【徹底比較】SONY WF-1000XM3とHUAWEI FreeBuds 3。Android向けのノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホンはどちらを選ぶ? | プラスガジェット
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【徹底比較】SONY WF-1000XM3とHUAWEI FreeBuds 3。Android向けのノイズキャンセリング搭載完全ワイヤレスイヤホンはどちらを選ぶ?

今最も熱いガジェットは何だろうか?と聞かれた場合、恐らく筆者は完全ワイヤレスイヤホンと答えるでしょう。スマートフォンメーカーもオーディオメーカーもアクセサリメーカーも、それぞれがそれぞれの個性を色濃く反映させた特徴的な製品を続々と市場に投入しています。

中でもこれから注目を集め普及していくと予想されているのは「アクティブノイズキャンセリング機能」を搭載したタイプ。2018年にソニーが発売したWF-SP700Nではイマイチだと思われていた完全ワイヤレスイヤホンのアクティブノイズキャンセリング機能ですが、2019年に同社が発売したWF-1000XM3はそのイメージを完全に払拭。直後にAppleから登場したAirPods Proもアクティブノイズキャンセリング機能を搭載し、その素晴らしさはさらに多くのユーザーの知るところとなりました。

そして11月29日にファーウェイから発売された完全ワイヤレスイヤホンFreeBuds 3もアクティブノイズキャンセリング機能を搭載。AirPods ProはiOSデバイスからでなければ機能の細かな調整等ができなかったため、Androidスマートフォンでフル活用できるノイズキャンセリング機能搭載完全ワイヤレスイヤホンはWF-1000XM3一択という風潮でしたが、FreeBuds 3の登場により少ない市場にも新たな選択肢が生まれました。

筆者は幸いにもWF-1000XM3とFreeBuds 3の両方を所有していますので、この両デバイスの音質やアクティブノイズキャンセリング機能の効果、バッテリー、その他の特徴や機能について余すところなく徹底的に比較していきたいと思います。

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外観・デザイン

まずは両イヤホンの外観をざっと比較してみます。

バッテリーケースの形状は見ての通りFreeBuds 3が完全な円形であるのに対してWF-1000XM3は丸みを帯びた長方形。カラーバリエーションはFreeBuds 3はセラミックホワイトとカーボンブラックという名称でシンプルな白と黒の2色ですが、WF-1000XM3は上記画像のプラチナシルバーとブラックという2色。筆者個人としてはWF-1000XM3のプラチナシルバーは好みですが、少々派手な人を選ぶデザインであることは確か。特にこういった高級路線のイヤホンは個性的なデザインに走る傾向が多いですが、白と黒というシンプルな2択を用意してくれているFreeBuds 3は比較的手に取りやすい部類だと思います。

バッテリーケース HUAWEI FreeBuds 3 SONY WF-1000XM3
サイズ ⌀(直径)60.9 × 21.8 mm  78 × 55× 30 mm
重量(ケース単体) 約48 g 約76g

また、WF-1000XM3は数ある完全ワイヤレスイヤホンの中でもサイズが大きく重量も重め。どちらも80gを切っているため重量に関してはそこまで気にはなりませんが、サイズに関してはそういうわけにもいきません。特に実測で約30mmもある厚みはかなりの存在感で、ジーンズの前ポケットに入れるには厳しく、シャツの胸ポケットに入りはするものの盛り上がってしまい見た目がスマートではなくなってしまうなど、洋服のポケットに入れて持ち歩くには少し辛く小さなカバンが欲しくなる微妙な大きさです。

イヤホン単体の形状や質感も全く異なるこの2機種。WF-1000XM3は同社のワイヤレスヘッドホンWH-1000XM3と同じような加工がされており、落ち着きのある見た目とサラサラとした手触りは非常にクール。

一方でFreeBuds 3は素材独特の反射がプラスチックっぽさを助長しているようでイマイチな印象。スマートフォンにおいてはトレンドを生み出す側にまで成長したブランドであるのにも関わらず、本機では個性を出し惜しみしたのか明らかにAirPodsに寄せたデザインであることには正直なところガッカリです。

