Galaxy Note10+ レビュー。ディスプレイ・カメラ・Sペンなど全ての進化を感じられる1台に | プラスガジェット
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Galaxy Note10+ レビュー。ディスプレイ・カメラ・Sペンなど全ての進化を感じられる1台に

4.5

2019年、サムスンのフラッグシップモデルであるGalaxy Noteシリーズは2つのモデルで展開されました。従来の大型ハイエンドモデルに位置付けられるGalaxy Note10+と、コンパクトモデルとなるGalaxy Note10の2モデルです。

このうち日本市場に投入されたのはGalaxy Note10+のみであり、わざわざこちらに”+”が付けられているようにサムスンはGalaxy Note10を下位モデルとするのではなく、Galaxy Note10+を上位のプレミアムなモデルとして位置づけ差別化を図ろうとしているように感じます。

両モデルの違いは別の記事にまとめてありますが、メインのスマートフォンとして使うつもりなら迷うことなく国内で正式に販売されているGalaxy Note10+一択。これまでGalaxy Note8を2年間愛用してきた筆者ですがこの度Galaxy Note10+を約2週間程使うことができましたので、本記事では大きく変わったデザインから、Noteシリーズの特徴であるSペンの機能、カメラやバッテリー、パフォーマンスなどその特徴や魅力をレビューしていきたいと思います。

※本記事で使用しているGalaxy Note10+は、Galaxy Harajukuの企画にてレンタルしたものになります。

追記
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Galaxy Note10+のデザインをチェック。ギラギラしない、上品な鏡面仕上げ

Galaxy Note10+のブラック

まずはGalaxy Note10+の外観をザっと見回して、デザインをチェックしていきます。

筆者が今回手に取ったカラーはAura Black(オーラブラック)。日本でGalaxy Note10+を取り扱っているキャリアはau(SCV45)とdocomo(SC-01M)の2社ですが、オーラブラックは唯一どちらでも取り扱っているカラーになります。

Galaxy Note10+のディスプレイ

”ブラック”という名称こそ付いているもののいわゆる真っ黒とは全く異なるかなり独特な色合いで、自分の顔がハッキリと写る程綺麗な鏡面仕上げになっています。画像を見て分かるように見る角度によっては濃く深いブルーのような色合いにも見えるため、写真や動画でこのカラーを正確に伝えることは非常に難しいのが歯がゆいです。

続いて前面。上下左右共に極限までベゼルが削られたことによって幅いっぱいまでディスプレイが広がり、上部には大きなノッチの代わりに一般的にパンチホールと称されるインカメラが存在。

ディスプレイサイズは6.8インチ。筐体サイズは先代のGalaxy Note9(6.4インチ)とほぼ同じではありますが、パンチホールを採用することで筐体サイズを維持しつつ表示領域の拡大に成功しています。

さすがの大画面のため本機を片手で操作をすることは正直なところかなり厳しめ。Sペンによる手書き操作が念頭に置かれているためにSシリーズと比較すると角ばったデザインが採用されており、そのおかげか手に持った時のホールド感は良いのですが、角の部分に手の平の一部が触れてしまい思わぬタイミングで誤タップをしてしまうシーンを何度か経験しました。

電源ボタン・音量ボタンは左に集約

しかしそれは無理に片手で指を伸ばして操作しようとしたときが大半。Sペンという唯一無二の武器もあることですし、横着せずに両手を使えば全く問題はなさそうです。

電源ボタンと音量ボタンは、ディスプレイを正面に見て左側面に集約。これらのボタンは従来モデルでは右側面に配置されていたため、Galaxyユーザーであれば若干の違和感を覚えるポイントかもしれません。筆者も使い始めは無意識に右サイドを指でなぞっては首を傾げていましたが、数日使っているうちに体が覚えてくれましたので問題は無さそうです。

かつて電源ボタンとの押し間違いを誘発させ評判が悪かったBixbyボタンはリストラに。個人的にBixbyボタンは事実上の”bxActionsボタン”として活躍させていたので多少の物足りなさを感じたのも事実です。

