4月27日に、国内のOPPOスマートフォン3機種に対してAndroid 10およびColorOS 7のアップデートが一気にリリースされました。
アップデートの対象となったスマートフォンは、Reno 10x Zoom・Find X・R17 Proの3機種。Reno 10x Zoomは2019年7月、Find Xは2018年11月、R17 Proは2018年12月にSIMフリーモデルとして発売されました。
本記事では、上記スマートフォンに新たに搭載されることとなったColorOS 7について、先代のColorOS 6と比較しながらその機能や特徴をまとめています。
OPPO製スマートフォンの購入を検討している場合、多くの媒体で「OSに癖がある」と評価されているのを目にするかと思います。最新バージョンであるColorOS 7が一体どのようなOSであるのかを知るのに本記事が少しでも参考になれば幸いです。
なお、最新のColorOS 7については以下の記事を参考にしてください。
▶ColorOS 7の新機能や特徴まとめ。ColorOS 6との違いを比較
ColorOSとは?
まず初めに、ColorOSとは何なのか?という点について簡単に解説しておきます。
ColorOS(カラーオーエス)とは、中国のスマートフォンメーカーOPPOによって開発されたAndroidベースのカスタムROMのこと。時期によってバージョンが異なりますが、OPPO製のスマートフォンのほぼ全てがColorOSを標準搭載しています。
「ColorOS」という名称からAndroidとは全く異なるOPPO独自のOSと勘違いされることもあり、OPPO製スマートフォンのレビューを公開した際には筆者のTwitter宛に「Androidのアプリは使えますか?」といったDMが来たこともあります。もちろんベースはAndroidですので、Google Playを始めとしたGoogle系サービスは全て利用可能です。
標準のAndroidに比べてデザインには大幅に手が加えられているため、基本的な操作自体はAndroidと変わらないものの見た目の印象は結構違うかと思います。
ColorOSの特徴
ColorOSの特徴としては余白の取り方やボタンサイズなどが大胆で、非常に見やすく操作しやすいことが挙げられます。
一方で、ユーザーが個別に設定しないとほとんどのアプリのキャッシュを容赦なく削除したり、見境なくバックグラウンドでの動作を停止するために通知が届かなかったりといった、かなりお節介な省電力機能も特徴と言えるでしょう
また、「ColorOSはiOSにそっくり」という評価も頻繁に見かけます。アプリアイコンがデフォルトではホーム画面に一覧表示されるためにそう思われているのかもしれませんが、設定からドロワー表示も選択可能ですし、ホームアプリも変更可能です。
ColorOS 7の新機能とColorOS 6からの変更点
ここからはColorOS 7にて追加または改善された機能を、一部ColorOS 6と比較しながらチェックしていきます。
ダークモードに対応
ColorOS 7はAndroid 10をベースとしているため、Android 10の新機能であるダークモードに対応しています。
設定から[ディスプレイと輝度]へ進み、[ダークモード]をオンにすることで、有効化できます。なお、ColorOS 6では[ディスプレイと輝度]内にダークモードの設定項目そのものが存在しません。
スマートサイドバーのデザインと機能
スマートサイドバーは、ColorOSに搭載されている、サイドから内側に向かってスワイプすることで呼び出せるランチャー機能。
同機能はColorOS 7へのアップデートに伴い、アプリをドラッグすることで直接画面分割機能が利用可能になったほか、フローティング表示対応のアプリをアイコン表示にして最小化できる機能にも対応しました。
使い心地としては、Galaxyシリーズに搭載されていたアプリのウィンドウ化機能に非常に近い印象を受けました。
スクリーンショットの機能
ColorOS 6にも3本指でスワイプすることによるスクリーンショットの保存機能は存在していましたが、ColorOS 7では同機能がさらにパワーアップしています。
具体的には、
- 指3本の長押し ⇒ 任意の位置までスワイプ:指定した範囲のみのスクリーンショットを撮影
- 指3本の長押し ⇒ 画面下までスワイプ:スクローリングスクリーンショット(画面外のページ全部を含めたスクリーンショット)を撮影
