EarFunテクノロジー株式会社から10月17日に発売された新型の完全ワイヤレスイヤホン、EarFun Free 2Sのレビューをお届けする。
EarFun Free 2Sは100万台売れた大人気のFreeシリーズ最新作であり、EarFunらしい5000円以下の低価格が特徴の完全ワイヤレスイヤホンだ。
本記事では、EarFun Free 2Sを実際に使用して音質や操作性、電池持ちなど検証しレビューしていく。包み隠さずありのままをお伝えするので、ぜひ最後まで読んで頂ければ幸いだ。
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製品提供:EarFunテクノロジー株式会社
結論:EarFun Free 2Sのよい点・悪い点
まず最初に、EarFun Free 2Sを使ってみた結論を。よいと感じたポイントとイマイチだと感じたポイントは以下の通りだ。
デメリット
- 質感は価格相応
- ノイズキャンセリングは通話時のみ
メリット
- ひたすらに安い
- IPX7の防水
- バランスに優れた音質
- アプリによる柔軟なカスタマイズ
- ワイヤレス充電対応
デザインと質感:可もなく不可もなく価格なり
EarFun Free 2Sの外観とデザインをチェックしていこう。
本機は、ブラックの1色のみで展開されている。ケースの形状は長方形で、上から見ると親指程度の厚さしかない、スリムな形状が特徴だ。
ケースの素材はプラスチック。表面のつや消し加工のおかげでぱっと見は高見えするものの、触れてしまうと指先からチープな質感が伝わってしまう。
実際、EarFun Free 2SはAmazonで約5,000円以下(クーポン込み・執筆時点)で販売されているため、安っぽいというよりは価格相応の質感だ。
ケースを開いた様子がこちら。
イヤホンの周囲には適度にスペースが設けられているので、イヤホンをスムーズに出し入れできる。
装着感
イヤホン本体は丸みのあるタイプで、軸が伸びたAirPodsよりもGalaxy Budsに近いスタイル。イヤホンの種類としては、イヤーピースを耳に押し込むカナル型だ。
フィット感は良好で、落ちそうになったり痛みを感じたりなどのストレスはない。
軽量なうえワイヤレスイヤホンとしては上位レベルのIPX7の防水にも対応しているので、軽いランニングやウォーキングのときに使うイヤホンとしても申し分なさそうだ。
音質:ボーカル重視のバランス型
EarFun Free 2Sの音質は、低音も高音もバランスのよく感じられるニュートラルなタイプ。
低音のなかでは特にドラムの音にしっかりとした安定感と深さが感じられ、響くよりも全体を引き締めているイメージに近い。
逆に高音域はやや目立ちにくく、よく言うとクリア、悪く言うとパッとしない印象。キラキラとした明るい高音を求めている場合には、やや物足りないと感じるかもしれない。
高音域が控えめな分、ボーカルがハッキリと際立っている点はメリットでもある。低音・高音としっかり分離されていながらシームレスに繋がっており、十分な存在感も感じられた。
ちなみに、EarFun Free 2Sの対応コーデックはSBC・AAC・aptXの3種類。今回は、Galaxy Note20 Ultraとペアリングし、Amazon Music UnlimitedからUltra HD対応の楽曲を再生し検証している。
なお、後程詳しく紹介するが、EarFun Free 2Sはアプリからイコライザーのカスタマイズも行える。音の細部までこだわりたい方は、ぜひイコライザー調節にもチャレンジしてみてほしい。
低遅延モード
EarFun Free 2Sには、ゲームや動画視聴時に便利な低遅延モードも用意されている。
実際、ゲームモードを有効にすると明らかに遅延が改善されていることを体感できた。ゲームモードオフの状態ではワンテンポ遅れて聞こえていた音が、多少スムーズに聞こえるようになる。
タッチ操作
左右のイヤホンにはタッチパネルが搭載されており、スマホを取り出さなくてもさまざまな操作を行える。タッチ感度はよく認識される範囲も広いので、違和感なくスムーズに操作できた。
1回タップに割り当てられている機能が音量調節なので、不意に指がふれてしまっても曲が止まりにくい点も好印象だった。
対応している操作と機能が多いので覚えるのが大変なのは、メリットでもありデメリットでもある。一応、アプリによるカスタマイズに対応しているため、使いやすいように調節も可能だ。
機能 | 左耳側の操作 | 右耳側の操作 |
---|---|---|
音楽の再生/停止 | ダブルタップ | ダブルタップ |
曲送り | トリプルタップ(前の曲) | トリプルタップ(次の曲) |
ボリュームアップ | – | 1回タップ |
ボリュームダウン | 1回タップ | |
音声アシスタント起動 | – | 2秒間タップ&ホールド |
