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HUAWEI FreeBuds 5i レビュー。上位モデルのポジションを奪いかねない傑作

4.0

ファーウェイから2023年3月16日に発売された新型の完全ワイヤレスイヤホン、FreeBuds 5iのレビューをお届けする。

FreeBuds 5iは、2021年4月20日に発売されたFreeBuds 4iの後継であり、FreeBudsシリーズのなかではエントリーモデルに位置付けられる。約2年ぶりのモデルチェンジにより、音質やデザインなどが大幅にブラッシュアップされた。

本記事では、HUAWEI FreeBuds 5iを実際に使用し、ノイズキャンセリングや外音取り込み、音質とバッテリー持ちなどの機能・性能を詳しく評価しレビューする。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてほしい。

▼動画でもレビューを公開しています。

製品貸与:ファーウェイ・ジャパン 製品PR

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結論:FreeBuds 5iのメリット・デメリット

FreeBuds 5iのカラーバリエーション
FreeBuds 5iのイヤホン
FreeBuds 5i ネビュラブラック
FreeBuds 5i アイルブルー
FreeBuds 5i セラミックホワイト

最初に結論から。

HUAWEI FreeBuds 5iを使って感じたよい点とイマイチな点を、簡潔にまとめてみた。

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デザイン:小石コンセプトで無個性脱却

デザイン:小石コンセプトで無個性脱却
FreeBuds 5iのアイルブルー

まずは、FreeBuds 5iのデザインや質感といった外観を中心にレビューしていく。

FreeBuds 5iのカラーバリエーションは、ネビュラブラック・アイルブルー・セラミックホワイトの3色。このうち、セラミックホワイトのみAmazon.co.jp限定の販売となる。

ネビュラブラックとアイルブルーのFreeBuds 5iは「河原にある小さく丸い小石」をコンセプトにデザインされており、マーブルっぽいユニークな模様があしらわれている。

触った質感もややマットに仕上げられていて、安っぽさは感じない。小石デザインはあくまでもコンセプトなので手触りは明らかにプラスチックではあるものの、飾り気のなかったFreeBuds 3iや4iといった従来のエントリーモデルと比較すると十分な個性を獲得していると思う。

4iと比較してケースがわずかに小型化・軽量化
4iと比較してケースがわずかに小型化・軽量化
ヒンジもより広く開くように改良
ヒンジもより広く開くように改良

ケースはデザイン見た目だけではなくサイズやヒンジ設計もアップデートされており、ほんのわずかではあるものの小型化を実現。

特にヒンジ部分の改良は地味ながらも影響が大きく、Freebuds 4iのレビューでイヤホンが取り出しにくいと文句を言っていたことをすっかり忘れてしまっていたほどスムーズに出し入れできる。

装着感も良好

装着感も良好

中のイヤホンはカラーを問わずテカテカとしており、デザインや質感といった面ではケースほどの作りこみは感じられなかった。

イヤホンの軸は7mmも短く進化
イヤホンの全長は7mmも短く進化

形状についてはしっかりとアップデートされており、AirPodsタイプの完全ワイヤレスイヤホンがどことなく垢抜けなく見えてしまう原因のひとつである軸部分が短くなったことでとてもスッキリとした印象に。

実際に装着した様子を第三者が見ても「耳から何かがぶら下がっている感」が少なく、スマートに身に付けられそうだと感じた。

肝心の装着感も快適で、頭を振ったり走ったりしても脱落する心配がないのはもちろん、耳にピッタリとハマって密閉されるので物理的な遮音性も優れている。

バッテリーテストの関係で長時間装着してみたものの特別不快になったり痛みを感じたりすることもなかったので、飛行機や新幹線などの長距離移動の際にもストレスなく使っていけそうだ。

イヤーチップの適合度テスト
イヤーチップの適合度テスト

AI Lifeアプリからはイヤーチップの適合度テストも実施できるので、付属のイヤーピースのうちどれが自分に適しているのかも客観的に判断できる。

音質:ハイレゾ対応でエントリーらしからぬクオリティに

音質:ハイレゾ対応でエントリーらしからぬクオリティに

FreeBuds 5iは、iシリーズとしては初めてLDACコーデックに対応している。

FreeBuds Pro 2のような平面振動板ドライバーこそ採用されていないものの、20~40kHzの広い周波数に対応することで低音域から高音域までバランスよく再生できるという。

