ソニーは6月9日、新型の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」を発表した。
業界最高クラスのノイズキャンセリング機能はそのままに、大幅な小型化とハイレゾ級の高音質を実現した「WF-1000XM4」。本記事では、同イヤホンのスペックを先代のWF-1000XM3と比較し、その性能がどれほど進化・向上しているのかをチェックしてみた。
「WF-1000XM4」を
サイズとデザイン
まずはサイズとデザインから。上記の画像の通り、「WF-1000XM4」のケースはWF-1000XM3と比較して非常にコンパクトになった。横幅はほぼ同じサイズだが高さが半分近くまで小型化されており、他社の完全ワイヤレスイヤホンと比較したときのWF-1000XM3の弱点であったケースの大きさは、かなり改善された。
イヤホン単体に焦点を当てると、形状が随分と変化したことに気付く。パッと見ただけでも、「WF-1000XM4」の方がより丸みを帯びていることがわかる。
WF-1000XM4 | WF-1000XM3 | |
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イヤホン重量 | 約7.3 g×2 | 約8.5 g×2 |
イヤホンの重量は、WF-1000XM3が各8.5gだったのに対して、「WF-1000XM4」は約1g減の各7.3g。後述するさまざまな機能追加やバッテリー性能向上が詰め込まれていながら、キッチリと軽量化に成功している点は見逃せない。
カラーバリエーション
「WF-1000XM4」のカラーバリエーションは、ブラックとプラチナシルバーの2色。WF-1000XM3も同様の2色で展開されているため、変化はない。
音質とコーデック
当然ながら、「WF-1000XM4」はWF-1000XM3と比較して音質も向上しているという。新開発の統合プロセッサーV1と6mmドライバーユニットを搭載し、従来モデルに比べて駆動力が向上し、小型ではあるもののダイナミックなサウンドを再生できるとのことだ。
スペックシートから読み取れるわかりやすい部分では、対応コーデックにLDACが追加されている点が見逃せない。SBCとAACの2種類のみをサポートしていたWF-1000XM3と比較して、LDACをサポートする「WF-1000XM4」では、Androidスマートフォンでハイレゾ級の音質を楽しめるように改善された。
WF-1000XM4 | WF-1000XM3 | |
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対応コーデック | SBC・AAC・LDAC | SBC・AAC |
DSEE Extremeと360 Reality Audio
「WF-1000XM4」とWF-1000XM3は、どちらも圧縮音源をハイレゾ相当の96kHz/24bitまでアップスケーリングする機能に対応している。WF-1000XM3のDSEE HXに対して、「WF-1000XM4」のDSEE ExtremeにはAI技術が用いられており、より高精度な音の再現が可能とのことだ。
WF-1000XM4 | WF-1000XM3 | |
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アップスケーリング | DSEE Extreme | DSEE HX |
360 Reality Audio | 対応 | 対応 |
音に包まれるような体験ができるとしている立体音響技術「360 Reality Audio」については、「WF-1000XM4」でも引き続き対応している。
現状では対応しているサービスがAmazon Music HDやnugs.netなど非常に乏しいが、対応していて損はない機能だろう。
アクティブノイズキャンセリング
「WF-1000XM4」にも引き続きアクティブノイズキャンセリング機能が搭載されている。WF-1000XM3と比較すると、高音域から低音域まで、あらゆる音域でノイズキャンセリング性能が向上しているとのことだ。
音質の向上にも寄与していた独自開発の新型統合プロセッサーV1やノイズアイソレーションイヤーピースの採用、専用設計の6mmドライバーユニットの搭載などがノイズキャンセリング性能向上に貢献しているという。
また、風を検知すると外側のマイクが自動でOFFになり、風ノイズを低減する機能も搭載されている。
「WF-1000XM4」を
電池持ち
電池持ちも「WF-1000XM4」にて大きく向上したポイントだ。WF-1000XM3ではノイズキャンセリング有効時の音楽再生時間が約6時間だった。
これでも十分長持ちな部類なのだが、「WF-1000XM4」ではノイズキャンセリング有効時に最大8時間の音楽再生が可能に。ノイズキャンセリングが不要なシーンでは、約半日にあたる12時間の連続再生ができる。
WF-1000XM4 | WF-1000XM3 | |
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連続音楽再生時間 | ノイズキャンセリングON:約8時間 ノイズキャンセリングOFF:約12時間 |
ノイズキャンセリングON:約6時間 ノイズキャンセリングOFF:8時間 |
連続通話時間 | ノイズキャンセリングON:約5.5時間 ノイズキャンセリングOFF:約6時間 |
ノイズキャンセリングON:約4時間 ノイズキャンセリングOFF:約4.5時間 |
充電時間 | 約1.5時間 | 約1.5時間 |
Qi規格のワイヤレス充電にも対応
引き続きUSB Type-Cポートからの充電も可能だが、「WF-1000XM4」では新たにQi規格のワイヤレス充電にも対応した。対応出力は公開されていないようだが、一般的なQi充電器でも充電できるようなので、充電にかかる手間は非常に少なくなったと言える
通話品質
「WF-1000XM4」には高指向性のマイクが搭載された。このマイクを活用したビームフォーミング技術により、口元への指向性をピンポイントに高められる。
また、骨伝導センサーも内蔵。口から発された声と頭蓋骨の振動で伝わる声の両方を捉えられるうえ、さらにノイズキャンセリング機能も組み合わされるので、騒音下でも正確かつクリアに集音し高品質なハンズフリー通話を実現している。
WF-1000XM4 | WF-1000XM3 | |
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骨伝導センサー | 搭載 | 非搭載 |
イヤホンを使用して通話を行うシーンが増えている今の時代に、非常にマッチした進化だ。
スピーク・トゥ・チャット
「WF-1000XM4」は、周囲の音を取り込める「アンビエントサウンド」や、一時的に音量を絞る「クイックアテンションモード」にも引き続き対応する。
さらに新機能の「スピーク・トゥ・チャット」も利用可能。「WF-1000XM4」を装着した状態でも、一切の操作なしで自然に会話を行える。音楽を聴いている最中、コンビニに寄って会計をしたい、カフェで店員さんを呼びたい、といった「ちょっとだけ会話したい」ときに便利な機能だ。
音楽を聴いている最中に声を発すると「WF-1000XM4」が検出し、音楽再生を一時停止・外音取り込みモードに切り替え、といった操作が自動で行われるので、手を使うことなくイヤホンを装着したまま会話を行える機能。
Galaxy Buds Proにて搭載された「音声検出」によく似た機能だ。
「WF-1000XM4」を
防水に対応
ケースを除いたイヤホン単体のみではあるが、「WF-1000XM4」がIPX4相当の防水(防滴)に対応したことも嬉しいポイントだ。
WF-1000XM4 | WF-1000XM3 | |
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防水 | IPX4相当 | 非対応 |
公式情報として雨や汗でも問題なく使用できると謳われているので、屋外でのランニングのような突然雨が降ったり、汗をかいたりするような環境でも安心して装着できる。
WF-1000XM3よりも、活躍できるシーンが大幅に広がった。
価格
現在ソニーストアで販売されているWF-1000XM3の価格は、税込27,500円。一方、予約受付中の「WF-1000XM4」の価格は税込33,000円だ。
WF-1000XM4 | WF-1000XM3 | |
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価格(税込・執筆時点) | 33,000円 | 27,500円 |
「WF-1000XM4」は、既に予約受付を開始しており、6月25日に発売される予定。ソニーストアのほか、Amazon等のECサイトでも予約・購入が可能だ。
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