スマホジンバル・テーブル三脚・モバイルバッテリーの3つの機能が1台に凝縮された、PowerVision S1のレビューをお届けする。
スマホジンバルは動画撮影時の手ブレを軽減し、本格的な機材を使ったプロのような動画を簡単に撮影できるアイテム。しかし、毎日持ち歩くスマホに対してサイズが大きく、かさばるのが難点だった。
一方、PowerVision S1はユニークな折りたたみギミックでデメリットを解消。本記事では、そんなPowerVision S1の使い勝手を細かくチェックしレビューしていく。
製品提供:PowerVision Japan
結論:PowerVision S1のメリット・デメリット
まずは使ってみた結論から。PowerVision S1のよかった点とイマイチだと感じた点をまとめておく。
メリット
- ジンバルなのにポケットサイズ
- ワイヤレス充電対応のモバイルバッテリーとしても使える
- アプリが安定している
デメリット
- 小型ゆえのズッシリ感
- 三脚の強度は必要最小限
- 多くの場合持ち運びはホルダーとセット
外観とデザイン
早速、PowerVision S1の外観をチェックしていこう。
今回、当サイト宛てに送って頂いたカラーはスカイブルー。ほかに、モダンブラックとアップルグリーンの合計3色が展開されている。
スカイブルーのPowerVision S1は、全体にストライプのテクスチャが施されている。アップルグリーンも同様の仕様だが、モダンブラックのみレザー調のシボ加工が採用されているので、好みに合わせて選ぶといいだろう。
本体を手に持ってみると、PowerVision S1最大の特徴であるコンパクトさがよく伝わってくる。
手の平サイズというにはやや大きいかもしれないが、大容量のモバイルバッテリーとしてよく見かけるくらいのサイズであり、スマホと一緒に持ち運ぶアイテムとしては非常に心強い小ささだ。
一方で、小型ゆえにサイズはズッシリとしている印象。重量そのものは約298gと抑えられているものの、密度が高く中身がギッシリと詰まっているような重さを感じる。
サイズ | 141.4×58.4×27.9mm(折りたたみ時) |
---|---|
重量 | 約298g |
使用する際にはスマホを取り付けるので、+200g前後と考えると合計重量は500mlのペットボトル飲料とほぼ同等だ。
側面(正面?)には電源ボタンやズームボタン、ジョイスティックなど取り付けたスマートフォンをコントロールするためのボタンを搭載。
下部には、本体の充電に利用するUSBも搭載されている。イマドキらしくType-Cポートを採用しているのは嬉しいポイントだ。
組み立てと取り付け方法
PowerVision S1は、独自の折りたたみギミックにより3軸ジンバルがポケットサイズの長方形にまとまっている。
組み立てにはやや慣れが必要なものの、手順が頭に入ってしまえば10~15秒程度でササっと撮影の準備が可能だ。
PowerVision S1を組み立てる手順
まずは、PowerVisionのロゴが付いていない面を上に向ける。
左側下部に指を掛けられる切り欠きがあるので、蓋を手前に引いて開けておこう。
中には、アームの先端部分が格納されている。
左側面に畳んであるアームと一緒に、カチっという感触があるまで起こす。
畳まれているアームの先端部分、ちょうどスマホと吸着するマグネット部分をグッと持ち上げる。
最後まで持ち上げても斜め下を向いているので注意しよう。
最後に、アームの先端を約45°程度回転させれば完了。
スマホの取り付け
PowerVision S1は、アーム先端のマグネットでスマホを固定する仕組みを採用している。
専用のマグネットアタッチメントは、購入時に選択するPowerVision S1のバリエーションによって
- 専用ケース
- スマホスタンド
- スマホホルダー
の3種類が用意されている。
ケースはiPhone 11および12シリーズ、Galaxy S21およびGalaxy S21 Ultraのみに対応。
スマホスタンドも両面テープでスマホ本体またはケースに貼り付けるタイプなので、挟み込むタイプのスマホホルダーが最も汎用性があり使いやすい。
こちらがスマホホルダー。
幅67~84mmのスマホに対応しており、横幅が比較的広めのGalaxy Note20 UltraにPITAKAのケースを装着した状態でも取り付けられた。
中央の円形部分にPowerVision S1のアーム先端を近づけると、マグネットでバチっと吸着する。想像よりも吸着力は強く、落下の心配はほとんどいらないレベルだ。
この状態でPowerVision S1の電源を入れれば、取り合えずジンバルとしては使えるようになる。
実際にPowerVision S1で撮影
PowerVision S1のポテンシャルを最大限に引き出すためには、専用アプリ「Vision+ S1」の導入が欠かせない。iOS・Androidの両OS向けに提供されているので、あらかじめインストールしておこう。
PowerVision S1は、電源を入れた時点でペアリングの準備が整っている。アプリを起動すると、ホルダー・スタンド・ケースのどの方法で取り付けるかを選択できるので、好みの方法を選択して取り付ければ、準備完了だ。
縦揺れも軽減して滑らかな映像に
