「Galaxy M23 5G」は、サムスンから4月21日に発売されたばかりの新型のミドルレンジスマートフォンだ。
サムスンはこれまで、日本ではThom Browne Editionのような限定モデルを除きスマートフォンのSIMフリーモデルを展開していなかった。「Galaxy M23 5G」は、日本初のオープン市場向けのSIMフリーGalaxyとなる。
本記事では、「Galaxy M23 5G」の気になるパフォーマンスやカメラ性能、電池持ちなどの使い勝手を率直にレビューしている。購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてほしい。
(※追記:2022年6月、カメラの作例を数枚追加)
▼動画でもレビューを公開しているので、要点をザっと聞き流したい方はぜひ。
デザインと質感:安っぽさはないがやや大きめ
まずは「Galaxy M23 5G」のデザインや質感からチェックしていこう。同端末は、ディープグリーンとライトブルーの2色が展開されており、今回レビューするのはディープグリーンだ。
背面には特に装飾はなく、非常にシンプル。マットな処理が施されているのでサラサラ・スベスベとしており、見た目はもちろん触ってみても特に安っぽさは感じない。
2021年に登場したGalaxy S21は、背面の素材にプラスチックを採用していながらガラスと遜色ない質感を実現していた。「Galaxy M23 5G」の質感はGalaxy S21に非常に近く、十分満足できる仕上がりだ。
背面のカメラユニットはやや出っ張っている形状なので、デスクに置いた状態で画面の右上を押すとガタついてしまう。置いた状態で操作したりゲームをプレイしたりする方は、ケースの購入を検討した方がいいだろう。
ハイエンドモデルと比較するとベゼルが太く画面もフラットなため、ディスプレイのサイズに対してやや大きい印象もあった。
また、側面から背面・前面にかけてのカーブもなくフラットな形状なので、厚さを直に感じやすいとも感じる。決して大きすぎる・厚すぎるといったほどではないものの、片手で操作するのはよほど手の大きい方でない限りは難しい。
片手で操作したい場合は、片手モードを有効にしたりGalaxy独自のOne Hand Operation+を導入したりするのもおすすめだ。
指紋認証は側面に
「Galaxy M23 5G」は、顔認証と指紋認証の2つの生体認証に対応している。
指紋認証センサーは、ハイエンドのSシリーズやNoteシリーズとは異なり画面内ではなく右側面の電源ボタンに内蔵されている。速度や精度には全く不満がなく、非常に快適だ。
左手でスマートフォンを持つ方の場合、左手の中指や人差し指の指紋を登録すると、「Galaxy M23 5G」を持つだけで自然とロック解除ができて便利に使える。
ケースの選択肢は少ない
Androidスマートフォン、特にドコモ・au・ソフトバンク等のキャリアで販売されていないSIMフリーのAndroidスマートフォンは、ほかの機種と比較してケースの選択肢が目に見えて少ない傾向がある。
Galaxy M23 5Gも例に漏れず、ケースの選択肢は非常に少ない。一応、実際にいくつかのケースを購入したうえでよかったモデルやよさそうなケースをいくつかまとめて以下の記事で紹介しているので、Galaxy M23 5G用のおすすめケースを知りたい方はチェックしてみてほしい。
参考Galaxy M23 5G用ケースのおすすめ5種類。手帳型やクリアタイプも紹介
ディスプレイ:液晶でもしっかり綺麗
続いてはディスプレイについて。
「Galaxy M23 5G」は、約6.6インチのTFT液晶ディスプレイを搭載している。解像度はFHD+(1080 x 2408)だ。
ディスプレイサイズ | 6.6インチ |
---|---|
解像度 | 1080 x 2408 |
ディスプレイ周囲のベゼルは、左右はある程度スッキリとしているものの上下、特に下部はやや太め。狭ベゼルスマホ特有の没入感はあまり体験できない。
また、一部のGalaxyの特徴でもあったエッジスクリーンは、「Galaxy M23 5G」 には非搭載。画面はフラットなので、湾曲した画面が苦手な方でも安心して使用できる。
パネルは液晶ながら最大120Hzのリフレッシュレートに対応。設定画面やSNSなどを高速にスクロールした際のチラつきが軽減され、ストレスなく画面を見られる。
個人的にはハイエンドのGalaxyを使っていて非常に気に入っている機能のひとつなので、ミドルレンジの「Galaxy M23 5G」にも搭載されているのは素直に嬉しい。