また、外耳道の形状や装着時の密閉具合などを認識して音質を最適化する「AEM(アダプティブイヤーマッチング)」にも対応している。

Freebuds 5i 24bit / 96Khzで再生
Freebuds 5i 24bit / 96Khzで再生

実際にLDACを試せる環境としてGalaxy S23 UltraとAmazon Music Unlimitedを用意し、ULTRA HD対応の楽曲をいくつか聴いて音質をチェックしてみた。

結論から述べると、FreeBuds 5iの音質は低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンとは思えないクオリティだ。

伸びのあるボーカルは息遣いまで感じられるほど解像度が高く、どっしりとした低域がサウンド全体をしっかりと引き締めている。また、FreeBudsシリーズらしい上品で華やかな高音が楽しめるのも嬉しいポイントだ。

ドラムスやベースが特徴的な低域にクセのある曲を聞いてみても、心地よい沈み込みと重圧感、奥行きのある空間表現を体験できる。それでいて決してボーカルを邪魔しないので、低価格帯のイヤホンにありがちな「とりあえずドンシャリにしてみました」といったやっつけ仕事感がなく安心して曲を楽しめる。

同じくLDACをサポートするFreeBuds Pro 2と比較すると滑らかで高精細に聞こえる音域はやや狭く、多少の差は感じられる。

しかし、わざわざ入念に聞き比べないとわからない程度の差しかないのであれば、約1万円台のワイヤレスイヤホンの音質としては上出来すぎるのではないだろうか。

EQや低遅延モードも

また、デフォルト・低音強調・高音強調の3種類だけではあるもののEQ効果の調節も可能。もっと低音 or 高音を楽しみたいという場合はもちろん、低音 or 高音が効きすぎていると感じる場合に打ち消すように使うのもおすすめだ。

また、低遅延モードも用意されているので、駅や商業施設のようなネットワークが入り乱れている環境で安定感を重視したい場合に活用可能。音質の設定からも、接続品質を優先する項目をオン・オフできる。

ノイズキャンセリングと外音取り込み:上位モデルにも負けず劣らず

ノイズキャンセリングと外音取り込み:上位モデルにも負けず劣らず

続いてはFreeBuds 5iのノイズキャンセリングについて。

当サイトでは低価格の完全ワイヤレスイヤホンを数多くレビューしてきたが、FreeBuds 5iのノイズキャンセリングはトップクラスに効果があると感じる。

フィードバックマイク・フィードフォワードマイクを組み合わせたハイブリッド式のノイズキャンセリングを採用しており、スペック上では最大-42dBのノイズキャンセル効果を実現していると謳われている。

シリーズ最上位モデルFreeBuds Pro 2の最大-47dBと比較すると数値上の差はあるものの、体感では効き目に違いは感じられない。電車や新幹線、車などの走行音、エアコン、人混みのザワザワとした喧騒などさまざまなノイズがスゥーっと打ち消されていくのを体験できる。

ノイズキャンセリングには標準・ウルトラ・くつろぎの3モードが用意されているので、シーンに合わせて効き目を調節できるのもポイント。

FreeBuds Pro 2にはダイナミックと呼ばれる上記3モードを環境に応じて自動で切り替えるモードも用意されていたが、本機FreeBuds 5iには非搭載。

エントリーモデルゆえの差別化とも考えられるが、基本的に最も効き目の強いウルトラに設定しておく方が多いと思うので特に不便は感じないはずだ。

もちろん、外音取り込み(アウェアネス)にも対応している。

取り込んだ音に気になるノイズやザラツキなどはなく、非常にクリア。イヤホンを通している音という感覚も少ないほど自然だった。

駅や空港でアナウンスを聞き取りたいときや人通り・車通りの多い屋外で使いたいとき、カフェやコンビニなどで会話したいときなど、さまざまなシーンで活用できるはずだ。

アプリと機能:わかりやすく扱いやすい

アプリと機能:わかりやすく扱いやすい

FreeBuds 5iは、軸部分をタップしたりスワイプしたりすることで一定の操作が行える。割り当てられている機能は以下の通りだ。

ダブルタップ長押し上下にスワイプ
・再生/一時停止
・次の曲
・前の曲
・音声アシスタントを起動
・なし
・ノイズコントロール(ANC/オフ/外部音取り込み)
・曲を識別(EMUI 11以上のHUAWEIデバイス限定)
・なし
音量を調節

着信の通話中は、ダブルタップで応答/終了、長押しで拒否も可能。また、ノイズコントロールはノイズキャンセリング・オフ・外部音取り込みの3つから好みの組み合わせを選択できる。

例えば、ノイズキャンセリングのみを選択すればイヤホンを長押しする度にノイズキャンセリングのオン・オフでき、3種類全てを選ぶとノイズキャンセリング ⇒ オフ ⇒ アウェアネスをグルグルとローテーションできる。

