2023年5月24日に正式販売がスタートしたファーウェイのスマートウォッチ、HUAWEI WATCH Budsのレビューをお届けする。
HUAWEI WATCH Budsは、スマートウォッチのなかに完全ワイヤレスイヤホンが格納されているスパイグッズのようなワクワク感のあるガジェット。2023年2月1日よりクラウドファンディングが実施されており、目標予約台数に到達したことでこのたびの正式販売に至った。
今回、実際にHUAWEI WATCH Budsを使用することができたので、スマートウォッチとワイヤレスイヤホンの融合はそもそも便利なのか?各ガジェットとしての使い心地はどうなのか?という点についても率直な意見を述べていくので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてほしい。
製品貸与:ファーウェイ・ジャパン広報
結論:HUAWEI WATCH Budsのメリット・デメリット
まず最初に、結論としてHUAWEI WATCH Budsのメリットとデメリットをまとめておく。
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スマートウォッチとTWSが融合した画期的なガジェット
HUAWEI WATCH Budsは、スマートウォッチに完全ワイヤレスイヤホンが内蔵されている非常にユニークなガジェットだ。
スマートウォッチ×完全ワイヤレスイヤホンというアイディアは、実は少なくとも2018年頃から具体的に構想されていたことが分かっている。
というのも、2018年にファーウェイがワイヤレスイヤホンを収納できるスマートウォッチの特許を取得しており、当サイトでも簡単に取り上げていた。
イヤホンを収納する構造はHUAWEI WATCH Budsとは微妙に異なるものの、イヤホンの形状は似ているのでこれらの特許がベースとなっている可能性は十分に考えられる。
また、完全ワイヤレスイヤホンを収納できるスマートウォッチは度々クラウドファンディングに登場しており、当サイトでもWearbudsをレビューしたことがある。
こういった過去の特許や同じコンセプトの別デバイスを知っているからこそ、HUAWEI WATCH Budsのスマートウォッチとして全く違和感のないデザイン・サイズ・形状にはとにかく驚いた。
同時期に発売されたHUAWEI WATCH Ultimateと並べてみても、腕時計として全く違和感のない見た目に仕上げられている。
HUAWEI WATCH GT 3 ProやUltimate以外のHUAWEI WATCHと比べるとやや厚みはあるものの、装着時の違和感も少なく、パッっと見ただけでこの中にワイヤレスイヤホンが格納されていると思う人はほとんどいないのではないだろうか。
左側面にボタンはなく、右側面中央にはリューズ風のボタンが1つ設けられている。
ウォッチケースは1300℃で焼成されており、頑丈で質感も上々。開閉用のケースボタンリューズには格子模様のクルードパリ加工も施されており、全体的に高級感のある仕上がりだ。
本体下部のケースボタンを押すとディスプレイが跳ねあがり、中の完全ワイヤレスイヤホンにアクセスできる仕組み。
イヤホンはマグネットでディスプレイの裏がに固定されているので、開閉の過程で落としてしまう心配はほとんどない。
付属のストラップはレザータイプで、サイズは22mm。
なお、HUAWEI WATCH Budsはベルトも含めて防水に非対応なので注意が必要。水泳やダイビングといったウォータースポーツのワークアウトは搭載されておらず、シャワーや手洗いなどの日常的なシーンでも水濡れには気を配る必要がある。
一応、内部のイヤホンのみIP54の防水に対応している。
HUAWEI WATCHとしての使い勝手
HUAWEI WATCH Budsのスマートウォッチとしての機能は、ほかのHUAWEI WATCHシリーズとほとんど変わらない。
通知の確認や音楽のコントロールなどに対応しているほか、ウォッチフェイスを変更して腕時計としての見た目もカスタマイズできる。
ワークアウト
80種類以上のワークアウトモードやいくつかのプロスポーツモードを搭載しており、身に付けながらトレーニングするだけでさまざまな情報を取得できる。
実際に屋外ウォーキングのワークアウトを試してみたところ、心拍数や距離、消費カロリーに加えて速度やペースなどさらに詳しい情報を記録できた。
HUAWEI Healthアプリを使用すると記録した情報をビジュアルに確認できるのでモチベーションを維持しやすく、体力づくりやダイエットなどにも使えそうだ。
また、位置情報のトラッキング精度も高く実際のルートとほぼ一致していた。
健康モニタリング
健康管理機能もほかのHUAWEI WATCHシリーズと同等で、心拍数・ストレス・血中酸素・睡眠などを測定可能。
HUAWEI WATCH Ultimateのレビュー記事にて、HUAWEI WATCH Budsの睡眠モニタリングを比較した結果を掲載しているのでぜひチェックしてみてほしい。
ワイヤレスイヤホンの性能
ここからは、HUAWEI WATCH Buds内に格納されているワイヤレスイヤホンについてチェックしていく。
特徴的なのは、イヤホン内に収めるためにかなりコンパクトに設計されているという点。イヤホンではなく耳栓と言われても違和感のないサイズだ。
