EarFunから10月30日に発売された完全ワイヤレスイヤホン、Free Pro 3のレビューをお届けする。
Free Pro 3は当初8月末の発売予定だったものの、急遽ノイズキャンセリング機能の改善を実施するために発売が延期され10月末の発売となった。
本機の特徴は、
- 1万円を切るお手頃価格ながら
- ノイズキャンセリングに対応し
- ハイレゾ相当の音質
- EarFunでは珍しい3色展開
など。
本記事では実際にEarFun Free Pro 3を利用し、音質やノイズキャンセリングの性能、バッテリー持ちなどの使用感を詳細に検証しレビューする。
購入を検討している場合は、ぜひ参考にしていただければと思う。
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製品提供:EarFunテクノロジー株式会社
EarFun Free Pro 3のメリット・デメリット
まず最初に、EarFun Free Pro 3のメリットとデメリットをまとめて掲載する。
各項目をクリック or タップすると詳細を解説している箇所までジャンプできるので、活用しながら読み進めてほしい。
EarFun Free Pro 3の概要
まずはじめに、EarFun Free Pro 3とはどういった完全ワイヤレスイヤホンなのか?という点について簡単に紹介しておこう。
本製品は、名称からもわかるようにEarFun Free Pro 2の後継機にあたるモデル。
1万円を切る低価格やスリムかつコンパクトなケースサイズといった特徴は維持したまま、ノイズキャンセリングの性能がわずかに向上。
また、待望?のaptX Adaptiveに対応したことでハイレゾ相当の音質を楽しめるようにもなっている。
EarFun Free Pro 3の主なスペックは、以下の表を確認してみてほしい。
スペック
製品名 | EarFun Free Pro 3 |
---|---|
サイズ | 67mm x 26mm x 30mm |
重量 | 5g(イヤホン単体)、41.5g(ケース込み) |
Bluetoothバージョン | Bluetooth5.3 |
対応コーデック | aptX Adaptive / LC3 / SBC / AAC |
バッテリー容量 | イヤホン:40mAh x 2 充電ケース:420mAh |
電池持続時間 | ノーマルモード:最大約7.5時間 ANCモード:最大約6時間 |
充電方法 | USB Type-Cポート / ワイヤレス充電 |
ANC(アクティブノイズキャンセリング) | 対応 |
外音取り込み | 対応 |
マルチポイント | 対応 |
装着検出 | 非対応 |
防水防塵 | IPX5相当の防滴 |
デザインと質感
まずはFree Pro 3のデザインや質感などを中心にチェックしていこう。
Free Pro 3は、EarFunの完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しくブラウンブラック・シルバーホワイト・ネイビーブルーの3色で展開されている。
ほかに多色展開されているのはEarFun Air Pro 3くらいなので、ある程度力の入ったモデルであると推察できそうだ。
今回メーカーから送ってもらったカラーは、最もベーシックなブラウンブラック。
名称にブラウンと付いてはいるものの、イヤホン本体を傾けて光の当て方を変えたときにほんのりブラウン味があるかな?という程度なので、ほとんどブラックだと思っていただければ間違いない。
ケースは完全ワイヤレスイヤホンとしてはかなり小さく、そして細い。
指1~2本分程度のスリムな設計なので、同シリーズを知っている筆者もパッケージを開けるとあらためて「小さい!細い!」という感想を抱いたほどだ。
ちなみに、前モデルのEarFun Free Pro 2と今作Free Pro 3を並べてみるとこんな感じ(左がFree Pro 2、右がFree Pro 3)。Free Pro 3の方が一回り大きくなっているが、ほとんど誤差と言っていいレベルだろう。
また、Free Pro 2は蓋の下部分に色味の異なるパーツが配置されたツートンデザインだったが、Free Pro 3はシンプルな統一感のあるデザインに変更されている。
質感は変わらずマットな手触りで、最大限安っぽさを軽減したような仕上がりだ。
蓋を開けると、イヤホン本体が横に並んだ状態で収納されている。