有機ELモデルと比較すると…
「Galaxy M23 5G」のディスプレイについて、「液晶だから色味はあまり綺麗ではないのかな…?」と考える方もいるかもしれない。
しかし、実際にはそんなことはなく、十分鮮やかで美しいと感じる。有機ELモデルを隣に並べてしまうと色味やコントラストの違いを感じられるが、わざわざ比較しなければ感じられないほどの違いしかないので安心してほしい。
個人的にディスプレイで気になる点は、上部のベゼルとシームレスに繋がった水滴型ノッチの存在感。
小型のパンチホールスタイルですらスマートさに欠けると感じていたので、「Galaxy M23 5G」のノッチは「もう少しどうにかならないものか…」という感想だった。
ゲームアプリとパフォーマンスをチェック
「Galaxy M23 5G」 は、プロセッサーにSnapdragon 750G 5Gを採用している。2020年に登場したチップではあるものの性能は十分で、カメラやSNS、ブラウザでの調べものなどの一般的な使い方で動作が遅い・重いなどと感じるシーンはまずない。
プロセッサー | Snapdragon 750G 5G |
---|---|
メモリ | 6GB |
ストレージ | 128GB(最大1TBのmicroSDカード対応) |
以下では、スペックがある程度要求されそうな知名度のあるゲームをいくつか試してみた結果を掲載する。
PUBGモバイル
スペックを要求されるゲームの代表としてPUBGモバイルを試してみたところ、クオリティが「HD」・フレーム設定「高」の状態で全くカクつきなくスムーズにプレイできた。
プロセッサーの影響か発熱もほとんど感じず、PUBGモバイルをドン勝までプレイしても背面カメラの下部がほんのりとあたたかくなる程度。夏場でも安心して使用できそうだ。
短時間ではあるがプレイしている様子も動画に収めたので、興味があれば本記事上部の動画をチェックしてみてほしい。
ポケモンGo
続いては位置ゲーの定番ポケモンGo。まず、GPSの精度に関しては全く問題なく非常に正確。電車や車などで素早く移動しても、ストレスのない程度にはしっかりと追従してくる。
グラフィックに関してはヌルヌルとまでは言えないものの、問題なく遊べる範囲内。1画面内に大量にポケモンが出現するとやや動作が怪しくなるが、プレイできないほどではない。
原神
結論から述べると、Galaxy M23 5Gで原神のプレイはあまりおすすめできない。
PUBGモバイル同様デフォルトの設定をチェックしてみると、フレームレートが30fps、画質は低に設定されていた。この状態でもチュートリアルの時点で動作にはカクつきが見られる。
全く遊べないわけではないが、率直に言ってあまり快適ではない。また、今回レビューのために試したゲームのなかでは、背面が最も早く最も高温に発熱していた。
遊戯王マスターデュエル
最後は遊戯王マスターデュエル。
カードゲームながらモンスターの召喚時やバトル時には派手なエフェクトがあるため、意外とスペックが要求される印象。Galaxy M23 5Gでプレイしてみた感想としては、意外とカードをドローする際のアニメーションにぎこちなさを感じた。
しかし、多少無理しているきらいはあるもののパフォーマンスがプレイに直結するタイプのゲームではないため、問題なく遊べる範疇だと言える。
番外編:Twitter
ゲームとは異なるが、定番のSNSであるTwitterアプリの挙動もやや怪しかったので簡単に触れておく。
気になる動作というのは、上下にスクロールするとガクガクしてしまう点。せっかく最大120Hzのリフレッシュレートに対応しているのに、Twitterにおいては全く活かしきれておらず完全に無意味。
一応、スペックの問題というよりもアプリとの相性の問題の方がウェイトとしては高いと思うので、今後のGalaxy M23 5GおよびTwitterアプリのアップデートである程度改善する見込みはある。
Galaxy M23 5Gのベンチマークスコア一覧
Galaxy M23 5Gで、主要なベンチマークテストを一通り試してみたので結果を共有する。
Antutuのほか、Geekbench 5と3D Markでベンチマークも計測してみた。3D Markでは長時間GPUに負荷をかけた際の性能を計測できるWild Life Stress Testも試してみたので、「Galaxy M23 5G」で上記にないゲームをプレイしたいと考えている方は参考にしてみてほしい。