ちなみに本機では電源ボタンはサイドキーと呼ばれ、電源ボタンとしての役割とリストラされたBixbyボタンを兼ねるキーとなっています。デフォルトではサイドキーを1回押すことで画面スリープ、長押しでBixbyを起動、2回押すことでカメラを起動、といった動作が割り当てられ、音量ダウンボタンとの同時押しで電源ボタンとなります。

底面部

底面部にはもちろんUSB Type-Cポートが搭載。その隣のスピーカーグリルは小型ですが、Dolby Atmosに対応し臨場感のある音を楽しむことが可能です。

カメラ周辺

右端にはNoteシリーズの要であるSペンが収納されています。

カメラ周辺をチェックしてみると、深度測定用のToFカメラ”DepthVisionカメラ”はフラットに収まっていますが、それ以外のトリプルカメラは多少出っ張っていることがわかります。気になる場合は薄型のケースなどを装着した方が良さそうです。

Galaxy Note10+用のケースとしては、Galaxy Note8の時から愛用していた薄型軽量で多機能なPITAKAのMAGCACEがオススメです。

圧巻のフルディスプレイ。パンチホールの印象は?

Galaxy Note10+のパンチホールカメラ

Galaxy S10シリーズから採用されたパンチホールと呼ばれるインカメラの配置方法。Galaxy S10シリーズでは右上に配置されていたパンチホールカメラですが、Galaxy Note10+では中央へと変更になっています。

iPhoneを始めとした大型のノッチを搭載したディスプレイは、多くの場合使っているうちに慣れて気にならなくなると言われています。実際、筆者はHUAWEI P20 Pro程度のノッチであれば存在感は薄いとすら感じていたほどで、その傾向はパンチホールでも同様。

真っ白な壁に付いてしまった染みのごとく気になる存在かと懸念していたパンチホールですが、1週間もしないうちにあっさりと受け入れることができましたのでそこまで気にする必要はないかと思います。ただし、パンチホールの”高さ”分のスペースは結局アイコンの表示にしか使われないため、ノッチとの見た目のギャップのわりに実際の表示領域はそこまで大差がないという点は理解しておきたいところです。

ノッチ無しのフルディスプレイスマートフォン3機種
ノッチ無しのフルディスプレイスマートフォン3機種。左からZenFone 6、Galaxy Note10+、Reno 10x Zoom

パンチホールの採用によりさらにベゼルレス化が進んだ結果、Galaxy Note10+はほとんど”手の平にディスプレイが広がっている”ように感じる程の圧巻なフルディスプレイを実現。本機同様にインカメラの位置に工夫を凝らすことでノッチが存在しないフルディスプレイを実現したASUSのZenFone 6、OPPOのReno 10X Zoomと並べて見たところ、サイドのエッジスクリーンと角ばったデザインも手伝って本機が最もベゼルを感じさせない、インパクトのある見た目に仕上がっていることがわかりました。

また、ただ画面が大きいだけでなく最大輝度が高い点にも注目。上記画像の3機種のうちZenFone 6のみ液晶ディスプレイを採用していますが、直射日光下で最も画面が見やすかったのが有機ELを採用したGalaxy Note10+という結果でした。

精細でキレイであることは当然として広い表示領域のおかげで一度に表示できる情報量が多く、さらに不利な条件下でも明るく見やすい、Galaxy Note10+は非常にハイクオリティで満足度の高いディスプレイを備えています。

ディスプレイ下指紋センサーは遅くはないが早くもない

背面にも前面にも見当たらなかった指紋センサー。フルディスプレイ化を実現するためにこの生体認証を諦めるメーカーもありますが、Galaxy Note10+の場合はディスプレイ下層に指紋センサーを内蔵することでフルディスプレイと指紋認証を両立。

画面内指紋認証
Always on DisplayをONにすることで指紋センサーの位置が常に表示される

超音波式の指紋センサー採用していると聞くと何やら凄い機能のように思えますが、センサーに触れてから開錠されるまでの速度や指紋の読み取り精度はそこまで高いとは感じず。一見するとスムーズに認証できているようにも見えるのですが認証速度はロック解除される際のアニメーションで上手くごまかしている感じが拭えず、同機能を搭載した中国系のスマートフォンの方がスピード感は優秀に思えます。

