2019年11月22日にファーウェイが発売したスマートバンド「HUAWEI Band 4」を入手しました。
リストバンド型のアクティビティトラッカーであるHUAWEI Bandシリーズは、2019年3月に登場したHUAWEI Band 3に引き続き本機HUAWEI Band 4が4世代目。
スマートウォッチやスマートバンドなどのウェアラブルデバイスにおける1つの課題である充電方法を、充電端子をバンドに内蔵するという画期的な手段で解決したHUAWEI Band 4。発売の翌年である2020年1月17日には上位モデルに当たるHUAWEI Band 4 Proも日本市場に投入されています。
本記事では、HUAWEI Band 4の基本的な使い方からそもそも何ができるデバイスなのかといった点、バッテリー持ちや充電方法について、LINEなどの通知は受け取れるのかなどについて解説し、しばらく使ってみた所感をレビューとしてお届けします。
なお、今回筆者は同デバイスを購入したのではなく、2019年末に実施されていたキャンペーンに外れた残念賞として受け取っています。
デザインと基本スペックをチェック
まずはHUAWEI Band 4の外観をザっと観察し、デザインをチェックしていきます。なお同デバイスは執筆時点でサクラピンク・アンバーサンライズ・グラファイトブラックの3色で展開されており、筆者が入手したカラーはグラファイトブラックとなります。
“グラファイトブラック”という名称こそ付いていますが、基本的には何の変哲もない一般的な黒という印象。ディスプレイ周辺のみサラサラとしたマットな加工が施されたグレーに近い黒になっています。材質はプラスチックですが、質感は悪くありません。
ディスプレイは約0.96インチ(80 x 160ピクセル)のTFT液晶。ディスプレイ下部にはスマートフォンで言うところのホームボタンや戻るボタンに当たる、タッチ式のホームキーが搭載。その他に本機の操作に用いるボタン類は搭載されておらず、操作はホームキーとタッチパネルのみで行う形となります。
スマートバンド系のデバイスではよくあることですが、本機も商品画像からイメージするよりもディスプレイの表示部が一回り以上小さく、ベゼルがかなり太いです。ホームキーが配置されているディスプレイ下部にスペースを大きく取っていることは頷けますが、上部や左右のベゼルはもう少しだけ小さくしてほしいというのが個人的な見解です。
ラバー素材のバンドには両側ともサイズ調整兼デザインのための穴がビッシリと開けられています。バンドはどちらかというと柔らかめな感触。すべすべとした手触りで、汚れやほこりが付きやすいということもありません。
装着の仕組みは一般的な腕時計と同じで、長さを調節して余ったバンドの先端をループに通して留めるタイプ。Galaxy Watch Active2やWearbudsのような余ったバンドの先端を内側に収納するタイプではないですが、特に使い心地に影響はありません。
腕に装着した様子がこちら。時計型ではないためスマートウォッチと比較して見た目にも装着した感触としてもそこまで存在感がなく、付け心地は上々。本体の厚さが約12.5 mmと時計やバンドとしては若干大きな数値ではありますが、どこかにぶつけてしまったり、洋服の袖が引っかかったりといったアクシデントも無く、快適な装着感と言っていいでしょう。
また、サイズもデザインも主張が控えめなので、利き腕と反対の腕には腕時計、それとは別に利き腕には本機を装着するスタイルも違和感は少ないかと思います。今時は少ないと思いたいですが、ビジネスマンなどでシンプルな腕時計を装着することが推奨されている場合でも、バンド型である本機は腕時計とは別にアクセサリ的な感覚で身に着けられます。
参考までに、Galaxy Watch・Galaxy Watch Active2・HUAWEI Fit・HUAWEI Watch GTとHUAWEI Band 4のサイズ比較がこちら。HUAWEI Band 4は一般的なスマートウォッチと比較して圧倒的にコンパクト。これはあくまでも時計の代替品であるスマートウォッチにはない、大きな強みと言えるでしょう。
HUAWEI Band 4スペックシート
ディスプレイ | TFTカラースクリーン 0.96インチ(80 x 160ピクセル) |
---|---|
対応OS | Android 4.4 以降 iOS 9.0 以降 |
マイクロプロセッサ | Apollo 3 |
充電端子 | USB充電ポート |
バッテリー | 91 mAh |
サイズ(ストラップを除く) | 約56 mm x 約18.5 mm x 約12.5 mm |
重量(ストラップを除く) | 約12 g |
カラー | サクラピンク・アンバーサンライズ・グラファイトブラック |
ケース素材 | フロントカバー: プラスチック ストラップ: シリコンゴム |
センサー | 3軸加速度センサー・赤外線センサー・光学心拍センサー |
通信規格 | Bluetooth 4.2 |
防塵・耐水 | 5ATM(水深50メートルでの耐水性) |
HUAWEI Band 4の機能と使い方。基本はペアリングだけでOK!
