2021年1月に発表・発売されたサムスン初の紛失防止タグ、「Galaxy SmartTag」のレビューをお届けする。
「Galaxy SmartTag」は、TileやMAMORIOなどと同じBluetoothでスマートフォンと接続して利用するタイプの紛失防止タグ。執筆時点で日本では販売されていないが、米国のAmazonやExpansysから簡単に購入できる。
「Galaxy SmartTag」に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてほしい。
デザイン
まずは「Galaxy SmartTag」の外観からチェックしていこう。カラーバリエーションはブラックとオートミールの2色が展開されており、今回紹介するカラーはブラックだ。
形状は角が丸まった39mm四方の正方形。角の一箇所にはキーホルダーやストラップなどを通せる穴があけられている。
厚さは約9.8mm。数値だけだとピンとこないかもしれないが、実際に手に取ってみると意外と厚みがあると感じる人がほとんどだろう。少なくとも、筆者は「Galaxy SmartTag」を気軽に財布に入れようとは思えなかった。
サイズ | 39 × 39 × 9.8 mm |
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重量 | 約13g |
背面には「SAMSUNG」ロゴが型押しされており、下部にはスピーカーが配置。正面の「Galaxy SmartTag」と書かれた円はボタンになっており、スマートフォンの音を鳴らしたり、スマートホームのスイッチとして使用したりできる。
全体の素材はプラスチックで、やや柔らかめの質感。マットな手触りで、汚れや傷はあまり気にならない。
Galaxy SmartTagの紛失防止性能・見つけやすさを試す
Bluetoothでスマートフォンとペアリングした「Galaxy SmartTag」は、サムスンのスマートホームアプリであるSmartThingsから管理する。ペアリングにはGalaxyアカウントも必要なので、完全にGalaxyスマートフォン専用のアクセサリーだ。
SmartThingsアプリに搭載されているSmartThings Findを利用すると、Galaxy WatchシリーズやGalaxy Budsシリーズといったアクセサリーや、その他のGalaxyスマートフォンやGalaxy Tabの位置情報を管理可能。
「Galaxy SmartTag」発売当初、同機能は日本で開放されていなかったが、2021年5月頃に日本からでも利用できるようになっている。
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SmartThings Findに登録した「Galaxy SmartTag」は、いつでもGoogle Mapでその位置情報を確認できる。画像ではぼかしをかけているが、精度は非常に高く移動してもしっかりと付いてきてくれた。体感で誤差は数m程度。車で移動した場合には十数mの誤差が生じるシーンもあったが、時間が経過すると修正されていた。
仮に「Galaxy SmartTag」を取り付けたアイテムを紛失してしまった場合は、最後にペアリング状態が維持されていた場所が表示される。さらに、Galaxyスマートフォンのユーザーがそばを通ると位置情報が更新されるが、正直なところ日本での効果にはあまり期待できないだろう。
紛失したGalaxy SmartTagを見つける
地図上に表示された位置を頼りにしたりナビゲート機能を利用したりして紛失した「Galaxy SmartTag」の近くまで到達したと思われる場合に、近くを捜索できる機能も用意されている。
この機能を有効にした状態で「Galaxy SmartTag」がありそうな場所をグルグル回っていると、タグを検出した際に画像のように通知してくれる。さらに、Bluetoothで接続できる範囲にまで近づけば、「Galaxy SmartTag」から音を鳴らして位置を特定できる。
音は双方向に鳴らせる
外出先ではなく車の中や自宅など、特定の場所で「Galaxy SmartTag」を紛失した場合は、音を鳴らす機能が有効だ。音量は大と小から選択でき、大なら近所迷惑なレベルの音が鳴るので自宅であればほぼ間違いなく見つけられる。
また、「Galaxy SmartTag」のボタンをダブルクリックするとスマートフォンからも音を鳴らせる。ペアリングできている場合は双方向に捜索が可能なので、覚えておきたい。
紛失時に通知する機能は非搭載
ここまで紛失した「Galaxy SmartTag」を発見する方法を紹介してきたが、どうやら同デバイスには紛失した=接続が切れたときに音を鳴らしたり通知を送ったりする機能は搭載されていないようだ。
紛失防止タグと呼ばれるTileやMAMORIOなどは紛失した時点で何らかのアクションがあるが、「Galaxy SmartTag」にはない。あくまでも自分で紛失したことに気付いたときに、発見をサポートしてくれるデバイスだと捉えた方がよさそうだ。
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追跡防止機能にも対応
位置情報を追跡できるという特性上、「Galaxy SmartTag」を誰かのカバンやポケットに忍ばせると、その人がGalaxyユーザーだった場合に位置情報を常に追いかけられる可能性がある。
そういった使い方を防止するために、SmartThings Findには自分のモノではない「Galaxy SmartTag」が周囲にないか捜索できる機能を搭載。ラボマークが付いているため実験的な機能なようだが、あるのとないのとでは安心感が大きく変わってくるはずだ。
スマートホームのスイッチとしても
「Galaxy SmartTag」に搭載されているボタンは、SmartThingsアプリと連携させたスマートホームデバイスをコントロールするスイッチとしても利用できる。
例えば、手軽にスマートホーム化を実現できるSwitchBotはSmartThingsに対応しているので、SwitchBotと連携させた家電やスイッチを「Galaxy SmartTag」でコントロール可能だ。
SwitchBotシリーズとSmartThingsの連携方法は以前解説しているので、興味がある場合はチェックしてみてほしい。
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ボタンの1回押しのほか、長押しにも機能を割り当てられる。上記はSwitchBotと連携させた照明のオンを長押しに、オフを1回押しに割り当てた様子。実際に試してみると、確かに「Galaxy SmartTag」で照明をコントロールできた。
しかし、正直なところこの機能を使うか?と聞かれると答えに詰まるというのが本音。紛失したアイテムを発見する・スマートホームをコントロールするというのはどちらも便利な機能ではあるのだが、噛み合っているとは言い難い。
1つのデバイスに独立した機能が2つ搭載されているので、よく言えば多機能、悪く言えば器用貧乏。「Galaxy SmartTag」を鍵に取り付け、玄関の照明をコントロールできるようにすれば?とも思ったが、それができる環境であればBixby Routinesを利用した方が便利だとも思う。
「こういう使い方すると便利じゃない?」というアイデアがあれば、ぜひコメントやTwitterで教えていただけると嬉しい(せっかく持ってるから上手に使いたい)。
Galaxy SmartTagの電池交換方法
キーホルダー用の穴のちょうど反対側には、大きめの切り欠きが設けられている。この切り欠きに指を引っかけると、簡単にパカっと開けられた。
「Galaxy SmartTag」に採用されているボタン電池は、「CR2032」だった。公式情報によると電池は約1年間持続するとのことだが、万が一電池が底をついても簡単に蓋を開けていつでも電池交換が可能だ。
まとめ。日本でGalaxy SmartTagを手に入れるには?
頭でも触れたが、現在「Galaxy SmartTag」は日本で販売されていない。Galaxy S21シリーズは海外で発表された直後に日本語の公式ページも用意されていたが、そこに同時発表された「Galaxy SmartTag」が掲載されていなかったことを考えると、今後の販売にもあまり期待はできないだろう。
そのため、日本から「Galaxy SmartTag」を購入するには個人輸入という形になる。幸い、個人輸入の定番サイトであるExpansysにて取り扱いがあるので、購入は難しくない。
また、Amazon.comも日本への直送に対応している。英語サイトではあるが日本のAmazonとレイアウトや購入の流れは全く同じなので、こちらも購入の難易度は易しめだ。
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