筆者が試したことがある画面内指紋認証搭載端末で認証の速度・精度の順位を付けるとすると

Reno 10X Zoom、Reno A >  Galaxy Note10+ >>> R17 Neo
といったところ。R17 Neoとその他の3機種の間には明確な壁があり、RenoシリーズとGalaxy Note10+の差はわずか。指紋認証は中国のお家芸なイメージはまだまだ抜けそうにありません。

Sペン。画面オフメモがカラフルになるも進化は控え目

画面オフメモが5色で書けるように

Sペンの便利さは今更語る必要はないかと思いますが、今作では「手書き文字のテキスト化」「画面オフメモを5色のカラーで書ける」等の機能が追加されています。

筆者がSペンの機能で最も気に入っている機能が、端末からSペンを引き抜くだけで即座にメモが取れる画面オフメモ。「これあとでやっておこう」「あ、このワードで検索してみよう」と不意に頭に浮かんだ出来事を瞬く間に忘れてしまうことがたまにあるのですが、画面オフメモにサッと残しておくだけであのモヤモヤした時間をかなり減らすことができています。

そんな画面オフメモは従来黒背景に白い線を引くことしかできませんでした。しかし本機では白の他赤・青・緑・黄色の合計5色から色を選んでメモが取れるように進化。素早くメモが取れることがウリの機能のためあまりカラフルにすることはないかと思いますが、強調した部分だけ色を変えることができるようになるだけで随分とメモが見やすくなります。

メモのテキスト化については個人的にはあまり使いどころが見つからず。筆者のように細かい走り書きを大量に残す人もいればキッチリとした文章を残し整理している人などメモの使い方はユーザーによって様々で、後者のような使い方をしている場合は威力を発揮しそうな機能です。

画像や動画に手書き文字を挿入したり、スクリーンショットを保存したりといった機能は従来通り。Sペンというハードそのものはカメラアプリ使用時のジェスチャー機能の追加とバッテリーの改善くらいしか進化はしておらず、注目すべきな新機能は特に見当たらないのも事実。今まで通り便利であることに変わりはなくSペンがあるからこそのNoteであることも間違いありませんが、Sペンの機能向上に期待して買い変えるほどではないというのが本音です。一応「てがき手帳」というdocomo版のアプリはそれなりに進化したことで若干利便性が向上しているのですが、今後はSペンそのものよりもそれを活かすアプリの充実に期待したいところです。

また、端末のサイズがあまり変わっていないためか、内蔵されるSペンのサイズもGalaxy Note8の時代からほぼ据え置き。個人的にはもう少し長く、もしくは太くなってくれれば扱いやすさが段違いに良くなると思っているのですが、”内蔵できる”という最高のギミックのためには贅沢は言えないのかもしれません。

Galaxy Note 10+のクアッドカメラを試す

Galaxy Note 10+は深度測定用のToFカメラ”DepthVisionカメラ”を含んだクアッドカメラ仕様。これにより従来静止画でのみ利用可能だった背景ボケを生み出すライブフォーカス機能を、「ライブフォーカス動画」として動画撮影時にも適用可能になりました。

 

Galaxy Note 10

Galaxy Note 10+

背面カメラ
  • 12MP 広角カメラ(F1.5 – F2.4可変絞り)
  • 16MP 超広角カメラ(F2.2)
  • 12MP 望遠カメラ(F2.1)
  • 12MP 広角カメラ(F1.5 – F2.4可変絞り)
  • 16MP 超広角カメラ(F2.2)
  • 12MP 望遠カメラ(F2.1)
  • DepthVisionカメラ

また、広角カメラと望遠カメラに加えてトレンドである超広角カメラも搭載しています。

カメラ作例。ライブフォーカスはあと1歩

超広角カメラの作例
広角カメラの作例
望遠カメラの作例
暗所撮影の作例

画角の参考に上から順に超広角・広角・望遠で撮影した作例をどうぞ。Galaxyらしい鮮やかな色彩と超広角カメラ特有の歪みの相性が良く、適当にシャッターを切るだけでも中々迫力のある写真に仕上がります。