Antutu
総合スコア | CPU | GPU | MEM | UX |
---|---|---|---|---|
394890 | 123287 | 92561 | 71320 | 107722 |
Geekbench 5
シングルコア | マルチコア |
---|---|
636 | 1830 |
3D Mark(Wild Life)
スコア | 平均FPS |
---|---|
1104 | 6.60 |
3D Mark(Wild Life Stress Test)
最高スコア | 最低スコア | バッテリー消費 | 温度上昇 |
---|---|---|---|
1105 | 1096 | 89%⇒84% | 28℃⇒32℃ |
RAM Plusでパフォーマンスの向上も可
One UIには、ストレージの空きスペースを仮想メモリに割り当ててメモリを拡張できる「RAM Plus」という機能が搭載されている。
本機能は、「Galaxy M23 5G」でも利用可能。割り当てられる容量は2・4・6GBの3種類で、デフォルトだと4GBに設定されている。
あくまでも筆者の体感だが、6GBに設定するとアプリ切り替え時の挙動がキビキビとした感覚がある。
なお、ほかにも「Galaxy M23 5G」で設定しておきたい機能はいくつかある。以下のページに全てまとめてあるので、購入後は読みながら設定を進めてみてほしい。
参考Galaxy M23 5Gを購入したらチェックするべき14の設定
背面カメラ:広角・超広角には満足、マクロは不要
「Galaxy M23 5G」 には、広角+超広角+マクロのトリプルカメラが搭載されている。
広角カメラや超広角カメラは無難に使える一方で、マクロカメラは正直なところあまり使いどころが見いだせなかったというのが本音。また、Galaxyにしては彩度の強調がやや大人しく、控えめなようにも感じた。
以下、各カメラの作例を掲載する。
画素数 | 絞り値 | |
---|---|---|
広角カメラ(メインカメラ) | 5000万画素 | F1.8 |
超広角カメラ | 800万画素 | F2.2 |
マクロカメラ | 200万画素 | F2.4 |
広角カメラの作例をチェック
「Galaxy M23 5G」のメインカメラである広角カメラは、5000万画素と高解像度かつF1.8と明るいので、ミドルレンジながらイマドキのスマートフォンらしい高品質な写真を撮影できる。
桜の木を撮影。タイミングを若干逃してしまい既に若葉が見え始めていた。空の青と桜の花のピンク、若葉の緑の3色がしっかりと表現されている。
最後の1枚は 「Galaxy M23 5G」 を逆さまに立てて撮影した。広角レンズがF1.8と明るいので、構図によっては本格的な背景ぼけを含んだ写真も撮影できる。
ズームの品質をチェック
「Galaxy M23 5G」は、前述の通り望遠カメラを搭載していない。一応、カメラアプリでは0.5倍(超広角)・1倍・2倍・4倍・10倍をワンタップで切り替えられるが、ズームは全てデジタルズームとなる。
10倍までズームするとさすがにディティールはほとんど失われてしまう。SNSに投稿するくらいであれば、2倍までは問題なく使えそうだ。4倍はお世辞にも綺麗とは言えないが、記録用としてはありかもしれない。
飯テロもOK!料理の作例
「Galaxy M23 5G」のカメラは、料理も美味しそうに撮影できる。専用の「食事モード」も用意されているが、わざわざ適用しなくても十分綺麗に撮影可能だ。
食事モードを適用すると、周囲を大きくぼかしてメインの料理を際立たせられる。ラーメンのような器が広い料理よりも、もっとコンパクトなメニューの方が向いてそうだ。
ポートレートモードの精度をチェック
ストローは背景としっかりと区別されているものの、グラスの左上がわずかに処理に失敗している。
公園のお祭りに出店していた出店のおもちゃを撮影。被写体と背景が明確に区別されていると正確に背景ぼけを生み出せる。
こちらは、先程も掲載したチョコバナナをポートレートモードで撮影したバージョン。背景が段階的にぼけているため、ソフトウェア処理ながら自然な印象。
超広角カメラの作例
解像感、特に写真隅の方のディティールはややぼやけがちな印象。色味は広角カメラとほとんど差はなく、自然な色合いの写真を撮影できる。
広い風景を広いまま、大きい被写体を大きいまま写せるのが超広角カメラの魅力。個人的には、撮影していて最も楽しいレンズだった。
マクロカメラは実質飾り?