イヤホンのサイズ | イヤホン単体の重量 |
---|---|
21.8 mm × 10.3 mm × 10.3 mm | 約4 g |
実際、音楽を聴くときは耳に押し込むようにセットするので、装着のスタイルも耳栓に近い。形状がシンプルなうえ小型かつ軽量な設計のため装着時の違和感は少なく、ストレスを感じることはなかった。
また、左右の区別がなくどちらのイヤホンをどちらの耳に装着するかが完全に自由である点もユニークなポイントだ。
音質
HUAWEI WATCH Budsのイヤホンは、コンパクトなボディに4つのマグネットと平面振動板ドライバーを内蔵し音質が高められているとのこと。
実際にさまざまな音楽を聴いてみたところ、音の傾向としては全体的にフラットでどちらかというと低音域よりも中音域・高音域が強い印象だった。
ほかのFreeBudsシリーズと比較するとさすがに情報量や解像感などは及ばず、各楽器やボーカルなども平面的に聞こえるので奥行きはやや物足りない。
しかし、ハイレゾのような明らかな高音質を望まないのであれば全く問題ないレベルの音質に達しているのも事実。
目立ったよさはないものの逆に明らかな欠点もなく、「スマートウォッチ内に格納できる便利なイヤホン」として考えると十分なクオリティだと思う。
ノイズキャンセリングはオマケ
HUAWEI WATCH Budsのイヤホンを使っていて唯一残念だったのは、ノイズキャンセリングがほとんど無意味だったこと。
確かにノイズを低減できるものの、その効果は非常に薄い。ノイズキャンセリングを有効にするよりも音楽のボリュームを1~2段階上げた方が効果的な場面もあり、正直なところあまり実用性はないように感じた。
サイズ的に限界があったとは思うので、もし後継モデルが出るのであれば改善を期待したいポイントだ。
電池持ち
HUAWEI WATCH Budsは、内蔵のワイヤレスイヤホンにバッテリーを供給しているためかほかのHUAWEI WATCHシリーズと比較すると電池持ちはあまりよくない。
約3日間、午前2時のバッテリー残量を記録した表が以下の通り。
- ペアリングしたスマホ:Galaxy S23 Ultra
- バッテリーチェック方法:HUAWEI WATCH Buds本体の表示
- ディスプレイの明るさ:約50%
- 明るさの自動調節:有効
- スリープ:自動
- 画面の点灯:5分(最短設定)
- 画面の常時表示:オフ
- バイブ:強い
- その他:LINE・Twitter等SNS系の通知を有効、イヤホンは3日間で30分程度使用
日付(時間は6時) | バッテリー残量 |
---|---|
6月4日 | 100% |
6月5日 | 58% |
6月6日 | 11% |
3日間で約90%のバッテリーが消費される結果となった。スペックシートによると通常使用した場合のバッテリー持続時間が3日間なので、ほぼ公称値通りだ。
ワイヤレスイヤホンの電池持ち
内蔵イヤホンの連続駆動時間も検証してみた。
経過時間 | ノイズキャンセリング:オン | ノイズキャンセリング:オフ |
---|---|---|
0分 | 100% | 100% |
1時間 | 左:64% 右:62% | 左:76% 右:74% |
2時間 | 左:34% 右:32% | 左:53% 右:57% |
3時間 | 左:7% 右:4% | 左:27% 右:32% |
4時間 | – | 左:6% 右:8% |
結果は、ノイズキャンセリングを有効にすると約3時間、無効にすると約4時間で、スマートウォッチ同様スペックシート通り。
ワイヤレスイヤホンとしては正直心許ないバッテリー持ちだが、スマートウォッチに格納できるという利便性とトレードオフとも言える。
また、これまで当サイトで検証してきたファーウェイのワイヤレスイヤホンのバッテリー持ちと比較してみると、FreeBuds 3と同等でありFreeBuds 3iよりも長持ちであることもわかる。
新しいモデルと比べると、ノイズキャンセリング有効時の電池持ちはFreeBuds 5と30分程度しか差がないので、サイズ感の割にはかなり健闘している部類だ。
参考HUAWEIのワイヤレスイヤホンFreeBudsを比較。おすすめはどのモデル?
ワイヤレス充電にも対応するものの…
HUAWEI WATCH Budsはワイヤレス充電に対応しており、付属の充電器のほか一般的なワイヤレス充電器も利用できる。
しかし、筆者が試してみたところ、PITAKA MagEZ Slider 2の背面やサムスンのWireless Charger Trioなどでは、HUAWEI WATCH Budsを乗せると反応こそするものの頻繁に途切れてしまい、長時間の充電はできなかった。
ワイヤレス充電器によっては上手く充電できない可能性があるので、基本的には付属の充電器を使うつもりでいた方がいいだろう。
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ファーウェイの公式ストアは、セールが実施されていたり頻繁にクーポンが配られていたりなど、チェックしていると意外とお得なキャンペーンが多く実施されているので見逃せない。
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