ライブフォーカスの作例

暗所の撮影も全く問題なし。これくらいの明るさがあれば夜中であってもオート撮影で十分キレイに仕上がります。

ライブフォーカスでGalaxy Watch Active2を撮影。これくらい被写体がハッキリしていればかなり自然な背景ボケとなります。

しかしGalaxy Note8の時から感じていたライブフォーカス機能の撮影条件の厳しさはそれほど改善されておらず、中でも被写体との距離の調整はかなりシビア。あくまでもポートレート撮影を想定しているためかテーブルフォトなどでは被写体が定まらず、画面に表示される「被写体との距離を調整してください」という旨の通知に促されるまま中々シャッターが切れない、というシーンもしばしば。

これが新機能のライブフォーカス動画になると背景ボケは作ってくれるものの今度は精度がイマイチで、こちらもやはり被写体が人でなければ真の効果は発揮できなさそうという結論に。素の状態のカメラで撮影した写真や動画のクオリティには大変満足していますが、ライブフォーカスに限って言えばファーウェイのアパーチャやOPPOのポートレートの方が精度も使い勝手もワンランク上のように思えます。

大容量バッテリーだが燃費はイマイチ

4,300mAhと比較的大容量なバッテリーを搭載した本機ですが、数値のわりにバッテリー持ちはそこまで良くない印象を受けました。

朝の8時にバッテリーが100%の状態で出社、夜の8時過ぎに帰宅して残量は概ね20%~30%で、特段減りが早いわけではないですが使えば使うだけモリモリと減っていくイメージ。高輝度な大画面を搭載していることに加えて、指紋認証を利用していた場合指紋センサーの位置を把握するためにAlways on DisplayをONにすることがほぼ必須なため、その分バッテリーの消耗は早かったのだと思います。

意外と使えるワイヤレスパワーシェア

S10シリーズから搭載された他のGalaxyデバイスをワイヤレスで充電できる「ワイヤレスパワーシェア」は本機にも搭載。筆者は毎日Galaxy Watch Active2を使っているのですが付属の充電器の使い勝手が良いとは言えず、特に出先での充電はGalaxy Note10+のワイヤレスパワーシェアを使った方が手軽で便利だと感じました。

ちなみに、バッテリー残量が0%のGalaxy Watch Active2を残量100%のGalaxy Note10+の上に乗せ「ワイヤレスパワーシェア」で充電させたまま一晩放置していたところ、Galaxy Note10+の残量は49%になっていました。

まとめ

たった2週間程度ですが、Galaxy Note10+を使ってみて率直に感じた良い点とイマイチな点は以下の通り。

良い点

  • デザイン
  • 明るく大きいディスプレイは最高レベル
  • スピーカーの音量・音質
  • メインレベルの超広角カメラ
  • 5色に増えた画面オフメモ
  • ワイヤレスパワーシェア
  • ハイパフォーマンス

イマイチな点

  • パンチホールの利点が少ない
  • 指紋認証の速度がいまひとつ
  • Sペンのジェスチャーの使い勝手
  • ライブフォーカスの適用条件と精度

元々Noteシリーズが好きということもありますが、個人的にはかなり満足のいく端末でした。端末デザインと他を圧倒する迫力のディスプレイ、カメラ性能などはその存在を理由に本機の購入を検討してもいいくらいで、特にベゼルレスになったことによって味わうことができる、手の平にディスプレイだけが広がるような感覚は是非とも一度体験してもらいたいです。

発売日と本体価格

Galaxy Note10+にはau版(SCV45)とdocomo版(SC-01M)がありますが、どちらも10月18日に発売済み。au、docomoそれぞれでの価格は以下の通り。

  au docomo
実質支払額 59,400円 80,784円

※auは「アップグレードプログラムDX」、ドコモは「スマホおかえしプログラム」適用時の最安額

コメント

ひがし

平成6年生まれの男。趣味はガジェット・テニス・料理・スターウォーズ・カードマジックなど。ペンギンとオカメインコが大好き。

当サイトでは主にGalaxyを中心に様々なガジェットのリークやニュース、レビューなどをお届けしています。今は完全ワイヤレスイヤホンにご執心。