OPPO A5 2020は、2019年11月1日に発売されたOPPOのSIMフリースマートフォン。
OPPOはグローバル向けに設計されたRenoシリーズを日本でも展開し、中でも日本市場の特徴に特化させたReno Aは2019年を代表するモデルと言っても過言ではないほどの大人気モデルとなりました。本機A5 2020はそのRenoシリーズからは少し離れた位置づけにある、Reno Aよりもやや性能が控え目なもののさらに低価格を実現したより購入しやすいモデルとなっています。
5,000mAhの大容量バッテリー、超広角カメラを含めた4眼カメラ、プロセッサには国内では採用端末が少ないSnapdragon 665を搭載していることなどが本機の特徴。ミドルクラスではあるものの執筆時点におけるOPPO Japanの最新モデルということでしっかりとトレンドも意識した内容になっている反面、おサイフケータイや防水機能といった日本独自の機能には非対応となっています。
短期間ではありますがA5 2020を使用する機会がありましたので、本記事では上記特徴をチェックしつつ実際に触れてみた感想を正直にレビューしていきたいと思います。A5 2020は各種格安SIMでも取り扱いがありますので、購入の検討材料として参考にしていただければ幸いです。
外観チェックとファーストインプレッション
まずはデザインをチェックしつつA5 2020を手に取ってみたファーストインプレッションを簡単に述べていきましょう。ちなみにA5 2020はブルーとグリーンの2色で展開されていますが、今回試した端末はブルーになります。
ブルーというカラーではありますが、角度によって微妙にパープルも垣間見えるようなおなじみのグラデーション。背面の素材はガラスのため指紋が付きやすいのもいつもの通りです。
また、見た目にもハッキリしている側面の継ぎ目の部分は、パッと手に取った時に微妙に手に触れる感覚もあるため少し気になったポイントです。
低価格の端末ということで何となく勝手に小型であるという先入観を抱いていたのですが、A5 2020はサイズ・重量共に意外とインパクトが強め。特に大きさに至っては数字上、縦方向のみですがReno 10x Zoomよりも微妙に長くなっています。
以下に、A5 2020とこれまで当サイトでレビューした4つのOPPO製スマートフォンのサイズを比較した表を掲載しておきます。こうして比較して見ると、意外なことに縦方向のサイズはA5 2020が最も大きいことがわかります。
A5 2020とその他OPPOスマホのサイズ比較 | ||
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機種名 | サイズ | 重量 |
A5 2020 | 163.6×75.6×9.1mm | 約195g |
Reno 10x Zoom | 162×77.2×9.3mm | 約215g |
Reno A | 158.4×75.4×7.8mm | 約169.5g |
R17 Neo | 158.3×75.5×7.4mm | 約156g |
R11s | 155.1×75.5×7.1mm | 約153g |
そのため”大きい”よりかは”長い”という印象を真っ先に受けました。シャツの胸ポケットやジーンズの前ポケットなどに収めるには多少の強引さが必要で、冬が過ぎてコートを着なくなりポケットの数が減るとボディバッグなどの小さなカバンが欲しくなるかもしれません。
一方で見た目のサイズ感相応だからなのか、重量について数字ほどの重さを体感できなかったことは嬉しい誤算といったところ。A5 2020は上記4つのOPPOスマートフォンの中ではReno 10x Zoomに次ぐ重量となっています。
A5 2020は冒頭でも触れたように現在OPPO Japanの主力となっているRenoシリーズとは別のラインに属する端末で、中央にも小さく「DESIGNED FOR A-SERIES」の文字が確認できます。
しかしロゴが中央の縦方向に配置されている点はReno AやReno 10x Zoomと共通しているためパッと見たときの見分けはつきにくいかもしれませんが、背面に指紋センサーが搭載されていることが上記2モデルとは異なる点でしょう。
Reno AとReno 10x Zoomはディスプレイ下の指紋センサーを採用していましたが、1つ下のラインに属するA5 2020では背面の指紋センサーになっている点は納得できます。
もはや当たり前になりつつあるベゼルレスなディスプレイは本機にもしっかりと採用。底辺のベゼルが他3辺と比べると若干太めですがそこまで気になることはなく、一応89.3%の画面占有率を実現しています。
