SOUNDPEATSから4月22日に発売された新型のワイヤレスイヤホン、RunFreeのレビューをお届けする。
RunFreeは、ネックバンド型かつオープンイヤータイプのワイヤレスイヤホン。SOUNDPEATSらしく価格が安いほか、名前に「Run」と付いていることからもわかるようにランニング中に使いやすいのも特徴だ。
本記事では、RunFreeを実際に使用し音質や電池持ち、装着感などを率直にレビューする。包み隠さずありのままをお伝えするので、ぜひ最後まで読んで頂ければ幸いだ。
製品提供:SOUNDPEATS JAPAN
結論:SOUNDPEATS RunFreeのメリット・デメリット
まず最初に、結論としてSOUNDPEATS RunFreeのメリットとデメリットをまとめておく。
デザインと付け心地:よくも悪くも軽快すぎる
まずはRunFreeのデザイン・外観をチェックしていく。
形状は従来の骨伝導イヤホンでよく見かける左右のイヤホンが繋がった耳掛けタイプ。
フレーム部分にはニッケルチタン合金が使われており、表面は肌に優しい液体シリコンで追われている。サラサラとした滑らかで心地良い質感だ。
簡単に調べてみたところ、ニッケルチタンとは形状記憶合金の代表的素材であるとのこと。人工関節・歯科用接着剤・歯科ブラケットなどの医療器具などにも活用されているらしく、耐久性は申し分ない。
参考サイト株式会社クニイ
実際に装着してみると、付け心地は非常に軽快で快適。
ヘッドバンド部分は首の後ろに回し、フックを耳に引っかけるように装着する。カナル型のようにイヤーピースを耳に入れたりオープン型のように耳にはめ込んだりせず、スピーカー部分は耳穴の前付近に触れるだけ。
一般的なイヤホンを長時間使うと痛みや痒みを感じてしまう、という方でも比較的使いやすいのではないかと思う。
ただし、付け心地がやや軽すぎるとも感じた
一般的なヘッドホンや骨伝導イヤホンと比較すると側圧がかなり控えめに設計されているので、固定する力が少々物足りない。激しく動いた際に微妙に位置がずれてしまうことがあったので、特に頭の小さい方は注意が必要だ。
本体の右側、実際に装着した際は耳の後ろにあたる部分には音量ボタンと電源ボタン兼再生ボタンが搭載されている。
ボタンの押し心地は快適で、数日使って位置さえ把握してしまえば指先の感覚だけでスムーズに操作できた。
RunFreeに限らず、金属製のヘッドバンドが首の後ろを通っているタイプのイヤホンは、寝ながらまたはヘッドレスト付きの椅子に座りながらは使用しにくい。
外で使う分には非常に快適なRunFreeだが、自宅でダラダラとしながら使う用途にはあまり向いていないので、自身がどういったシーンで使いたいかは具体的にイメージしておこう。
音質:「ラムダ型音響空間」で低音を強化
続いて、RunFreeの音質についてレビューしていく。
16.2mmのダイナミックドライバーの搭載や低音を引き出しやすい独自の「ラムダ型音響空間」などの採用により、オープンイヤータイプの弱点でもある低音の重厚感がしっかりと補われている。
一般的なカナル型のイヤホンほどの重低音とは言い難いものの、スカスカした印象はなくしっかりと全体のサウンドを引き締める程度のレベルには達している印象だ。
中音域やボーカルなどもクリアに伸びて聞こえるので、インスト曲や歌ものなどジャンルを選ばずにさまざまな音楽を楽しめる。
もちろん、オープンイヤー型なので音楽や動画などの音声を再生している間でも周囲の音は自然と耳に入ってくる。
子供やペットの様子を気に掛けながらオンライン会議に出席したり、インターホンに注意しながら動画を見たり、車に気を配りながらランニングしたりなど、カナル型イヤホンでは難しかった使い方ができるのが魅力だ。
音漏れは?
