2023年5月26日に発売された新型のファーウェイのスマートウォッチ、HUAWEI WATCH Ultimateのレビューをお届けする。
HUAWEI WATCH Ultimateは、HUAWEI WATCHシリーズのなかでもダントツで高価なプレミアムモデル。Apple Watchで言うところのApple Watch Ultraに相当するスマートウォッチだ。
今回、実際にHUAWEI WATCH Ultimateを使用することができたので、使い勝手やバッテリー持ち、ほかのHUAWEI WATCHと比較したときに高価な本機を選ぶべきかどうか?という点についても率直な意見を述べていくので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてほしい。
製品貸与:ファーウェイ・ジャパン広報
結論:HUAWEI WATCH Ultimateのメリット・デメリット
まず最初に、結論としてHUAWEI WATCH Ultimateのメリットとデメリットをまとめておく。
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HUAWEI WATCH Ultimateはどんな人におすすめか?
HUAWEI WATCH Ultimateは、価格が10万円を優に超えるラグジュアリーなスマートウォッチだ。高性能だから・カッコいいからという理由でおいそれとおすすめはしにくい。
では、HUAWEI WATCH UltimateはほかのHUAWEI WATCHと比較して何がどう違うのか?どんな方におすすめなのか?
結論としては、水深100mのダイビング機能に魅力を感じるかどうか?に尽きる。普段からマリンスポーツを楽しんでいる方にとって、水中で使うことを前提に設計されたHUAWEI WATCH Ultimateは、便利かつ心強いアイテムになってくれるはずだ。
しかし、機能や性能に焦点を当てたとき、HUAWEI WATCH UltimateがほかのHUAWEI WATCHと比較して優れているのは「ダイビング機能」と「探検モード」くらいであるのも事実。
ワークアウトや健康管理機能の精度、バッテリー持続時間などは同等なので、ほかの機種と比較して優位性は少ない。
これら2つの機能を使わないのであれば、半額以下で購入できるHUAWEI WATCH GT 3 Proで十分に満足できるはずだ。
HUAWEI WATCH UltimateとほかのHUAWEI WATCHシリーズの比較は、以下の記事に随時追記していくのであわせてチェックしてみてほしい。
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デザイン:クラシカルなダイバーズウォッチ風
HUAWEI WATCH Ultimateの外観・デザインをチェックしていこう。
ディスプレイサイズは1.5インチで、スクリーンには有機EL、カバーにはサファイアガラスを使用している。
ケースには、耐摩耗性と耐腐食性に優れた堅牢なジルコニウムベースのリキッドメタルが採用されており、過酷な環境でも安心して使用可能だ。
シルバーのケースに深い青のベゼルを組み合わせた、ファーウェイが「ボヤージュブルー」と呼ぶカラーリングとデザインは、まさにダイバーズウォッチのような佇まい。
付属品としてチタン合金ベルトとニトリルゴムブルーベルトの両方が同梱されているので、スポーツシーンでもビジネスシーンでも違和感なく身に付けられる。
ただし、チタン合金ベルトはデフォルトの状態だとかなり太く設計されているので、自身の手首に合わせたサイズ調節はほぼ必須になるはずだ。
HUAWEI WATCH Ultimateは、左上に1つと右側面に2つの合計3つのボタンを搭載している。HUAWEI WATCHはほとんどのモデルが2ボタンタイプだったので、やや珍しい設計だ。
3つのボタンのうち、右上のシステムボタンは回転操作にも対応している。本機の特徴でもあるダイビングモードを実行中は誤操作防止のためにディスプレイのタッチが無効化され回転とボタンのみで操作することになるので、それを見越してボタンの数が多く設計されていると考えられる。
ワークアウト
HUAWEI WATCH Ultimateは、20種類以上のプロスポーツモードと100種類以上のカスタムワークアウトモードに対応している。
ウォーキングやランニングといった定番のワークアウトは自動的に検知されるので、わざわざウォッチを操作しなくても日常的な動作のなかで自然とデータを計測可能だ。
特に、「エクスペディション(探検)モード」と「水深100mまでのダイビング」はほかのHUAWEI WATCHにはない、現状HUAWEI WATCH Ultimateだけの機能となっている。
探検モード
エクスペディション(探検)モードとは、任意のタイミングで位置情報を記録しながら移動できる機能。