また見ての通りインカメラは1基のみで、ディスプレイ上部にティアドロップ型(水滴型)のノッチを採用しています。
ディスプレイサイズ | 6.5インチ |
---|---|
解像度 | 1,600 × 720 ピクセル |
広々としたディスプレイを搭載しているわりに解像度は1,600 × 720 ピクセルと低く、正直なところ物足りなさを感じたのは事実。
価格を考慮すれば妥当な設定な上、決して表示が汚いわけではないですし際立って画面が荒いわけでもないのですが、普段からFHD+以上の解像度のディスプレイを搭載したスマートフォンを手にしていると残念ながらその差には気が付いてしまうレベルではありました。
充電ポートにはUSB Type-Cを搭載。R15 NeoやR17 NeoなどかつてのOPPOの低価格モデルは中々Type-Cを搭載してくれず嘆いていましたが、最近ではすっかりとその傾向も変わってきたようで筆者としては嬉しい限り。
3.5mmイヤホンジャックが残されていることも有線イヤホン派の人たちにとっては見逃せないポイントでしょう。
付属品
写真は撮り逃してしまいましたがA5 2020の付属品は以下の通りでした。本機に限らず、OPPOのスマートフォンには基本的にケースが付属し保護フィルムが貼られているため、購入してすぐに安心できる状態で使い始められます。
- ACアダプタ
- イヤホン
- USBケーブル(Type-C)
- TPUケース
- SIMイジェクトピン
- クイックガイド
スペックとベンチマーク
続いてA5 2020のスペックを確認していくと共に、Antutuベンチマークの結果も共有しておきます。
OS | ColorOS 6.0.1(Android 9ベース) |
---|---|
ディスプレイ | 6.5インチ液晶、1,600 × 720 ピクセル |
プロセッサ | Snapdragon 665 |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB |
背面カメラ | 1,200万画素(f/1.8)+800万画素(f/2.25)+200万画素(f/2.4)+200万画素(f/2.4) |
インカメラ | 1,600万画素(f/2.0) |
バッテリー | 5,000mAh |
カラバリ | ブルー、グリーン |
その他 | イヤホンジャック搭載、FMラジオ対応、トリプルスロットSIMトレイ、防水非対応、おサイフケータイ非対応 |
基本的なスペックはこちらの表の通り。OPPOというと日本に限らずミドルハイクラスのプロセッサを搭載したスマートフォンを多く展開していましたが、本機も例に漏れずSnapdragonの600番台を採用。Reno AのSnapdragon 710採用の際にも感じましたが、ここで660や630ではなく時代に沿った665を採用するあたり、個人的にセンスを感じるポイントです。
4GBのメモリや64GBのストレージはミドルレンジとしては必要最低限といったところで、本機を手にするユーザー層を考えると妥当でしょう。
本機の特徴としてクローズアップされている4眼カメラですが、メイン(1,200万画素のf/1.8)と超広角(800万画素のf/2.25)を除く2基はポートレート用となっているため通常撮影時のカメラは実質1基ずつである点には注意が必要です。
また、防水やおサイフケータイといった機能には残念ながら非対応。その代わりというわけでもないですが、2枚のnanoSIMカードとmicroSDカードを同時に挿入できるトリプルスロットを備えている点は高評価。
もちろん2枚のSIMカードで同時待受けも可能なDSDVにも対応しているため、電話番号ごとに2台以上のスマートフォンを持ち歩いていた場合は本機1台にまとめることが可能です。
イヤホンをアンテナとして利用するFMラジオにも対応。イヤホンが必須にはなりますが、大容量バッテリーを備えていることを考えると防災の面でも役になってくれるかもしれません。
ハイパーブーストでゲームを快適にプレイ
ColorOS 6.0を搭載しているA5 2020は、パフォーマンス向上とバッテリー節約を同時に実現する「ハイパーブースト」機能に対応。
PUBGモバイルやマリオカートといった3D描写によって比較的負荷のかかるゲームのプレイも問題ありません。
同OSの特徴的な機能でもあるゲームスペースも搭載。インストールしたゲームは全て「ゲームスペース」にてゲームアプリとして自動認識され、一元管理されると同時に、各種ゲーム機能が最適化。
ゲーム中の着信や通知を制御することも可能で、ゲームに集中できる環境が整っています。
A5 2020のAntutuベンチマークスコア