蓋は大きく開くので取り出しにくさは全くない。
また、イヤホンの収納されている向きが装着時の向きと同じなので、取り出してから耳に付ける、耳から外して収納するという一連の動作が非常にスムーズに行えるのも配慮が行き届いていると感じた。
イヤホン本体の画像がこちら。
角のまるい長方形に近い形状を採用しており、EarFunのロゴがある中央部分はタッチセンサーになっている。
装着感はやや甘め
実際に耳に装着してみるとピッタリとハマる感覚が少なく、多少甘いように感じた。
イヤホンがすぐに耳から落ちてしまうというほどではないものの、ランニングのような動きながらでの使用にはやや不安が残るというのが正直な感想だ。
交換用のイヤーピースは5サイズ(XS~XL)付属しているほか、イヤーウィングのアリ・ナシも選択できるので、これらのオプションを活用して自身の耳にあわせたカスタマイズは必須かもしれない。
音質
Free Pro 3の対応コーデックは、aptX Adaptive / LC3 / SBC / AACの4種類。
AACに対応しているのでiPhone・iPadでも高音質なサウンドを再生できるほか、aptX Adaptiveに対応したことで一部のAndroidスマホと組み合わせればハイレゾ相当の音質(96kHz/24bit)を体験できる。
実際にAmazon Music Unlimitedでさまざまな楽曲を再生してみたところ、ハイレゾらしい大量の情報がドッと流れ込んでくるような感覚を楽しめた。
音の傾向はFree Pro 2に近く、華やかな中高音域と存在感のあるボーカルが特徴的。
やや高音を強調気味な部分もあったが安っぽさや嫌味な雰囲気はなく、全体的にバランスよくまとめられている印象だ。
Earfunイヤホンに共通して利用できるアプリ「Earfun Audio」を利用すれば、イコライザーの調節も可能。
イコライザーを自由に細かく調節して保存できるほか、複数のプリセットも用意されているので、コンテンツや好みにあわせた使い方ができる。
- Rock
- Pop
- Country
- R&B
- Classical
- Jazz
- 低音ブースト
- 高音ブースト
- 低音を弱める
- 高音を弱める
アプリについての詳細は、後程詳しく解説する。
ノイズキャンセリングと外音取り込み
1万円を切る低価格ながら、実用的なノイズキャンセリングに対応しているのもFree Pro 3の魅力だ。
スペックシート上では、最大で43dBのノイズを低減できると謳われている。Free Pro 2は最大40dBだったので、わずかではあるが性能は向上しているようだ。
実際に使用してみたところ、パソコンのファンやエアコンなどの音はほとんど聞こえないレベルまでカットできる。
一方、人の話し声やキーボードのカチャカチャ音などが苦手なのはあまり変わっておらず、それなりに貫通して聞こえてきた。
ただし、音楽を流さずに使ったときの「サー」というホワイトノイズは大幅に改善されていたので、耳栓的な役割としてはFree Pro 3の方が圧倒的に使いやすくなったと言える。
「Earfun Audio」アプリを使っている場合、ノイズキャンセリングを有効にすると「耳適応」という画面が表示される。
これは、耳道にあわせてノイズキャンセリングの効果を最適化してくれるもので、デフォルトを含めて合計で4種類用意されている。
個別のカスタマイズには対応していないので、ノイズキャンセリングを4モードから選べる感覚に近い。いくつか使ってみて、自身に一番あうと感じたモードを選択可能だ。
外音取り込み機能はかなり自然で、不自然に増幅されたような違和感は全くない。イヤホンを付けていない状態のフラットな音を、ほんの少しだけボリュームアップして聞かせてくれる。
イヤホンを付けた状態で駅のアナウンスを問題なく聞き取れるし、コンビニレジでの簡単な会話もスムーズに行えた。
アプリとタッチ操作
Free Pro 3は、EarFunのほかのイヤホンでも共通して使えるアプリ「Earfun Audio」に対応している。
- iPhone向け:App Store
- Android向け:Google Play
- イコライザーの調節
- キーのカスタマイズ(タッチ操作の変更)
- ゲームモードのオン・オフ
- マルチポイント接続
アプリを起動するとログインボタンが表示されるので、一見するとログインが必須なように見えるが、「キャンセル」⇒「ログインをスキップ」と進むとアカウントを作成せずに利用できる。
