメラが1つのガジェットとして、常に鞄に、ポケットに入れて持ち出せるのはMate 9だからこその魅力です。カメラが綺麗なスマートフォンを求める人、画面はできるだけ大きい方がいいという人、パフォーマンスを求める人、など多くの需要に応えられるスマートフォンであり、また発売当初から価格設定が絶妙でありコストパフォーマンスの観点から見てもかなり優秀です。既に次期モデルMate 10の噂も聞こえてきますが一部リークによるとかなり強気な値段設定になるという話もあり、P9やP10などLEICAブランドを冠した他モデルを含めても現状かなり”お買い得”なSIMフリースマートフォンであることは間違いありません。
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