ANC / 外音取り込み / ノーマルモードの切り替え | 2秒間タップ&ホールド | |
低遅延(ゲーム)モードのオン・オフ | トリプルタップ | |
着信の応答・終話 | ダブルタップ | ダブルタップ |
EarFun Free 2Sが対応しているタッチ操作は表の通り。
アプリによるカスタマイズに対応しているのは、「1回タップ」と「ダブルタップ」「トリプルタップ」「長押し」の4種類。
「ダブルタップ」「トリプルタップ」「長押し」は、
- 一時停止
- 前の曲
- 次の曲
- 音声アシスタント起動
- ゲームモード
の6項目から機能を選択できる。
「1回タップ」のみ選択できる機能が異なり、
- 無効
- 音量を上げる
- 音量を下げる
- 前の曲
- 次の曲
の5種類となっている。
イヤホンの付け外しの際、指が触れて機能が暴発してしまうのがストレスに感じる場合は、無効に設定すると快適。実際、筆者は「1回タップ」に無効を設定している。
専用アプリに対応:イコライザーで音質をカスタマイズ
EarFun Free 2Sは、「EarFun Audio」という独自のアプリに対応している。
本機専用のアプリというわけではなく、複数のEarFun製イヤホンの登録に対応しており、例えば以前レビューしたEarFun Air Sも同じアプリから設定を変更可能だ。
本アプリでできることは、主に
- ゲームモードのオン・オフ
- イコライザーのカスタマイズ
- タッチ操作のカスタマイズ
- ファームウェアの更新
- バッテリー残量のチェック
など。特に使用頻度が高いと思われるイコライザーの設定やゲームモードのオン・オフは、トップの画面からアクセスできるように配慮されており、使いやすいと感じた。
イコライザーでは、「低音ブースト」「高音ブースト」「低音を弱める」「高音を弱める」という4つのプリセットが用意されている。
また、6種類の周波数帯を+-各10段階で自由にカスタマイズも可能。音質にとことんまでこだわりたい人も好みの音質を追求できそうだ。
また、イコライザーのプリセットを10個まで作成し保存できるのも魅力。デフォルトの4つと合わせると、14個のイコライザープリセットを素早く切り替えられる。
約5,000円の完全ワイヤレスイヤホンとしては、間違いなくトップクラスに機能が充実している。
電池持ち
公式サイトによると、EarFun Free 2Sは1度のフル充電で約7時間連続で音楽を再生できるとのこと。
そこで、実際にEarFun Free 2Sを使用してバッテリーがゼロになるまでの時間を計測し、電池持ちを検証した。
- 接続端末:Galaxy Note20 Ultra
- 使用アプリ:Amazon Music Unlimited
- コーデック:aptX
経過時間 | バッテリー残量 |
---|---|
0分 | 100% |
1時間 | 90% |
2時間 | 70% |
3時間 | 50% |
4時間 | 40% |
5時間 | 20% |
6時間 | 10% |
6時間30分 | 0% |
結果は表の通り約6時間30分でバッテリーが切れた。ほぼ公称値通りといったところだ。
ノイズキャンセリングに対応していないワイヤレスイヤホンとしては標準的で、特別長くも短くもない。
電車や飛行機での移動、ランニングやウォーキングといったトレーニングなど、EarFun Free 2Sを使うシーンはさまざま想定できるが、多くの場合途中で充電を挟む必要がなく安心して使用できるはずだ。
ワイヤレス充電もOK
個人的に嬉しかった仕様は、Qi規格のワイヤレス充電に対応していること。
デザインの紹介でも触れたように、EarFun Free 2Sの充電ケースはかなり細身だ。
ワイヤレス充電用のコイルを実装するスペースもかなり限られていたと想像できるが、EarFunのイヤホンはエントリーモデルでも欠かさずにワイヤレス充電に対応してくれるので、その点は非常に評価できる。
ちなみに、ケースの充電にかかる時間は、有線の場合約2時間、ワイヤレスの場合は約2.5時間だった。
まとめ:EarFun Free 2Sはこんな人におすすめ
以上、EarFun Free 2Sのレビューをお届けした。
EarFun Free 2Sの魅力は、何と言っても価格の安さ。ノイズキャンセリングやマルチポイントといった上位機種向けの機能は搭載されていないものの、シリーズ共通アプリに対応することで格安モデルながらタッチ操作やイコライザーのカスタマイズといった自由度の高さを実現している。
予算は限られているけれど音にはできるだけこだわりたい方、日常的に多少乱雑でもガシガシ気軽に使えるようなイヤホンが欲しい方は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
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