といった機能が追加されました。
また、スクリーンショット撮影直後には画面左下にプレビューが表示されるようになりました。このプレビューを上にドラッグするとそのスクリーンショットを共有し、下にドラッグするとスクローリングスクリーンショットが撮影可能です
ナビゲーションジェスチャー
Android 10には左右のスワイプに戻るボタンの機能を割り当てることが可能ですが、ColorOS 6では一足先にその機能が実装されていました。
さらにColorOS 7では、画面左右から内側にスワイプした状態でキープすると前のアプリんモデル機能が追加されました。
同機能は、設定から[便利ツール] ⇒ [ナビゲーションボタン]へと進み、[以前のAppにスイッチ]の項目を有効化することで利用可能になります。実際にスワイプした状態を保持していると前のアプリのアイコンが表示されるため、どのアプリに戻るかが視覚的にわかりやすくなっています。
ホーム画面でスワイプダウン
ColorOS 6では、ホーム画面上でスワイプダウンを行うとグローバル検索の入力画面が出現しますが、ColorOS 7ではグローバル検索・通知センターの表示の2択から選択可能になりました。
ホーム画面のアイコンやウィジェットがない場所を長押しして上記の設定画面を呼び出し、[ホーム画面でスワイプダウン]をタップしグローバル検索か通知センターの展開を選択します。
ゲーム実況も可能な画面録画機能(画面記録)
従来までのColorOSでは限定的な機能であった画面録画機能が、「画面記録」として非常に自由度の高い使いやすい機能として正式に搭載されました。
クイック設定パネルからいつでも画面録画を開始できます。設定からは動画の向き(縦・横)や解像度のほか、システムサウンドとマイクサウンドを録音するかどうかをそれぞれオン・オフ可能。
また、フロントカメラを用いた動画撮影も同時に可能なので、ColorOS 7搭載スマホが1台あれば、すぐにスマホゲームの実況や配信が可能になります。
初心者・高齢者向けの簡単モード「シンプルモード」
初心者や高齢者、その他誰にとっても操作しやすいスマートフォンとなるために、文字やアイコンが大きく表示されるシンプルモードも搭載されました。
ホーム画面の設定からシンプルモードを選択することで適用可能。ホーム画面のアイコンや文字、設定やクイック設定パネルなどの各種システムが全て一回り大きく表示されるため、見やすくかつ操作もしやすくなります。
デザインなどその他の変更点
そのほか全体的なデザインも微妙に変更されています。
設定アプリやクイック設定パネルのボタンが小さくなっていたり、パスコード入力時の数字キーが片手操作しやすいように画面下側に寄っていたり、画面録画時に一時停止機能が追加されたりなどが確認可能です。
また、OPPO・vivo・Xiaomiのスマートフォン同士でファイルを共有し合える、中国メーカー版Airdropとも言えるOPPO ShareもColorOS 7で実装されました。
ColorOS 7を搭載したOPPOスマートフォン一覧【2020年7月更新】
現在国内で販売されている主なOPPO製スマートフォンのColorOSバージョンを以下にまとめておきます。
機種名 | ColorOSバージョン |
---|---|
R11s | ColorOS 3.2(Android 7) |
R15 Neo | ColorOS 5.2.1(Android 8) |
R15 Pro | ColorOS 6.0.1(Android 9) |
R17 Neo | ColorOS 6.0.1(Android 9) |
R17 Pro | ColorOS 7(Android 10) |
AX 7 | ColorOS 5.2(Android 8) |
Find X | ColorOS 7(Android 10) |
Reno 10x Zoom | ColorOS 7(Android 10) |
Reno A | ColorOS 6.0.1(Android 9) |
A5 2020 | ColorOS 6.0.1(Android 9) |
Reno3 A | ColorOS 7.1(Android 10) |
Find X2 Pro | ColorOS 7.1 (Android 10) |
Reno3 5G | ColorOS 7.0(Android 10) |