装着感

落下による故障や紛失のリスクが通常よりも高いため、装着感は完全ワイヤレスイヤホンを選ぶうえで非常に重要なファクターとなります。長時間連続で装着していた場合に違和感はないかどうか?という点ももちろん気になるところでしょう。

筆者個人の感想としては、何も考えずに安心できる装着感が得られるという意味でFreeBuds 3に軍配が上がるかなという結論に。”何も考えずに”とはどういうことなのかというと、カナル型であるWF-1000XM3はイヤーピースをいくつも試してみて一番しっくりきた組み合わせを選択する必要があるため。

現在使用しているWF-1000XM3も付属してきたイヤーピースを全て試したうえで利用していますが、軽く走ったりした際にイヤホンが落ちてしまいそうな感覚に陥る(実際に落ちたことはないのですが)ことがあり、いまだにこれだ!という装着感に出会えていません。その点開放型のFreeBuds 3の場合はイヤーピースが無いため、最初にポジションのコツさえ掴んでしまえば「もっと良くなるんじゃないか」と悩む必要がありません。

また、上記のような軽く走った際の落ちてしまいそうな感覚はFreeBuds 3では感じていないのも事実。耳の形には個人差がある以上どちらが良いとは一概には言えませんが、割り切って使うことができているのはFreeBuds 3の方です。

バッテリー持ち

結論から言ってしまうと、バッテリーはWF-1000XM3の方が長持ちします。本体の形状を見るとFreeBuds 3の方がバッテリーを詰め込むスペースが小さそうなのは明らかなのですが、具体的にはどれほどの差があるのか。特にノイズキャンセリング機能をオンにした状態の連続再生時間の差は気になるところだと思いますので、検証してみました。

比較条件として、それぞれのイヤホンは普段使っている時と同じ状態とするため以下の通りに設定しています。

FreeBuds 3
  • ノイズキャンセリング機能オン
WF-1000XM3
  • ノイズキャンセリング機能オン
  • アダプティブサウンドコントロール機能オフ
  • DSEE HXオフ
  • 音質優先モード
経過時間 HUAWEI FreeBuds 3 SONY WF-1000XM3
0分 100% 100%
30分 100% 100%
1時間 85% 100%
1時間30分 70% 100%
2時間 50% 70%
2時間30分 30% 70%
3時間 10% 50%
3時間10分 0%
3時間30分 50%
4時間 20%
4時間30分 20%
4時間50分 0%

FreeBuds 3がほぼ3時間ジャストであったのに対してWF-1000XM3は4時間半前後という結果に。思っていたよりもハッキリと数字に差が現れました。

そもそもメーカーによって公表されているケースによる充電込みの最長再生時間がFreeBuds 3が20時間(ノイズキャンセリング機能オフの場合)に対してWF-1000XM3が24時間(ノイズキャンセリング機能オンの場合)です。

ケースやイヤホン単体のサイ ズを考慮すれば概ね妥当な結果と言えるでしょう。むしろWF-1000XM3はもう少し粘ってもよかったくらいだと思います。

とにかくバッテリーが長持ちする方がいい、というのであればFreeBuds 3を選択することはなさそうです。

音質

続いてそれぞれの音質をチェックしていきます。

まず多方面で音質が良いと評価されているWF-1000XM3の特徴は、とにかく全体的にバランス良くハイレベルに仕上がっていることでしょう。深く沈むようなドラムの音、全身に響いてくるようなベース、華やかに鳴るハイハット、気持ちよく伸びていったかと思えば一転して乾いたような音になるボーカルなど、全てを忠実に表現してくれます。

完全ワイヤレスイヤホン、それもAmazonに氾濫しているような格安モデルになると極端に低音を強調することで個性を出そうとしている例が多いですが、WF-1000XM3はそんな必要が無いくらい非常にうまくまとまっています。

対するFreeBuds 3は得意とする音がハッキリとしていて、 一度聞いただけで中音域から高音域の解像感が抜きん出て良いことに気が付きます。そのためJ-POPを始めとした歌、特に女性ボーカルとの相性は抜群で、聞いていて非常に楽しいです。