オープンイヤータイプのRunFreeの購入を検討するにあたって、気になるのが音漏れの有無だろう。
RunFreeの場合、音漏れするかしないか?と問われれば間違いなく音漏れはする。しかし、音の出口が突き出た独自の音導管技術の採用により音漏れが抑えられており、一般的な開放型イヤホンを使用している場合とほとんど遜色ないと感じる。
自分でもOpenFreeを外した状態で音楽を流してチェックしてみたが、音が聞こえるものの特別漏れ過ぎている感じはしない。極端に周りに迷惑をかけるほどの音漏れではないため安心してほしい。
電車のような騒音レベルが高い環境では必然的に音量を上げざるを得ないため、特に人との距離が近くなりがちな満員電車や人混みなどでは一般的なイヤホン同様に気を遣えば問題ないはずだ。
ノイズキャンセリングで快適通話
RunFreeには音声通話用のマイクが合計で4基内蔵されており、音声通話用のENCノイズキャンセリング機能も搭載されている。
実際に何度か通話を試してみたところ、確かに相手から聞こえる音もこちら側から相手に届ける音声もノイズが気になることはなかった。
RunFreeは、音楽を聴くだけではなくリモートワークやオンライン授業などの用途にもおすすめできる。
バッテリー:十分長持ち
スペックシートによると、RunFreeは最大約14時間連続で使用できると謳われている。
実際にRunFreeを使用し、バッテリーがゼロになるまでの時間を計測して電池持ちを検証した。
経過時間 | バッテリー残量 |
---|---|
0分 | 100% |
2時間 | 80% |
4時間 | 80% |
6時間 | 60% |
8時間 | 50% |
10時間 | 30% |
12時間 | 20% |
14時間 | 10% |
結果は表の通りで、公称値通り約14時間は問題なく利用できる。1日2~3時間使う程度であれば、数日間は充電せずに使用できるはずだ。
ちなみに、RunFreeの充電ポートは装着した際に耳裏あたりになる場所に搭載されている。
端子の形状はUSB Type-Cで、充電用のケーブルが付属しているのも嬉しいポイントだ。似た形状の骨伝導イヤホンのなかには充電コネクタに独自規格を採用している場合もあるが、RunFreeはType-Cなのでほかのイヤホンやスマホ用の充電ケーブルを共有できる。
防水&マルチポイントにも対応
RunFreeは、名前に「Run」と付いていることからもわかるようにランニング中に使いやすいように設計されている。
具体的に何がランニング向きかというと、防水に対応していることだ。スピーカー部分はIPX4、ほか全体はIPX7に対応している。
部位によって防水レベルが異なるのは少し分かりにくいが、低い方(IPX4)を基準と考えても汗や軽い雨などによって濡れる程度であればほとんど気にならないはずだ。
また、マルチポイント接続に対応している点も見逃せない。
RunFreeは、最大で2台までのデバイスと同時に接続できるように設計されている。Androidはもちろん、iPhoneやiPad、Windows搭載のパソコンなどOSも問わない。
パソコンで動画を見ているときにスマホに着信が来ても、マルチポイント接続を利用して両方に接続しておけば接続先をイチイチ切り替える手間をかけずに応答できる。
地味な機能かもしれないが、イマドキはスマホの2台持ちやタブレットとの併用、仕事用にパソコンを持っていることなどは全く珍しくないので、使ってみると以外と便利な機能だと実感できるはずだ。
ほかのオープンイヤー型と比較
筆者がここ最近使ったオープンイヤー型イヤホンとしては、ShokzのOpenFitが挙げられるので簡単に比較していきたい。
RunFreeは左右のイヤホンが繋がった形状を採用しており、OpenFitは完全ワイヤレスイヤホンという点で大きく異なるが、装着感はどちらも快適。
音質にはついてはOpenFitの方に軍配が上がるが、形状的にRunFreeの方が大型のバッテリーを積みやすいからか電池持ちはRunFreeがダブルスコアで優っている。
また、2万円以上するOpenFitに対してRunFreeは1万円を下回るので、予算が限られている方にもRunFreeがおすすめだ。
また、似た形状のモデルとして骨伝導イヤホンのOpenRun Proとの比較も簡単にまとめておこう。
音質については、RunFreeもOpenRun Proもほぼ同等に感じた。フィット感はRunFreeの方が明らかに緩いもののの不快に感じたり使いにくかったりするほどではない。
電池持ちはRunFreeの方が2~3時間程度長持ちする印象。どちらも充電の頻度は抑えやすいが、OpenRun Proは充電コネクタに独自規格を採用している点が少し気になる。
下にRunFree・OpenFit・OpenRun Proの3モデルを簡単に比較した表を掲載しておくので参考にしてみてほしい。
RunFree | OpenFit | OpenRun Pro | |
---|---|---|---|
タイプ | オープン | オープン | 骨伝導 |
音質 | 普通 | よい | 普通 |
装着感 | 普通 | 快適 | 快適 |
電池持ち | 14時間 | 7時間 | 12時間 |
価格 | 6000~7000円台 | 2万円台 | 2万円台 |
まとめ:安価なオープンイヤー型イヤホンならRunFree
以上、SOUNDPEATSのオープンイヤー型イヤホンRunFreeのレビューをお届けした。
音質や装着感、電池持ちなどの要素を及第点以上の水準に仕上げていながら価格は抑えられているので、非常にコストパフォーマンスのよいイヤホンと言える。
- 音質や機能面のこだわりが少ない
- だけどオープンイヤー型イヤホンが欲しい
という方には真っ先におすすめできるイヤホンだ。
RunFreeは、Amazonでは6000~7000円台で販売されている。興味がある方は、ぜひ以下からチェックしてみてほしい。
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