マクロカメラで撮影した写真がこちら。マクロとは言うものの被写体に寄れる距離はせいぜい5~3cm程度であり、期待していたほどグッと近づいて大きく写せるわけではない。
一方、こちらは広角カメラの4倍デジタルズームで撮影した写真。パッと見てわかるように、マクロカメラで撮影した写真よりも大きく写せる。
解像度に関しても、マクロカメラが200万画素なのに対して広角カメラ(5000万画素)は4倍でも約1250万画素ある。また、被写体に極端に近づく必要がないため自分自身の影がかかりにくく、広角カメラの方がマクロカメラよりも多くの点で撮影しやすく扱いやすいと感じてしまった。
電池持ち:モバイルバッテリーなしで1日使用OK
バッテリー持ち・電池持ちについても簡単にレビューしておこう。「Galaxy M23 5G」には5000mAhのバッテリーが搭載されており、電池持ちは良好だった。
具体的には朝の9時頃に充電が100%の状態で外出し、写真を209枚・動画を27分撮影、Google MapやTwitter、ブラウザ(Galaxy標準のInternet Browser)を使用し午後13時に帰宅してバッテリー残量が73%だった。
短時間で比較的ヘビーな使い方をしていたが、バッテリーの減り方は緩やかで夕方までモバイルバッテリーなしでも余裕で使用できそうだった。学生や社会人が仕事や講義の合間にSNSや動画を見るくらいの使い方であれば、モバイルバッテリーに頼るシーンは少ないはずだ。
ちなみに、「Galaxy M23 5G」は最大25Wの急速充電にも対応している。しかし、充電器は別売りなので別途購入が必須。サムスンからもいくつか純正の充電器が販売されているので、持っていない場合はチェックしてみてほしい。
Galaxy M23の対応バンド・キャリア
Galaxy M23 5Gが対応しているバンド(3G省略)は以下の通り。
FDD-LTE | B1(2100), B2(1900), B3(1800), B4(AWS), B5(850), B8(900), B12(700), B17(700), B18(800), B19(800), B26(850), B28(700) |
---|---|
TDD-LTE | B38(2600), B40(2300), B41(2500), B42(3400) |
5G TDD Sub6 | N77(3700), N78(3500) |
幅広いバンドに対応しており、楽天モバイルを含む国内の主要4キャリアで利用できる。しかし、筆者が実際に各キャリアでの通信を試してみたところ、楽天モバイルの5Gに接続すると圏外になってしまう可能性がある(詳しくは本記事の最後に解説)。
ドコモ | au | ソフトバンク | 楽天 | |
---|---|---|---|---|
通話 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
データ通信 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇(5G不安定) |
APN | プリセット済み | プリセット済み | プリセット済み | プリセット済み |
また、以下の記事では、そういった前提も踏まえてGalaxy M23 5Gのおすすめキャリアを紹介している。本機をメイン端末として購入を検討している場合は、ぜひ合わせて読んでみてほしい。
参考Galaxy M23 5Gにおすすめの回線・キャリアは?対応バンドと実機の動作をチェック
Galaxy M23のよかったポイント3つ
「Galaxy M23 5G」を実際に使用しよかったと感じるポイント、メリットについて3つ紹介する。
SIM2枚+microSDのトリプルスロット
本機のSIMトレイは、nanoSIMカード2枚に加えてmicroSDカードをセットできる。物理的にデュアルSIMの運用が可能なので、既に回線をいくつか契約している場合はすぐに使い始められる。
もちろん、大容量通信に対応した回線とpovoのような料金を抑えやすい回線を使い分けるのもおすすめだ。
また、トリプルスロットに対応しているため、2枚のSIMカードをセットした状態でmicroSDカードも利用できる。SIMとmicroSDカードは排他仕様のモデルも多いため、この部分はGalaxy M23 5Gならではのメリットと言える。
関連Galaxy M23 5G予約キャンペーン賞品のMicroSDカードが到着
イヤホンジャックが搭載されている