記事初出時、「Earfun Audio」アプリの利用にはログインが必須として紹介していましたが、実際には上記の通りログインをしなくてもアプリを利用できます。
お詫びして訂正いたします。
キーのカスタマイズ
アプリを使うと、タッチ操作をカスタマイズできる。
カスタマイズできる動作はタップ・ダブルタップ・トリプルタップ・長押しの4種類。各動作に割り当てられる機能は以下の通りだ。
- 音量を上げる
- 音量を下げる
- 前の曲
- 次の曲
- 再生 / 一時停止
- 音声アシスタント
- ノイズキャンセルモード切替
- 無効
- 音量を上げる
- 音量を下げる
- 前の曲
- 次の曲
- 再生 / 一時停止
- 音声アシスタント
- ゲームモード
- ノイズキャンセルカスタマイズ
- 無効
左右のイヤホンそれぞれの動作に別々の機能を設定できるので、自由度はかなり高い。
ただし、イヤホンがタップを認識するエリアが中央付近限定で比較的シビアだったので、スムーズにコントロールするには多少慣れが必要だとも感じた。
ゲームモードのオン・オフ
ゲームモードはタッチ操作からオン・オフできるほか、アプリの画面からも簡単に有効化できる。
しかし、有効化してみても個人的にはあまり大きな違いは感じなかった。
これは決して悪い意味ではなく、ゲームモードが無効のデフォルト状態でも遅延がかなり抑えられていたため。
FPSやリズムゲームなど音が重要なゲームを快適にプレイするのは難しいが、動画やゲームのエフェクト程度であればゲームモードのオン・オフに関わらずほとんど違和感がなかった。
デュアルデバイス接続
アプリ起動後に右上の歯車アイコンをタップし、「デュアルデバイス接続」に進むとFree Pro 3を2台のデバイスと接続できる。
いわゆるマルチポイント接続なので、片方で動画を視聴しながらもう一方にかかってきた着信にシームレスに応答する、といった使い方が可能だ。
ただし、実際に2台のスマホに接続してみたところやや接続が不安定になりやすく途切れてしまいやすいと感じたので、できるのであればアップデートでの改善に期待したい。
バッテリー持ち
Free Pro 3のバッテリー持ちについても検証してみた。
スペックシートによると、Free Pro 3はノイズキャンセリングオフだと7.5時間、ノイズキャンセリングオンだと6時間連続で音楽再生が可能だという。
実際に、ノイズキャンセリングオンの状態とオフの状態、それぞれどれくらいのペースで電池が消耗されていくかを検証した結果が以下の通り。
経過時間 | ノイズキャンセリング – オン | ノイズキャンセリング – オフ |
---|---|---|
0分 | 100% | 100% |
1時間 | 90% | 90% |
2時間 | 80% | 80% |
3時間 | 60% | 70% |
4時間 | 40% | 50% |
5時間 | 20% | 30% |
6時間 | 10% | 20% |
7時間45分 | – | 0% |
ノイズキャンセリングを有効にすると約6時間、無効にすると約8時間だった。ほとんどスペックシート通りの電池持ちだ。
ちなみに、充電ケースを併用すると最大で33時間使用できるとのこと。
小型ながらワイヤレス充電対応
バッテリーケースは、背面のUSB Type-CポートのほかQi規格のワイヤレス充電にも対応している。
このスリムなサイズのケースにワイヤレス充電機構を搭載してきた点は、非常に扱いやすく評価できるポイントだ。
Galaxyスマートフォンに搭載されているワイヤレスバッテリー共有でも充電可能。Galaxyユーザーはもちろん、同様の機能を搭載したスマートフォンユーザーであれば別途ケーブルを持ち歩く必要がない。
まとめ
以上、EarFun Free Pro 3のレビューをお届けした。
目立ったデメリットがほとんどなく、音質もノイズキャンセリングの効果もバッテリー持ちも、全て満足のいくラインをしっかりと超えてきている。
そのうえ価格も1万円未満と安く、メーカーやスペックの数値にこだわりがない方には非常におすすめしやすい完全ワイヤレスイヤホンだと感じた。
EarFun Free Pro 3は2023年10月30日に発売済みなので、興味がある方はぜひ以下からチェックしてみてほしい。
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