ポケットサイズのスマホジンバルPowerVision S1で試し撮り pic.twitter.com/wwnBibBJeB
— ひがし (@pghigashi) September 29, 2022
実際にPowerVision S1を使用して撮影してみた動画がこちら。
ティルト(縦)とロール(回転)、パン(横)まで対応した3軸ジンバルなので、左右を見渡すような動きはもちろん歩きながらの撮影でもしっかりと衝撃を吸収してブレを軽減できている。
縦方向の揺れは多少残りやすいものの、手持ち撮影と比較すれば安定感は段違い。手ブレを抑えようと腕に力を入れる必要もないので、負担がかかりにくいのは意外だった。
AIトラッキングが優秀
AI トラッキングはこんな感じ pic.twitter.com/PGhkhgmFSk
— ひがし (@pghigashi) September 29, 2022
スマホの画面で被写体を選択すれば、自動で追尾するAIトラッキング機能も利用できる。
対応できるスピードと範囲には限界があるので広範囲を動き回るような動体の撮影は難しいかもしれないが、物を選択してスマホを構えながら自分が動くようなスタイルであれば使い道は多い。
また、自分を被写体に選択すれば、一人でも常に画面の中央を維持しながら自撮りが可能だ。
AIジェスチャーコントロールで自撮りもスムーズ
自撮りをする際は、スマホやPowerVision S1に触れずにシャッターを切ったり動画撮影をスタートしたりできる。
カメラの正面に向かってジェスチャーを行う必要があるものの、精度は高い。ジェスチャー認識後に3秒のカウントダウンがスタートするので、余裕をもって自撮り可能だ。
- カメラに向かってV(ピース)サイン:3秒後に写真を撮影
- カメラに向かってL(人差し指と親指を開く)サイン:3秒後に動画を撮影
- カメラに向かってパー(手のひらを向ける):自分の顔を認識してAIトラッキング開始
アプリで簡易的な編集も
Vision+ S1アプリは、動画の撮影だけではなく簡単な編集にも対応。
カットのほか、フィルターや音楽を追加したり速度を変更したりなど機能はシンプルだが、InstagramやTwitter、TikTokなどにアップする動画であれば十分に使える。
また、本アプリから直接各種SNSにアップロードも可能だ。
三脚として使ってみる
PowerVision S1は、簡易的なテーブル三脚としても利用できる。
三脚に取り付けられるスマホジンバルは多いが、本体のみで三脚として完結できるスタイルは珍しく、持ち歩く荷物を減らせるのでシンプルに便利だ。
使い方も非常に簡単。
底面の角2ヶ所にある出っ張りを下に引っ張ると、格納された脚を展開できる。伸ばしきったところで外側に広げると固定される感触があるはずだ。
3本目の脚は、底面に折りたたまれているので起こすだけ。慣れれば数秒で三脚を展開できる。
実際にスマートフォンをセットした状態で三脚を利用してみると、安定感は十分。
足が細いので決して強度が高いとは言えないものの、スマートフォン専用であることを考慮すると必要十分。AIトラッキングやAIジェスチャーコントロールなどと組み合わせれば、PowerVision S1だけでカメラマンがいるかのような自撮りも行えそうだ。
ちなみに、本体底面には1/4ネジ穴も搭載されているので三脚に取り付けるスタイルでも利用可能。つくづく多機能で、至れり尽くせりだと感じる。
モバイルバッテリーはワイヤレス充電にも対応
PowerVision S1は、モバイルバッテリーとしても利用できる。
搭載されているバッテリー容量は4120mAhなので、多くのスマホを約1回以上フル充電できるくらい。公式サイトの説明によると、ジンバルとして3時間使用した後でもiPhone12 Proを60%まで充電できるとのことだ。
利用方法はシンプルで、本体のUSB Type-Cポートを利用してスマホと接続するだけ。本体の電源がオンのときは最大で約18W、オフのときは約5Wの出力で充電できる。
また、円形のPowerVisionロゴ部分はQi規格のワイヤレス充電エリアでもある。
Qiワイヤレス充電に対応したスマホやイヤホンであれば、乗せるだけで最大10Wの出力で充電できる。
パススルーに対応しているのも嬉しいポイントだ。
ケーブル経由でPowerVision S1を充電している状態でQi対応スマホを乗せれば、PowerVision S1本体と同時に他のデバイスをワイヤレス充電できる。事実上ワイヤレス充電器として扱えるので、別々に充電する手間や時間を軽減可能だ。
まとめ:小さくても侮れない多機能ジンバル
以上、PowerVision S1のレビューをお届けした。
一般的に大きく重いイメージのジンバルを、ポケットに入れて気軽に持ち運べるのは非常に便利で未来的だ。
モバイルバッテリーや三脚といったオマケ機能もスマホとの組み合わせにおいては活躍するシーンも多く、取り合えずカバンに入れておいても無駄になりにくい点が非常に魅力的だった。
PowerVision S1は、Amazonや公式ストアから購入できる。当サイト限定の10%オフクーポンも以下に記載しておくので、興味があればぜひチェックしてみてほしい。
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