近頃のスマートフォン、特にハイエンドモデルではすっかりイヤホンジャックを見なくなった。完全ワイヤレスイヤホンの利便性も素晴らしいため個人的には気になっていないが、音にこだわりたい・お気に入りの有線イヤホンを使いたいという方もいるだろう。
「Galaxy M23 5G」は底面にイヤホンジャックを搭載しているので、安心してほしい。いつものイヤホンでいつもの音楽をいつもの音質で楽しめる。
ただし、スピーカーは1基のモノラルのみ。動画や音楽には、イヤホン・ヘッドホンの使用をおすすめしたい。
SIMフリーにOne UIの選択肢が増えた
本機1番の功績は、やはりオープンマーケットにSIMフリーのGalaxyが登場したこと。
これまでは、自由なキャリアでGalaxyを使用するには白ロムという名の中古品を購入するか、入念な下調べのうえキャリアから契約ナシで購入する必要があった(現在はもっと買いやすくはなっているが…)。
Galaxyに搭載されているOne UIは、数多くあるAndroidスマートフォンのなかでも頭一つ抜けた完成度・使い心地だと筆者は考えている。本機の完成度は一旦置いておいて、そのOne UIをより手軽に体験できるようになったことがとにかく嬉しい。
Galaxy M23のイマイチなポイント4つ
最後に、「Galaxy M23 5G」を使用していてイマイチだと感じたポイント、デメリットについても簡単に紹介する。
バイブが不自然
文章では伝わりにくい感覚的な話になってしまうが、「Galaxy M23 5G」のバイブがどうにも不自然というかしっくりこない。
通常のバイブは端末内の一部分のみが動くのに対して、「Galaxy M23 5G」は振動が大げさでモーターの動きが端末全体に響いている感覚がある。好みの問題であるが、筆者はあまり好きにはなれないので、オフにできる部分はすぐさま設定から切ってしまった。
Bixby Routines非対応
Galaxy SシリーズNoteシリーズ、Zシリーズは、Bixby Routinesという日常的なタスクやよく使う設定の自動化機能を搭載している。
「○○したときに××する」を自在にカスタマイズできる機能で、例えば「自宅のWi-Fiを掴んだらモバイルデータ通信をオフにしてマナーモードも解除する」や「車のBluetoothに接続したら音楽を流す」といった使い方ができる。
Galaxyの代表的な便利機能なのだが、残念ながらGalaxy M23 5GにはBixby Routinesの設定項目がなく、非対応のようだ。フラッグシップモデルとの差別化ために、あえて削っているのかもしれない。
個人的には、使える機能をわざわざ使えなくして特別感を演出する手法はあまり好きにはなれない。SやNote、Zシリーズは既にプレミアムなモデルであるというブランドを十分に確立していると思うので、Bixby RoutinesくらいはGalaxy M23 5Gでも使えるようにしてほしいと感じる。
関連自動化機能「Bixby Routines」の使い方とおすすめ設定を解説
防水・おサイフケータイ非対応
使わなくてもわかっていたことではあるのでレビューとはやや趣旨が異なるが、防水やおサイフケータイに対応していない点はやはり気になる。
低価格帯のSIMフリー機は、スマホを価格を抑えてメインで運用したいユーザーが多い。その際に今まで使えていたおサイフケータイが使えないというのは、やはりネックになってしまうはずだ。
個人的にも、防水はあまり重視していないもののおサイフケータイの有無はスマートフォン選びにおいて大きなウェイトを占めており、わざわざハイエンドモデルをドコモショップで端末のみの購入をしていたのも、おサイフケータイを使いたかったからにほかならない。
「おサイフケータイを必要としているのは一部の声の大きいユーザーだけ」という意見もあり、実際その意見は的外れとも言えない。
しかし、ミドルレンジのSIMフリースマホは激戦区であり、ライバルとなるOPPOやXiaomi、SHARPのAQUOSシリーズなどはいずれもおサイフケータイ対応モデルを投入済み。「実際に使うかどうか」ではなく「使えて当たり前」の状態になってしまっている以上、「Galaxy M23 5G」のおサイフケータイ非対応はマイナスポイントと判断せざるを得ない。
楽天モバイルの5G圏外問題
最後は楽天モバイルとの相性問題について。