従来のHUAWEI WATCHでも登山やハイキング等のワークアウト内で経路の記録やルートバック機能を利用できたが、HUAWEI WATCH Ultimateではそれらの機能がより高機能になって独立した形に近い。
短時間ではあったが実際に試してみたところ記録される位置は非常に正確で、探検モードを頼りにすればスマホでマップを開かなくても問題なく来た道を引き返せそうだった。
探検モード中の画面には時間のほか天気やスピード心拍数に高度などの情報が表示される。
実行中に左上のボタンを押すとDIMモードが有効になり、薄暗い環境でも画面が見やすいように色や明るさが変化するので夜間でも安心して利用可能だ。
ダイビングモード
HUAWEI WATCH Ultimate最大の特徴がダイビング機能だ。
HUAWEI WATCH GT 3 Proが水深30mまでのダイビングに対応しているのに対して、HUAWEI WATCH Ultimateは水深100mまで耐えられる。
- レクリエーショナルダイビング:事前に指定した時間や深さに達するとリマインドされる。初級者向け
- テクニカルダイビング:事前に指定した時間や深さに達するとリマインドされる。中~上級者向け
- スキューバダイビング:深度や温度、潜水時間などのデータを表示するだけのモード
- フリーダイビング:シリンダーなしの素潜り用モード
搭載されているダイビングモードの種類と簡単な紹介は上記の通り。
なお、どのダイビングモードも実行中は誤操作防止のためにタッチ操作を受け付けなくなり、回転式リューズと各ボタンで操作する。
また、一部のモードではダイビング終了後に飛行禁止時間も表示されるなど、細かな部分にまで配慮が行き届いており、「オマケの機能としてダイビングができるスマートウォッチ」ではなく「本格的なダイバーズウォッチ」という印象だった。
前述の探検モードがウォッチ左上のボタンを押すとダイレクトに起動できたのに対して、各ダイビングモードはワークアウトの一覧からアクセスする必要がある。
HUAWEI WATCH Ultimateの目玉機能がダイビングモードなら、探検モードではなくダイビングモードがその特等席に割り当てられてもおかしくないが、どちらを使う方が多いかと考えるとこの仕様が正解だろう。
一応、設定から機能ボタン(右下のボタン)にダイビングモードを割り当てることも可能。目玉機能だからと言ってユーザーに押し付けず、カスタマイズの余地も残してくれている非常に親切な設計だと感じた。
健康モニタリング:高精度でわかりやすい
HUAWEI WATCH Ultimateで利用できる主な健康管理機能は、心拍数・睡眠・血中酸素・ストレスなどのモニタリング。
- 24時間心拍数モニタリング(HUAWEI TruSeen 5.0+)
- 24時間睡眠モニタリング(HUAWEI TruSleep 3.0)
- 24時間血中酸素モニタリング
- 24時間ストレスモニタリング
ほかのHUAWEI WATCHで測定できるデータはほぼ全てHUAWEI WATCH Ultimateでも測定可能だ。
測定したデータをHUAWEI WATCH Ultimateの画面でチェックでき、スマホのHUAWEI Healthアプリからさらに詳しいデータを確認できるのも従来通りだ。
また、水分補給や体重測定、薬の服用など健康管理に関係する日常のアクションをタスク化して生活のルーティンとして定着させることをサポートする「Health Clovers」機能も利用できる。
睡眠モニタリングの精度を検証
心拍数や睡眠データなどの計測値が正確かどうかを確かめるのは難しいが、参考程度の実験として2台のHUAWEI WATCHを装着して睡眠モニタリングを利用し、計測されたデータを比較してみた。
- 右腕にHUAWEI WATCH Ultimate、左腕にHUAWEI WATCH Budsを装着
- HUAWEI WATCH UltimateはGalaxy M23 5G、HUAWEI WATCH BudsはGalaxy S23 Ulraにペアリング
- 各スマホにインストールしたHUAWEI Healthアプリは異なるアカウントを利用
- 1日睡眠を取り認識された睡眠時間やスコアを比較
HUAWEI WATCH Ultimate(右腕) | HUAWEI WATCH Buds(左腕) | |
---|---|---|
睡眠時間 | 6時間16分 | 6時間24分 |
スコア | 77点 | 76点 |
睡眠の内訳 | 深い睡眠:1時間50分 浅い睡眠:3時間21分 レム睡眠:1時間5分 | 深い睡眠:1時間46分 浅い睡眠:3時間37分 レム睡眠:1時間1分 |
検証の結果は画像と表の通り。わずかに差はあるもののほとんど同じ結果が計測されているので、ある程度一定のアルゴリズムに基づいて数値が算出されていることはわかる。