いずれの操作にも「なし」の選択肢が用意されているので、不要だと思う機能を無効化できる点も魅力。また、シングルタップに操作が割り当てられていないので、イヤホンの付け外しの際に意図せず再生中の曲が止まってしまうストレスもない。

タッチやスワイプの感度もよく、慣れてしまえば無意識に操作できる。

ちなみに、各機能のカスタマイズには「HUAWEI AI Life」というアプリを利用する。Androidスマホの場合、Google Playではなく付属のクイックスタートガイド経由でapkファイルをダウンロードする必要があるので、初心者にとってはやや導入のハードルが高いかもしれない。

マルチポイント

マルチポイント

FreeBuds 5iは、マルチポイントにも対応している。

最大で2台までのデバイスと接続できるので、スマホを2台持ちしている場合やタブレットとスマホを使い分けている場合、片方で動画を見ながらもう片方に着信があっても接続先を切り替える手間をかけずスムーズに応答可能だ。

ちなみに、接続先の2台が両方ともLDAC対応の機器であればどちらでもハイレゾ相当の音質で曲を再生できる。マルチポイント×ハイレゾができる低価格イヤホンの選択肢は多いとは言えないので、ニッチな需要にも応えられる貴重なモデルと言える。

電池持ち:4iには及ばずも十分長持ち

電池持ち:4iには及ばずも十分長持ち

FreeBuds 5iの電池持ちは、スペックシートによるとノイズキャンセリングオフの状態で約7.5時間、ノイズキャンセリングオンの状態で約6時間。

実際にノイズキャンセリングオン・オフ両方の状態でFreeBuds 5iを使用し、バッテリーがゼロになるまでの時間を計測して電池持ちを検証した。

検証環境
  • 接続デバイス:Galaxy S23 Ultra
  • 使用アプリ:Amazon Music
  • バッテリー確認アプリ:AI Life
  • コーデック:LDAC(再生する曲は全てUltra HD)
経過時間ノイズキャンセリング:オンノイズキャンセリング:オフ
0分100%100%
1時間左:95% 右:95%左:95% 右:95%
2時間左:80% 右:80%左:90% 右:90%
3時間左:60% 右:60%左:85% 右:80%
4時間左:45% 右:40%左:65% 右:60%
5時間左:30% 右:20%左:55% 右:50%
6時間左:10% 右:10%左:30% 右:30%
7時間左:20% 右:15%
8時間左:10% 右:5%

結果はノイズキャンセリングを有効にすると約6時間、ノイズキャンセリングオフだとスペックよりもわずかに長い8時間となった。

先代のFreeBuds 4iの電池持ちは10時間を超えており、ノイズキャンセリングを有効にしても8時間持続するほどのモンスター級だったのと比べると見劣りはするものの、ほとんどの完全ワイヤレスイヤホンを余裕で完封できるほどのバッテリー持ちなので不満は全くない。

唯一言いたいことがあるとすれば、ワイヤレス充電に対応していないのは残念だった。

FreeBudsシリーズ内でのポジションもあるのでiシリーズにあまり多くを求めるのは違うのかもしれないが、何でもかんでもワイヤレス充電している身としては低価格帯のイヤホンにも開放してほしいというのが本音だ。

購入するなら公式ストアもチェック

「HUAWEI FreeBuds 5i」は、Amazonや楽天、Yahoo(PayPayモール)など定番ECサイト内の公式ストアほか、直営の公式オンラインストアであるHUAWEI STORE からも購入できる。

ファーウェイの公式ストアは、セールが実施されていたり頻繁にクーポンが配られていたりなど、チェックしていると意外とお得なキャンペーンが多く実施されている。HUAWEI FreeBuds 5iをお得に購入したい場合は、Amazonや楽天などの定番ショップに加えてぜひ公式ストアもチェックしてみてほしい。

ただし、3色のカラーバリエーションのうちセラミックホワイトのみはAmazon限定なので注意。

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FreeBuds 5iのスペック

Bluetooth規格BT 5.2マルチポイント接続対応
対応コーデックSBC / AAC / LDAC電池容量各イヤホン:55 mAh
充電ケース:410 mAh
ドライバー10mmダイナミックドライバー充電USB-Type-C
耐水IP54(イヤホンのみ)専用アプリHUAWEI AI Life

コメント

ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

当サイトでは主にGalaxyを中心に様々なガジェットのリークやニュース、レビューなどをお届けしています。今は完全ワイヤレスイヤホンにご執心。