その他の音のクオリティが落ちるのかと言われるとそうでもなく、小さい音まで細かくしっかりと拾ってくれる丁寧な音作りには驚かされます。開放型という特性上低音を響かせることはやや苦手な印象を受けますが、それでも前後左右に空間を感じられる臨場感のある音だと思います。

ではどちらがより良いのか?と聞かれると難しいところではありますが、総合力としてはやはりWF-1000XM3でしょうか。FreeBuds 3は、良さを最大限引き出せる曲がやや限られてしまう印象です。

ノイズキャンセリング機能

WF-1000XM3とFreeBuds 3を比較している理由は、どちらもアクティブノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンであるから。他にも同コンセプトのイヤホンはありますが、調べて真っ先に出てくるのはこの2機種でしょう。となれば、そのノイズキャンセリング機能の効き具合は最も重要なポイントになります。

結論から言ってしまうと、よりノイズキャンセリング機能が優れているのはWF-1000XM3です。WF-1000XM3はカナル型でFreeBuds 3は開放型。装着した時点で遮音性には差があるため至極当然な結果でしょう。 音楽を流さない耳栓的な使い方も視野に入れているのであればWF-1000XM3一択です。

一応フォローしておくと、FreeBuds 3のノイズキャンセリング機能もしっかりと実感できるくらいに機能しますし、周囲を気にせず音楽の世界に没頭できる環境を手に入れることは可能。しかしノイズキャンセリング機能を実感するためには手動での微調整が必要なことと、調整してもなお不意に発生するサーっというホワイトノイズは擁護できません。

それぞれのモバイルアプリ

左がWF-1000XM3の設定を行うソニーのHeadphones Connectアプリ、右がFreeBuds 3の設定を行うAI LIFEアプリ。 WF-1000XM3ではアプリから[外音コントロール]をノイズキャンセリングに合わせるだけでノイズキャンセリング機能が効きますが、FreeBuds 3では表示される円周に沿うように青い丸を移動させ、実際に耳で聞きながらノイズキャンセリングの強度を調整する必要があります。

また、ノイズキャンセリングを有効にしている最中、数秒だけ急にホワイトノイズが発生し収まるという事象も何度か経験しています。

設定のわかりやすさ、ノイズキャンセリング効果、安定感、どれをとってもWF-1000XM3が1枚上手な印象です。

まとめ

 以上WF-1000XM3とFreeBuds 3を比較してきました。Androidスマートフォンのユーザーとしてどちらか1台しか買えないとしたら?と聞かれれば、残念ながら迷いなくWF-1000XM3を選ぶ、というのが結論です。

さすがにオーディオ事業を長年やってきたメーカーと、スマートフォンアクセサリとして作っているメーカーでは分が悪かったかもしれませんが、それでも比較されるようなデバイスを作り上げているという点では十分に評価に値します。

筆者がWF-1000XM3を購入した時、不満な点をいくつか挙げた記事は投稿しましたが、詳細なレビュー記事は出しませんでした。それはWF-1000XM3の実力がいったいどれほどのものなのかを示す指標が自分の中になかったため。今回HUAWEIという大きなメーカーが自信を持って送り出したFreeBuds 3を使ってみたことで改めてそれぞれの特性や個性を実感し、つたないながらもそれを文章に書き起こすことができました。

誤解のないように、FreeBuds 3も決して悪いイヤホンではないということだけ伝えておきたいです。WF-1000XM3より価格も5,000円~6,000円程度安いですし、HUAWEIスマートフォンのEMUIがアップデートされればAirPodsのように蓋を開けるだけでペアリングができるなどの利点もあります。

ただし、筆者はWF-1000XM3の方がイヤホンとしての完成度は高く感じました。Androidスマートフォンで利用できる完全ワイヤレスイヤホンは少ないながら他にもありますので、本記事も参考にしつつ自身にあった1台を見つけてみてはいかがでしょうか。

関連【2019年版】アクティブノイズキャンセリング機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンまとめ

関連HUAWEI FreeBuds 3レビュー。開放型イヤホン初となるノイズキャンセリング機能の実力を試す!

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ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

当サイトでは主にGalaxyを中心に様々なガジェットのリークやニュース、レビューなどをお届けしています。今は完全ワイヤレスイヤホンにご執心。