OPPO A5 2020でAntutuベンチマークを実行したところ、スコアは以下のようになりました。
A5 2020のAntutuベンチマーク | 総合 | CPU | GPU | MEM | UX |
---|---|---|---|---|---|
スコア | 172,436 | 70,118 | 33,523 | 37,173 | 31,622 |
Reno Aの総合スコアが約20万前後であることを考えると思った以上に健闘しているかと思います。
特にGPUスコアがしっかりと結果を残していることが印象的で、冒頭ではややネガティブな捉え方をしていた低解像度がパフォーマンス面で活きているとすると、A5 2020の低解像度は一概に悪いとは言えなさそうです。
なお念のため、毎度のことではありますがベンチマークスコアはあくまでも参考程度に留めておくのがいいと思います。
クアッドカメラの性能をチェック
A5 2020は、低価格のモデルでありながらもクアッドカメラ(4眼カメラ)を搭載していることが大きな特徴の1つ。
A5 2020のカメラ構成 | |
---|---|
メインカメラ | 1,200万画素(f/1.8) |
超広角カメラ | 800万画素(f/2.25) |
サブカメラ×2 | 200万画素(f/2.4) |
スペックの項目で触れたように通常撮影時は実質のシングルカメラとなるようですが、独自の夜景撮影モード「ウルトラナイトモード 2.0」も備えており、機能的には申し分ないと言っていいでしょう。
写真、ビデオ、エキスパート、パノラマ、ポートレート、夜、タイムラプス動画、スローモーション動画など
AIによるシーン認識機能も健在。カメラアプリのUIに特別癖は無く、OPPO製スマートフォンを知っている人でも知らない人でもすぐに馴染めるかと思います。
広角カメラとポートレートの作例
ここからはOPPO A5 2020で実際に撮影した写真を紹介していきます。
通常の撮影モードでいくつか撮影してみましたが、彩度やシャープネスなどが極端に補正されていることも無く、どちらかというと見たままの状態を素直に切り取ってくれるカメラといった印象。
AIの自動シーン認識による補正も非常に控え目で、癖がないため扱いやすく感じます。
ポートレートモードは人物以外にも適用可能。背景と被写体の判断は相変わらず優秀で、ボケの加減も丁度良く違和感の少ない仕上がりになっています。
ただし、その他のスマートフォンに採用されているような撮影後にピントやボケ量を調整する機能は非搭載となっています。
メインカメラはF/1.8と非常に明るいレンズを採用しているため、ポートレートモードに頼らずともわざと被写体と背景との距離を大きく取ることで背景をぼかすこともできました。
当然ながらこちらの方がより自然な背景ボケが得られますので、状況に応じてポートレートモードと使い分けるといいでしょう。
夜景モードの作例。ややノイズが気になる?
暗所の撮影もいくつか試してみました。搭載されている夜景撮影モード「ウルトラナイトモード 2.0」で撮影してみましたが、確かに通常モードで撮影するよりもハッキリと明るくなってはいます。しかし、思っていたよりもノイズが乗っているというのが正直な感想。
撮影に選んだ場所が”夜景”と呼ぶにはやや光量が物足りない場所だったことも原因の1つと考えられます。しかし他社製スマートフォンの夜景モードと比較してしまうともうひと踏ん張りして欲しかったところですが、2万円台の格安モデルであることを考慮すると及第点以上であることは確実です。
バッテリー持ちは最高レベル
5,000mAhという大容量バッテリーを搭載しているA5 2020。ブラウジングやSNS、動画の視聴はもちろん、ゲームのプレイもある程度快適にこなすことができる端末ですので、バッテリーの持ちはどの程度なのか?は多くの人が気になるところだと思います。
A5 2020のバッテリー持ち検証結果 | |
---|---|
経過時間 | バッテリー残量 |
0時間 | 100% |
3時間 | 88% |
6時間 | 72% |
9時間 | 37% |
12時間 | 57% |
15時間 | 40% |
18時間 | 23% |
21時間 | 4% |
バッテリー100%の状態のA5 2020でYouTubeアプリ開き、動画を流しっぱなしにしたときのバッテリー残量の推移を表にまとめてみました。
その結果、A5 2020は約20時間は連続で動画再生が可能という予想を大きく上回るバッテリー持ちの良さが発覚。これまでバッテリー容量6,000mAhのスマートフォンについてもいくつか同様の検証を行ってきましたが、その一部を上回る結果には満足の一言です。