続いてHUAWEI Band 4の機能と使い方、使用感を紹介します。
まず使い方ですが、基本的には専用アプリであるヘルスケア(Huawei Health)をスマートフォンにインストールし、ペアリングするだけとなっています。
▶ヘルスケア(Huawei Health)をインストール – Google Play
ヘルスケアアプリを起動後、画面下の[デバイス]をタップ。[追加] ⇒ [スマートバンド] と進み [HUAWEI Band 4]を選択すると、HUAWEI Band 4のペアリングを行えます。
HUAWEI Band 4デフォルトのホーム画面がこちら。Androidスマートフォンからであれば、種類は少ないですがウォッチフェイスも選択可能となっています。
なお、ホーム画面をタップするとバッテリー残量は天気が表示されるようになっています。
縦方向にスワイプすることで「音楽コントロール」「メッセージ(通知)」「その他(設定など)」「ワークアウト」「睡眠時間」「心拍数」「歩数」の画面が順番に切り替わり、それぞれの画面をタップすることで詳細へ進めます。
左から右にスワイプすると前の画面に戻り、ホームキーを押すことでホーム画面へ移動。以上がHUAWEI Band 4の操作方法となります。
- タップ
- 上下、右へのスワイプ
- ホームキー
スワイプはスマートフォンのようにスルスルと慣性が効いているわけではありませんが、画面はしっかりと指に追従しキビキビと動いてくれます。
こちらの画面は、あらかじめ設定した歩数の目標に対して何歩歩いていて、それが目標に対して何%かを表しています。画面をタップすると詳細な歩数・距離・消費カロリーなどが表示されます。
心拍数もHUAWEI Band 4上から測定可能。同時にGalaxy Watch Active2でも心拍数の測定を行ってみましたが、結果は揃うこともあればずれることもあり、意外とまちまち。自身に都合の良い方の結果を信用するしかなさそうです。
一般的にスマートバンドやスマートウォッチの機能は、大きく「アクティビティトラッカー」と「通知の確認」の2種類に分けられます。HUAWEI Band 4の機能もほぼその2種類と捉えていいでしょう。以下に同デバイスで何ができて何ができないのかをザっとまとめてみました。
- 時間と日付の確認
- タイマー・アラーム・ストップウォッチ
- 通知の確認
- 睡眠データ取得
- 歩数・距離・消費カロリー取得(GPSは非搭載)
- 心拍数
- 音楽のコントロール
- 9つのモードのワークアウト
- スマートフォン探索
- ストレス測定
- 通知への返信
- スタンプや画像の表示
- 着信への応答・通話(マイク・スピーカー非搭載)
GPSやストレス測定はGalaxy WatchシリーズやHUAWEI Watch GT 2で利用可能な機能でしたが、本機には非搭載となっています。それでも、スマートバンドとして必要な機能はほぼ網羅されています。
睡眠データと歩数・距離・消費カロリーのログは、本機を装着しているだけで自動的に取得し、上記画像のようにグラフにまとめて表示してくれます。睡眠に関してはその質を判定し浅い睡眠・深い睡眠の細かい時間と全体の割合まで表示。ただ装着しているだけで生活が完全に可視化されます。
歩数の計測も同様で、棒グラフ、具体的な数字、ランニングの・ウォーキング・クライミングの割合をパッと見て分かる形で表示してくれます。先述の通りこれらの情報はHUAWEI Band 4上からも確認できますが、スマートフォンの方が圧倒的に見やすいことは明らか。HUAWEI FITを利用していた時から感じていましたが、ファーウェイのウェアラブルデバイスで取得したデータはとにか見やすいことが特徴であり、強みです。
通知について。LINEは内容もチェック可能
本機のメイン機能の1つが通知のチェック。スマートフォンにインストールしてある全てのアプリからの通知を表示可能で、どのアプリからの通知を表示するかはヘルスケアアプリから設定します。
デバイスからHUAWEI Band 4を選択し、[通知]へと進むとインストールしてあるアプリがズラッと表示されますので、ここから通知を飛ばしたいアプリを設定します。
スマートフォンに届いた通知はほぼ遅延なくHUAWEI Band 4にも届き、体感としてはスマートフォンのバイブが止まる前に本機も振動し始める感覚。
最も多くの人が利用するアプリであるLINEは、上記画像のように送信者名と内容が表示されます。画像やスタンプは「スタンプが送信されました」というテキストのみが表示されるスタイルで、内容も全文ではなくスマートフォンの通知に表示されている部分のみが表示されます。
GmailやSparkといったメールアプリやゲームアプリなど、様々なアプリからの通知を受け取ってみましたが、全てスマートフォンの通知欄に表示されているテキストがそのままHUAWEI Band 4にも表示されると思っていただければ間違いないかと思います。
メッセージへの返信や着信への応答はできませんが(着信時の拒否なら可能)、スマートフォンに届いた通知をスマートフォンを取り出すことなく手元で確認するという通知デバイスとしての役割は期待通りこなしてくれます。
ワークアウト
筆者がスマートバンドに求めていることは睡眠などの日々のデータ蓄積がメインです。そのため個人的には利用する機会が少ないですが、HUAWEI Band 4には9つのワークアウトのトラッキング機能が用意されています。
屋内 / 屋外ランニング、屋外 / 屋内ウォーキング、屋外 / 屋内サイクリング、ローイング、エリプティカル、自由訓練