睡眠の深さは自分で確認できないが、実際の睡眠時間とも概ね一致しており個人的には十分信頼に値する機能だと感じた。
スマートアシスト機能
HUAWEI WATCH Ultimateは、ほかのHUAWEI WATCHシリーズやスマートウォッチと同様にスマホをサポートする機能も搭載されている。
通知をチェックしたり音楽をコントロールしたりできるのはもちろん、マイクも内蔵されているのでBluetooth通話も可能だ。
通知:定型文で返信も可能
通知を受け取るアプリは、ヘルスケアアプリから個別に選択できる。
LINEやTwitter、Instagramなどの通知では他のHUAWEIのスマートウォッチ同様にスタンプや画像は表示されず、チェックできるのは文章のみ。
また、SMSやLINEといったメッセージアプリに対しては、定型文または絵文字での返信も可能。定型文はヘルスケアアプリ内の「クイック返信」から自由に追加できるので、よく使う文章を登録しておくと便利に活用できるはずだ。
HUAWEI WATCHシリーズにおけるLINE通知の挙動については、以前さまざまなパターンを検証して公開済みなので以下の記事も合わせてチェックしてみてほしい。
参考HUAWEIのスマートウォッチでLINE通知はどう表示される?返信はできるのか解説
アプリによる拡張性は今後の課題
HUAWEI WATCH Ultimateでは、スマホ側のヘルスケアアプリ内からAppGalleryにアクセスしウォッチ向けのアプリを自由に追加したり削除したりできる。
しかし、インストールできるアプリは少なく、日本語で利用できるサードパーティアプリとなるとさらに限られてしまう。
Google PlayからさまざまなアプリをインストールできるWear OSとは比較するまでもなく、拡張性に関してはかつてGalaxy Watchに搭載されていたTizen OSにも及ばない。
HarmonyOSはまだまだ登場して間もないOSではあるので、今後アプリ開発コミュニティがより活発になるともう少し楽しめるようになるかもしれない。
電池持ち:長持ちで手間なし
HUAWEI WATCHシリーズ最大の特徴である電池持ちのよさは、今作HUAWEI WATCH Ultimateでも健在だった。
約1週間、午前2時のバッテリー残量を記録した表が以下の通り。
- ペアリングしたスマホ:Galaxy M23 5G
- バッテリーチェック方法:HUAWEI WATCH Ultimate本体の表示
- ディスプレイの明るさ:約50%
- 明るさの自動調節:有効
- スリープ:自動
- 画面の点灯:5分(最短設定)
- 画面の常時表示:オフ
- バイブ:強い
- その他:LINE・Twitter等SNS系の通知を有効、数分程度の通話数回、約1時間程度のウォーキングワークアウト数回
日付(時間は6時) | バッテリー残量 |
---|---|
6月4日 | 100% |
6月5日 | 89% |
6月6日 | 81% |
6月7日 | 73% |
6月8日 | 65% |
6月9日 | 54% |
6月10日 | 47% |
1週間でほぼ50%のバッテリーが消費されており、通常使用で約14日間持続するというスペックシートとほぼ一致した。
週末に1回だけ思い出したように充電しておけば、バッテリーが残り少なくて困るという事態はほとんど防げるはず。
スマートウォッチながら充電のストレスがないのは、HUAWEI WATCH UltimateおよびHUAWEI WATCHシリーズの魅力的なポイントだ。
ワイヤレス充電にも対応するものの…
HUAWEI WATCH Ultimateはワイヤレス充電に対応しており、付属の充電器のほか一般的なワイヤレス充電器も利用できる。
しかし、筆者が試してみたところ、PITAKA MagEZ Slider 2の背面やサムスンのWireless Charger Trioなどでは、HUAWEI WATCH Ultimateを乗せると反応こそするものの頻繁に途切れてしまい、長時間の充電はできなかった。
ワイヤレス充電器によっては上手く充電できない可能性があるので、基本的には付属の充電器を使うつもりでいた方がいいだろう。
お得に購入するなら公式ストアのチェックも忘れずに
「HUAWEI WATCH Ultimate」は、Amazonや楽天、Yahoo(PayPayモール)など定番ECサイトのほか、公式オンラインストア「HUAWEI STORE」 からも購入できる。
ファーウェイの公式ストアは、セールが実施されていたり頻繁にクーポンが配られていたりなど、チェックしていると意外とお得なキャンペーンが多く実施されているので見逃せない。
HUAWEI WATCH Ultimateをお得に購入したい場合は、Amazonや楽天などの定番ショップに加えてぜひ公式ストアもチェックしてみてほしい。
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