「Galaxy M23 5G」は、楽天モバイルの5Gエリアに入ると圏外になってしまう可能性がある。「可能性がある」という曖昧な表現をしているのは筆者も再現性を確認できておらず、5Gが繋がることもあるため。関西方面の5Gエリアでは圏外になってしまったものの、東北の自宅付近のsub6エリアでは5Gに接続できているため、イマイチ原因がハッキリとしていない。
実は同様の問題を抱えているのは「Galaxy M23 5G」だけではなく、既に他社から発売されている一部のGalaxyスマホやモバイルルーターも楽天モバイルの5Gを掴むと圏外になってしまう場合がある。
現状、ユーザー側でできる対処は「設定から5Gに自動接続しないようにする」くらいしかなく、サムスンおよび楽天モバイル側の対応を待つしかない。
ちなみに、楽天モバイルの対応状況確認で「Galaxy M23 5G」をチェックしてみると、「一部の機能がご利用いただけます」と表示される。完全に対応していれば「この製品は楽天回線対応製品です」と表示されるはずであり、「Galaxy M23 5G」は何らかの機能が制限されているようだ。
残念ながら、上記のページでは制限されている機能までは確認できない。5Gデータ通信も利用できるとは記載されているが…。
ちなみに、Galaxyの公式サイトでは、対応バンドのみが記載されていて対応キャリアについては言及されていない。楽天モバイルの問題とは関係なく、SIMフリーモデルとして展開するのであればバンドを読めない方向けに対応キャリアを表示した方が親切だと感じる。
まとめ
以上、「Galaxy M23 5G」のレビューをお届けした。
質感やパフォーマンス、カメラなどを総合したクオリティはさすがのGalaxyであり、ミドルレンジながらほとんどの方が不満なく使えるちょうどよいラインを狙い撃ちしている。
一方、本機が初のオープン市場向けSIMフリーGalaxyであることからか、おサイフケータイや防水の搭載が様子見されてしまったのは残念。ミドルレンジ×SIMフリーの市場を本気で獲りに行くのであれば、こういったローカライズの対応はほぼ大前提となってくるので、今後の動きに期待したい。
「Galaxy M23 5G」は、4月21日に発売済み。Amazonや楽天から購入できるので、ぜひチェックしてみてほしい。
関連Galaxy M23 5Gを購入したらチェックするべき14の設定
Galaxy M23 5Gのスペックと概要
「Galaxy M23 5G」は、日本で初めてオープン市場向けに投入された通常モデルのGalaxyスマートフォン。
Galaxy Mシリーズは、海外、特にインドを中心にオンラインに特化して販売されている。聞き慣れない方も多いと思うが、2019年頃に登場した比較的新しいシリーズなので、既存モデルやキャリアとの関係を考慮してもSIMフリーとして投入しやすかったのだと推察できる。
「Galaxy M23 5G」のスペックは表の通り。防水防塵やおサイフケータイといった、日本市場独特の需要に対するローカライズは施されていない。
製品名 | Galaxy M23 5G |
---|---|
OS | Android 12(One UI 4.1) |
ディスプレイ | TFT 約6.6インチ(1080 x 2408) 120Hz |
プロセッサー | Snapdragon 750G 5G |
メモリ / ストレージ | 6GB / 128GB(最大1TBのmicroSDカード対応) |
背面カメラ | 広角カメラ:5000万画素 / F1.8 超広角カメラ:800万画素 / F2.2 マクロカメラ:200万画素 / F2.4 |
インカメラ | 800万画素 / F2.2 |
バッテリー | 5000mAh |
防水防塵 | 非対応 |
おサイフケータイ | 非対応 |
サイズ / 重量 | 165.5 x 77.0 x 8.4 mm / 198g |
パッケージと付属品
「Galaxy M23 5G」のパッケージはこちら。ハイエンドのSシリーズやNoteシリーズは、ブラックを基調として高級感のある箱に入っているが、ミドルレンジの「Galaxy M23 5G」は至ってシンプルなパッケージ。
充電器が入っていないので、箱が非常に薄くコンパクトな点も特徴だ。
ちなみに、「Galaxy M23 5G」以外の付属品はSIMトレイのイジェクトピン・保証書。ファミリーリンクの解説書・データ移行用試供品取扱説明書・Type-C to Type-CのUSBケーブル。
USBケーブルがデータ移行用の試供品とのことだ。
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