9つのワークアウトのトラッキングは、どれもスマートフォンを操作せずHUAWEI Band 4から直接スタートさせることが可能です。
バッテリー持ちと充電方法
スマートバンドやスマートウォッチを利用する際のネックとなる要因の1つがバッテリー持ちの悪さですが、HUAWEI Band 4はどうでしょうか。以下に満充電にした後、毎日13時のバッテリー残量を記録した表を掲載しておきます。
HUAWEI Band 4のバッテリー持ち検証結果 | |
---|---|
充電完了 | 100% |
1日経過 | 89% |
2日経過 | 78% |
3日経過 | 66% |
4日経過 | 56% |
5日経過 | 44% |
6日経過 | 35% |
7日経過 | 25% |
8日経過 | 7% |
満充電から8日目にバッテリー残量が0になるという結果でした。また、上記の表から大まかに1日で10%強のバッテリーが消費されていることがわかります。
測定時の同デバイスの設定はHUAWEI TruSleepと心拍数モニタリング (スマートモード)が無効、手首を上げて画面を起動が有効になっている状態でした。
HUAWEIの公式スペックシートによると、上記3つの設定を全て無効にした状態で約9日間の連続駆動が可能とのことですので、結果は概ね公称値通りといったところ。
スマートウォッチは少なくても3日に1回は充電をしなければいけないモデルが多い中、機能は絞られているもののその分1週間は間違いなく安心して使えるバッテリー持ちは非常に魅力的。ただし、スマートバンドの中には2週間以上のバッテリー持ちを実現しているモデルも存在しているため、「少しでも充電頻度を減らしたい」という目的があるのであれば他の選択肢を検討してみてもいいかと思います。
本機最大の特徴と言えるのが充電方法。本機のバンドは両側ともワンタッチで外れるようになっており、ホームキー側にはUSB端子が内蔵されています。そのため片側のバンドを外した本機はそのまま直接USBポートに差し込んで充電を行えます。
筆者が現在所有しているスマートウォッチはGalaxy Watch・Galaxy Watch Active2、HUAWEI FIT・HUAWEI Watch GT・Wearbudsの5種類ですが、これらの充電器は全て独自規格となっており、一切共有することができません。中にはケーブルと一体になった充電器もあり、正直に言って使い勝手はよくありません。
しかしHUAWEI Band 4は自身の充電にケーブルも専用の充電器も必要とせず、PCやモバイルバッテリーなどそこら中に溢れているUSBポートがあればそれでOK。画期的かつ合理的な最高の充電方法だと思います。
まとめ。HUAWEI Band 4 Proの違いを比較
以上、HUAWEI Band 4のレビューをお届けしました。
- 小さくて軽い
- 蓄積されるデータが細かく、見やすい
- 睡眠や歩数などのデータはバンド側からも確認できる
- 専用充電器が不要で直接USBポートに差し込める
- ディスプレイが少し粗い
- スマートバンドの中ではバッテリー持ちは長くはない
- サードパーティ製の交換バンドの数が極端に少ない
もっと多機能なスマートウォッチも多数のモデルが存在しますが、それらと比較してHUAWEI Band 4は本当によく使う機能に厳選して搭載されている印象。あれもこれも、といった使い方はできませんが、多くの人がスマートバンドやスマートウォッチと聞いてイメージするような必須機能はちゃんと網羅されています。
また、充電周り、特に専用の充電器が必要ない、ケーブルも何も持ち歩かなくていい、本体だけで充電ができてしまう仕様に関しては本当に快適で、USB端子を内蔵するギミックは今すぐにでも全てのスマートバンドに取り入れて欲しいくらい便利でした。
ちなみに、HUAWEI Band 4には上位モデルに当たるHUAWEI Band 4 Proも存在します。
HUAWEI Band 4とHUAWEI Band 4 Proの比較 | ||
---|---|---|
HUAWEI Band 4 | HUAWEI Band 4 Pro | |
ディスプレイ | 0.96インチ(80 x 160ピクセル) | 0.95インチ(240 × 120 ピクセル) |
センサー | 3軸加速度センサー 赤外線センサー 光学心拍センサー |
6軸センサー(加速度センサー+ジャイロセンサー) 光学式心拍センサー 装着検知センサー |
GPS | 非搭載 | 搭載 |
バッテリー | 91 mAh 7日から9日の連続使用 | 100 mAh 約12日の連続使用 |
カラーバリエーション | サクラピンク・アンバーサンライズ・グラファイトブラック | ピンクゴールド・シナバーレッド・グラファイトブラック |
価格(執筆時点のAmazon) | 3,245円 | 7,327円 |
HUAWEI Band 4とHUAWEI Band 4 Proの主な違いは上記表の通り。機能やバッテリーについては大きな差はありませんが、個人的にディスプレイが若干荒いことが気になっているので、Proの高解像度化には惹かれています。
価格に差こそありますが、どちらもそこまで高くないので、好みのカラーがある方を選んでしまうのもアリでしょう。
両モデルともAmazonをはじめ主要なECサイトで販売されていますので、ぜひチェックしてみてください。
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