このバッテリー性能の良さについて、プロセッサの性能も影響してそうでありますが、ここでもカギとなったのはおそらく解像度の低さでしょう。スマートフォンの画面サイズで動画を見る際は細かな解像度の違いはそこまで気にならず、一見デメリットにしか思えない低解像度がA5 2020の特徴と上手くマッチしていると言えます。
長時間動画を再生し続けても充電の必要がない持久力の高さはとにかく魅力的で、今回の検証のような連続動画再生やガッツリと何時間もゲームをするのでなければ、1日くらい充電することを忘れてしまっても余裕で持ちこたえてくれそうです。
バッテリー容量が大きいため充電する機会が減るからということなのか、A5 2020は急速充電に非対応。そのためバッテリー残量が0の状態から100%の状態まで充電するのには、約3時間以上は必要でした。
A5 2020が搭載しているColorOS 6.0は、OPPO独自の超高速充電「VOOC 3.0」に対応していますが、A5 2020はハードウェア的に非対応ということのようです。
あまり頻繁に遭遇するシーンではありませんが、今すぐ充電しなければ!となった場合が唯一の弱点でしょうか。とは言っても多くの場合スマートフォンは寝ている間に充電することがルーティンになっているでしょうし、最高レベルのバッテリー持ちを差し引いてまで気にすることではないかと思います。
なお、A5 2020はリバース充電に対応しているため、A5 2020と別のデバイスをOTGケーブルで接続すれば、A5 2020がモバイルバッテリー代わりとなって接続したデバイスを充電可能です。いざというときに覚えておくと役に立つかもしれない機能です。
まとめ。低解像度は気にならない。おサイフケータイ無しでよければコスパが光る1台に
以上簡単にではありますがOPPO A5 2020のレビューをお届けしました。
OPPO A5 2020のメリット
- 同価格帯スマートフォンの半歩先くらいの絶妙なスペックとパフォーマンス
- 5,000mAhのバッテリーによる連続使用時間
- 明るい場所でのカメラ性能
- ポートレートモードの精度
- 流行のグラデーションデザイン
- ディスプレイの低解像度
OPPO A5 2020のデメリット
- 急速充電非対応による満充電までの時間の長さ
- 暗い場所でのカメラ性能。特に夜景モードのノイズ
- おサイフケータイ非対応
- 防水防塵非対応
- カメラの出っ張り
- ディスプレイの低解像度
軽く触ってみたファーストインプレッションとしては、安いからといってすぐに気が付くような特段の欠点も見当たらず、デザイン、パフォーマンス、カメラ、バッテリー、スピーカーなど普段使いの際に目につくポイントは上手く無難にまとめられている印象を受けました。
多くの媒体では欠点とされている1,600 × 720 ピクセルという低解像度は、確かに普段からハイエンドモデルの精細なディスプレイに慣れてしまっていると何となく粗さには気が付いてしうレベル。しかし、YouTubeの動画を視聴する程度であれば元々1080pで動画を再生する機会も多いとは言えず、特に不都合があるわけではありませんでした。
もちろん画面が綺麗であればそれが一番良いのですが、低解像度という欠点がA5 2020の大容量バッテリーや省エネなパフォーマンスといった特徴にマッチしていることも事実。本機に対して各々が何を求めているかによって、低解像度はメリットにもデメリットにもなり得る要素でしょう。
また、繰り返しになりますが特徴とされているカメラと大容量バッテリーのうち特にバッテリーの持ちはとにかく優秀。
2枚のSIMカードと1枚のmicroSDカードを収納できるトリプルスロットとDSDVといった仕様との組み合わせることを考慮すると、これまでビジネス用・プライベート用などのようにスマートフォンを2台持ちしていたユーザーが1台にまとめて乗り換える先として、A5 2020は非常に有力な候補になるのではないかと思います。
A5 2020の価格と購入先について
執筆時点におけるA5 2020のAmazon価格は26,280円。既にSIMカードを持っている場合はAmazonで端末のみを購入することですぐに利用開始できます。
SIMカードを持っていない場合は、A5 2020はLINEモバイルやUQモバイルなどの格安SIMでも取り扱いがありますので、新規契約またはMNPなど回線契約と一緒に割引を適用しつつ購入することも可能。
詳細は下記のリンクから各ブランドのページにて確認してみてください。
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