2020年7月時点では、R17 Pro、Find X、Reno 10x Zoom、Reno3 A、Find X2Pro、Reno3 5Gの6機種がAndroid 10およびColorOS 7を搭載しています。そのうちReno3 A、Find X2Pro、Reno3 5Gの3機種はColorOS 7を初期搭載しています。
次は2019年の大ヒットモデル、Reno AのColorOS 7へのアップデートに期待したいです。
勘違いされやすいColorOSの仕様
以下では、ネット上やリアルの友人から聞いたColorOSおよびOPPO製スマートフォンに関する勘違いを取り上げます。
詳しい方にとっては「そんなこと考える奴いないだろ」と思われるようなことも含まれているかもしれませんが、iPhone以外のスマートフォンのことをよく知らないという方もまだまだ多くいるので、いろいろな勘違いが発生するようです。
OPPOスマホはAndroidアプリをインストールできない?→できます
冒頭でも述べましたが、日本で正式に販売されているOPPOスマートフォンは、全てGoogle PlayストアからAndroidアプリをインストールして利用可能です。
「ColorOS」という名称がAndroidやiOSと同列の独立したOSであるという印象を与えているようです。ColorOSはAndroidベースのカスタムROMの一種なので、サムスンGalaxyのOne UIやファーウェイのEMUI、XiaomiのMIUI、ASUS ZenFoneのZenUI等と同じようなモノだと思って問題ないかと思います。
筆者の友人は「中国のスマートフォン=Googleが使えない」のイメージからこの勘違いをしていたようです。上記の通りOPPO Japanから販売されている機種は全てAndroidアプリやGoogle系サービスに対応しています。
OPPOスマホはホームアプリ(ランチャー)を変更できない?→できます
ネットでよく見かける勘違いの1つです。
多くの他社製スマートフォンではホームランチャー系のアプリをインストールすると、デフォルトのホームアプリとどちらを利用するか選択するポップアップが表示されますが、ColorOSではそれがないために誤解されているものと思われます。
OPPOスマートフォンのホームアプリ変更方法についての詳細はこちらから
▶OPPOスマートフォンのホームアプリ・ランチャーアプリを変更する方法
OPPOスマホはドロワー表示ができない?→できます
実際昔のOPPOスマートフォンではドロワー表示ができませんでした。しかし、ColorOS 6.0以降、ドロワーモードが実装されました。
ホーム画面モードにドロワーモードが追加されています。ColorOS 6.0以降のOPPOスマホをお持ちの方はチェックしてみてください。
OPPOスマホはアップデートされない?→アップデートされるようになってきました
当初OPPOはソフトウェアアップデートに非常に消極的でしたので、間違った認識ではありません。
しかし近年発売されたOPPOスマーフォンは約1ヶ月に1回のペースでセキュリティパッチの更新がリリースされています。
また、最新のフラッグシップモデルと合わせて1年以上前に発売されたスマーフォン2台もまとめてAndroid、ColorOSの更新が実施されているので、以前ほどアップデートされない印象は薄れてきたかと思います。
OPPOスマートフォンのアップデート状況は以下の記事で随時更新しています。OS更新や不具合関連など重要なアップデートの場合は個別に新着記事も公開していますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
以上、ColorOS 7の新機能とColorOS 6との違いについてのまとめでした。
ColorOS 7を軽く触ってみた感触としては、また一から慣れなければいけないような箇所もなく、おおむね良いアップデートという印象。ジェスチャー機能の強化やパスコード入力時の数字キーの位置の変更など、片手操作がしやすくなるような変更が多かったようにも感じます。
ただし、OPPO製スマートフォンに癖があると言われる原因の1つであるキャッシュ周りやフォンマネージャーなどにはこれといった変更が加えられていないようなので、その点のみ注意が必要です。
コメント
ColorOS6でもOPPO Shareはありますよ。
ColorOS6でもOPPO Shareはありますよ。